記念式典の司会進行の例文と式次第|身内と来賓の敬語2つで、頭が真っ白・声が震える人も読める

記念式典の会場の窓辺に、花のアレンジメントとグラスが並ぶテーブル
この記事の監修
吉松欣史

元NHKエグゼクティブ
アナウンサー
吉松 欣史
経歴NHKで32年間。W杯・五輪の生放送実況
専門脳科学・心理学を使ったあがり症の克服

会社の創立記念式典や周年式典で、司会を任されることがあります。社長や役員、取引先の来賓が並ぶ前でマイクを持つことになり、式次第の順番も、誰をどう呼べばいいかも分からず、落ち着かない方は少なくありません。

記念式典の司会は、身内には「申し上げます」、来賓には「頂戴いたします」の2つの敬語だけで回せます。元NHKエグゼクティブアナウンサー・吉松欣史の監修で、式次第と台本の例文、当日までの準備を紹介します。

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記念式典の司会は「申し上げます」と「頂戴いたします」の2つの敬語で回せる:身内は敬称なし、来賓は「様」

昼、ホテルの宴会場の舞台に金屏風が立てられ、その前に木の演台と大きな白い胡蝶蘭の鉢が置かれている。客席の椅子はまだ空。人は写らない。文字は無い

記念式典の司会のセリフは、ほとんどが「次に話す人を呼ぶ一言」です。呼ぶ相手は、社長や役員などの身内と、取引先などの来賓の2通りしかありません。この2つで、敬称のつけ方と言い方が変わります。

景品パークの記事は、司会の注意点として、自社の社長には敬語を使わないよう書いています。「代表取締役社長の○○様」ではなく、「代表取締役社長である○○よりあいさつを申し上げます」が正式な言い方だとしています。

※出典:景品パーク「創立記念式典の司会進行例」(4つのポイント)

朝、通勤電車の中で、吊り革につかまったスーツの腕と、もう片方の手に持った小さなメモ帳の手元。メモの文字は読めない。顔は写らない

身内と来賓で変わる、呼び方の2つの形

来賓はその逆で、名前に「様」をつけ、お願いすることを「頂戴いたします」で言います。トビガスマルの記事の台本も、来賓の祝辞は「〇〇様よりご祝辞を頂戴いたします」という形です。下の表に2つを並べました。

呼ぶ相手 名前の呼び方 言い方の例
身内(社長・役員) 肩書と名前だけ 代表取締役社長、〇〇よりご挨拶を申し上げます
来賓(取引先など) 会社名・肩書と名前に「様」 〇〇株式会社代表取締役、〇〇様よりご祝辞を頂戴いたします

※出典:景品パーク・トビガスマル「周年式典の進行表と司会台本」(2026年9月12日更新)をもとに作成

朝、会社の総務部の机で、紺のスーツの30代の女性が、2色の蛍光ペンを使い分けて名簿の行に線を引いている手元。名簿の文字は読めない。顔は写らない
  • 身内肩書と名前(様はつけない)+「より〜申し上げます」
  • 来賓会社名・肩書と名前+「様」+「より〜頂戴いたします」

台本を書く前に、名簿の名前を身内と来賓に分けておけば、どの行に来ても2つの形のどちらで言うかを選ぶだけです。行事の名前と人の名前を入れ替えて、開会から閉会まで同じ形のまま読めます。

来賓紹介と祝電の順番は、主催者と先に決めておく

知恵袋の2017年9月の質問者は、上司から来賓紹介と祝電の順番は立場の低い人から読むと言われましたが、調べると偉い人から先と書いてあり、どちらが正しいか分からないと悩んでいました。

※出典:Yahoo!知恵袋「式典の司会について。来賓紹介…」(2017年9月)

昼、社員食堂の木のテーブルで、食べかけの定食のお盆の横に、クリップボードに挟んだ名簿を置き、ボールペンを持って考えている手元。名簿の文字は読めない。顔は写らない

ベストアンサーは、参列者の気持ちが引き締まっている早いうちに偉い人にお願いするのがよい、という考えでした。順番は会ごとに違うので、司会が決めず、主催者に決めてもらった順に読むのが安全です。

昼、会社の小さな応接室で、グレーのスーツの50代の男性と紺のスーツの30代の女性が、低いテーブルの上の名簿を一緒にのぞき込んでいる肩から下の姿。名簿の文字は読めない。顔は写らない

記念式典の式次第とプログラム:開会から閉会までの順番と時間の目安

朝、ホテルの宴会場の入口の前に、白い布をかけた細長い受付台が置かれ、その上に赤いリボンの胸章がきれいに一列に並べられている近景。人は写らない。文字は無い

トビガスマルの記事は、周年式典の進行表の例を11の項目で示し、それぞれの時間の目安を書いています。下の表は、その11項目に、1章の分け方で司会が言うことを足したものです。台本はこの順に書きます。

記念式典の式次第の見本

式次第 司会が言うこと 目安
受付・開場 なし 30分前〜
開会前アナウンス 携帯と撮影のお願い 2〜3分
開会宣言 式の名前と開会 1〜2分
主催者・代表挨拶 身内の形で呼ぶ 5〜10分
来賓紹介・祝辞 来賓の形で呼ぶ 5〜10分
祝電披露 代表だけ読む 3〜5分
周年記念映像 上映の案内 5〜8分
表彰・感謝状贈呈 趣旨と受賞者の名前 10〜15分
記念講演 講師の紹介 30〜60分
記念撮影 並び方の案内 10分前後
閉会挨拶 式の名前と閉会 2〜3分

※出典:トビガスマル「周年式典の進行表と司会台本」(2026年5月1日公開・9月12日更新)の表をもとに、司会が言うことを書き足して作成

同じ記事のよくある質問では、式典の長さは60〜90分程度が目安だとしています。記念講演や映像を入れない式なら、表の項目を外した分だけ短くなります。司会の台本も、外した行を消せばそのまま使えます。

昼、会社の会議室の机の上に、プリンターから出したばかりの白い紙の束と、細いクリップがいくつか置かれ、窓からの光が当たっている近景。紙の文字は読めない。人は写らない

会社の創立記念式典と、学校や団体の周年式典で変わる所

縁起物の店の鈴屋の記事は、会社の創立記念式典の式次第を、開会の言葉と社歌斉唱、社長と役員の挨拶、各部門の活動発表、優秀社員の表彰、来賓の祝辞と祝電、閉会の挨拶の順で紹介しています。

※出典:鈴屋「会社創立記念式典の式次第や挨拶の文例を解説」(2026年8月16日)

学校の150周年記念式典で司会をした町議会議員の森永ひとみさんは、自分の台本を公開しています。開会前のアナウンス、国歌斉唱、実行委員長と校長の挨拶、来賓祝辞、来賓紹介の順で、会社の式とは入る項目が違います。

※出典:note 森永ひとみ「小学校150周年記念式典の司会台本です。」(2024年11月21日)

午後、地域の公民館の和室で、ポロシャツやカーディガン姿の60代の男女3人が、座卓を囲んで資料を見ながら打ち合わせをしている遠景。顔は小さく判別できない。資料の文字は読めない

式次第のテンプレートと、掲示か配布か

式次第は、会場に掲示するものと、受付で配るものに分けて考えます。トビガスマルの記事は、司会台本は司会者が話す文章をまとめたもので、進行表はスタッフ全体で共有する資料だとして、2つを分けるよう書いています。

※出典:トビガスマル「司会台本と進行表は分けて考える」

50周年や創立記念の式次第には、会の正式な名前と日付、項目の順番だけを書きます。司会の手元には、それとは別に、セリフと時間、呼ぶ人の読み仮名まで書いた台本を置きます。配る式次第にセリフは書きません。

記念式典の司会進行の例文①:開会前のアナウンスと開会の辞

開場前、ホテルの宴会場の舞台袖で、黒いパンツスーツの女性の手が、司会台に置かれたワイヤレスマイクのスイッチを確かめている手元。顔は写らない。文字は無い

ここからは、2章の式次第の順に台本の例文を紹介します。例文はどれも書き手が作った見本なので、会の名前と人の名前を入れ替えて使ってください。最初に言うのは、開会の数分前のアナウンスです。

開会前のアナウンスの例文

トビガスマルの記事は、開会の前に、携帯電話をマナーモードにするお願いや、撮影と配信の案内を伝えておくと、式の途中の混乱が減るとしています。会場がざわついていても、この一言で席に着く人が増えます。

※出典:トビガスマル「開会前アナウンスの司会台本例」

開場前、ホテルのクロークの奥に、木のハンガーがずらりと掛かった空のハンガーラックが並んでいる近景。番号札や文字は無い。人は写らない

開会前のアナウンス・約20秒(書き手が作った見本)

「ご来場の皆さまにご案内いたします。まもなく、〇〇株式会社創立〇周年記念式典を開会いたします。お手持ちの携帯電話は、マナーモードに切り替えていただきますよう、お願いいたします。」

開場前、ホテルの宴会場の後ろの音響卓で、黒いポロシャツのスタッフの手が、ミキサーのつまみを少しだけ上げている手元の近景。機材の文字や数字は読めない。顔は写らない

開会の辞と、司会の自己紹介の例文

景品パークの台本は、式を始めると言ってから、所属と名前を名乗る形です。鈴屋の記事の例文は、「全員、起立願います」と言ってから開会を告げています。起立するかどうかは、主催者と前もって決めておきます。

※出典:景品パーク・鈴屋

開会の辞・約20秒(書き手が作った見本)

「大変お待たせいたしました。ただいまより、〇〇株式会社創立〇周年記念式典を開会いたします。

本日の司会を務めます、総務部の□□と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」

朝、会社の屋外駐車場で、スーツの上着を腕にかけた男性が、白い車のドアを閉めて建物の方へ歩き出す後ろ姿。顔は写らない。ナンバープレートや文字は無い

トビガスマルの記事の台本も「ただいまより、株式会社〇〇 創立〇周年記念式典を開会いたします」と、会の正式な名前をそのまま言う形です。名前が長い会ほど、ここで一度声に出すと、後の行が落ち着いて読めます。

朝、ホテルの客室の窓際で、白いシャツの女性が、印刷した台本の1枚目を目の高さに持ち、小さく口を動かして読んでいる肩から下の姿。顔は写らない。台本の文字は読めない

記念式典の司会の台本:主催者挨拶・来賓祝辞・来賓紹介の呼び込み

昼、ホテルのエレベーターホールの大理石の台の上に、背の高い白とグリーンの生け花が飾られ、横の廊下の奥に宴会場の扉が見える。人は写らない。文字は無い

挨拶と祝辞の呼び込みは、1章の2つの形の出番です。社長や会長などの身内を呼ぶ時は様をつけず「申し上げます」、来賓を呼ぶ時は様をつけて「頂戴いたします」と言います。順番は主催者が決めたとおりに読みます。

主催者・社長挨拶の呼び込み

銀座クルーズの記事の台本は、「はじめに弊社代表取締役社長○○よりご挨拶を申し上げます」です。身内を呼ぶ時は、自分の会社を「弊社」、社長を肩書と名前だけで言えば、敬語を足しすぎる心配がありません。

※出典:銀座クルーズ「会社の創立記念式典の司会進行マニュアル」(2023年8月24日)

昼、会社の秘書の机の上で、女性の手が白い内線電話の受話器を置き、もう片方の手で卓上の予定表にペンで印をつけている手元。予定表の文字や数字は読めない。顔は写らない

主催者挨拶の呼び込み(書き手が作った見本)

「はじめに、主催者を代表いたしまして、弊社代表取締役社長、〇〇よりご挨拶を申し上げます。」

社長の挨拶そのものの組み立て方は、就任挨拶の例文にもまとめています。社長の挨拶が終わったら、司会は次の行事の名前を告げて進めます。来賓の祝辞の後とは返し方が違うので、台本の行に印をつけておきます。

昼、会社の社長室の大きな木の机の上に、万年筆と、折りたたんだ白い便箋が置かれ、窓から光が差している近景。便箋の文字は読めない。人は写らない

来賓祝辞の呼び込みと、終わった後のお礼の一言

景品パークの台本は、来賓の祝辞の前に「当社創業よりおつきあいをいただいております」と関係を一言添えてから、会社名と名前を呼んでいます。祝辞が終わったら「心あたたまるご祝辞、ありがとうございました」と返します。

※出典:景品パーク「創立記念式典の司会進行例」(来賓の祝辞)

昼、会社の応接室の机の上で、女性の手が、紫の風呂敷で四角い記念品の箱を包んで結び目を作っている手元。箱の文字は無い。顔は写らない

来賓祝辞の呼び込み(書き手が作った見本)

「続きまして、ご来賓の皆さまからご祝辞を頂戴いたします。はじめに、創業以来お世話になっております、〇〇株式会社代表取締役、□□様、よろしくお願いいたします。」

(祝辞の後)「□□様、心あたたまるご祝辞をありがとうございました。」

昼、ホテルの廊下で、紺のスーツの女性社員が、来賓の控室の扉の前に立ち、扉を軽くノックしようとしている後ろ姿。顔は写らない。扉の札の文字は無い

来賓紹介の例文

銀座クルーズの台本は「ここで、本日の式典にお越しいただいておりますご来賓の皆様方をご紹介いたします」と告げ、壇上の席の並びに沿って、左側から会社名と肩書、名前を順に読んでいます。席の並びと読む順番をそろえておけば、呼ばれた人を目で追いやすくなります。

※出典:銀座クルーズ「会社の創立記念式典の司会進行マニュアル」(来賓の紹介)

昼、会社の玄関ロビーの来客用のローテーブルの上に、湯気の立つ緑茶の湯のみが2つと木の茶托が置かれ、窓からやわらかい光が差している近景。人は写らない。文字は無い

来賓紹介(書き手が作った見本)

「ここで、本日ご臨席を賜りましたご来賓の皆さまをご紹介いたします。お名前をお呼びいたしますので、恐れ入りますが、その場でご起立をお願いいたします。〇〇株式会社代表取締役、□□様。」

昼、式典の客席に座ったスーツ姿の人たちの膝の上で、何組もの手が拍手をしている手元だけの近景。顔は写らない。文字は無い

トビガスマルの記事も、来賓紹介では氏名と役職、読み方の確認が欠かせないとしています。名簿は前日に最新のものをもらい、読み仮名を自分の字で書き込んでおきます。当日の読み間違いが防げます。

※出典:トビガスマル「来賓紹介・来賓挨拶の司会台本例」

表彰式と祝電披露の進め方:受賞者の呼び出しと読み上げ

昼、紫色の袱紗の上に、丸めて赤い紐をかけた表彰状の筒と、木の台座に金のプレートがついた記念の盾が置かれている近景。プレートの文字は無い。人は写らない

トビガスマルの記事は、表彰の基本の流れを、司会が表彰の趣旨を説明して受賞者を紹介し、受賞者が登壇して代表者から表彰状と記念品を受け取り、写真撮影をする順番だとしています。司会が話すのは最初の説明と名前です。

※出典:トビガスマル「表彰・感謝状贈呈の進め方」

昼、ホテルの小さな控室の壁際に、白い背景布と三脚に載ったカメラ、2本の撮影用ライトが準備されている。人は写らない。文字は無い

表彰・感謝状贈呈の司会の例文

景品パークの台本は、表彰される人数と、何に対する表彰かを先に説明してから、「名前を呼ばれた方は代表取締役の前にお並びください」と促しています。会場ベストサーチの記事も、壇上への上がり方を名前と一緒に伝える形です。

※出典:景品パーク・会場ベストサーチ「表彰式を成功させる司会台本・例文」

朝、ホテルの舞台の脇の長机で、白い手袋の手が、表彰状を載せる黒い漆塗りの盆を柔らかい布で拭いている手元。盆の上には何も無い。顔は写らない。文字は無い

永年勤続者の表彰(書き手が作った見本)

「ここで、創立〇周年を記念いたしまして、永年勤続者の表彰を行います。本日表彰されますのは〇名の皆さまです。お名前をお呼びいたしますので、右手の階段から壇上へお上がりください。」

「表彰された皆さま、誠におめでとうございます。皆さま、いま一度盛大な拍手をお願いいたします。」

昼、ホテルの宴会場の舞台へ続く短い木の階段の手すりと、赤いじゅうたんの段を、黒い革靴の足が一段ずつ上っていく足元の近景。顔は写らない。文字は無い

永年勤続や優秀社員の受賞者は、社内の人なので身内です。名前に「さん」をつけるかどうかは会社によって違うので、主催者に確かめておきます。取引先への感謝状なら来賓なので、会社名と肩書、名前に「様」をつけて呼びます。

祝電披露の例文

トビガスマルの記事は、祝電は全文を読み上げる必要はなく、「時間の都合上、一部をご披露させていただきます」と案内して代表的なものだけを読み、ほかは名前だけ紹介する方法があるとしています。

※出典:トビガスマル「祝電披露|全部を読み上げる必要はない」

夜、自宅の机のスタンドの明かりの下で、分厚い国語辞典を開き、指で行をたどっている手元。辞典の文字は読めない。顔は写らない

祝電披露・約2分(書き手が作った見本)

「本日は多くの皆さまからご祝電を頂戴しております。時間の都合上、一部をご披露させていただきます。(2〜3通を読む)

このほかにも、□□様、△△様より、ご祝電を頂戴しております。ありがとうございました。」

祝電は差出人の会社名と名前が長く、読み慣れない字も多いので、表彰の名簿と同じように読み仮名を書いておきます。読む順番も、来賓紹介と同じく主催者に決めてもらい、台本の余白に番号を振っておきます。

朝、会社の受付カウンターで、制服の女性社員が、届いた電報の台紙を何枚も立てて並べ、付箋で番号をつけている手元。台紙と付箋の文字は読めない。顔は写らない

閉会の辞と祝賀会の司会進行の例文:乾杯・中締めへのつなぎ

夕方、ホテルの宴会場の丸テーブルの上に、細長いシャンパングラスが並び、金色の泡が立っている近景。背景の照明はやわらかくぼけている。人は写らない。文字は無い

式典の最後の閉会の辞は、開会の辞と同じ形で、会の正式な名前と終わりを告げます。その後に祝賀会がある時は、会場と始まる時刻を案内してから式を閉じます。帰る人がいるなら、出口の案内も添えます。

閉会の辞の例文

トビガスマルの記事の台本は「以上をもちまして、株式会社〇〇 創立〇周年記念式典を閉会いたします」と始め、参加者への感謝と式の終わりを短く伝える形です。景品パークの台本は、忘れ物と帰り道の案内まで添えています。

※出典:トビガスマル「閉会挨拶の司会台本例」・景品パーク

夕方、ホテルの宴会場の大きな窓辺で、係の手が厚手のベージュのカーテンを引いて閉めている手元。窓の外に夕焼けの街並み。顔は写らない。文字は無い

閉会の辞・約30秒(書き手が作った見本)

「以上をもちまして、〇〇株式会社創立〇周年記念式典を閉会いたします。皆さま、本日はご臨席を賜り、誠にありがとうございました。

この後、午後〇時より、隣の〇〇の間にて祝賀会を開催いたします。準備が整うまで、今しばらくお待ちください。」

閉会の挨拶を役員にお願いする時は、司会は身内の形で「専務取締役、〇〇より閉会のご挨拶を申し上げます」と呼びます。役員が話す挨拶の中身は、閉会の挨拶の例文にまとめています。

夕方、ホテルの宴会場の出口の脇で、白い紙袋に入った記念品が長机の上にずらりと並べられ、係の手が1つずつ向きをそろえている手元。紙袋の文字は無い。顔は写らない

祝賀会の司会進行と、乾杯・中締めの頼み方の例文

トビガスマルの記事は、祝賀会の流れを、開宴の挨拶、乾杯、歓談、余興や映像の上映、中締め、閉宴の案内の順で紹介しています。司会は式典の時と同じ2つの形で、乾杯や中締めをお願いする人を呼びます。

※出典:トビガスマル「祝賀会・懇親会へつなぐ場合の流れ」

夕方、ホテルの厨房の銀色の作業台に、色とりどりのオードブルの大皿が並び、白いコックコートの手がハーブを最後にのせている手元。顔は写らない。文字は無い

乾杯の発声そのものは乾杯の挨拶の例文、宴の終わりの手締めは中締めの挨拶の例文にまとめています。司会は、全員がグラスを持ったのを見届けてから、乾杯をお願いする人に合図を送ります。

乾杯の呼び込み(書き手が作った見本)

「それでは、乾杯に移ります。皆さま、お手元のグラスをお持ちください。乾杯のご発声は、〇〇株式会社代表取締役会長、□□様にお願いいたします。□□様、よろしくお願いいたします。」

夜、ホテルの宴会場の壁際で、黒いスーツの男性スタッフが、白い手袋をはめた手で銀の盆にグラスを載せて運んでいる腰から下の姿。顔は写らない。文字は無い

叙勲の祝賀会で、司会が気をつけること

銀座明倫館の叙勲祝賀会の案内は、当日の流れを、受章者の入場、開演、発起人代表と来賓代表の挨拶、乾杯、食事、祝辞の紹介、家族紹介、中締め、閉会の順で示しています。受章者を中心に組む会です。

※出典:銀座明倫館「受章を祝う会、感謝の会、祝賀会」

叙勲の祝賀会では、受章者の名前の前に、勲章の名前を正確に言うことが大切です。招待状や案内状の表記どおりに読み、読み方に自信がない時は発起人に確かめます。そのほかの進め方は、記念式典の台本と同じ形で読めます。

司会の立ち位置と当日の段取り:前日のリハーサルから開始30分前まで

昼、まだ誰もいないホテルの宴会場を舞台の正面から見た全景。舞台の向かって左の端に小さな木の司会台、中央に演台が置かれている。人は写らない。文字は無い

式典の司会は、どこに立つかでも進めやすさが変わります。司会者でナレーターの高橋慶舟さんは、司会者は会を司る役で主役は登壇する人なので、客席から見て舞台の左側の下手に立つと書いています。

※出典:高橋慶舟「司会者の立ち位置は舞台の下手!」(2022年1月3日)

舞台袖の黒い幕のすき間から、照明の当たった明るい舞台の上の木の演台を見た構図。人は写らない。文字は無い

司会台の位置と、壇上の動きの確かめ方

同じ記事は、舞台を10に分けた下手側の3つ目の位置を目安にしています。下手に立つと、壇上の演台と、客席の来賓席の両方が目に入るので、登壇する人が席を立ったのを見てから次の一言を言えます。

前日のリハーサルでは、表彰で受賞者が上がる階段、記念撮影で並ぶ位置、マイクの受け渡しまで、運営の全員で通して確かめます。トビガスマルの記事も、よくある進行ミスとして登壇者の動きが決まっていないことを挙げています。

※出典:トビガスマル「周年式典でよくある進行ミス」

前日の夜、ホテルの宴会場の舞台の床に、白いテープで小さな立ち位置の印が貼られ、その横に脚立と巻いたコードが置かれている近景。人は写らない。文字は無い

名前の読みと肩書は、前日までに確かめる

ニューズベースの記事は、司会が意識することとして、入念なリハーサルとタイムスケジュールの管理、登壇者と来賓の名前と肩書を正確に把握することの3つを挙げています。3つとも、前日までに済ませられる準備です。

※出典:ニューズベース「式典で使える台本のテンプレートを紹介!」(2025年4月28日)

夜、会社の机の上で、ガラスの砂時計が砂を落としている横に、閉じた黒い手帳とボールペンが置かれている近景。背景はやわらかくぼけたオフィス。人は写らない。文字は無い

景品パークの記事も、名簿の名前にふりがなをつけて練習しておくこと、当日は入口で来賓を迎えて顔を見ながら挨拶しておくことをすすめています。顔と名前が一致していると、呼ぶ時に声が落ち着きます。

※出典:景品パーク「創立記念式典の司会進行例」(4つのポイント)

朝、ホテルの正面玄関の回転扉の前で、紺のスーツの男女2人が、到着した来賓を出迎えて深くお辞儀をしている後ろ姿の遠景。顔は写らない。看板の文字は無い

司会は社内でするか、プロに頼むか

トビガスマルの記事は、来賓や登壇者が多い、表彰が多い、記念映像を何本も流す、記念講演やライブ配信がある、といった式典では、プロの司会者を考えるようすすめています。それ以外なら、社内の担当者で十分に回せます。

※出典:トビガスマル「司会は社内で行うか、プロへ依頼するか」

来賓と役員の前で頭が真っ白・声が震える司会者へ:前日と当日の3つの準備

早朝、自宅のダイニングテーブルの上で、マーカーで印をつけた台本の紙と、湯気の立つ白いマグカップが並び、窓から朝の光が差している近景。台本の文字は読めない。人は写らない

記念式典の司会では、社長や役員、取引先の来賓が一度に自分の声を聞いています。景品パークの記事も、司会を任されてプレッシャーを感じたり戸惑ったりする方は多く、ついつい緊張して間違いやすいと書いています。

※出典:景品パーク「創立記念式典の司会進行例」

朝、会社の更衣室で、白いシャツの腕が、ハンガーに掛けた紺のスーツのジャケットを取り出している手元。顔は写らない。ロッカーの文字は無い

学校の周年式典の司会を引き受けた森永さんも、式典の司会はやったことがなく、ネットで調べても情報が少なかったと書いています。緊張するのは、会の大切さを分かっているからで、準備の仕方を知れば落ち着いて読めます。

※出典:note 森永ひとみ「小学校150周年記念式典の司会台本です。」(2024年11月21日)

台本は手に持って、読んでかまわない

式典の司会は、台本を手に持って読み上げてかまいません。名前を間違えないことが一番大切なので、来賓の名前を暗記しようとせず、必ず紙を見て読みます。暗記するのは、開会の辞の最初の1文だけで十分です。

夜、自宅のリビングで、グレーのニットの40代の女性が、黒いバインダーに挟んだ台本を両手で持ち、ソファの前に立って読んでいる肩から下の姿。顔は写らない。台本の文字は読めない

前日と当日の3つの準備

前日と当日にすることは、次の3つだけに絞ります。どれも数分でできることです。特に名前の読みの確認は、読み間違いを防ぐだけでなく、自分の声の出だしを落ち着かせる助けにもなります。

  • 2つの形を声に出す身内と来賓の呼び込みを前日に3回読む
  • 名前の読みを確かめる名簿と祝電に読み仮名をふる
  • 最初の1文だけ覚える開会の辞の1文目を紙を見ずに言える

最初の1文が口から出れば、あとは式次第の順に2つの形を繰り返すだけです。途中で言葉に詰まっても、台本の次の行を読めば式は進みます。言い間違えたら「失礼いたしました」と一言添えて、言い直せば大丈夫です。

早朝、ホテルの前の並木道で、スーツ姿の30代の男性がベンチの横に立ち止まり、両肩を下ろしてゆっくり息を吐いている後ろ姿。朝の光が差している。文字は無い

元NHKエグゼクティブアナウンサーが大切にしている「伝わる話し方」の考え方

吉松欣史は、NHKで32年間、プロ野球や高校野球、Jリーグの実況を担当し、FIFAワールドカップ2010やロンドンオリンピック2012の放送にも携わりました。2023年にNHKを退局し、今は話し方の研修を行っています。

※出典:吉松欣史 講師プロフィール(経歴・主な実績)

その吉松も、入社当初は人前に立つと声が震え、頭が真っ白になっていました。ルーキー時代の祇園祭の生中継では、一字一句丸暗記したコメントが、始まった瞬間に全部飛んでしまったといいます。

※出典:吉松欣史 講師プロフィール(私自身のあがり症体験)

朝、人のいないラジオの放送ブースの机の上に、銀色のスタンドマイクと、閉じた原稿用紙の束が置かれ、窓から光が差している近景。人は写らない。原稿や機材の文字は読めない

吉松が指導の柱の一つに置いているのが、意識の向け先を変えることです。来賓に「どう見られているか」を気にするほど、緊張は強くなります。記念式典の司会が届けるのは、次に誰が何をするかという案内です。

元NHK
アナウンサー
ヨシ

「どう見られるか」への意識を「何を届けるか」へ転換。認知的再評価でプレッシャーを力に変える。

※出典:吉松欣史 講師プロフィール(指導の3つの柱)

記念式典の司会でよくある誤解と、よくある質問

夕方、式典を終えたホテルの宴会場で、スタッフが舞台の金屏風をたたんでいる様子を、客席の後ろから見た遠景。人は小さく顔は判別できない。文字は無い

誤解①:社長にも来賓にも、全員に「様」をつける

来賓の前で自社の社長に「様」をつけると、身内を持ち上げる言い方になります。景品パークの記事のとおり、社長は肩書と名前だけで呼び、「申し上げます」で言います。様をつけるのは来賓だけです。

誤解②:届いた祝電は、全部読まないといけない

トビガスマルの記事は、祝電は代表的なものだけを読み、ほかは名前の紹介にする方法があるとしています。祝電が多い式で全文を読むと、後の行事の時間が押します。どれを読むかは主催者に決めてもらいます。

夕方、ホテルの廊下の窓辺で、紺のスーツの男性が、左手首の腕時計にちらりと目をやっている手首と袖口の近景。文字盤の数字は読めない。顔は写らない

誤解③:竣工式の式次第をそのまま使える

竣工式は、神職が進める神事の部があり、テープカットが入ります。創立記念式典や周年式典には神事が無く、表彰や記念映像が入るので、式次第の中身が違います。建物の式典の流れは竣工式の流れと式次第にまとめています。

記念式典の司会だけでなく、会議の進行や朝礼、式典のスピーチなど、人前で話すたびに頭が真っ白になる方へ。入社当初は自分も声が震えていた吉松欣史が、32年の生放送でたどり着いた話し方の考え方をお伝えする無料のオンライン勉強会があります。

講師の吉松欣史は、NHKで32年間アナウンサーを務め、サッカーW杯とオリンピックの実況を担当した元NHKエグゼクティブアナウンサーです。勉強会は無料のオンライン形式で、60分・顔出し不要です。人前で話す時の緊張が悩みの中心の方に向けた内容です。

※出典:吉松欣史 講師プロフィール(経歴・主な実績)

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記念式典の司会で、よくある質問

Q記念式典は全体で何分くらいかかる?
トビガスマルの記事のよくある質問では、60〜90分程度が目安です。記念講演や映像を入れない式なら、2章の表の項目を外した分だけ短くなります。
Q来賓紹介は、誰から読む?
決まりは無く、会ごとに違います。偉い人から先に読む考え方が多いですが、司会が決めずに、主催者に決めてもらった順に読みます。
Q学校や団体の周年式典でも同じ台本で読める?
身内と来賓の2つの形はそのまま使えます。国歌斉唱や校長の挨拶など入る項目が違うので、2章のとおり実行委員会の式次第に合わせて行を入れ替えます。
Q台本を見ながら司会をしてもいい?
かまいません。式典の司会は台本を手に持って読むものです。来賓の名前は暗記せず、必ず紙を見て読み、開会の辞の最初の1文だけ覚えておきます。
Q司会の途中で言葉に詰まったら?
台本の次の行を読みます。身内と来賓の2つの形しかないので、次に呼ぶ人の名前と行事の名前を言えば、式はそのまま進みます。

※出典:トビガスマル・Yahoo!知恵袋(2017年9月)(よくある質問の出典)

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※出典:吉松欣史 講師プロフィール(経歴・主な実績)

※通院中・治療中の方は、この記事の方法より主治医の方針を優先してください。

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