献杯の挨拶の例文|短い一言を親族に頼まれ頭が真っ白・声が震える人も30秒で言える

法事の後の会食の席で、喪服の男性が一人立ち上がり、メモとグラスを手に献杯の挨拶を始めている
この記事の監修
吉松欣史

元NHKエグゼクティブ
アナウンサー
吉松 欣史
経歴NHKで32年間。W杯・五輪の生放送実況
専門脳科学・心理学を使ったあがり症の克服

法事や葬儀の会食の前に、喪主から「献杯の挨拶をお願いできますか」と頼まれた。乾杯なら何度かしたことがあるのに、献杯は何を言えばいいのか分からない。親族の前で頭が真っ白になったらどうしよう、と不安になる方は少なくありません。

献杯の挨拶は、乾杯の言い方を5か所だけ直し、名乗り・お礼・偲ぶ一言・「献杯」の4つを30秒で言えば十分です。献杯は、故人に杯を捧げることです。元NHKエグゼクティブアナウンサー・吉松欣史の監修で、例文と当日の準備を紹介します。

TOC

献杯の挨拶は、乾杯の言い方を5か所直して「名乗り・お礼・偲ぶ一言・献杯」を30秒で言えば十分です

夕方、乗り換え駅のホームのベンチで、喪服の40代の男性が手帳ほどの大きさのメモを開き、声に出さずに見つめている横顔。電車は写らない。駅名や案内表示の文字は読めない

献杯の挨拶を頼まれる人の多くは、乾杯の挨拶なら一度はしたことがあります。献杯は、その乾杯とは雰囲気が正反対です。公益社の記事は、献杯の厳かな雰囲気と、乾杯の賑やかなムードは対局にあるとしています。

※出典:公益社「献杯とは?献杯の意味や挨拶の例文を紹介」(2021年10月14日)

けれども、話の組み立てそのものは乾杯とほとんど同じです。名乗って、お礼を言って、ひと言そえて、合図で杯を上げる。新しく覚えるのではなく、乾杯で身についた言い方を献杯用に直すと考えると、ぐっと気が楽になります。

献杯の挨拶の4つの部品

  • 名乗り故人との続柄と名前を1文で言う
  • お礼参列と、葬儀や法要が終わったことへのお礼
  • 偲ぶ一言故人の姿を1つ。無くてもかまわない
  • 献杯の発声「〇〇を偲んで、献杯」と静かに言う

シンプルなお葬式の記事は、献杯の挨拶の基本の組み立てを、自己紹介、参列へのお礼、故人を偲ぶ言葉、献杯の発声の4つとしています。横浜祭典の記事も、最後に「献杯」と発声して短くまとめるよう書いています。

※出典:シンプルなお葬式「献杯の挨拶はどうすればいい?」(2026年6月1日・葬祭ディレクター監修)・横浜祭典「献杯の挨拶を考えるときのポイント5つ」(2025年7月10日)

昼、地方の公民館の和室で、白いクロスをかけた長机に、50代の女性2人が仕出しの弁当とお茶のペットボトルを静かに並べている。顔は小さく写る。文字は無い

乾杯から献杯へ、直すのは5か所

下の表は、乾杯の挨拶でいつもしていることと、献杯で直すことを並べたものです。直すのは言葉・声・杯の高さ・グラス・唱和の後の5か所だけです。ここを押さえれば、乾杯の時の感覚のまま進めて大丈夫です。

直す所 乾杯 献杯
結びの言葉 〇〇を祝して、乾杯 〇〇を偲んで、献杯
声 明るく大きく 静かに、低めの声
杯の高さ 高く上げる 胸の高さで軽く
グラス 合わせることが多い 合わせない
唱和の後 拍手することが多い 拍手せず、軽く口をつける

※出典:自由なお葬式「献杯と乾杯の違い|4つのポイント」(2025年5月15日)・シンプルなお葬式・富士葬祭をもとに作成

富士葬祭の記事も、献杯ではグラスを打ち合わせたり拍手をしたりせず、グラスに軽く口をつけるだけにとどめるとしています。シンプルなお葬式の記事は、大きな声で発声することも避けたいこととして挙げています。

※出典:富士葬祭「葬儀の献杯とは?」(2026年5月18日)・シンプルなお葬式

朝、街なかの歩道橋の上で、黒いコートを着た30代の女性が手すりの近くに立ち止まり、目を伏せて小さく口を動かしている横顔。看板の文字は読めない

献杯の挨拶の長さは30秒が目安

長さの目安は、記事によって違います。いちばん短いのは自由なお葬式の「30秒〜1分」で、公益社やシンプルなお葬式は1分程度、葬儀の口コミや横浜祭典は1〜2分としています。

献杯の挨拶の長さの目安(各記事の上限)

自由なお葬式(30秒〜1分)

1分

公益社(1分程度)

1分

シンプルなお葬式(1分程度)

1分

富士葬祭(約1分程度)

1分

葬儀の口コミ(1~2分程度)

2分

横浜祭典(約1〜2分)

2分

この記事のおすすめ(約150字)

30秒

多くの記事が1分程度を目安にしています。この記事は、食事の前に皆が杯を持って待つ場面なので30秒をおすすめします

※出典:自由なお葬式・公益社・シンプルなお葬式・富士葬祭・葬儀の口コミ・横浜祭典の献杯の挨拶の記事

メモリードの記事は、1分間に話せる文字数を約300文字としています。30秒なら150字ほどです。4つの部品を1文ずつ言えば、ゆっくり話しても30秒に収まり、皆を長く待たせずにすみます。

※出典:メモリード「葬儀の喪主挨拶例文とマナー」

昼、和室の床の間の前の座卓に、白い徳利と小さな盃が2つ並び、障子越しのやわらかい光が当たっている。人は写らない。掛け軸や文字は無い

頭が真っ白になったら「〇〇を偲んで、献杯」だけでいい

知恵袋には2015年2月、妻の父の三回忌で初めて献杯の挨拶をする人の相談がありました。手短に済ませたいという声です。ベストアンサーは、献杯の挨拶は「故人様を偲んで献杯!」と言うだけで十分だと答えていました。

※出典:Yahoo!知恵袋「三回忌で献杯の挨拶をするのですが、初めての献杯の挨拶で…」(2015年2月)

つまり、途中で言葉が出なくなっても、「〇〇さんを偲んで、献杯」の1文に飛べば挨拶は終われます。4つの部品のうち、最後の1文だけは必ず言えるようにしておく。それが当日のいちばんの安心材料になります。

曇りの昼、街の文具店の売り場で、40代の女性が白い無地の一筆箋を手に取り、静かに選んでいる手元と横顔。商品や値札の文字は読めない

献杯の挨拶で避けたい言葉

葬儀や法事の挨拶では、不幸が重なることや続くことを思わせる言葉を避けます。葬儀の口コミの記事は「重ね重ね」「ますます」を、小さいわが家のお葬式の記事は「迷う」「浮かばれない」「死ぬ」「苦しむ」を挙げています。

避けたい言葉 言い換えの例
重ね重ね・ますます 心より・深く
死ぬ・死亡 亡くなる・旅立つ
迷う・浮かばれない 使わずに言い換える
苦しむ つらい思いをする
祝して・おめでとう 偲んで

※出典:葬儀の口コミ「親族の献杯挨拶とは?」(2025年6月25日更新)・小さいわが家のお葬式「家族葬の献杯のあいさつ例文」(2026年8月11日更新)をもとに作成

短い献杯の挨拶の例文:簡単な一言10秒と、親族が言う30秒

昼、斎場の会食室の入口の廊下で、喪服の70代の女性が30代の男性の腕に軽く手を添えて小声で何かを頼み、男性が少し驚いた顔でうなずいている。顔は小さく写る。案内板の文字は読めない

まずは、いちばん短い形です。自由なお葬式の記事は、身内だけのごく短くてよい場面の例文として「それでは、○○を偲んで、献杯。」の1文を載せています。名乗りやお礼は、喪主の挨拶ですでに済んでいる時の形です。

※出典:自由なお葬式「例文|ごく短くてよい場面(身内のみ)」

簡単な一言・10秒の例文(書き手が作った見本)

「それでは、叔父〇〇を偲びまして、献杯をさせていただきます。皆様、ご唱和をお願いいたします。献杯。」

夜、実家の客間で、喪服の30代の女性が畳に膝をつき、壁ぎわの衣紋掛けに黒い喪服の上着を掛けている後ろ姿。部屋に写真立て・仏壇・遺影は無い

唱和は、参列者も静かに「献杯」と声をそろえることです。シンプルなお葬式の記事は、杯に軽く口をつけたら、一礼して食事を始めるとしています。言い終えたら、杯を胸の高さに掲げたまま、皆が口をつけるのを待ちましょう。

※出典:シンプルなお葬式「献杯までの流れ」

朝、仕出し屋の明るい調理場で、白衣の職人が黒い弁当箱に煮物や焼き魚を静かに詰めている手元。顔は写らない。文字は無い

親族が言う30秒・約150字の例文

名乗りから入る時は、1章の4つの部品を1文ずつ並べます。下の例文は、甥が叔父の精進落としで頼まれた時の見本です。故人の呼び方や思い出は、ご自分の家族に合わせて入れ替えてください。

30秒・約150字の例文(名乗り・お礼・偲ぶ一言・献杯)

「故人〇〇の甥の□□でございます。

本日は叔父のために、お集まりいただき、誠にありがとうございます。おかげさまで、葬儀を滞りなく終えることができました。

叔父は、私が子どもの頃、川釣りによく連れていってくれました。

それでは、叔父を偲びまして、献杯。」

春の昼、川原の浅瀬で、70代の男性と小学生の男の子が並んで釣り竿を持ち、水面を見つめている後ろ姿。少し古い写真のような色合い。文字は無い

例文は書き手が作った見本です。偲ぶ一言は、思い出を1つにしぼります。知恵袋のベストアンサーにもあるとおり、無理に思い出を入れなくても、名乗りとお礼と発声だけで挨拶は形になります。

昼、斎場の中庭の小さな池のほとりで、喪服の30代の男性が年配の男性に軽く会釈している。顔は小さく写る。建物の文字は読めない

喪主に指名された時は「僭越ながら」から入る

知恵袋には2025年11月、葬式の後の食事で献盃の発声を頼まれ、故人への思いを少し言ってもよいかという相談がありました。ベストアンサーは、喪主から指名を受けて「僭越ながら」といった程度でよいと答えていました。

※出典:Yahoo!知恵袋「献盃の挨拶 葬式終わりの食事の際に献盃の発声を頼まれたのですが…」(2025年11月)

指名された時の入り方(書き手が作った見本)

「ご指名をいただきましたので、僭越ながら、献杯の発声をさせていただきます。故人〇〇の甥の□□でございます。」

親族の立場別の献杯の挨拶の例文:息子・娘・義理の息子・甥や孫

昼、田舎の古い一軒家の玄関先で、遠くから来た喪服の30代の男性と、出迎えた70代の女性が向き合い、互いに深く頭を下げている。顔は小さく写る。表札の文字は読めない

献杯の挨拶は、喪主でなくてもかまいません。シンプルなお葬式の記事は、必ず喪主が行わなければならないものではなく、故人と関係の深かった人や、参列者の中で代表となる人が行うとしています。

※出典:シンプルなお葬式「献杯の挨拶は誰が行う?」

立場が変わっても、変えるのは名乗りの1文と故人の呼び方だけです。下の表で自分の名乗り方を確かめたら、2章の例文の名乗りの所だけを入れ替えましょう。お礼と偲ぶ一言、献杯の発声はそのまま使えます。

立場 名乗りの言い方 呼び方
息子・娘 故人の長男の□□でございます 父・母
義理の息子 故人の長女の夫の□□でございます 義父・お義父さん
甥・姪 故人の甥の□□でございます 叔父・叔母
孫 故人の孫の□□でございます 祖父・祖母

※出典:Yahoo!知恵袋(2025年2月)・橙縁社「献杯の挨拶」(2025年5月6日)の名乗りと立場の分け方をもとに作成

夕方、会社のビルのエントランスを、黒いかばんを持った喪服の50代の男性が足早に出ていく後ろ姿。ガラス扉の外は夕焼け。社名や看板の文字は読めない

義理の息子が頼まれた時の名乗り方

知恵袋には2025年2月、妻の父の葬儀で献杯の挨拶を頼まれ、自己紹介をどうすればよいかという相談がありました。ベストアンサーは、献杯なら自己紹介はいらないとしたうえで、言うなら「故人の長女の夫〇〇と申します」と答えていました。

※出典:Yahoo!知恵袋「妻の父親葬儀に参列します。その際に献杯の挨拶を頼まれました」(2025年2月)

義理の家族の前では、名乗りを長くするほど緊張が増します。続柄と名前の1文だけ言えば十分です。妻の親族に顔を知られていない時ほど、この1文があると、誰が話しているのかが伝わります。

冬の朝、高速道路のサービスエリアの駐車場で、喪服に黒いコートを着た30代の夫婦が車の横に立ち、温かい缶の飲み物を手に少し話している。顔は小さく写る。看板や車の文字は読めない

息子・娘が親の献杯をする時

喪主が母で、長男が献杯を頼まれることもあります。家族の側が話す時は、お礼を「父のために」と身内の言葉で言い、偲ぶ一言は参列者が知っている父の姿を1つ選びます。

息子が父の献杯をする時の例文(書き手が作った見本)

「故人〇〇の長男の□□でございます。本日は父のためにお集まりいただき、ありがとうございます。父は、毎年この季節になると、皆様と囲む食事をいちばんの楽しみにしておりました。それでは、父を偲んで、献杯。」

冬の昼、実家の明るい居間の掘りごたつで、60代の男性と30代の娘が向かい合い、みかんを手に笑って話している。少し古い写真のような色合い

孫・友人・職場の上司が頼まれた時

橙縁社の記事は、献杯の挨拶の例文を、喪主・親族・友人や知人・職場の上司の4つの立場に分けて載せています。孫や友人の時も、組み立ては同じです。名乗りで故人との関係を言い、偲ぶ一言を自分の立場から見た姿に替えます。

※出典:橙縁社「献杯の挨拶|例文と合わせ喪主、親族、友人、職場の上司など」

葬儀の献杯の挨拶の例文:精進落としと通夜振る舞い

昼、火葬場の待合ロビーの大きな窓の前で、喪服の親族数人がソファに離れて座り、湯のみを手に静かに待っている遠景。人物は小さく写る。文字は無い

献杯は、葬儀そのものの最中ではなく、会食の前に行います。シンプルなお葬式の記事は、献杯の場面を、通夜振る舞い、精進落とし、法事や法要の後のお斎としています。葬儀でいちばん多いのは、精進落としの献杯です。

※出典:シンプルなお葬式「献杯はいつ行う?」

昼、料理店の入口へ続く細い石畳の小道に、飛び石と白い玉砂利が並び、両側の植え込みの緑に木漏れ日が落ちている。人・山・窓は写らない。看板の文字は無い

精進落としの献杯の例文(書き手が作った見本)

「故人〇〇の弟の□□でございます。本日は兄のために最後までお付き添いいただき、誠にありがとうございました。おかげさまで、葬儀を滞りなく終えることができました。兄も、皆様に見送っていただき、安心していることと存じます。それでは、兄を偲びまして、献杯。」

昼、斎場の送迎用の小型バスの車内で、喪服の親族数人が座席に座り、窓の外を静かに見ている後ろ姿。運転手や車内の文字は写らない

通夜振る舞いで献杯を頼まれた時

通夜振る舞いは、通夜の後に参列者へ食事をふるまう席です。自由なお葬式の記事も、通夜振る舞いと精進落としの献杯の例文を並べて載せています。翌日に告別式が控えているので、この記事では2章の10秒の形をおすすめします。

※出典:自由なお葬式「例文|通夜振る舞い・精進落とし(葬儀当日)」

喪主が自分で献杯を発声する時

喪主が会食の始めの挨拶に続けて、自分で献杯を発声することもあります。喪主の挨拶の組み立てと、献杯の発声を親族に頼む一言は、喪主の挨拶の例文にまとめています。

家族葬の献杯の挨拶の例文:身内だけの短い一言

夜、自宅の居間の座卓を、喪服の家族5人ほどが囲み、寿司桶と湯のみが並んでいる。顔は小さく写る。部屋に遺影・仏壇・写真立ては無い。文字は無い

家族葬では、参列者が身内やごく親しい人に限られます。小さいわが家のお葬式の記事は、家族葬の献杯のあいさつも、あらかじめ1分ほどで終えられるようにまとめておくようすすめています。

※出典:小さいわが家のお葬式「家族葬の献杯のあいさつ例文を5つ紹介」

家族葬の献杯の例文(書き手が作った見本)

「今日は母のために集まってくれて、ありがとう。おかげで、みんなで母を見送ることができました。母の好きだったお寿司を囲みながら、ゆっくり話しましょう。それでは、母を偲んで、献杯。」

昼、自宅の台所で、喪服の上にエプロンをつけた50代の女性が、大皿に煮物を静かに盛り付けている手元。顔は写らない。文字は無い

身内だけの席なら、「ご多用の中」のような決まり文句を、ふだんの言葉に近づけてかまいません。ただし、最後の「〇〇を偲んで、献杯」の1文は残すと、短くても会食の始まりがきちんと締まります。

夕方、住宅街の一軒家の門の前で、喪服の40代の女性が、走り去る親戚の車に小さく手を振って見送っている後ろ姿。車のナンバーや表札の文字は読めない

家族葬で献杯を省いてもいいか

シンプルなお葬式の記事は、家族葬で献杯を行うかどうかに必ず守る決まりはなく、参列者がごく少人数の場合などは、献杯を省いても失礼にはあたらないとしています。迷ったら、喪主や葬儀社の担当者に確かめましょう。

※出典:シンプルなお葬式「家族葬で献杯は必要?」

法事の献杯の挨拶の例文:四十九日・一周忌・三回忌

昼、法要を終えた寺の板張りの長い廊下で、喪服の30代の男性が、隣を歩く年配の女性に身をかがめて小声で何かを確かめている。庭木の緑が窓越しに見える。僧侶・祭壇・遺影は写らない。文字は無い

法事の後の会食でも、献杯を頼まれることがよくあります。組み立ては葬儀の時と同じで、変えるのは偲ぶ一言の中身です。自由なお葬式の記事は、年忌法要の例文で、時間が経ったことへの思いを込めています。

※出典:自由なお葬式「例文|一周忌・三回忌など年忌法要後の会食」

四十九日法要の献杯の例文

四十九日の献杯の例文(書き手が作った見本)

「故人〇〇の長女の□□でございます。本日は母の四十九日の法要にお参りいただき、誠にありがとうございました。おかげさまで、無事に忌明けを迎えることができました。それでは、母を偲びまして、献杯。」

朝、街の花屋の店先で、普段着の40代の女性が、白と淡い紫の花でまとめた小さな花束を店員から両手で受け取っている手元。顔は小さく写る。値札や看板の文字は読めない

一周忌・三回忌・七回忌の献杯の例文

知恵袋には2009年3月、親戚の三回忌で献杯を頼まれた人の相談がありました。ベストアンサーは「あれから三度目の春となりました」と月日にふれ、「〇〇おじさんを偲んで、一献をささげたいと思います」と結ぶ例を挙げていました。

※出典:Yahoo!知恵袋「親戚の三回忌で”献杯”をしてもらえないかといわれています」(2009年3月)

秋の朝、郊外の小学校のそばのイチョウ並木の歩道に黄色い葉が積もり、遠くを普段着の60代の男性が一人で歩いている。川や山は写らない。文字は無い

三回忌の献杯の例文(書き手が作った見本)

「故人〇〇の甥の□□でございます。早いもので、叔父が旅立ってから二年がたちました。今日こうして皆様と叔父の話ができることを、うれしく思います。それでは、叔父を偲びまして、献杯。」

一周忌なら「一年がたちました」、七回忌なら「六年がたちました」と、月日の1文だけを替えれば同じ形で使えます。三回忌は亡くなってから満2年なので、「二年」と言います。数え方に迷う時は、施主に確かめましょう。

初夏の昼、寺の境内の手水舎で、普段着の40代の男性がひしゃくで静かに手を清めている手元。顔は小さく写る。文字は無い

献杯はいつまでするのか

みんなが選んだ終活の記事は、献杯に「何回忌まで」という期限はないとしています。精進落としのほか、四十九日・一周忌・三回忌と続く法要の場でも行われ、故人の友人が集まる食事の席でも行われるとしています。

※出典:みんなが選んだ終活「献杯はいつまで行われるの?」(2023年11月21日更新・一級葬祭ディレクター監修)

献杯のやり方と乾杯との違い:音頭・発声・グラスの持ち方と、誰がするか

昼、和室の座卓の前で、喪服の60代の女性が正座したまま、小さなグラスを両手で胸の前に持ち、目を伏せている手元と横顔。周りの人は写らない。文字は無い

献杯の音頭は、会食の流れの中で行います。シンプルなお葬式の記事は、献杯までの流れを次のように説明しています。挨拶をする人が前に出るか、その場で立つところからが、頼まれた人の出番です。

  1. 参列者が着席し、飲み物が全員に行き渡る
  2. 喪主が会食の始めの挨拶をする
  3. 献杯の人が前に出るか、席で立つ
  4. 思いと参列へのお礼を短く述べる
  5. 「献杯」と発声し、皆が静かに唱和する
  6. 杯に軽く口をつけ、一礼して食事を始める

※出典:シンプルなお葬式「献杯までの流れ」をもとに作成

昼、和食店の個室の入口で、着物の仲居が盆にのせた瓶の烏龍茶と日本酒の徳利を運んでいる手元。顔は写らない。ラベルや品書きの文字は読めない

杯は、胸から顔の高さあたりに静かに掲げます。富士葬祭の記事も、グラスは胸から顔の高さ程度に軽く掲げるとしています。立つか座るかは会場に合わせます。自由なお葬式の記事は、起立が丁寧だが、着席でもかまわないとしています。

※出典:シンプルなお葬式・富士葬祭・自由なお葬式「献杯に関するよくある質問」

献杯と乾杯の違い

いちばんの違いは、祝う席か、故人を偲ぶ席かです。公益社の記事は、献杯は相手に杯を差すという意味で、乾杯はおめでたい席で盛り上げるためのものとしています。だから、声も動きも静かにそろえます。

※出典:公益社「献杯とは?」

昼、明るいレストランの窓辺のテーブルに、泡の立つシャンパングラスが2つと小さな花束が置かれている。人は写らない。文字は無い

会社の飲み会や祝いの席の乾杯の挨拶は、乾杯の挨拶の例文にまとめています。乾杯に慣れている人ほど、1章の5か所を前日に一度声に出しておくと、つい明るい声になるのを防げます。

献杯は誰がする・誰に頼む

自由なお葬式の記事は、献杯の音頭は喪主、親族の年長者、故人と親しかった友人に頼むのが通例としています。頼む側は会食が始まる前に声をかけ、席での突然の指名は避けるのが親切だとしています。

※出典:自由なお葬式「献杯を頼まれたら・頼むなら」

夕方、自宅のダイニングで、カーディガン姿の50代の男性が固定電話の受話器を耳に当て、もう片方の手で卓上の小さなメモ帳に書き込んでいる横顔。部屋に写真立て・額・仏壇は無い。メモの文字は読めない

浄土真宗では献杯をしないこともある

宗派によっては献杯をしません。浄土真宗本願寺派の天真寺は、浄土真宗では亡き人は仏様になられていると考えるので献杯はしないとし、食前のことばを唱和して故人を偲び、お食事をいただくとしています。

※出典:天真寺(浄土真宗本願寺派)「献杯の挨拶」(2018年3月)

昼、寺の客殿の座卓で、喪服の親族数人が料理を前に静かに手を合わせている手元。顔・僧侶・祭壇は写らない。文字は無い

自由なお葬式の記事も、浄土真宗では「ご冥福」を用いないのが正式だとしています。浄土真宗の法事で頼まれた時は、献杯と言ってよいか、どんな言葉で食事を始めるかを、前もって施主に確かめておきましょう。

※出典:自由なお葬式「挨拶の組み立て方と避けるべき言葉」

献杯の挨拶で頭が真っ白・声が震える人へ:カンペと前日・当日の3つの準備

夕方、自宅の洗面所の鏡の前で、喪服の白いシャツ姿の50代の男性が黒いネクタイを締めながら、小さく口を動かしている横顔。鏡には顔が小さく映る。文字は無い

献杯の挨拶は、親族の視線が自分ひとりに集まる短い時間です。短いぶん、最初の一言でつまずくと頭が真っ白になりがちです。自由なお葬式の記事は、うまく話そうと気負う必要はなく、言葉に詰まっても大丈夫だとしています。

※出典:自由なお葬式「献杯を頼まれたら・頼むなら」

カンペは見てもいい

シンプルなお葬式の記事は、メモを見ながら話しても問題ないとしています。メモは手のひらに収まる大きさにして、4つの部品を1行ずつ書きます。杯を持つ手と反対の手で持てば、読み終えてからすぐに杯を掲げられます。

※出典:シンプルなお葬式「献杯の挨拶で気を付けたいマナー」

夜、実家の客間で、普段着の30代の男性が小さなメモを持って座ったまま小声で読み、向かいに座った姉がうなずきながら聞いている。顔は小さく写る。メモの文字は読めない

前日と当日の3つの準備

橙縁社の記事は、献杯の挨拶では笑顔は見せず、声のトーンも普段より下げるとしています。緊張すると声は高く、早口になりがちです。だからこそ、前日と当日に次の3つだけ準備しておきましょう。

※出典:橙縁社「献杯の挨拶と献杯する際の注意点」

  • 30秒を計る声に出して読み、約150字・30秒か確かめる
  • 最後の1文を覚える「〇〇を偲んで、献杯」だけは紙を見ずに言う
  • 順番と合図を聞く当日、喪主にいつ呼ばれるかを確かめておく

言い間違えた時も、あわてなくて大丈夫です。自由なお葬式の記事は、うっかり「乾杯」と言い間違えても、言い直せば問題ないとしています。詰まったら一度息を吐き、最後の1文から言い直せば大丈夫です。

※出典:自由なお葬式「献杯に関するよくある質問」

朝、人のいない市民ホールの客席を、舞台の袖から見た景色。赤い座席の列が奥まで並び、天井の照明がやわらかく点いている。人は写らない。文字は無い

元NHKエグゼクティブアナウンサーが大切にしている「伝わる話し方」の考え方

吉松欣史は、NHKで32年間、プロ野球や高校野球、Jリーグの実況を担当し、FIFAワールドカップ2010やロンドンオリンピック2012の放送にも携わりました。2023年にNHKを退局し、今は話し方の研修を行っています。

※出典:吉松欣史 講師プロフィール(経歴・主な実績)

その吉松も、入社当初は人前に立つと声が震え、頭が真っ白になっていました。ルーキー時代の祇園祭の生中継では、一字一句丸暗記したコメントが、始まった瞬間に全部飛んでしまったといいます。

※出典:吉松欣史 講師プロフィール(私自身のあがり症体験)

冬の朝、雪の積もった公園のグラウンドの端で、コート姿の60代の男性が一人で立ち、空を見上げてゆっくり息を吸っている後ろ姿。文字は無い

吉松が指導の柱の一つに置いているのが、意識の向け先を変えることです。親族に「どう見られているか」を気にするほど、緊張は強くなります。献杯の挨拶で届けるのは、故人を偲ぶ気持ちと、集まった人へのお礼です。

元NHK
アナウンサー
ヨシ

「どう見られるか」への意識を「何を届けるか」へ転換。認知的再評価でプレッシャーを力に変える。

※出典:吉松欣史 講師プロフィール(指導の3つの柱)

献杯の挨拶でよくある誤解・注意点

夕方、斎場からの帰り道の住宅街の歩道を、喪服の60代の母親と30代の息子が並んでゆっくり歩いていく後ろ姿。電柱や表札の文字は読めない

誤解①:思い出を長く話すほど気持ちが伝わる

思い出を話したくなる気持ちは自然です。けれども献杯の挨拶の間、皆は杯を持ったまま食事を待っています。各社の記事も、長くて1〜2分、多くは1分程度を目安にしています。偲ぶ一言は、1つあれば十分です。

※出典:公益社・葬儀の口コミ・横浜祭典の長さの目安

昼、寺の駐車場の大きな木の陰で、喪服の男性2人が少し離れて並んで立ち、一人が腕時計に目をやっている。顔は小さく写る。車や看板の文字は読めない

誤解②:自己紹介はていねいに長くしないと失礼

知恵袋の2025年2月のベストアンサーは、献杯なら自己紹介はいらないとまで答えていました。名乗るとしても、続柄と名前の1文で十分です。経歴や故人とのなれそめを長く話すより、短く結ぶ方が場に合います。

※出典:Yahoo!知恵袋「妻の父親葬儀に参列します。その際に献杯の挨拶を頼まれました」(2025年2月)

夜、自宅の和室で、喪服の上着を脱いだ40代の男性が座布団に座り、小さなメモを折りたたんで手帳に挟んでいる手元と横顔。部屋に写真立て・額・遺影・仏壇・花は無く、壁は無地。メモの文字は読めない

誤解③:乾杯と同じように元気よく言う

乾杯に慣れていると、最後の「献杯」をつい張った声で言ってしまいます。シンプルなお葬式の記事は、大きな声で発声することを避けたい行為に挙げています。最後の1文ほど、低く、ゆっくり言いましょう。

※出典:シンプルなお葬式「献杯の挨拶で気を付けたいマナー」

💡 眠れない・体の不調が続く方へ
大切な人を亡くした悲しみや、人前で話すことへの怖さで、眠れない日や、体が動かず仕事や外出がつらい日が2週間以上続く時は、心療内科や精神科、かかりつけの医師に相談してください。厚生労働省の働く人のための相談窓口「こころの耳」では、電話やSNSで相談できます。

献杯の挨拶だけでなく、会議や朝礼、冠婚葬祭の挨拶など、人前で話すたびに頭が真っ白になる方へ。入社当初は自分も声が震えていた吉松欣史が、32年の生放送でたどり着いた話し方の考え方をお伝えする無料のオンライン勉強会があります。

講師の吉松欣史は、NHKで32年間アナウンサーを務め、サッカーW杯とオリンピックの実況を担当した元NHKエグゼクティブアナウンサーです。勉強会は無料のオンライン形式で、60分・顔出し不要です。人前で話す時の緊張が悩みの中心の方に向けた内容です。

※出典:吉松欣史 講師プロフィール(経歴・主な実績)

※通院中・治療中の方は、この記事の方法より主治医の方針を優先してください。

\ 人前で話す時の緊張が中心の方へ /

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献杯の挨拶で、よくある質問

夜、自宅の明るいキッチンで、喪服の上着を脱いだ40代の女性が、湯気の立つ湯のみを両手で持ち、ほっとした表情で窓の外を見ている横顔
Q献杯の挨拶は何分・何文字がいいですか?
この記事は30秒・約150字をおすすめします。各社の記事の目安は30秒〜2分で、1分程度が多くなっています。メモリードの記事は、1分間に話せる文字数を約300文字としています。
Qお酒が飲めない時は、どうすればいい?
自由なお葬式の記事は、口をつける仕草だけで十分で、ソフトドリンクやお茶でも問題ないとしています。シンプルなお葬式の記事も、口をつける程度で問題ないとしています。
Q献杯は立って言うものですか?
自由なお葬式の記事は、起立が丁寧だが着席でもかまわないとしています。会場や人数に合わせて、喪主や周りの人にならいましょう。
Qうっかり「乾杯」と言ってしまったら?
自由なお葬式の記事は、言い直せば問題ないとしています。一呼吸おいて「失礼いたしました。〇〇を偲んで、献杯」と言い直しましょう。
Q献杯は何回忌まで続けるものですか?
期限はありません。みんなが選んだ終活の記事は、献杯に「何回忌まで」という期限はなく、法要や故人を偲ぶ食事の席で行われるとしています。

献杯の挨拶の前に頭が真っ白になったり、声が震えたりするのは、あなたが人前で話すのに向いていないからではありません。人前で話す時の緊張が中心の方は、吉松欣史の無料オンライン勉強会(60分・顔出し不要)で、緊張と付き合いながら話すための考え方を知ってください。

講師の吉松欣史は、NHKで32年間アナウンサーを務め、サッカーW杯とオリンピックの実況を担当した元NHKエグゼクティブアナウンサーです。勉強会は無料のオンライン形式で、60分・顔出し不要です。人前で話す時の緊張が悩みの中心の方に向けた内容です。

※出典:吉松欣史 講師プロフィール(経歴・主な実績)

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