アナウンサー
専門脳科学・心理学を使ったあがり症の克服
「言いたいことを言えるようになりたくて、アサーションの本を探している」「トレーニング本を読んだのに、会議で意見を求められると頭が真っ白になる」。そんな悩みを抱えていませんか。
アサーションの本は、自分の悩みに合った1冊を選び、読んだことを会議で小さく試して初めて役に立ちます。この記事では、元NHKエグゼクティブアナウンサー・吉松欣史の監修のもと、アサーションの本おすすめ10冊と悩み別の選び方を紹介します。
- アサーションの本おすすめ10選と、それぞれ向いている人
- アサーション入門・平木典子のトレーニング本・マンガ版の違い
- 悩み別の選び方と、読んだ後に会議で試す3つの練習
アサーションの本おすすめ10選:会議で言いたいことが言える順に並べた

この10冊は、出版社と書店が公開している内容紹介と目次をもとに選びました。職場や会議の例があるか、言えずに飲み込む人に向くか、読みやすいか、練習に落とせるか、という4つの基準で並べています。
読んだことのない本の感想は書かず、どの本も「どんな人に向いているか」を中心に紹介します。順位よりも、自分の悩みに合う章があるかを、目次で確かめてから選ぶのがおすすめです。
- 1位 アサーション入門(平木典子)最初の1冊を探している人に
- 2位 言いにくいことが言えるようになる伝え方言いたいことをがまんしがちな人に
- 3位 アサーティブ・コミュニケーション(ナツメ社)職場の言い換え例を知りたい人に
- 4位 アサーティブ・コミュニケーション(戸田久実)部下や取引先への伝え方に悩む人に
- 5位 ビジネスパーソンのためのアサーション入門組織の中での意味も知りたい人に
- 6位 三訂版 アサーション・トレーニングトレーニングを基本から学びたい人に
- 7位 マンガでやさしくわかるアサーション文字の本が続かない人に
- 8位 よくわかるアサーション図解と事例で学びたい人に
- 9位 夫婦・カップルのためのアサーション身近な相手との話し合いに悩む人に
- 10位 大切な人とうまくいく「アサーション」文庫で手軽に読みたい人に
1位『アサーション入門』(平木典子/講談社現代新書・2012年)
アサーションを日本に広めた平木典子さんが、「自分も相手も大切にする自己表現法」を新書1冊にまとめた本です。考え方をアサーティブにする章や、心に届く伝え方の章まで5章で、基本を一通り押さえられます。
2位『言いにくいことが言えるようになる伝え方』(平木典子・2023年)
ディスカヴァー・トゥエンティワンから出た、相手の反応を気にして言えない、あるいは言い過ぎてしまう人に向けた本です。「なぜ、言いたいことが言えないのか」の章から始まり、自分の思いに気づいて、アサーティブに伝えるところまで順に進んでいきます。
3位『自分も相手も尊重し、心理的安全性を高める アサーティブ・コミュニケーション』(森田汐生監修/ナツメ社・2024年)
アサーティブジャパン代表理事の森田汐生さんが監修した、職場向けの本です。上司から急ぎの仕事を頼まれた時や会議での発言など、ビジネスでよくある場面の対処法と言い換え例を、カラーのイラストで紹介しています。
4位『アサーティブ・コミュニケーション』(戸田久実/日経文庫・2022年)
企業や官公庁で研修をしてきた著者が、相手を尊重しながら意見を伝える方法を説明する本です。無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)の章や、攻撃的な相手への伝え方などのケース別の対応例があります。
5位『ビジネスパーソンのためのアサーション入門』(平木典子・金井壽宏/金剛出版・2016年)
心理学の平木典子さんと、経営学の金井壽宏さんが一緒に書いた本です。ビジネスパーソンが置かれている現状の章や、経営学とアサーションをつなぐ章があり、職場でアサーションが必要な理由まで理解できます。
6位『三訂版 アサーション・トレーニング』(平木典子・2021年)
日本・精神技術研究所から出ている、日本にアサーション・トレーニングを広めた著者の基本書の、11年ぶりの改訂版です。アサーティブな言語表現、言語以外のアサーション、トレーニングの実際まで7章で、体系立てて学びたい人に向きます。
7位『マンガでやさしくわかるアサーション』(平木典子/日本能率協会マネジメントセンター・2015年)
解説とストーリーマンガを交互に読む形で、アサーションの基礎を学べる本です。頼まれると嫌と言えない主人公が少しずつ変わっていく話なので、文字だけの本が続かない人でも最後まで読みやすい1冊です。
8位『よくわかるアサーション 自分の気持ちの伝え方』(平木典子監修/主婦の友社・2012年)
イラストと図解でアサーションの考え方を説明し、具体的な事例をたくさん載せた本です。自分を知る章、さまざまな事例でアサーションを確かめる章、聴くことの章まであり、場面ごとに読み進めていけます。
9位『夫婦・カップルのためのアサーション』(野末武義/金子書房・2015年)
葛藤を抱える夫婦の支援に関わってきた著者が、パートナーとのコミュニケーションをアサーションで見直す本です。相手の話をアサーティブに聴く章や、DESC法を使って話し合う章があります。
10位『大切な人とうまくいく「アサーション」』(平木典子・野末武義/知的生きかた文庫・2025年)
親しい相手ほど「完全にわかり合えないといけない」と思い込みやすい、という考え方から始まる文庫です。ものの言い方や傾聴、感情の伝え方など、毎日の会話で試せるポイントが紹介されています。
『アサーション入門』(平木典子):最初の1冊に選ばれる理由と、自分も相手も大切にする自己表現法の要点

「アサーション 本」で調べると、上位の紹介記事のほとんどに入っているのが『アサーション入門』です。2012年に講談社現代新書から出た本で、副題は「自分も相手も大切にする自己表現法」です。
3つの自己表現の違いが分かる
第1章では、自分を抑えて相手に合わせる表現と、自分の言い分だけを押し通す表現、そして自分も相手も大切にする表現の違いを説明しています。自分がどの表現をしがちかに気づくのが、アサーションの出発点です。

考え方と伝え方の両方から変えていく
第3章は「考え方をアサーティブにする」、第5章は「心に届く伝え方」です。言い方のテクニックだけでなく、言えなくさせている考え方にも目を向けるので、言葉が出てこない理由まで見えてきます。
言い方を覚えるより先に、自分がなぜ言えないのかに気づけるのが、この本のいちばんの良さです。言いたいことを飲み込みがちな人ほど、最初に読んでおきたい1冊です。
平木典子のアサーション本:三訂版のトレーニング本と『よくわかるアサーション』はどちらを読むか

「アサーション 平木典子」と調べると、平木典子さんの本が何冊も出てきます。中でも迷いやすいのが、トレーニングの基本書と、図解の入門書の2冊です。目的によって、向いている方が変わります。
『三訂版 アサーション・トレーニング』は、さわやかな自己表現を体系で学ぶ
副題は「さわやかな〈自己表現〉のために」です。コミュニケーションの基礎から、言葉で伝える方法、言葉以外のアサーション、トレーニングの実際まで順に学べるので、研修や人に教える立場の人にも向いています。
※出典:金子書房『三訂版 アサーション・トレーニング』書籍ページ

『よくわかるアサーション』は、図解と事例で気軽に読む
大きめの判型にイラストと図解が多く、事例を見ながら「自分ならどう言うか」を考えられる作りになっています。聴くことの章まであるので、話す側と聞く側の両方からアサーションを知りたい人に合っています。
しっかり学びたいなら『三訂版 アサーション・トレーニング』、まず気軽に知りたいなら『よくわかるアサーション』がおすすめです。どちらも、読んで終わりにせず、1つの場面で試してみることが大切です。
『マンガでやさしくわかるアサーション』:文字の本が続かない人の入口になる漫画版

アサーションを漫画で学びたい人に、いちばん多く選ばれているのがこの本です。解説とストーリーマンガが交互に入る形なので、マンガで場面をつかみ、解説で考え方を確かめる、という読み方ができます。
頼まれると断れない主人公の物語
主人公は、頼まれると嫌と言えない性格のせいで、仕事も私生活もうまくいかない女性です。アサーションの考え方に出会い、言いたいことを少しずつ伝えられるようになる姿が、5つの物語で描かれています。

マンガの後に、自分の場面に置き換える
物語の主人公は自分と仕事も立場も違うので、読んだ後に「自分の職場なら、どの場面で使えるか」を1つ考えてみましょう。言語と非言語のアサーションを扱う章は、会議での話し方を見直す時にも役立ちます。
※出典:日本能率協会マネジメントセンター『マンガでやさしくわかるアサーション』書籍ページ
『夫婦・カップルのためのアサーション』(野末武義):家庭の本だが、職場で読んでも役に立つところ

書名の検索数が多く、紹介記事でも上位に入りやすいのがこの本です。夫婦やカップルの関係を、毎日のコミュニケーションの視点から見直す本ですが、職場の人間関係に置き換えて読める章もあります。
相手の話をアサーティブに聴く
第9章は「パートナーの話をアサーティブに聴く」です。言いたいことを伝えるだけでなく、相手の言い分も受け止めるという考え方は、上司や同僚との話し合いでもそのまま使えます。

DESC法で話し合いを組み立てる
第10章では、事実・気持ち・提案・結果の順に伝えるDESC法を使った話し合いを扱っています。身近な相手との話し合いで練習しておくと、職場で意見を言う時の組み立て方も自然に身につきます。
※出典:金子書房『夫婦・カップルのためのアサーション』書籍ページ
アサーションの本の選び方:悩みで3つに分けて選ぶ

アサーションの本は、ランキングの順位より、自分の悩みに合っているかで選ぶのがいちばんです。言いたいことが言えない悩みは、大きく分けると次の3つになります。当てはまる悩みから選んでみてください。
- 言えずに飲み込む人『アサーション入門』『言いにくいことが言えるようになる伝え方』
- つい強く言ってしまう人戸田久実さんの本・『三訂版 アサーション・トレーニング』
- 緊張して頭が真っ白になる人マンガ版や、職場の言い換え例が多い本
言えずに飲み込む人は「なぜ言えないか」が書かれた本
会議で反対意見があっても黙ってしまう人は、言えない理由から説明している本を選びましょう。『言いにくいことが言えるようになる伝え方』の「なぜ、言いたいことが言えないのか」の章が入口になります。

つい強く言ってしまう人は「ケース別の言い方」がある本
言った後に「言い過ぎた」と後悔する人は、場面ごとの言い方の例がある本が合います。攻撃的な相手への伝え方まで扱う戸田久実さんの本や、言語表現を順に学べる『三訂版 アサーション・トレーニング』がおすすめです。

頼まれごとを上手に断りたい人は、上手な断り方の記事も参考にしてください。会議前の雑談が苦手な人は雑談力の本の記事、質問が苦手な人は質問力の本の記事もあわせてどうぞ。
緊張して頭が真っ白になる人は「読みやすく、場面が浮かぶ」本
意見を求められると頭が真っ白になる人は、難しい理論の本より、場面が目に浮かぶ本から始めましょう。マンガ版や、職場の言い換え例が多いイラストの本なら、言いたいことを短く伝える形が覚えやすくなります。
アサーションの本を読んでも言えない理由と、読んだ後に会議で試す3つの練習

『アサーション入門』の読者の感想には、「実践するのは簡単なことではないと感じました」「高圧的な態度を取られると黙ってしまうこともしばしば」という声があります。本を読んでも言えない人は少なくありません。
頭で分かっても、本番で言葉が出てこない
本で覚えた言い方は、頭では分かっていても、人を前にした瞬間に出てこないことがあります。緊張すると、覚えたことを思い出す余裕がなくなるからです。読み方や理解が足りないわけではありません。
元NHK
アナウンサー
ヨシ
ルーキー時代、祇園祭の生中継を任されたとき。コメントを一字一句、丸暗記して本番に臨んだのに、始まった瞬間、全部、飛びました。
NHKで32年間アナウンサーを務めた吉松欣史にも、新人の頃にこんな経験があります。覚えた言い方を増やすより、本番で言葉が出てくる状態をつくる方が先です。
練習①:明日の会議で伝えたいことを1つだけ決める
本を読み終えたら、明日の会議で伝えたいことを1つだけ決めて、手帳やスマホにメモしておきましょう。「私は〇〇だと思います」のように、自分を主語にした短い一文にしておくのがコツです。

練習②:意見を紙に1行書いてから口に出す
会議中に意見が浮かんだら、すぐに話し出さず、手元の紙に1行で書いてみましょう。書いておけば、緊張で言葉が飛んでも、紙を見ながらそのまま読み上げられます。短く書くほど、言いたいことも自分の中ではっきりします。

アサーションのやり方を練習として身につけたい人は、アサーショントレーニングの記事で、例文やDESC法の流れを紹介しています。会議で意見が言えない原因を知りたい人は、自己主張できない原因と直し方の記事もどうぞ。
練習③:言えた一言を、夜に1行で振り返る
会議で一言でも伝えられたら、夜にその一言と相手の反応を1行で書いておきましょう。うまく言えなかった日も「言おうとした」と書けば十分です。続けるうちに、自分に合う伝え方が少しずつ見えてきます。

元NHKエグゼクティブアナウンサーが大切にしている「伝える」ための考え方

この記事を監修した吉松欣史は、1991年にNHKに入局し、32年間アナウンサーを務めました。FIFAワールドカップやロンドンオリンピックの実況を担当し、現役時代には数百人の一流アスリートを取材しています。
吉松は、一流アスリートに「プレッシャーとどう向き合っているか」を直接たずねてきた経験から、「どう見られるか」への意識を「何を届けるか」へ転換することを、指導の柱の1つにしています。
※出典:吉松欣史 講師プロフィール(指導の3つの柱・トライアングルメソッド)

吉松は、働く人500人に話し方について聞いた意識調査の監修者として、話し方の癖や悩みとの向き合い方について、次のように話しています。言いたいことが言えない自分を責めている人にも届けたい言葉です。
元NHK
アナウンサー
ヨシ
話し方の癖は、その人の実力ではなく反応です。まず自分の癖に気づくことから、伝わり方は変わっていきますよ。
※出典:TID「職場での話し方に関する意識調査2026」監修者コメント
アサーションも、うまく見られようとするより、相手に何を届けたいかを考える方が、言葉は自然に出てきます。本で覚えた言い方も「相手に届けるために言う」と考えると、うまく言えたかを気にしすぎずに済みます。
アサーションの本でよくある誤解・注意点

最後に、アサーションの本を選ぶ時や読む時に、つまずきやすい誤解と注意点を整理します。思い込みが外れると、本で覚えた伝え方を会議で試す時の気持ちも、ずっと軽くなります。
誤解①:アサーションは、はっきり主張して勝つための技術
アサーションは、相手を言い負かすための技術ではありません。どの本も「自分も相手も大切にする自己表現」と説明しています。自分の意見を通すことより、自分の気持ちを率直に伝えて、相手の言い分も聞くことが目的です。
誤解②:たくさん読むほど言えるようになる
アサーションの本を何冊も読むと、知っている言い方は増えますが、言う回数は増えません。1冊から1つの言い方を選んで会議で試す方が、何冊も読み比べるより変化を感じやすくなります。

注意点:気分の落ち込みが続く時は、本より先に相談を
言いたいことを言えない状態が長く続き、気分の落ち込みや眠れない日が2週間以上続く時は、本で解決しようとせず、心療内科や精神科、職場の産業医などに相談してください。
💡 相談先の目安
厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、電話やSNSで相談できる窓口を案内しています。手を挙げるたびに頭が真っ白になる緊張が中心の方は、あがり症の改善方法もあわせて読んでみてください。
※出典:厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」
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アサーションの本でよくある質問
Qアサーションの本は、1冊目にどれを選べばいいですか?
Q平木典子さんの本は、どれから読めばいいですか?
Qマンガ版や要約でも効果はありますか?
Qアサーションの本は、ドラえもんで学べますか?
Q本を読んでも、緊張して言いたいことが言えません。
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