発達障害があっても、声優を目指していいのかな…?
程度によりますが、特性が活きる場面もたくさんありますよ。ひとつずつ見ていきましょう。
声優を目指す中で、自分の発達障害の特性が気になっている人は少なくありません。
結論からお伝えすると、程度や特性の種類によって差はありますが、発達障害があっても声優を目指すことはできます。
この記事では、特性が声優の仕事の中でどう活きるか、現場で困りやすい場面の工夫、相談先まで、順番に紹介していきます。
まずは自分に合う見方を確認できます
発達障害があっても声優になれる?
結論から知りたい人へ



「発達障害があると、声優にはなれないのでは」と不安に思う人は多いはずです。
ですが、発達障害の種類や程度によって、声優の仕事との相性は大きく変わります。
「発達障害があるから無理」と決めつける前に、自分の特性がどんな場面で強みになるかを知ることが、遠回りに見えて一番の近道です。
実際に、声の抑揚や間の取り方に強いこだわりを持つ人、ひとつのことに深く集中できる人など、声優という仕事に向いている特性を持つ人は少なくありません。
一方で、収録現場ならではの「困りやすい場面」があるのも事実です。
この記事では、その両方を具体的に紹介していきます。
大切なのは「発達障害だからできる・できない」で終わらせず、自分の特性を理解したうえで、活かし方や工夫の仕方を考えることです。
発達障害の主な3タイプと
声優の仕事との関係性



発達障害にはいくつかの種類があり、声優の仕事との関係も少しずつ異なります。
ここでは代表的な3つのタイプについて、声優業務との関係を整理します。
【1】ASD(自閉スペクトラム症)の特性と向き合い方
ASD(自閉スペクトラム症)の主な特性には、対人関係や言葉のコミュニケーションが苦手、特定のことへのこだわりが強い、といったものがあります。
声優の仕事は台本を通してキャラクターの気持ちを表現する仕事なので、相手の感情を読み取ることが得意でない場合は難しさを感じやすい面があります。
特定のジャンルやキャラクターへの強いこだわりは、役作りの深さや専門性という武器になることもあります。
台本の設定資料を人一倍細かく読み込む、キャラクターの背景を自分なりに掘り下げる、といった取り組み方は、こだわりの強さがあるからこそできることでもあります。
【2】ADHD(注意欠如・多動症)の特性と向き合い方
ADHD(注意欠如・多動症)の主な特性には、不注意、多動性、衝動性などがあります。
長時間のスケジュール管理や、収録中にじっと待つ場面では苦労しやすい傾向があります。
一方で、瞬発力や行動力の高さは、アドリブや新しい役への挑戦で強みになることがあります。
スケジュール帳やスマホのリマインダーを活用するなど、忘れ物・遅刻を防ぐ仕組みを先に作っておくことで、負担を減らしながら行動力を発揮しやすくなります。
【3】LD(学習障害)の特性と向き合い方
LD(学習障害)は、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」のうち特定の能力に困難が生じる特性です。
台本を読んで理解するまでに人より時間がかかる場合があります。
その分、声に出して繰り返し練習することで、自分に合った覚え方を見つけている人もいます。
台本を事前にもらえる場合は、耳で聞いて覚える・音読を繰り返すなど、自分に合った準備方法を早めに見つけておくと安心です。
発達障害の特性が
「声優の武器」になる場面



こだわりが強いところ、正直コンプレックスだったんです…
その「こだわり」、役作りではすごく武器になりますよ。
発達障害の特性は、見方を変えると声優の仕事で強みになる場面がたくさんあります。
たとえば、感覚の鋭さです。音や声のわずかな違いに敏感な人は、セリフの間や抑揚の作り込みが得意な傾向があります。
ひとつのことへの強いこだわりは、同じセリフを納得いくまで作り込む集中力として活きます。
また、興味のある分野への深い知識や情熱は、そのジャンルの役を演じるときの説得力につながります。
好きなアニメ・ゲームのキャラクターを何度も見返して声色を研究する、というような没頭の仕方は、まさに発達障害の特性が活きる場面のひとつです。
「弱み」だと感じていた特性が、そのまま「武器」になる場面は、声優の仕事の中に確かにあります。
収録現場で困りやすいポイントと
乗り越えるための工夫



どんなに特性を活かせても、収録現場ならではの「困った」に出会う場面はあります。
ここでは、具体的な工夫を紹介します。
曖昧な指示が伝わりにくいときの工夫
「もう少し明るく」「ここはふわっと」のような曖昧な指示は、そのままだと受け取りにくいことがあります。
その場で分からなければ、「たとえばこんな感じですか」と自分で演じて確認するという方法があります。
言葉で聞き返すより、実演して確認するほうが伝わりやすい場合も多いです。
収録前に台本の意図を自分なりにメモしておき、疑問点をまとめて質問するというやり方も、曖昧な指示への不安を減らす工夫になります。
感覚の過敏さ・こだわりとのつきあい方
音や光に敏感で、収録スタジオの環境が負担になることもあります。
事前にスタジオの環境(照明・待機スペースなど)を確認しておく、休憩のタイミングを事務所と相談しておく、といった準備が助けになります。
「困ってから対処する」のではなく「困りそうな場面を先に伝えておく」ことが、現場での負担を減らす一番の近道です。
耳栓やイヤーマフを休憩中だけ使う、待機スペースで一人になれる時間を作ってもらうなど、小さな工夫の積み重ねが現場での安心感につながります。
セルフチェック:自分の特性と
声優の仕事の相性を見てみよう
特性との向き合い方を30秒で確認
今の状況に近いものを選ぶと、この記事でどこから読むべきか整理できます。
特性をオープンにするか、しないか。
事務所とのコミュニケーションの考え方



発達障害のこと、事務所に話した方がいいんでしょうか…?
正解は一つじゃありません。一緒に判断の軸を考えてみましょう。
発達障害があることを事務所やスタッフに伝えるかどうかは、人によって判断が分かれるところです。
伝えるメリットは、収録前に配慮をお願いしやすくなることです。指示の出し方や休憩のタイミングなど、事前に相談できれば現場での負担を減らせます。
伝える・伝えないは義務ではなく、自分と相手との関係性の中で決めることです。
最初から全てを話す必要はなく、「音に敏感なので、休憩を多めにもらえると助かります」のように、具体的な配慮の部分だけを伝えるという方法もあります。
信頼できるマネージャーやスタッフに、少しずつ相談してみるところから始めるのも一つの方法です。
発達障害の診断・特性理解のために
頼れる相談先
自己判断だけで進めるのが不安な場合は、専門の相談先を頼るという選択肢もあります。
発達障害者支援センターは、全国の都道府県・政令指定都市に設置されている公的な相談窓口で、本人・家族どちらでも相談できます。
医療機関での発達検査を受けることで、自分の特性を客観的に整理できる場合もあります。
電話や来所での相談のほか、地域によってはオンライン相談に対応しているところもあるので、まずは近くの窓口を調べてみるのがおすすめです。
「診断がつく・つかない」にかかわらず、自分の特性を言葉にして整理する機会として、こうした窓口を利用するのも一つの方法です。
未経験・特性に不安があっても
挑戦しやすい養成所の選び方



特性に不安があると、養成所選びも余計に緊張します…
だからこそ、間口の広い場所から検討するのがおすすめです。
特性への不安がある場合、まずは「間口の広さ」で養成所を検討するのも一つの方法です。
日本ナレーション演技研究所(日ナレ)は全国12校舎を展開する業界最大手の養成所です。
応募資格は中学卒業程度の学力のみ、入所審査は実技と簡単な筆記試験だけ、費用は無料という間口の広さが特徴です。
「まずは挑戦してみる」というハードルが低い環境からスタートできることは、特性に不安がある人にとって大きな安心材料になります。
じっくり2年間学びたい場合は、代々木アニメーション学院やアミューズメントメディア総合学院(AMG)のような専門学校も選択肢になります。
学校ごとにサポート体制や雰囲気が異なるので、説明会や体験レッスンで実際の空気を確かめてみることをおすすめします。
体験レッスンでは、講師の指示の出し方や教室の雰囲気を実際に確認できます。特性について不安な点があれば、体験レッスンの機会に直接質問してみることをおすすめします。
発達障害の特性と相性が良いとされる
働き方の工夫



声優として活動を続けていく上で、働き方そのものを自分の特性に合わせて工夫している人もいます。
得意なジャンルの役にしぼって集中的に力を伸ばす、収録本数やスケジュールを事務所と相談しながら無理のないペースに調整する、といった工夫です。
特性に合わせた働き方の工夫は、長く声優を続けていくための土台になります。
収録が連続すると疲れが出やすい場合は、あらかじめ余裕のあるスケジュールを組んでもらえないか事務所に相談する、という工夫をしている人もいます。
完璧に「普通」に合わせようとするより、自分に合ったペースを見つけることが、結果的に長く声優を続けるコツになります。
まとめ
発達障害があっても声優になれるのか、迷ったときに思い出してほしいことをまとめます。
特性は、場面によって困りごとにも武器にもなります。大切なのは、自分の特性を知り、活かせる場面と工夫が必要な場面を分けて考えることです。
収録現場での工夫、事務所とのコミュニケーション、相談先の活用など、一人で抱え込まなくても頼れる方法はたくさんあります。
焦らず、自分のペースで、自分に合った声優への道を探していきましょう。
発達障害があっても、声優になることはできます。









