アナウンサー
専門脳科学・心理学を使ったあがり症の克服
「聞く力を身につけたいけれど、どの本から読めばいいのか分からない」「本を読んだのに、いざ会話になると相づちだけで頭が真っ白になる」。そんな思いで、聞く力の本を探していませんか。
聞く力の本は、自分の悩みに合う1冊を選び、読んだことを短い会話で1つずつ試して初めて役に立ちます。この記事では、元NHKエグゼクティブアナウンサー・吉松欣史の監修で、おすすめの本10冊と読んだ後の練習を紹介します。
- 聞く力・聴く力の本おすすめ10選と、それぞれ向いている人
- 阿川佐和子のベストセラー『聞く力』の要点と『人は聞き方が9割』
- 本を読んでも相づちだけで頭が真っ白になる理由と、読んだ後に試す3つの練習
聞く力・聴く力の本おすすめランキング10選:職場の会話で使える順に並べた

このランキングは、出版社が公開している内容紹介と目次をもとに、4つの基準で並べました。職場の場面の例が多いか、聞くのが苦手な人に合うか、読みやすいか、読んだ後の練習に移しやすいかです。
読んだことのない本の感想は書かず、どの本も「どんな人に向いているか」を中心に紹介します。話し方やコミュニケーション全般など、ほかの記事で紹介している本は入れず、聞く力そのものを伸ばす本を選びました。
- 1位 聞く力 心をひらく35のヒント聞き方の基本を1冊で知りたい人に
- 2位 人は聞き方が9割聞くのが苦手で、時間が苦痛な人に
- 3位 聞く力の教科書相づちやしぐさから変えたい人に
- 4位 「聞く力」こそが最強の武器である仕事の人間関係を立て直したい人に
- 5位 新 聞く会話術口下手で会話が続かない人に
- 6位 聞くチカラ雑談の「間」が怖い人に
- 7位 「しんどい」がなくなる本聞いた後にどっと疲れる人に
- 8位 プロカウンセラーの聞く技術カウンセラーの聞き方を学びたい人に
- 9位 人を動かす傾聴力部下やお客様の本音を聞きたい人に
- 10位 LISTEN聞くことを深く考え直したい人に
1位『聞く力 心をひらく35のヒント』(阿川佐和子/文春新書・2012年)
週刊文春の対談連載で、企業経営者から10代のアイドルまで本音を引き出してきた著者が、聞く極意をまとめた新書です。2012年の年間ベストセラー第1位で、聞く力の本を探すなら最初に手に取りたい1冊です。(出版社の紹介ページ)
2位『人は聞き方が9割』(永松茂久/すばる舎・2021年)
「聞くのが苦手」「人の話を聞く時間が苦痛だ」という人に向けて、聞き方のコツを紹介する本です。好かれる聞き方、嫌われない聞き方、また会いたいと思われる聞き方の順に章が並び、身近な場面から読めます。(出版社の紹介ページ)
3位『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』(魚住りえ/東洋経済新報社・2017年)
元日本テレビアナウンサーの著者が、あいづち、態度やしぐさ、質問の仕方を章ごとに紹介する本です。巻末に聞く力の50のコツや、場面別の聞き方もあり、相づちが単調だと感じる人が変えるところを探せます。(出版社の紹介ページ)
4位『「聞く力」こそが最強の武器である』(國武大紀/フォレスト出版・2019年刊)
組織心理学を学び、外交官からエグゼクティブコーチになった著者が、聞く技術を紹介する本です。出版社は、人間関係や仕事で悩む人の多くは、正しく人の話を聞けていないことが原因だと紹介しています。(出版社の紹介ページ)
5位『話すより10倍ラク! 新 聞く会話術』(西任暁子/ディスカヴァー・トゥエンティワン・2021年)
ラジオDJとして5000人以上にインタビューしてきた著者が、相手が安心して話せる場のつくり方を教える本です。2015年の本にオンラインの章を足した改訂版で、口下手で会話が続かない人に向いています。(出版社の紹介ページ)
6位『聞くチカラ』(マツダミヒロ/すばる舎・2024年)
「ふとしたときの間が怖い」「初対面で何を話せばいいか分からない」という人に向けた本です。人見知りでも信頼される聞き方や、雑談が怖くなくなる6つの法則など、話すのが苦手な人の目線で章が組まれています。(出版社の紹介ページ)
7位『『聞き上手さん』の「しんどい」がなくなる本』(大野萌子/ナツメ社・2021年刊行)
産業カウンセラーの著者が、人の話を聞いた後にどっと疲れる「聞き疲れ」の原因と、疲れない聞き方をマンガと一緒に紹介する本です。聞き上手と言われるのに、実は聞くのがしんどい人に合います。(出版社の紹介ページ)
8位『プロカウンセラーの聞く技術』(東山紘久/創元社・2000年)
聞くことのプロであるカウンセラーが、聞き上手になる極意を実例と一緒に説いた本です。「相づちの種類は豊かに」「評論家にならない」など、短い項目が並んでいるので、気になる所から少しずつ読めます。(出版社の紹介ページ)
9位『人を動かす傾聴力』(林田康裕/ぱる出版・2024年)
主体性を引き出す、相手の本音に迫るなど、仕事で使う傾聴とヒアリングの技術を紹介する本です。会話の例と、なぜその質問をするのかの説明が多く、部下との面談や営業で話を聞く人に向いています。(出版社の紹介ページ)
10位『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』(ケイト・マーフィ/日経BP・2021年)
アメリカで書かれた、聞くことそのものを考える本です。出版社の紹介には「アドバイスをしだす人は、きちんと相手の話を聞いていない」などの言葉が並び、聞くことの意味を深く考え直したい人に向いています。(出版社の紹介ページ)
阿川佐和子『聞く力 心をひらく35のヒント』の要約:ベストセラーの理由と、こんな人に向く

「阿川佐和子 聞く力」で検索する人は、どんな本なのか、要点だけでも先に知りたいはずです。ここでは、出版社の公式ページに載っている紹介の範囲で、この本の中身と読み方をまとめます。
対談連載で本音を引き出してきた経験から生まれた新書
著者は、週刊文春の対談連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」を長く続けてきました。担当編集者の紹介では、連載は900回を超え、堅物の経営者や大物女優の本音も引き出してきたとしています。
※出典:文藝春秋『聞く力 心をひらく35のヒント』担当編集者より

紹介されている4つの極意を職場の会話に置きかえる
出版社の紹介には「相槌をケチらない」「『分かります』は禁句」「楽しそうに聞く」「事前に用意する質問は3つまで」という極意が挙がっています。どれも、対談の場だけでなく職場の会話で試せるものです。
たとえば会議の前に、聞きたいことを3つまで決めておくと、相手の話を聞きながら次の質問を考え続けずに済みます。聞くことに集中できる余白をつくることが、相づちだけで頭が真っ白になるのを防ぐ近道です。
続編『叱られる力』と『話す力』もある
この本は2012年の年間ベストセラー第1位となり、続編として2014年に『叱られる力 聞く力2』、2023年に『話す力 心をつかむ44のヒント』が出ています。叱られる力の紹介ページと話す力の紹介ページも参考になります。

この本が向いている人
聞く力の本を初めて読む人や、取引先や上司など立場の違う人と話す機会が多い人に向いています。新書で手に取りやすく、1つのヒントが短くまとまっているので、通勤時間に少しずつ読めます。
「人は聞く力が9割」と覚えて探すなら『人は聞き方が9割』(永松茂久):どんな本か

「人は聞く力が9割」「聞く力が9割」と覚えて探しているなら、題名が近いのは永松茂久さんの『人は聞き方が9割』です。2021年12月にすばる舎から出た本で、出版社のページでは重版の知らせが続いています。
※出典:すばる舎『人は聞き方が9割』
聞くのが苦手な人に向けた4つの章
目次は、なぜ聞く人はうまくいくのか、人に好かれる人の聞き方、嫌われない聞き方、また会いたいと思われる人の聞き方の4章です。聞き方のコツを押さえると、聞くのが楽しくなるとされています。

話し方の本『人は話し方が9割』との違い
同じ著者の『人は話し方が9割』は話す側の本で、こちらは聞く側の本です。話し方の本は、コミュニケーション能力を鍛える本おすすめ10選で紹介しているので、話す力と聞く力の両方を見直したい人は合わせて読んでください。
練習しながら読む本:『「聞く力」こそが最強の武器である』と『聞く力の教科書』

読むだけで終わらせず、仕事の会話で試しながら身につけたい人は、技術が具体的に書かれた本を選びましょう。ここでは、4位と3位の本を、練習に使う読み方と一緒に紹介します。
『「聞く力」こそが最強の武器である』:仕事の人間関係から聞き方を見直す
出版社の紹介では、話し方や伝え方を学ぶより、聞くスキルを身につけるだけで仕事も人間関係も大きく変わるとしています。職場の誰との会話から見直すかを決めて読むと、試す場面が見つかります。

『聞く力の教科書』:巻末の50のコツを1日1つ試す
魚住りえさんの本は、巻末の特別付録で聞く力の50のコツをまとめています。毎朝1つだけ選んで、その日の会話で試すと決めておくと、読んだことが少しずつ自分の聞き方に変わっていきます。
※出典:東洋経済新報社『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』目次

「聞く力トレーニングブック」を探す人へ
「聞く力トレーニングブック」という名前で出ている教材は、子どもの発達を支えるためのものです。大人が職場の聞き方を練習したい時は、この章の2冊のように、仕事の場面で試せる本を選ぶ方が合っています。
聞き上手になる本:聞き上手になるには、本で何から読む?

「聞き上手 本」で探す人は、相手が気持ちよく話せる聞き方を知りたいはずです。ランキングの中から、聞き上手になりたい人に合う本を、悩みの近さで3冊選び、それぞれの読みどころを紹介します。
口下手でも聞き上手になりたい人は『新 聞く会話術』
出版社の紹介では、自分が話し上手にならなくても、相手が安心して話せる場をつくる方法を知っていれば、会話がとぎれて居心地の悪い思いをする心配はないとしています。口下手な人ほど読みやすい本です。
※出典:ディスカヴァー・トゥエンティワン『話すより10倍ラク! 新 聞く会話術』

聞き上手と言われて疲れる人は『聞き上手さん』の本
人の話を聞いた後に疲れてしまう人は、大野萌子さんの本が合います。出版社は、聞き疲れの原因は話を聞くこと以外にエネルギーを使っているからだとして、同感しない聞き方などを紹介しています。
※出典:ナツメ社『『聞き上手さん』の「しんどい」がなくなる本』紹介ページ

聞き上手の基本から学びたい人は『プロカウンセラーの聞く技術』
カウンセラーの聞き方を、短い項目で学べるのが東山紘久さんの本です。聞き上手になるには7つのコツの記事では、相づちや質問のコツを職場の例で紹介しているので、本と合わせて読むと試し方が分かります。
聞く力の本の選び方:悩みで3つに分けて選ぶ

聞く力の本は、順位の高さより、自分の悩みに合っているかで選ぶのがいちばんです。職場で話を聞く時の悩みは、大きく分けると次の3つになります。当てはまるものから選んでください。
- 相づちが単調で、会話が続かない人2位・3位・5位の本が合う
- 聞きながら、次に言うことで頭がいっぱいになる人1位・6位・7位の本が合う
- 仕事で相手の本音を聞き出したい人4位・8位・9位の本が合う
相づちが単調な人は、聞き方の型が多い本
「はい」「そうですね」ばかりで、会話がすぐ途切れてしまう人は、相づちや質問の型がたくさん載っている本を選びましょう。型を1つ覚えて試すだけで、相手が話を続けやすくなります。

次に言うことで頭がいっぱいになる人は、気持ちを軽くする本
相手の話を聞きながら、次に何を言おうかと考えて上の空になる人は、聞く時の気持ちを楽にする本が合います。うまく返そうとする気持ちが軽くなると、相手の話がそのまま頭に入ってくるようになります。
悩みが絞れた人は、テーマ別の本の記事へ
会議で相手から本音を引き出したい人は質問力の本おすすめ10選、話す力も一緒に伸ばしたい人は話し上手になる本おすすめ10選から選んでください。雑談が続かない人には雑談力の本おすすめランキングもあります。
本を読んでも聞けない理由と、読んだ後に職場で試す3つの練習

「話を聞くことが苦手でこの本を手に取った」。阿川佐和子さんの『聞く力』の読者レビューには、こんな声が寄せられています。本を探す人の多くは、読んで本当に聞けるようになるのかを知りたいはずです。
※出典:ブックライブ『聞く力 心をひらく35のヒント』レビュー(2026年2月5日の投稿)

読んで分かっても、会話の最中は自分のことで頭がいっぱいになる
本を読めば、相づちや質問のコツは分かります。でも会話の最中に、どう見られているか、次に何を言うかが気になると、相手の話を聞く余裕がなくなり、読んで覚えたコツも出てこなくなります。
※出典:Itzchakov, Kluger & Castro (2017) I Am Aware of My Inconsistencies but Can Tolerate Them: The Effect of High Quality Listening on Speakers’ Attitude Ambivalence(Personality and Social Psychology Bulletin 43(1)・査読つき学術誌/著者クルーガーの論文一覧)
聞く人がうまく返そうと身構えるほど、相手も話しにくくなります。聞く力は、うまい返しより、相手の話に注意を向け続けることから始まります。

練習①:相づちを1種類だけ増やす
『プロカウンセラーの聞く技術』の目次にも「相づちの種類は豊かに」という項目があります。いつもの「はい」に加えて、「なるほど」か「それで、どうなったんですか」を1つだけ決め、今日の会話で使ってみましょう。

練習②:相手の言葉を短く言い直す
相手の話が一区切りついたら、「つまり、〇〇ということですね」と短く言い直して確かめます。言い直すことで、自分がきちんと聞けていたかも確かめられ、相手も話の続きを話しやすくなります。
※出典:Weger, Castle & Emmett (2010) Active Listening in Peer Interviews: The Influence of Message Paraphrasing on Perceptions of Listening Skill(International Journal of Listening 24(1)・ERICの抄録)

練習③:聞きたいことを3つまで決めてから話を聞く
上司との面談や商談の前に、聞きたいことを3つまでメモしておきます。3つ聞けたら十分と決めておくと、次の質問を探し続けずに済み、相手の話に集中できます。聞き方を鍛える方法は聞く力・聴く力を鍛える4つのトレーニングでも紹介しています。
聞く力の本でよくある誤解・注意点

最後に、聞く力の本を選ぶ時や読む時に、つまずきやすい誤解と注意点を整理します。思い込みが外れると、読んだことを職場で試す時の気持ちも、ずいぶん軽くなるはずです。
誤解①:たくさん読むほど聞き上手になる
本を何冊も読むと、知っているコツは増えますが、会話で試す回数は増えません。1冊から1つ選んで職場で試す方が、何冊も読み比べるより、聞き方の変化を感じやすくなります。

誤解②:聞く力とは、黙って聞いていること
聞く力というと、口を挟まずに黙って聞くことだと思いがちです。でも阿川さんの本の極意に「相槌をケチらない」「楽しそうに聞く」とあるように、聞いていることを相づちや表情で伝えることも聞く力です。

元NHKエグゼクティブアナウンサーが大切にしている考え方
この記事を監修した吉松欣史は、NHKで32年間アナウンサーを務めました。現役の頃、何百人もの一流アスリートに「プレッシャーとどう向き合っているか」を直接たずね、話を聞くことを仕事の中心にしてきました。
※出典:吉松欣史 講師プロフィール(主な実績・一流アスリート数百名取材)
吉松は指導の柱の1つとして、「どう見られるか」への意識を「何を届けるか」へ変えることを挙げています。聞く場面に置きかえると、自分がどう見られるかより、相手の話に意識を向けることにつながります。
注意点:人と話すのがつらい状態が続く時は、本より先に相談を
人と話すことがつらい状態が長く続き、気分の落ち込みや眠れない日が2週間以上続く時は、本で解決しようとせず、心療内科や精神科、職場の産業医などに相談してください。
💡 相談先の目安
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※出典:厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」
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※通院中・治療中の方は、この記事の方法より主治医の方針を優先してください。
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聞く力の本についてよくある質問
Q聞く力の本は、1冊目にどれを選べばいいですか?
Q阿川佐和子さんの『聞く力』は、今読んでも役に立ちますか?
Q「聞く力」と「聴く力」は違うのですか?
Q聞き上手の本と聞く力の本は、何が違いますか?
Q読書感想文で『聞く力』を取り上げるなら、どこに注目すればいいですか?
Q話を聞いている途中で、頭が真っ白になってしまいます。
本を読んでも相づちだけで頭が真っ白になるのは、あなたの努力が足りないからではありません。人前で話す時の緊張が中心の方は、吉松欣史の無料オンライン勉強会(60分・顔出し不要)で、緊張と付き合いながら話すための考え方に触れてください。
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