地方出身の声優になりたい方、地元で標準語を使って話していますか?
おそらくなまりがあり、方言で話している方が多いのではないでしょうか。
筆者も福岡県の出身なので、上京したてのときは方言丸出し、なまりまくりでした。
なまりや方言は「田舎者」と思われそうで、恥ずかしくて、なるべくしゃべらないようにしていました。
SNSやネット掲示板でも「声優はなぜ方言を使わないのか」「志望者は方言を抑えるべきか」という疑問はたびたび話題になります。
それだけ、地方出身で声優を目指す人にとって切実な悩みだということです。
声優になるのに、それぞれの地方のなまりや方言は不利になってしまうのでしょうか。
今回は、なまりや方言が声優にとって不利なのか有利なのか、そして武器になっている声優の実例、自分のタイプがわかる診断まで、経験者の視点でご紹介していきます。
方言があるとやっぱり声優には不利なのかな…なまりが抜けなくて不安。
結論から言うね。方言は「不利になる場面」と「武器になる場面」の両方があるの。まずは声優にとって標準語がなぜ必須なのか、順番に見ていこう。
声優となまり・方言、結論は
「不利にもなるし武器にもなる」



結論からお伝えします。方言やなまりは、場面によって「不利」にも「武器」にもなります。全国区のアニメで主役級を演じたいなら、標準語の習得は避けて通れません。
一方で、ご当地キャラや方言指導が必要な役では、方言そのものがスキルになります。
つまり「方言があるから声優は無理」ということは全くありません。
どちらに転ぶかは、あなたがどんな声優を目指すか、そしてどのくらい早く標準語を習得できるかで決まります。
筆者も福岡出身で、上京したては方言丸出しでした。それでも標準語を身につけて仕事を続けられていますし、逆に方言を活かして仕事につながった声優も実際にいます。
この記事では、標準語が必須とされる理由から、なまり・方言を自力で直す方法、方言を武器にしている声優の実例、そして地方在住のまま声優を目指す現実的な選択肢まで、順番に解説していきます。
途中には自分のタイプがわかる簡単な診断も用意しているので、気になる方はそちらから読み進めても構いません。
大事なのは「自分がどちらを目指すか」を早めに決めることです。
声優に標準語が必須とされる
3つの理由



【1】入所試験で見られているのは発音より「直せるかどうか」
声優になるには養成所や専門学校に通うのが基本です。入所試験では漢字の読み・アクセント・表現力を見られますが、アクセントを試験の時点で完璧な標準語にしておく必要はありません。
指摘されてすぐに直せるかどうかを見られているというのが実情です。
逆に言えば、試験官からの指摘を受け流してしまったり、何度言われても同じ癖が直らなかったりすると評価が下がります。「今は方言が出ていても、直す意欲と耳のよさがあるか」が見られていると考えておきましょう。
【2】最初のレッスンはアクセント辞典を持つことから始まる
入所後、最初のレッスンは標準語の言葉の勉強です。ここでまず言われるのがアクセント辞典を買うこと。
プロの声優のおそらく9割以上が持っているもので、現場にも必ず持っていく必須アイテムです。
地方出身者はここでまず、なまりや方言を矯正することが最初の課題になります。
アクセント辞典には、単語ごとに「どの音を高く・低く発音するか」が記号で示されています。
最初は記号の意味すらわからず戸惑う人がほとんどですが、辞典の巻末に読み方の解説があるので、そこから覚えていけば大丈夫です。
【3】全国区のアニメは全国の視聴者に届く言葉で作られている
地方の仕事なら方言のままでも通用する場面はあります。しかし全国区で放送されるアニメは、日本全国の視聴者に向けたものです。
どこの出身であっても、全国区の視聴者にわかる標準語で話すことは声優の必須条件です。
だからこそ「標準語が話せない声優はいない」と言われるのです。
ここでいう標準語は、いわゆる「共通語アクセント」のこと。
生まれ育った地域に関係なく、全国どこの視聴者が聞いても違和感のない発音・イントネーションで話す技術という意味です。
じゃあ結局、私は方言を直すべきなの?活かせるの?どっちなんだろう…
それは人によって違うから、ここで簡単にチェックしてみよう!3つ質問に答えるだけだよ。
【3問でわかる】あなたの方言
直すべき?武器にできる?



ここまで「方言は不利にも武器にもなる」とお伝えしましたが、自分がどちらのタイプかは、方言の強さや目指したい役柄によって変わります。3つの質問に答えて、自分に合ったセクションを確認してみましょう。
あなたの方言、直すべき?活かせる?
3つの質問に答えると、今のあなたに合った対策が分かります。
自力での標準語習得を最優先すべきタイプです。ニュース音読とアクセント辞典から始めましょう。
あなたの方言は武器になる可能性があります。方言を活かす実例を見てみましょう。
迷っているなら、養成所で客観的に判断してもらうのが近道です。
なまりや方言が武器になっている
声優の実例



【1】関西弁・京都弁を活かして活躍する声優
声優のプロフィールを見ると、特技欄に「関西弁」「津軽弁」のように方言を書いている方がいます。
「関西弁を話せる声優」を探している現場では、プロフィールに書いてあることが仕事のオファーに直結することもあります。
関西出身の声優が関西弁キャラの吹き替えやアテレコで重宝されるのは、自然な発音でリアリティを出せるためです。
関西弁は方言の中でもキャラクター需要が特に多く、ツッコミ役やコメディリリーフのキャラで重宝される傾向があります。
【2】博多弁など九州の方言を活かして活躍する声優
筆者自身、福岡出身なので九州弁のキャラクターの演技を聞くと、微妙なイントネーションの違いに気づくことがあります。
作品の作り手が「より自然な方言」を求める場合、最初からその方言を話せる声優が選ばれやすくなります。
九州弁に限らず、津軽弁・沖縄の方言など特徴の強い方言ほど、この傾向は強くなります。
標準語話者が付け焼き刃で真似た方言は、その地域の視聴者にはどうしても不自然に聞こえてしまうものです。
【3】プロフィールに書くと仕事のオファーにつながる仕組み
地方出身であることは、標準語習得の面では苦労が多いものの、なまりや方言そのものは1つのスキルになります。
アニメで方言キャラが登場する際、標準語話者による「なんちゃって方言」より、実際にその方言を話せる声優の方が制作側から求められるケースもあります。
「弱み」だと思っていたことが、そのまま「強み」に変わる可能性があるということです。
また、方言を話せる声優は「方言指導」という専門的な立場で現場に呼ばれることもあります。
標準語話者の声優が方言キャラを演じる際、そのイントネーションが不自然にならないようアドバイスする役割です。
プロフィールに書く際は、「関西弁(大阪)」のように方言の種類と地域まで具体的に書くのがポイントです。
「方言が話せます」だけでは制作側に伝わりにくく、どの方言に対応できるかが明確なほど声がかかるチャンスは増えます。
方言、活かせるパターンもあるんだね!ちょっと安心した。
うん。でも「本気で直したい」ってなったら、次は具体的な方法を見ていこう。
なまり・方言を自力で直す
2つの方法



方言・なまりを直すと決めたら、自力でできることは何でしょうか。ここでは代表的な2つの方法を紹介します。
NHKのアナウンサーは、全国区の標準語を正確に話すよう訓練されています。毎日聞くことで、標準語となまりのアクセントの違いに耳が慣れていきます。鼻濁音など、話し言葉ではほとんど発音されなくなった音にも気づけるようになります。
「あれ?」と思った言葉はアクセント辞典で調べ、実際に発音してみましょう。1回調べたら赤線、2回調べたら青線を引くと、なかなか直らない言葉がひと目でわかるようになります。
筆者も未だにアクセントを忘れる言葉があり、その都度辞典に線を引いています。
地道な作業ですが、続けるほど自分の弱点がはっきり見えてきます。
この2つはお金がかからず、今日からでも始められる方法です。
ただし、自分の発音を客観的に聞く機会がないと、直したつもりでも実際には直っていない、という状態に気づきにくいのも事実です。
本気で直すなら
養成所が早い理由



【1】地方に住んだままだと標準語が定着しにくい構造
自力でなまりを直すのは、難易度が高く根気もいります。英会話教室で英語がある程度話せるようになっても、毎日使わないとすぐ忘れてしまうのと同じです。
地方に住んでいると、周りの人はみんな方言で話しているため、覚えてもまたすぐ元に戻ってしまいます。
養成所であれば、講師が客観的に発音をチェックしてくれるうえ、同じ目標を持つ仲間と標準語で会話する時間そのものが練習になります。
「気づいたら直っていた」という環境をつくれるのが、独学との一番の違いです。
【2】声優の仕事は東京に集中している現実
筆者も最初は地元・福岡で声優の仕事ができないか調べていました。
しかしアニメ・映画・CMナレーションの収録は、実に95%近くが東京のスタジオで行われます。
一流のプロを目指すなら、東京に住むことをおすすめします。養成所は標準語に囲まれた環境で学べる分、自力での矯正よりもはるかに効率がいいのです。
ラジオの仕事は地方収録という場合もありますが、数はごくわずかです。
声優として継続的に仕事を得たいなら、いずれは東京中心の生活になることを見越しておく必要があります。
やっぱり東京に行かないと厳しいのかな…今はまだ難しいんだけど。
焦らなくて大丈夫。今の場所でもできることから始める現実的な進め方もあるから、一緒に見てみよう。
地方に住んだまま声優を目指すことは
できる?現実的な選択肢



「今すぐ上京するのは難しい」という方もいると思います。その場合、まずは地元でできる範囲でNHKニュースやアクセント辞典を使った自主練習を始めつつ、東京の養成所のオンライン説明会や短期集中コースを探すという段階的な進め方もあります。
最初から完璧な標準語である必要はなく、「入所後に直せる伸びしろ」を見せられれば十分です。
今の環境でできることから1つずつ始めて、上京のタイミングを計るのも現実的な選択肢です。
自分の声を録音して、標準語話者に聞いてもらうのも有効です。
身近に頼める人がいなくても、オーディションや体験レッスンの機会を利用すれば、プロの目線でのフィードバックを受けられます。
お笑い芸人やタレントはOKなのに
声優だけ方言がNGなのはなぜ?



お笑い芸人やバラエティタレントは方言のまま活躍しているのに、なぜ声優だけ標準語が必須なのか疑問に思う方もいるでしょう。
お笑い芸人は「その人自身のキャラクター」として方言込みで求められることが多いのに対し、
声優は「役」を演じる仕事で、視聴者に届く言葉が作品の設定・演出として決められています。
全国放送のアニメは基本的に標準語のセリフとして脚本が書かれるため、声優にはその通りに演じる技術が求められるのです。
方言はあくまで「役に必要な場合だけ使うスキル」という位置づけになります。
吹き替え(外国映画・海外ドラマの日本語音声)でも同様に、原則として標準語での演技が求められます。
お笑い芸人がテレビ番組で「素の自分」として評価されるのとは異なり、声優は「求められた言葉を正確に再現する技術者」でもあるのです。
まとめ
地方在住の方は標準語の習得に苦労することも多いですが、なまりや方言は声優としての1つの武器にもなることがわかりました。
標準語と方言、両方を使い分けられるようになれば、仕事の幅を広げるチャンスも増えるでしょう。
今の年齢やすぐに上京するのが難しい環境の方もいると思いますが、今できることを1つずつクリアしていくことが大切です。
まずはこの記事で紹介した診断で、自分が「直すべきタイプ」「武器にできるタイプ」「養成所で見極めるタイプ」のどれに近いかを確認してみてください。
方言があることは、決してマイナスだけの話ではありません。










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