朗読劇ってよく聞くけど、声優のお仕事なの?
そうなの。意外な出演ルートがあるんだよ。
「声優 朗読劇」で検索すると、公演のチケット情報ばかりで、肝心の「出演する方法」がなかなか見つかりません。
この記事では、朗読劇の基本知識から、実在するプロジェクトの紹介、そして声優が朗読劇に出演する具体的なルートまで、実在する情報だけをもとにまとめました。
朗読劇とは?
舞台・アフレコとの違いをわかりやすく解説
朗読劇とは、俳優や声優が台本を手に持ちながら朗読し、そこに音楽の生演奏や照明・効果音を組み合わせて届ける舞台表現です。
セリフを完全に覚えて動き回る通常の演劇とは違い、台本を持ったまま声と表情だけで物語を届けるのが最大の特徴です。
朗読劇の基本形式|台本を手に朗読しながら演じる舞台表現
朗読劇は、演劇と朗読会の「ちょうど真ん中」に位置する表現とよく言われます。
出演者は台本を手に持ったまま舞台に立ち、セリフを読み上げます。動きや衣装は最小限に抑えられることが多く、声の表現力と台本の解釈力が、そのまま舞台の印象を決めます。
音楽の生演奏が加わる公演も多く、ピアノやヴァイオリンの演奏に合わせて物語を読み進めるスタイルは、朗読劇ならではの見どころです。
アフレコ(アニメ・映像への声のあて録り)は完成した映像に声を合わせる作業ですが、朗読劇は観客の目の前でリアルタイムに物語を届ける点が根本的に異なります。
声優が出演する朗読劇が近年注目される理由
声優文化や2.5次元コンテンツの盛り上がりとともに、朗読劇への注目度は近年急速に高まっています。
人気声優が出演する朗読劇イベントは、チケットが即日完売になることも珍しくありません。
配信技術の進化により、会場に足を運ばなくてもオンラインで朗読劇を楽しめる機会も増えました。インディーズ・自主制作の朗読劇も増加しており、観る側だけでなく、出演したい側にとっても間口が広がっています。
声優が出演する
代表的な朗読劇プロジェクト
ひとくちに「朗読劇」といっても、実在するプロジェクトにはそれぞれ個性があります。ここでは代表的な3つを紹介します。
フォアレーゼン|声優が音楽と共に演じる全国公演シリーズ
「声優朗読劇フォアレーゼン(VORLESEN)」は、2018年から継続して全国各地で公演を行っているシリーズです(2026年9月確認)。
公式サイトの公演スケジュールには全国50公演以上が掲載されています。
これまでに「リチャード三世」「黒いリボンの葬列」「ドン・ジョヴァンニ」「荒木村重伝 離反」「フィガロの結婚」「疑惑」「幻影」「対決」「太陽が、痛いほどいっぱい」「甲の囁き」など、多彩な演目が上演されてきました。
歴史上の人物や文学作品を題材にしたオリジナル脚本が多く、ピアノ・ヴァイオリンなどの生演奏を伴う公演スタイルが特徴です(2026年9月、公式サイトで確認)。
ほし×こえ|声優2名によるペア朗読会シリーズ
「ほし×こえ〜声優星空プラネタリウム朗読会〜」は、声優の藤原啓治さんが企画したことをきっかけに始まった朗読会シリーズです。運営はAIR AGENCYで、65公演以上の実施実績が公式サイトに掲載されています(2026年9月確認)。
2015年から2026年にかけて、置鮎龍太郎さん×櫻井孝宏さん、石田彰さん×諏訪部順一さんなど、声優2名がペアで出演する形式で全国各地・オンラインで開催されてきました。
READING WORLD|世界遺産・史跡を舞台にした朗読劇プロジェクト
「朗読劇READING WORLD(リーディングワールド)」は、声優という職業・文化を世界に発信することを目的に企画された朗読劇プロジェクトです(thxgive.com運営、2026年9月確認)。
世界遺産や史跡など、歴史的な建造物を舞台に朗読劇を上演する点が特徴で、過去の公演アーカイブが公式サイトで公開されています。
| プロジェクト | 主催・運営 | 実施規模 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| フォアレーゼン | 非公表 | 全国50公演以上(2018年〜) | 歴史・文学題材のオリジナル脚本+生演奏 |
| ほし×こえ | AIR AGENCY | 65公演以上(2015〜2026年) | 声優2名のペア朗読形式 |
| READING WORLD | thxgive.com | 複数公演のアーカイブあり | 世界遺産・史跡を舞台にした上演 |
各プロジェクトの公式サイトにて2026年9月確認。実施規模は今後の公演により随時更新される可能性があります。
朗読劇の公演情報・
チケットの探し方
気になる朗読劇を見つけたら、公演日程やチケットの情報をどこで探せばいいのか、具体的な方法を紹介します。
各プロジェクトの公式サイト・SNSで最新情報を確認する
フォアレーゼンは公式サイトの「SCHEDULE」欄で次回公演を随時更新しており、X(旧Twitter)の公式アカウントでも告知が行われています。
ほし×こえ・READING WORLDも同様に、公式サイトの「NEWS」「ARCHIVE」欄で最新の公演情報を確認できます。
気になるプロジェクトを見つけたら、まず公式サイト・公式SNSをブックマークしておくのが確実です。
ローソンチケット・アニメイトチケット等の販売サイトを使う
朗読劇のチケットは、ローソンチケットやアニメイトチケットといった一般的なチケット販売サイトでも取り扱われています(2026年9月確認)。
これらのサイトでは公演ごとにページが作られ、出演者・料金・発売日といった情報がまとめて掲載されるため、複数の公演を横断的にチェックしたいときに便利です。
会場(文化会館・芸術劇場等)の公式ページで開催概要を確認する
朗読劇は、市民文化会館や芸術文化劇場といった公共ホールで開催されることが多く、会場側の公式サイトにも開催概要・座席案内が掲載されます。
チケット取扱窓口・お問い合わせ先など、主催者側の情報だけでは分からない会場独自の注意事項(駐輪場・シャトルバスなど)も合わせて確認できます。
声優が朗読劇オーディションに
応募する2つの方法
ここからは、観る側ではなく出演する側として朗読劇に関わる方法を紹介します。まずは公募に応募するルートです。
①劇団・制作会社が主催するオーディションに応募する
朗読劇の出演者は、劇団・制作会社が主催するオーディションで一般公募されることがあります。
たとえば「オーディションプラス」というサイトに掲載されていたシーラカンス・ラボの朗読公演オーディションでは、20〜50歳・経験不問という条件で出演者を募集していました(2026年9月確認)。
参加費は無料(交通費は自己負担)でした。
選考は生年月日・特技・出演歴・写真を提出する書類審査のあと、東中野の稽古場で対面オーディションを行うという2段階でした。
合格後は「チケットバック7枚目から500円」というチケット販売への協力が条件になっていました。
こうした朗読劇の公募情報は、「オーディションプラス」(audition.nerim.info)や「オーディションマッチ」(audition-match.com)といったオーディション情報サイトで見つかります。
オーディションマッチには朗読劇専用のカテゴリがあり、2026年9月時点で「朗読劇『遥か』」「朗読劇『ふるさと』」など、10件以上の朗読劇募集が実際に掲載されていました。
②声優養成所・専門学校のワークショップ経由で出演機会を得る
声優養成所や専門学校のなかには、朗読・演技のワークショップを通じて、在籍生に外部の朗読劇へ出演する機会を紹介するケースがあります。
この場合の費用は、養成所の通常レッスン費に含まれ、追加の参加費が発生しないことが多いとされます(所属先・募集要項によって異なります)。ただし在籍生であることが前提となるため、外部からの一般公募より案内される機会自体は限定的です。
全国8校舎を展開する代々木アニメーション学院(代アニ)のように地方在住でも通いやすい専門学校もあり(2026年9月確認)、住んでいる地域によっては選択肢のひとつになります。
| ルート | 費用目安 | 難易度 | 必要な経験 |
|---|---|---|---|
| ①劇団・制作会社の公募 | 無料〜(募集要項による。チケット販売協力が条件になる場合あり) | 書類・対面選考あり | 不問(例:20〜50歳・経験不問の実例あり) |
| ②養成所ワークショップ経由 | 養成所レッスン費に含まれる場合がある | 在籍が前提で公募は限定的 | 養成所・専門学校への入所が前提 |
オーディション以外で朗読劇に
出演する2つの方法
オーディションに応募する以外にも、朗読劇に関わる方法があります。
③声優事務所からのオファー・キャスティングを受ける
声優事務所に所属している場合、主催者側から事務所を通じてキャスティングの打診が来ることがあります。
この場合の費用は基本的に無料ですが、事務所への所属が前提となるため、一般公募のような形で広く募集されることは少ないルートです。所属と事務所内での選考が前提になります。
④自主企画・朗読会を立ち上げて実績を積む
自分で仲間を集め、朗読会を自主企画するという道もあります。
この場合は選考こそありませんが、会場費・台本準備費などの実費が発生することが多く、集客・広報まで自分たちで担う「自走力」が必要になります。 一方で、経験の有無を問われないため、実績を作る第一歩として選ぶ人もいます。
朗読劇のオーディション情報は
どこで探せる?
募集サイト以外にも探し方ある?
公式アカウントと学校、両方チェックしてね。
応募先が分かっても、情報をどう探せばいいのか迷う人は多いはずです。ここで具体的な探し方を整理します。
制作会社・劇団の公式サイト・SNSをチェックする
朗読劇を主催している制作会社・劇団の公式サイトやSNSアカウントでは、次回公演の告知と合わせて出演者募集の情報が発信されることがあります。
気になるプロジェクトの公式アカウントをフォローしておくと、募集開始のタイミングを逃しにくくなります。
声優養成所・専門学校の出演情報・求人を活用する
在籍している、あるいは検討している養成所・専門学校がある場合は、その学校が紹介する出演情報・オーディション情報も確認しておきましょう。
学校によっては、在籍生・卒業生向けに外部オーディションの情報をまとめて共有しているケースがあります。
朗読劇の出演に必要な
スキルと事前準備
オーディションに挑戦する前に、朗読劇ならではのスキルを押さえておきましょう。
発声・滑舌・感情表現の基礎力
朗読劇は動きが少ない分、声だけで感情を伝える力がより重要になります。基礎的な発声・滑舌の練習は欠かせません。
同じセリフでも、抑揚や間の取り方ひとつで観客に伝わる印象が大きく変わります。
台本の読み込み方とキャラクター解釈力
朗読劇では、動きで補えない分、台本を深く読み込み、キャラクターの背景まで解釈する力が問われます。
セリフの裏にある感情や関係性を理解した上で読むことで、声だけでも物語を立体的に届けられます。
マイクなしでも通る声量・立ち居振る舞い
会場によってはマイクを使わず、生の声で客席まで届ける公演もあります。
台本を持ちながらも姿勢や表情で物語を伝える立ち居振る舞いも、朗読劇ならではの準備といえます。
朗読劇オーディションに
合格するための対策
書類と実技、どっちも不安なんだけど…。
大丈夫、見られているポイントは意外とシンプルだよ。
実際にオーディションへ応募する際、書類・実技それぞれで気をつけたいポイントを整理します。
書類・プロフィール作成で気をつけるポイント
先述のシーラカンス・ラボの実例のように、朗読劇オーディションの書類審査では、生年月日・年齢・身長・特技・出演歴・写真(バストアップと全身)の提出を求められることが一般的です。
写真は加工のしすぎを避け、普段の自分が伝わるものを選ぶことが大切です。出演歴が少ない場合は、練習してきたことや朗読劇への熱意を具体的に書き添えると良いでしょう。
実技審査・朗読課題で評価されるポイント
書類審査を通過すると、対面でのオーディションに進みます。指定された台本の一部を読む課題が出されることが多く、声の通りやすさだけでなく、台本の解釈・表現の幅が見られます。
初対面のスタッフとのやり取りも見られているため、挨拶や受け答えといった基本的な立ち居振る舞いも準備しておきましょう。
朗読劇デビューまでの準備ステップ
|まずは観る→基礎練習
結局、何から始めればいいのか整理してほしい…!
OK、4つのステップにまとめたよ。
ここからは、未経験から朗読劇デビューを目指す場合の進め方を、4つのステップで紹介します。
まずは実在するプロジェクト(フォアレーゼン・ほし×こえ等)の公演を1本観に行き、朗読劇の雰囲気をつかみましょう。
発声・滑舌・朗読の基礎練習を積みます。声のコンディションを安定させることが土台になります。
ステップ①朗読劇を観に行き、雰囲気をつかむ
百聞は一見にしかず、といわれるように、まずは実際の公演を観ることをおすすめします。
生の演出・音楽・声の使い方を体感しておくと、その後のオーディションで「なぜこの朗読劇に出たいのか」を具体的に語れるようになります。
ステップ②基礎の発声・朗読練習を積む
続いて、発声・滑舌・朗読の基礎練習に取り組みます。
腹式呼吸や間の取り方など、朗読の基本を押さえることが、朗読劇の表現力の土台になります。
朗読劇デビューまでの準備ステップ
|実践経験→応募
基礎ができたら、いよいよ実践と応募のステップに進みます。
養成所・ワークショップ等で実践経験を積みます。人前で読む場数を踏んでおくと、オーディション本番での緊張が和らぎます。
「オーディションプラス」「オーディションマッチ」等で募集情報を探し、実際に応募します。
ステップ③養成所・ワークショップで実践経験を積む
養成所やワークショップに参加し、人前で朗読する経験を積んでおくと、本番での緊張感に慣れやすくなります。
日本ナレーション演技研究所(日ナレ)のように、応募資格を中学卒業程度の学力とし、実技と簡単な筆記のみで受講できる養成所もあります。費用をかけずにまず実践の場を探したい人にとって、選択肢のひとつになります。
ステップ④オーディションに応募する
準備が整ったら、実際にオーディションへ応募してみましょう。
1回で受からなくても、応募を重ねることで書類の書き方や実技の勘所がつかめていきます。
「朗読」と「朗読劇」の違い
|声優の演技力アップとの関係
当サイトでは、朗読そのものの技術については「朗読のコツ完全ガイド」で詳しく解説しています。
同記事でも触れているとおり、朗読はあくまで表現の基礎練習であり、朗読劇のような舞台表現とはまた別の技術が必要になります。
姿勢・腹式呼吸・間の取り方・抑揚といった朗読の基礎は、朗読劇でもそのまま土台として活きます。
朗読劇にはさらに「舞台上での立ち居振る舞い」「音楽との呼吸合わせ」「観客の前でのライブ感」といった追加の要素が加わります。
まずは自分の朗読の基礎を見直したい方は、朗読のコツ完全ガイドのセルフ診断もあわせてチェックしてみてください。
朗読劇に出演した
声優のキャリアの広げ方
1本の朗読劇に出演したら、そこで終わりではありません。
フォアレーゼンやほし×こえのように継続的に公演を行うプロジェクトでは、一度出演した縁がきっかけで同じプロジェクトへ再度声がかかるケースもあります。
朗読劇での経験は、舞台度胸・台本解釈力・生の観客の前で演じる力として、アフレコや他の舞台仕事にも活きてきます。1回の出演を「点」で終わらせず、次の機会につなげる意識を持つことが、キャリアを広げる第一歩です。
朗読劇に関する
よくある質問
最後に気になることをまとめて聞いてもいい?
もちろん。よくある質問をまとめておくね。
Q. 朗読劇の出演ギャラはどれくらい?
公演の規模・主催者によって大きく異なり、一律の相場は公表されていません。
今回紹介したシーラカンス・ラボの実例のように、小規模な公演では参加費無料・チケット販売協力が条件になるケースもあれば、事務所を通じたキャスティングでは別途ギャラが発生するケースもあります。詳しい条件は各募集要項で確認しましょう。
Q. 未経験でもオーディションを受けられる?
募集要項によりますが、「経験不問」として一般公募されている朗読劇オーディションも実在します。
先述のシーラカンス・ラボの募集も「20〜50歳・経験不問」という条件でした。まずは募集要項の応募資格をよく確認してみましょう。
Q. 朗読劇と舞台朗読会・音楽朗読劇の違いは?
「朗読劇」「朗読会」「音楽朗読劇」は、明確に区別された専門用語というより、主催者によって呼び方が異なる面があります。
音楽の生演奏を伴うものを「音楽朗読劇」、複数人の掛け合いを中心にしたものを「朗読劇」、少人数でシンプルな構成のものを「朗読会」と呼ぶ傾向がありますが、厳密な定義があるわけではありません。
気になる公演があれば、公式サイトで形式の説明を確認するのが確実です。
まとめ|まずは1公演、
観に行くところから
朗読劇は、台本を手に声と表情だけで物語を届ける舞台表現です。フォアレーゼン・ほし×こえ・READING WORLDなど、実在するプロジェクトが全国各地で公演を続けています。
声優として出演するルートは、劇団・制作会社のオーディションへの公募、養成所のワークショップ経由、事務所からのオファー、自主企画と、複数存在します。
まずは気になる公演を1本観に行き、そこから自分に合ったルートを探してみてください。



