アナウンサー
専門脳科学・心理学を使ったあがり症の克服
「コミュニケーション能力を鍛える本を読んでみたけれど、会議になると言葉が出てこない」「本が多すぎて、どれから読めばいいか分からない」。そんな悩みを抱えていませんか。
コミュニケーション能力の本は、自分の悩みに合った1冊を選び、読んだことを職場で1つずつ試して初めて役に立ちます。この記事では、元NHKエグゼクティブアナウンサー・吉松欣史の監修で、おすすめの本10冊と悩み別の選び方を紹介します。
- コミュニケーション能力を鍛える本おすすめ10選と向く人
- ベストセラーの選び方と、悩み別に高める本を選ぶコツ
- 本を読んでも会議で言葉が出ない理由と、読んだ後に試す3つの練習
コミュニケーション能力を鍛える本おすすめランキング10選:職場の会話に使える順に並べた

このランキングは、出版社が公開している内容紹介と目次をもとに、4つの基準で並べました。職場で使える例が多いか、緊張しやすい人にも合うか、読みやすいか、読んだ後の練習に移しやすいかです。
読んだことのない本の感想は書かず、どの本も「どんな人に向いているか」を中心に紹介します。雑談や語彙力など、テーマを絞った本はこの後の章でまとめて案内するので、ここでは幅広く学べる本を選んでいます。
- 1位 人は話し方が9割話すことに苦手意識がある人の1冊目に
- 2位 伝え方が9割お願いや提案を通したい人に
- 3位 話し方のベストセラー100冊のポイントを1冊にまとめてみた。読む時間がない人に
- 4位 聞く力聞き方から信頼を得たい人に
- 5位 〈イラスト&図解〉コミュニケーション大百科場面別にコツを引きたい人に
- 6位「何回説明しても伝わらない」説明がすれ違う理由を知りたい人に
- 7位 頭のいい人が話す前に考えていること話す前の考え方を整えたい人に
- 8位 タイプがわかればうまくいく!コミュニケーションスキル苦手な相手がいる人に
- 9位 職場に活かすベストコミュニケーション上司と部下の会話を見直したい人に
- 10位 図解 自分の気持ちをきちんと〈伝える〉技術言いたいことを飲み込みがちな人に
1位『人は話し方が9割』(永松茂久/すばる舎・2019年)
「会話はスキルよりメンタル」という考え方を軸に、自分も相手も自己肯定感が上がる話し方を紹介する本です。「また会いたい」と思われる人の話し方や、人に嫌われない話し方の章があります。(版元ドットコムの紹介ページ)
2位『伝え方が9割』(佐々木圭一/ダイヤモンド社・2013年)
コピーライターの著者が、「ノー」を「イエス」に変える技術と、強いコトバをつくる技術を解説した本です。お願いや提案が通らずに困っている人や、言葉の選び方を型で覚えたい人に向いています。(出版社の紹介ページ)
3位『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(藤吉豊・小川真理子/日経BP・2021年)
話し方のベストセラー100冊に共通するコツを、多く書かれていた順にランキングにした本です。1位は「会話は『相手』を中心に」で、40位までのルールを順に読めます。(版元ドットコムの紹介ページ)
4位『聞く力 心をひらく35のヒント』(阿川佐和子/文春新書・2012年)
週刊文春の対談連載で800人以上の本音を引き出してきた著者が、聞く極意を35のヒントで紹介する新書です。「相槌をケチらない」など、明日の会話ですぐ試せるヒントが並んでいます。(出版社の紹介ページ)
5位『〈イラスト&図解〉コミュニケーション大百科』(戸田久実/かんき出版・2019年刊)
伝える、聴く、質問する、切り出す・切り返す、大勢の前で話す、仕事以外で会話する、の6つの場面ごとにコツをまとめた本です。巻末には、とっさの時に使えるフレーズ集もついています。(版元ドットコムの紹介ページ)
6位『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』(今井むつみ/日経BP・2024年)
認知科学者の著者が、伝わらない原因は「言い方」ではなく「心の読み方」にあると説く本です。何度説明しても話がすれ違う人が、言い換えより先に見直すべきことを知りたい時に向いています。(版元ドットコムの紹介ページ)
7位『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉/ダイヤモンド社・2023年4月刊)
コンサルタント出身の著者が、話す前に考えておく7つの黄金法則と、客観視・整理・傾聴・質問・言語化の5つの思考法をまとめた本です。話し方の技術より先に、考え方から整えたい人に向いています。(出版社の紹介ページ)
8位『タイプがわかればうまくいく!コミュニケーションスキル』(谷益美・枝川義邦/総合法令出版・2015年)
人を4つのタイプに分けて、相手に合わせた話し方・伝え方を考える本です。脳科学者による解説つきで、苦手な人も「味方」に変わるという考え方は、職場の人間関係に悩む人に合います。(版元ドットコムの紹介ページ)
9位『職場に活かすベストコミュニケーション』(瀬川文子/日本規格協会・2014年)
世界各国で取り入れられているゴードン・メソッドをもとに、職場でのコミュニケーションのコツを会話例とあわせて紹介する本です。上司と部下の会話を見直したい管理職の人に向いています。(版元ドットコムの紹介ページ)
10位『図解 自分の気持ちをきちんと〈伝える〉技術』(平木典子/PHP研究所・2007年刊)
自分も相手も大切にする自己表現「アサーション」の考え方を、図解で学べる本です。言いたいことを飲み込んでしまう人が、率直で気持ちのよい伝え方の基本を知るための入口になります。(出版社の紹介ページ)
コミュニケーション能力の本のベストセラー:『人は話し方が9割』と『伝え方が9割』はどちらを読むか

『人は話し方が9割』は、相手との関わり方から変える
すばる舎の発表では、『人は話し方が9割』は2022年2月の重版で100万部を突破しました。本の中心にあるのは、「会話はスキルよりメンタル」「好かれるよりも、まずは嫌われない話し方」という考え方です。
※出典:すばる舎「『人は話し方が9割』が100万部突破!」(PR TIMES・2022年2月2日)
話し方のテクニックを覚えるより、人と話す時の気持ちを軽くしたい人に向いています。人と話すこと自体に苦手意識があって、何から始めればいいか分からない人の1冊目にもおすすめです。

『伝え方が9割』は、言葉を型でつくる
『伝え方が9割』は、相手に「イエス」と言ってもらえる頼み方と、心に残る強いコトバのつくり方を、技術として解説した本です。センスではなく型で学べるので、言葉選びに自信がない人でも取り組めます。
人と話すのが怖いなら『人は話し方が9割』、お願いや提案が通らないなら『伝え方が9割』から読むと、自分の悩みに近い答えが見つかります。

聞き方のベストセラーなら『聞く力』
話すより聞く方を伸ばしたい人には、阿川佐和子さんの『聞く力』もあります。文藝春秋のページでは、年間ベストセラー第1位・ミリオンセラーの新書として紹介されていて、対談で使ってきた聞き方のコツを読めます。
『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』:何冊も読む時間がない人の1冊目

「ベストセラーを何冊も読む時間はないけれど、大事なところは押さえたい」。そんな人に合うのが、この本です。話し方のベストセラー100冊を読んで、多くの本に共通して書かれていたコツを順位にまとめています。
1位は「会話は相手を中心に」
出版社の紹介によると、1位は「会話は『相手』を中心に」、2位は「伝える順番が伝わり方を決める」、3位は「話し方にメリハリをつける」です。多くの本が同じことを書いているので、まずここから試すのが近道です。

全部を覚えず、1つずつ試す
40位までのルールを一度に身につけようとすると、どれも中途半端になってしまいます。目次を見て、自分ができていないルールを1つだけ選び、1週間の仕事の会話で試してみてください。
コミュニケーション能力を高める本の選び方:悩みで3つに分けて選ぶ

コミュニケーション能力を高める本は、順位の高さより、自分の悩みに合っているかで選ぶのがいちばんです。職場での悩みは、大きく分けると次の3つになります。当てはまるものから選んでください。
- 話が伝わらない人2位・6位・7位の本が合う
- 聞けない・会話が続かない人4位・5位の本が合う
- 緊張で言葉が出ない人1位・10位の本が合う
話が伝わらない人は「伝え方の型」がある本
説明したのに相手に伝わっていなかった、という経験が多い人は、伝え方の型や、伝わらない理由を説明した本を選びましょう。自分では伝えたつもりでも、相手に届いていないことは珍しくありません。

※出典:Kruger, Epley, Parker & Ng (2005) Egocentrism over e-mail: Can we communicate as well as we think?(Journal of Personality and Social Psychology 89(6)・査読つき学術誌)
聞けない・会話が続かない人は聞き方の本
相手の話に何を返せばいいか分からず、会話がすぐ途切れてしまう人は、聞き方や質問の仕方が書かれた本が合います。話す力より先に聞く力を伸ばすと、自分から話題を出さなくても会話が続きやすくなります。

緊張で言葉が出ない人は「気持ちの整え方」がある本
話すことは頭にあるのに、人前だと言葉が出てこない人は、話し方の技術より、気持ちの整え方が書かれた本を選びましょう。「会話はスキルよりメンタル」とする『人は話し方が9割』は、その入口になります。
いちばん困っている場面から逆算して本を選ぶと、読んだ後に試す場面がすぐ見つかります。本を選ぶ前に、最近言葉に詰まった場面を1つ思い出してみてください。
悩みが絞れている人へ:雑談・語彙力・アサーション・質問力の本はこちら

雑談が続かない人は、雑談力の本
休憩中やエレベーターの中で、何を話せばいいか迷う人は、雑談のコツに絞った本が合います。『超雑談力』など10冊を、職場の雑談に使える順に雑談力の本おすすめランキングで紹介しています。
言葉が出てこない人は、語彙力の本
言いたいことはあるのに、ぴったりの言葉が見つからない人は、語彙力の本から始めましょう。『大人の語彙力ノート』など10冊を、語彙力を鍛える本おすすめ10選で悩み別に紹介しています。

言いたいことが言えない人は、アサーションの本
反対意見や頼みごとを飲み込んでしまう人は、自分も相手も大切にする伝え方を学べるアサーションの本が合います。平木典子さんの本など10冊を、アサーションの本おすすめ10選で紹介しています。
聞き方を磨きたい人は、質問力の本
会議や面談で、相手から本音や情報を引き出したい人は、質問力の本が役に立ちます。齋藤孝さんの『質問力』など10冊を、質問力の本おすすめ10選で会議で使える順に紹介しています。
コミュニケーション能力の本を読んでも話せない理由と、読んだ後に職場で試す3つの練習

「人に物事を説明することがとても苦手で悩んでいます」。知恵袋には、22歳の新社会人から、自分の考えを言葉にするのが得意ではなく、言葉の引き出しも少ないという相談が寄せられています。
※出典:Yahoo!知恵袋「22歳の新社会人です。人に物事を説明することがとても苦手で悩んでいます。」
読んで分かっても、本番で言葉が出てこない
本を読めば、何をすればいいかは分かります。でも、分かることと本番でできることは別です。会議や人前で緊張すると、頭の中で言葉を組み立てる余裕がなくなり、読んで覚えたコツも出てこなくなります。

吉松欣史は、32年の生放送の経験から、本番で実力を発揮できる話し方を、脳の使い方から鍛えるメソッドにまとめています。読書でコミュニケーション能力を上げるには、知識を増やすだけでなく、本番で言葉が出てくる状態をつくることが欠かせません。
※出典:吉松欣史 講師プロフィール(プロフィール・指導の3つの柱)
練習①:1冊から「明日試すこと」を1つだけ選ぶ
本を読み終えたら、明日の仕事で試すことを1つだけ選び、手帳やスマホにメモしておきましょう。「相手の話に相づちを多めに打つ」「結論から話す」のように、1回の会話で試せる小さなことがおすすめです。

練習②:朝のあいさつや短い報告で試す
選んだことは、朝のあいさつや上司への短い報告など、すぐ終わる場面で試します。吉松は、安全な場での成功体験を積み上げることを指導の柱の1つにしていて、小さな場面ほど緊張しにくく、試しやすくなります。
練習③:試したことを1行で振り返る
その日の夜に、試したことと相手の反応を1行だけノートに書きます。「結論から話したら、上司の質問が1つで済んだ」のように書いておくと、うまくいったことが見えて、次も試す気持ちになれます。

コミュニケーション能力を鍛える方法そのものは、コミュニケーション能力を鍛える・高める5つの順番でくわしく紹介しています。説明が伝わらない悩みは、説明が下手な人の特徴と直し方の記事も参考にしてください。
元NHKエグゼクティブアナウンサーが大切にしている「伝える」ための考え方

この記事を監修した吉松欣史は、1991年にNHKに入局し、32年間アナウンサーを務めました。FIFAワールドカップやロンドンオリンピックの生放送を担当し、現役時代には数百人の一流アスリートを取材しています。
吉松が監修した、働く人500人への意識調査では、職場で気になる話し方の1位が「結論が最後まで出てこない、話が長い」で、42%の人が挙げました。吉松はその理由を、次のように解説しています。
元NHK
アナウンサー
ヨシ
話し手にとっての丁寧さが、聞き手にとっては要点が見えない不安に変わってしまう。
※出典:TID「職場での話し方に関する意識調査2026」監修者・吉松欣史による解説

話が長くなるのは、誤解されたくない、ちゃんと伝えたいという責任感の表れでもあります。本で伝え方の型を学ぶ時も、相手がどう受け取るかを先に考えておくと、型が自分の言葉として使いやすくなります。
吉松は、「どう見られるか」への意識を「何を届けるか」へ転換することを指導の柱の1つにしています。うまく話そうとするより、相手に何を届けたいかを決めてから話すと、言葉が出てきやすくなります。
※出典:吉松欣史 講師プロフィール(指導の3つの柱・トライアングルメソッド)
コミュニケーション能力の本でよくある誤解・注意点

最後に、コミュニケーション能力の本を選ぶ時や読む時に、つまずきやすい誤解と注意点を整理します。思い込みが外れると、読んだことを職場で試す時の気持ちも、ずいぶん軽くなるはずです。
誤解①:たくさん読むほどコミュニケーション能力が上がる
本を何冊も読むと、知っているコツは増えますが、会話で試す回数は増えません。1冊から1つ選んで職場で試す方が、何冊も読み比べるより変化を感じやすくなります。

誤解②:話がうまい人ほどコミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力というと、話のうまさだと思われがちです。でも会話は話す人と聞く人の両方でできていて、聞き手の聞き方が、話し手の話しやすさを大きく変えることも分かっています。
※出典:Itzchakov, Kluger & Castro (2017) I Am Aware of My Inconsistencies but Can Tolerate Them: The Effect of High Quality Listening on Speakers' Attitude Ambivalence(Personality and Social Psychology Bulletin 43(1)・査読つき学術誌)

注意点:気分の落ち込みが続く時は、本より先に相談を
人と話すことがつらい状態が長く続き、気分の落ち込みや眠れない日が2週間以上続く時は、本で解決しようとせず、心療内科や精神科、職場の産業医などに相談してください。
💡 相談先の目安
厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、電話やSNSで相談できる窓口を案内しています。会議で言葉が出なくなる緊張が中心の方は、あがり症の改善方法もあわせて読んでください。
※出典:厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」
人前で話す時の緊張(あがり症)が悩みの中心の方へ。吉松欣史が、緊張と付き合いながら話すための考え方をお伝えする無料のオンライン勉強会があります。
講師の吉松欣史は、NHKで32年間アナウンサーを務め、サッカーW杯とオリンピックの実況を担当した元NHKエグゼクティブアナウンサーです。勉強会は無料のオンライン形式で、60分・顔出し不要です。人前で話す時の緊張が悩みの中心の方に向けた内容です。
※通院中・治療中の方は、この記事の方法より主治医の方針を優先してください。
\ 人前で話す時の緊張が中心の方へ /
コミュニケーション能力の本でよくある質問
Qコミュニケーション能力の本は、1冊目にどれを選べばいいですか?
Q読書でコミュニケーション能力は上がりますか?
Qコミュニケーションの本は意味がないと聞きました。本当ですか?
Qマンガや図解の本でも、コミュニケーション能力は鍛えられますか?
Q職場の人間関係に悩んでいる時は、どの本が合いますか?
Q緊張すると、本で覚えたことが出てこなくなります。
※出典:Yahoo!知恵袋「コミュニュケーション能力が上がる本を教えて欲しいです。」
本を読んでも会議で言葉が出ないのは、あなたの努力が足りないからではありません。人前で話す時の緊張が中心の方は、吉松欣史の無料オンライン勉強会(60分・顔出し不要)で、緊張と付き合いながら話すための考え方に触れてみてください。
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※通院中・治療中の方は、この記事の方法より主治医の方針を優先してください。
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元NHKアナウンサー吉松欣史が漫画で解説あがり症の正体、無料の漫画で読めます発声の問題?あがり症?選ぶ前に違いを知る悩みの見分け方を無料で読めますLINEで無料漫画を読む

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