こんにちは、テレビ局でキャスターとして働いてきた松岡です。
みなさんの周りに、こんなタイプの人はいませんか?
- 人の心を掴んで離さない
- みんなの人気者
- その人のために動きたくなる
とても魅力的な人物ですよね。
このようなタイプの人は、相手の心理を読んで巧みに操る「人心掌握術」に長けている人物といえます。
あなたは、知らず知らずの内に誰かに心を掌握されていませんか?
ビジネスで成功をおさめたいのなら、心を掌握する側にならなければいけません。
仕事ができる人がもつスキル、人心掌握術を身につけるためにはどのようなことを実践しなければならないのかをみてききましょう。
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1.人心掌握術をマスターすればコミュニケーション能力UP
できるビジネスパーソンというのは、周りとの調和がとれ、関係各所からの意見をききながらスムーズに仕事をこなしていきます。
また、作業を進めながら報告をし、連絡を怠らず、トラブルになる前に上司などに相談もします。
つまり、仕事ができるかどうかというのは、コミュニケーション能力があるかどうかにかかっているのです。
そして、そのコミュニケーション能力をより高めるものが、人心掌握術です。
コミュニケーションとは、相手があって初めて成立します。
その相手が、今どうしたいのか、何を欲しがっているのかなどがわかれば摩擦が少なくなり、良好なコミュニケーションを図ることができます。
コミュニケーション能力が高いということは、相手の状況、考えていることが手に取るように理解できるということです。
それが、相手の心を掌握できている状態です。
心を掴まれた相手は、自分のことをわかってくれていることに喜びを感じ、自然とあなたの求める行動をとり、あなたのために行動をします。
より多くの人の心を掴めば掴むほど、あなたのビジネスシーンはあなたの理想通りに展開されていくのです。
2.人心掌握の9つのポイント
相手の心を掴むためには、テクニックが必要です。
人心掌握してやるんだ!と前のめりになっていては、相手の心はあなたから遠ざかってしまいます。
いつの間にかあなたに心を開いていて、知らず知らずのうちに心が掴まれていた…となっているのが理想的です。
相手をそのような状態にさせるためにできるポイントをみていきましょう。
2-1.【その1】相手の自己重要感を高める(褒める)
自己重要感とは、「自分は価値のある人間だ」「自分は役に立つ人間だ」と自分自身で感じることです。
このように自分で自分を認めるためには、他者からの評価が必要不可欠です。
そして、自分を褒めてくれて自己重要感を高めてくれる相手には、
- この人は自分を認めてくれた
- 自分のことを必要としてくれている
- 自分も何かお返しをしたい
と気持ちが動いていくのです。
どんな些細なことでも構いません。
相手が何かあなたに貢献してくれたのなら、
- さすが〇〇さん
- 他の人とは違うなあ
- 〇〇さんを尊敬しますよ
- 〇〇さんだからお願いできるんです
などと、褒めることを忘れずにしましょう。
相手のタイプによっては、大勢の前で褒めることに喜びを感じる人もいるでしょうし、逆に、誰もいないところで、丁寧に褒める方が効果的な人もいるでしょう。
また、あなただけが褒めるのではなく、「〇〇さんも褒めていたんだけど…」と第三者の名前もだすと、相手はさらに認められていることを実感できるはずです。
あなたに認められたと思った相手は、自己重要感を高めてくれるあなたにまた褒められたくて、あなたのためになる行動をとってくれるようになります。
これが人心掌握の第一歩です。
2-2.【その2】相手のペースに合わせる
人心掌握のためには、相手の心と自分の心を近づける必要があります。
心の距離を縮めるには、相手との様々なペースを合わせる方法が有効的です。
たとえば、
- 会話のペース
- 歩くペース
- 食事をするペース
- メールのペース
などです。
会話をしているときに相手が興奮気味に速いペースで会話をしてきたら、それに合わせてあなたも速いペースで質問を投げかけたり反応をしたりします。
逆に、静かに落ち着いて話しているときは、同じように相手に合わせたペース、テンションで対応します。
歩くときは同じような歩幅で。
食事をするときは、同じタイミングで食べ終わるようにペースをみながら食べ進めます。
メールの返信が相手が素早くしてきたら、あなたも同じように返し、何か用事があるなどで遅いペースで返ってくるときはあなたも同じペースで返信をします。
このように、自分の行動とペースが近い相手といるとどのような感覚になるでしょうか。
それは、ストレスなく居心地が良いという感覚です。
ペースを合わせることで、
- この人といると無理をする必要がない
- 自分らしくいられる
- もっとこの人と一緒にいたい
という気持ちにさせるのです。
このような状態になると、相手が自分から心の距離を近づけてきてくれているといえます。
2-3.【その3】相手のコトバを繰り返したり要約
人心掌握のためには、相手にあなたのことを好きになってもらうことも大切です。
そのためには、会話の間で、相手の言葉を使って相槌を打ったり、要約をしたりすることが簡単で即効性のある方法です。
ただ相手の言っている言葉を繰り返すだけでも、相手は、
- 話をよく聞いてくれている
- 自分のことを理解してくれている
- もっと話したい
と、あなたに対して好印象を抱いていくのです。
以下が例文です。
このように、ポイントとなる言葉を用いながら繰り返し、簡単に要約したものもはさんでいきます。
そして、繰り返しながらも相手を褒めることも入れられたら、自己重要感も同時に高められて効果抜群でしょう。
司会進行時にさんまさんはこの手法を使ってゲストの心を掴んでます。
2-4.【その4】相手の話に共感する
相手の話に共感するのは、相手の自己重要感を高めることにもつながる、人心掌握をする上では欠かせないポイントです。
人は、相手に何かを話すとき、心のどこかで自分の言っていることを正しいと認めてもらいたい、理解して欲しいという共感を求めているのです。
仮に、相手が話している内容について、
- それは間違っていると思う
- もっとこうしたら良いのでは?
- 自分ならこうする
などと言っては、相手の心はあなたから一気に離れてしまいます。
共感とは程遠い、指摘、提案、意見などは相手は求めていないからです。
たとえあなたの考えとは異なる内容を相手が話していても、人心掌握のためにはまずは共感をすることが重要です。
- 「それは大変だったね」
- 「あなたが正しいと思うよ」
- 「よく頑張ったよ」
と、相手のことを認め、理解を示してあげましょう。
そうすれば、相手はあなたのことを自分のことをわかってくれる味方だと判断し、あなたに有利となるような行動をとってくれるようになります。
2-5.【その5】相手に与える
人は単純に、自分に何か価値を与えてくれる相手には尽くそうと考えます。
簡単に言えば、お金をくれる相手に尽くそうと思うようなものです。
これだけの金銭をくれるのなら、これだけ相手のために働こうと人は思います。
ただ、ビジネスシーンでコミュニケーションを良好にするためにお金を支払うわけにはいきません。
しかし、何かちょっとしたものをお金に換えて与えることはできます。
例えば、
- 仕事をがんばってくれた相手に昼食をご馳走する
- いつも陰で支えてくれているスタッフにお菓子を贈る
- 出張のお土産を全員の手に渡るようにする
このように、あまり大きな金額のものにしないところがポイントです。
高価なものを贈ると、相手は恐縮してしまい戸惑ってしまいます。そして、あなたのその行為の裏にどんな思惑があるのかと考えます。
お昼のご馳走やお菓子ぐらいなら気持ちよく受け取ることができ、その与えられた価値をあなたに返そうと思ってくれます。
また、金銭が直接絡まない価値を与えることも有効です。
例えば、残業を手伝ったり相手のトラブルの際にフォローしたり、何か手助けをするという価値を与えることも相手の心には響きます。
どんな形でも、相手を喜ばせる価値を与えることができたなら、その相手はきっとあなたのために同等の価値、もしくはそれ以上の物を与え返そうと努めてくれるようになるでしょう。
2-6.【その6】自分の弱みを話す
人は、完璧な人間、キャラクターよりも何か弱みがあるものの方に好印象を抱きます。
例えば、国民的キャラクターのドラえもんはねずみが大の苦手です。アンパンマンは、顔が水に濡れると力がでません。
このように、多くの人から愛されるキャラクターはどこか弱い部分があり、それを知っているからこそ人は応援したくなるのです。
これは人間関係でも同じです。
誰かが自分にだけ弱みをみせてきたら、どのように感じるでしょうか。
- この人にもこんな部分があったのか
- 自分に話してくれたことが嬉しい
- この人にとって自分は特別だ
と、弱みをみせてきた相手のことをより身近に特別に思えるのです。
自分の弱い部分というのは通常あまり大勢にみせるものではありません。
人はそれを知っているからこそ、自分に打ち明けてもらったときの特別感が大きいのです。
また、弱みをみせてもらったことによって、「自分もこの人になら弱みをみせて良いのでは…」という感覚になり、相手はあなたに本当の自分をみせるようになってきます。
相手の心を近づけ掌握するためには、まずは自分の弱さをみせ、それをきっかけにどんどんと相手の心を開かせ掴んでいきましょう。
2-7.【その7】相手の目の動きでタイプを判別する
「目は口程に物を言う」とあるように、コミュニケーションにおいて会話と同じように大切なのが、相手の目の動きです。
目の動きから、相手がどのようなタイプか、今どのような心理状態にあるのかなどを把握し、それに合ったコミュニケーションをとれば良いのです。
例えば、まばたきの多い人は「神経質」なタイプといえるかもしれません。
なぜなら、緊張状態やストレスを感じているときにまばたきは多くなる傾向にあります。そしてそれがわかりやすく出るということは、緊張やストレスを隠せない、気にし過ぎてしまうタイプであるということがわかります。
そのようなタイプと判断した場合は、できるだけ相手に寄り添い、その緊張やストレスを取り除くような会話をするよう努めましょう。
また、目線の動きでもタイプ分けができます。一般的に、
- 右上をみる人…論理的タイプ
- 左上をみる人…感覚派タイプ
といわれています。
右上をみるということは左脳を使っているということなのですが、このタイプは「細かいデータ分析、言語や数字などについて考える」ことが得意です。
そして、左上をみるのは右脳をよく使っているということで、このタイプは「全体的なバランス、物事の流れ」を考えることに長けています。
相手の目の動きを観察し、この人はどのようなタイプなのか、今どんなことを思っているのだろうと考えるのです。
そうすることによって、相手のタイプによって仕事のやり方を変えたり、相手が求めている言葉を選択したりすることができるようになります。
相手の心を打つコミュニケーションをとるには、相手の目から情報を読み取りましょう。
2-8.【その8】熱意をもって行動する
ある人物に自然と人が集まってきたり、その人物を多くの人が慕っている場合、その人はそれだけの人の心を掌握しているということになります。
そういう人物に共通しているのは、その人物の行動に熱意が伴っているという点です。
誰でも、会社のために努力するとか、部下のために頑張るなどと、口では何とでも言えます。そして、努力しているような行動をみせることもできます。
しかし、意外と嘘の熱意というのは見破られるものです。
もしあなたが偽りの熱意で周りに接していたら、
- 本当は私たちのことを考えていないくせに
- 結局自分のことにしか情熱を注がないのに
などと判断され、慕われるどころか離れられていってしまいます。
本当にビジネスの場でコミュニケーション力向上を願うのなら、まずは本物の熱意をもって仕事に向き合い、職場のメンバーと関わりましょう。
あなたのその熱意は必ず周囲に伝わり、
- あの熱意は本物だ
- あの人と仕事を一緒にしたい
- あの人に付いていきたい
と、思ってもらえるはずです。
あなたのことを信頼して集まってくれる相手の心を掴むことは難しいことではありません。
あなたのファンにさせて、相手の心をしっかりと離さないようにしておきましょう。
2-9.【その9】大事なのは思いやり
様々なテクニックをご紹介しましたが、共通しているのは、
- あなたのことを考えている
- あなたのためにしている
という思いやりの気持ちがあるということです。
人心掌握術は、小手先のテクニックで数日で自分の物になるわけではありません。
相手にあなたのことを信頼させ、あなたに心を近づけ開かせ、最終的にあなたのために行動させるのですから、これにはある程度の時間と信頼関係が必要です。
信頼関係を築くには、あなたが思いやりの気持ちを常にもって、どうすれば相手が喜ぶのか、今相手が求めていることは何なのだろうかと考えながら接さなければなりません。
- 私がする行動の全てはあなたを思っての行動だ
- 私はあなたの味方だ
- あなたを常に助けたいと思っている
という気持ちを地道に伝えていけば、相手の方から自然と心を掴ませてくれるのです。
3.人心掌握術を手に入れる方法
人心掌握術を手に入れれば、相手の心を自分の思うままにでき、自分の思うように方向へ操ることができます。
このスキルが手に入れば、どのようなことに活用したいでしょうか。
もちろん、コミュニケーション能力をあげて自分の立場を良くしたいとか、仕事で他の人よりも出世したいなどの気持ちもあるでしょう。
しかし、目先の自分だけの利益のために人心掌握術を手に入れようと思っても、簡単に手にできるものではありません。
人心掌握術は、相手のことを考え、相手の利益を優先するような人が一番早く、そして自然に身につけていくものです。
人の心を掌握したいのなら、まずは心から相手の心配をし、助け、そして熱意をもってすべてのことに向き合ってみてください。
そうすると、気付いたときにはあなたは多くの人の心を掴んで離さない、最高のビジネスパーソンになっているはずですよ。
Aさん「昨日、〇〇会社との打ち合わせがあったんだけど〇時まで長引いてさ」
あなた「〇時までですか。それは大変でしたね」
Aさん「そうなんだよ。しかも商品の追加発注まで頼まれちゃってね」
あなた「商品の追加が今さらあったんですか?」
Aさん「そうだよ。それを全部、僕一人で発注してさ」
あなた「打ち合わせのあと会社戻って、発注業務をAさんが全部一人で!?」
Aさん「まったく昨日だけで何日分も働いた気分だよ」
あなた「それはハードでしたね。でも一日でそれだけできるのはAさんだからですね」