アナウンサー
専門脳科学・心理学を使ったあがり症の克服
「会議で意見を求められても、何を言えばいいか分からなくなる」「上司と違う考えがあるのに、いつも飲み込んでしまう」。言いたいことは頭の中にあるのに、口に出す前に止まってしまう悩みは、仕事を続けるほど重くなりがちです。
この記事では、元NHKエグゼクティブアナウンサー・吉松欣史の監修のもと、自己主張できない5つの原因と、意見を言えるようになる5つの直し方、場面別の例文を紹介します。
- 自己主張できない5つの原因と、今週からできる5つの直し方
- 会議・上司・頼まれごとで使える言い方の例文
- 会議で急に振られて頭が真っ白になる時の対処と、面接での言い換え
自分の意見が言えない人の特徴と5つの原因:性格よりも「否定が怖い」「正解を探す」「言葉にする時間が足りない」

自己主張できない人の多くは、意見がないのではなく、言う前に頭の中でブレーキがかかっているだけです。どこで止まっているかによって、直し方が変わります。
否定されるのが怖い・嫌われたくない
一番多いのが、否定されたり場の空気を悪くしたりするのが怖いという気持ちです。「生意気だと思われたくない」と考えるほど、黙っている方が安全に感じられます。
正しい意見を言わなければと思い込んでいる
完璧な意見を探しているうちに話題が次へ進み、言うタイミングを逃していませんか。会議で求められているのは、正解より「自分はこう思う」という材料です。
考えを言葉にするまでに時間がかかる

会議が終わってから「ああ言えばよかった」と思い浮かぶなら、このタイプです。考える力が足りないのではなく、口に出せる形に整える時間が足りないだけです。
過去に意見を否定された経験が残っている
勇気を出して言った意見を強く否定された経験は、長く残ります。似た場面になると体が先に身構えてしまうので、言わない習慣は自分を守るために身についたものです。
人前で話す緊張で頭が真っ白になる

上司や大勢の前で話そうとすると、言おうとしていたことが飛んでしまう人もいます。強い緊張で頭が働きにくくなっている状態なので、中身より先に緊張への備えが必要です。
自分の意見が言えない・自己主張が弱い人の直し方5つ:今日からできる克服の練習

自己主張は、性格を変えなくても練習で身につけられます。いきなり会議で堂々と話そうとせず、準備と言い方の型を先に整え、小さな場で試すのが近道です。次の5つを上から順に試してみてください。
- 1. 一言のメモ言いたいことを1行に書いておく
- 2. 結論→理由1つ30秒で収まる順番で話す
- 3. 提案の形否定ではなく「こうしてはどうか」と言う
- 4. 場を広げる1対1・チャット→少人数→会議の順に
- 5. 息を吐いてから話すゆっくり低めの声で話し始める
言いたいことを一言のメモにしておく
会議の前に、議題ごとに「自分はどう思うか」を1行だけメモに書いておきます。「A案に賛成。理由は費用が安いから」くらいの短さで十分です。書いてあれば、その場で一から考えなくても、メモを読むだけで意見を言えます。
「結論→理由1つ」の順で30秒で話す
意見を言う時は、最初に結論、次に理由を1つだけ話します。前置きから入ると、話している途中で何を言いたかったか分からなくなりがちです。働く人500名への調査でも、職場で気になる話し方の1位は「結論が最後まで出てこない、話が長い」で、42%の人が挙げていました。
※出典:TID「職場での話し方に関する意識調査2026」(全国の20〜60代の働く男女500名・2026年7〜8月)
元NHK
アナウンサー
ヨシ
ニュース原稿は、最初の一文で結論を伝えることが徹底されています。いつ映像が切り替わっても、視聴者が理解できるようにするためです。
※出典:TID「職場での話し方に関する意識調査2026」監修者コメント
否定ではなく「提案」の形で言う
反対意見を言う時に角が立つのは、「それは違うと思います」と相手の案を否定する形で始めるからです。「B案のこの部分を、こう変えるのはどうでしょうか」と提案の形にすると、同じ中身でも受け取られ方がやわらかくなります。代わりの案を添えるのがこつです。
1対1・チャット→少人数→会議の順に場を広げる

いきなり大きな会議で発言しようとすると、緊張が強すぎて続きません。まずは信頼できる同僚と1対1で話す時や、チャットで自分の考えを書くことから始めます。小さな場で「言っても大丈夫だった」経験を積むと、少人数の打ち合わせでも口が開きやすくなります。
話す前に息を吐き、ゆっくり低い声で話す

緊張すると呼吸が浅くなり、声が高く早口になります。発言する前に、一度息を長く吐き切ってから話し始めてください。いつもより少しゆっくり、低めの声で最初の一言を出すと、声が落ち着き、聞く側にも自信があるように伝わります。
場面別の自己主張の言い方と例文:会議・上司・頼まれごと

会議で意見を求められた時の例文
「どう思う?」と聞かれたら、賛成か反対か、どちらに近いかを先に言い、理由を1つ添えます。迷っている時は、迷っている理由をそのまま言うのも立派な意見です。
上司と違う意見を伝える時の例文

上司の考えを一度受け止めてから提案の形で出すと、反論ではなく相談として聞いてもらえます。機嫌が悪い時の声のかけ方は機嫌が悪い人への対処法で紹介しています。
同僚の頼まれごとを断る時の例文

断る時は、お礼→断る理由→代わりにできること、の順で伝えます。代わりの案を添えると関係を崩さずに自分の時間を守れます。ほかの例文は仕事の頼み事を上手に断る記事にまとめています。
会議や人前で意見が言えない時:急に振られて頭が真っ白になった時の対処

「突然指名されて頭が真っ白になる」という悩みは、知恵袋でも多く見かけます。大切なのは詰まらないことより、詰まった時の立て直し方を決めておくことです。会議で声が止まる緊張そのものの仕組みと克服の手順は、会議で発言できない緊張の正体と克服3ステップで紹介しています。
時間をもらうつなぎの一言
頭が真っ白になったら、黙り込む前に「少し考えを整理させてください」「今のお話でいうと、私は」と一言はさみます。数秒の間ができれば、手元のメモを見る余裕が生まれます。

※出典:Savitsky & Gilovich (2003). The illusion of transparency and the alleviation of speech anxiety. Journal of Experimental Social Psychology, 39, 618-625(Wikipedia「Illusion of transparency」の紹介)
発言予定を一行メモにして持っていく
議題ごとに「言うかもしれないこと」を一行ずつ書いて持っていきます。急に振られても、一行目さえ言えれば、続きは話しながら思い出せます。
会議の最初のほうで一度発言しておく

会議の後半になるほど、「今さら言いにくい」という気持ちが大きくなります。最初の15分のうちに、質問でも賛成の一言でもいいので、一度声を出しておきましょう。一度話すと緊張がほどけ、その後の発言のハードルがぐっと下がります。
頭が真っ白になる以外に、そもそも言葉がすっと出てこない悩みがある方は、言葉が出てこない・口下手を直す方法の記事も参考にしてください。話す前の準備の仕方を、さらに詳しく紹介しています。
自己主張できないことの長所と、仕事で損をしやすい場面

聞く力と協調性は強みになる
自己主張が苦手な人は、相手の話を最後まで聞き、周りに気を配れる人でもあります。意見を整理し、対立をやわらげる役割は、この強みがあってこそ果たせます。
黙っていると「意見がない人」と受け取られる
ただ、考えていても口に出さなければ伝わりません。会議で黙っている状態が続くと「意見がない人」と受け取られ、考えた中身が評価につながらなくなります。
言わずにためた不満は後で大きくなる
飲み込み続けた不満は、ある日まとめて強い言い方で出てしまったり、仕事への意欲を下げたりします。小さいうちに、やわらかく言っておく方が、自分も相手も楽になります。
「自分の意見が言えない」を面接で短所として伝える時の言い換えと例文

面接で短所を聞かれた時、「自分の意見が言えません」とそのまま答えると、仕事への積極性を心配されることがあります。前向きな言葉に言い換え、直すためにしていることを一緒に話すのが基本です。言い換えの例を表にまとめました。
前向きな言い換えの例
「自分の意見が言えない」の言い換え4つ
| 言い換え | 相手にはこう聞こえる | 添える改善の一言 |
|---|---|---|
| 周りの意見を聞いてから考える | 協調性がある | 会議では先にメモで意見をまとめる |
| 慎重に考えてから発言する | 軽はずみに動かない | 結論から短く話す練習をしている |
| 相手の立場を考えすぎてしまう | 気配り上手 | 提案の形で伝えるようにしている |
| 人前で話すと緊張しやすい | 正直で誠実 | 小さな場で話す機会を増やしている |
どの言い換えでも、ごまかさずに自分の工夫を具体的に話すことが大切です。面接官が知りたいのは、短所の中身より、それに向き合う姿勢だからです。
面接で話す時の回答例
元NHKエグゼクティブアナウンサーが大切にしている「伝わる話し方」の考え方

監修の吉松欣史は、1991年にNHKに入局し、32年間アナウンサーを務めました。W杯南アフリカ大会やロンドンオリンピックの生放送を担当し、今は話し方の研修を行っています。
元NHK
アナウンサー
ヨシ
実は、入社当初の私は、人前に立つと声が震え、頭が真っ白になっていました。
その経験から吉松が指導で大切にしている柱の1つが、「どう見られるか」への意識を「何を届けるか」へ向け直すことです。会議の目的や相手の困りごとに意識を向けると、意見はそのための材料になり、口に出す怖さが小さくなります。
自分の意見が言えない悩みでよくある誤解・注意点:病気が心配な時の相談先

「性格だから直らない」は誤解
自己主張できない原因は性格ではなく、言う前の準備と言い方の型です。メモと順番を決めて小さな場で練習すれば、誰でも少しずつ意見を言えるようになります。
はっきり言うのは、強く言うことではない
大きな声で押し通さなくても、落ち着いた声で、結論と理由を短く伝えるだけで、意見は十分に届きます。強さより、伝わる順番の方が大切です。
話し方の型を覚えても、緊張はそれだけでは消えない
型は話す順番を助けてくれますが、頭が真っ白になるほどの緊張には、型とは別に、緊張そのものへの向き合い方が必要になります。

人と話すのが怖くて生活に支障がある時の相談先
⚠️ 受診・相談の目安
人と話す場面を考えると眠れない、動悸が続く、出社を避けるようになった状態が2週間以上続くときは、一人で抱えずに医療機関や、厚生労働省の「こころの耳」の相談窓口を利用してください。
会議で意見を言おうとすると頭が真っ白になる方へ。吉松欣史が、緊張と付き合いながら話すための考え方を伝える無料のオンライン勉強会があります。
講師の吉松欣史は、NHKで32年間アナウンサーを務め、サッカーW杯とオリンピックの生放送を担当した元NHKエグゼクティブアナウンサーです。勉強会は無料のオンライン形式で、60分・顔出し不要です。人前で話す時の緊張が悩みの中心の方に向けた内容です。
※通院中・治療中の方は、この記事の方法より主治医の方針を優先してください。
\ 人前で話す時の緊張が中心の方へ /
自己主張できない悩みについてよくある質問
Q自己主張できないのは病気ですか?
Q会議で意見が何も思いつかない時はどうすればいいですか?
Q意見を言って否定されたらどうすればいいですか?
Qアサーションとは何ですか?
Q自己主張しすぎにならないか心配です。境目はありますか?
Qチャットやメールでなら意見を言えます。それでもいいですか?
会議で意見が言えないのは、あなたに考えがないからではありません。人前で話す時の緊張が中心の方は、吉松欣史の無料オンライン勉強会(60分・顔出し不要)で、緊張と付き合いながら話すための考え方に触れてみてください。吉松自身も、入社当初は人前に立つと頭が真っ白になっていた講師です。
講師の吉松欣史は、NHKで32年間アナウンサーを務め、サッカーW杯とオリンピックの生放送を担当した元NHKエグゼクティブアナウンサーです。勉強会は無料のオンライン形式で、60分・顔出し不要です。人前で話す時の緊張が悩みの中心の方に向けた内容です。
※通院中・治療中の方は、この記事の方法より主治医の方針を優先してください。
\ 最後まで読んだあなたへ /
元NHKアナウンサー吉松欣史が漫画で解説あがり症の正体、無料の漫画で読めます発声の問題?あがり症?選ぶ前に違いを知る悩みの見分け方を無料で読めますLINEで無料漫画を読む

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