論理的に話す技術! ロジカルな話し方で説明力が3倍アップ!?

こんにちは!コミニケーション検定資格保有者の今村です。

友達や会社の先輩と話しをしている時に感情だけで話してしまって相手に「へ!?」って顔された経験ありませんか?

「分かりやすく説明しているつもりなのに・・・」っと自分の中では論理的に話しているつもりでも、相手に全く伝わっていない事も多々あります。

この記事は論理的に話せない原因とどのように論理的に話すと相手に伝わるのか詳しく解説していますので、もしあなたが日頃論理的に話せていないと思ったら参考にしてみてください!

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0.「話下手」なんて存在しない

自分のことを話下手だと思っている方は多くおられると思います。

・大事な時に相手を説得できるような話し方ができない
・話が長すぎてわからないと言われる
・つい感情的になってしまう
・最終的に言いたいことが何かわからない話し方になる
・自分が発言することで場の空気が変わってしまう

論理的に話すことができずに感情が出てしまったり、何が言いたいのかわからない話し方になることで気に病んでいるかもしれません。

確かに、会議の場などでは論理的に話すことができなくては、感情ばかりの会話で何が言いたいのかしっかり伝われないことがあったり、その場の流れをぶった切ってしまうこともあります。

ただ、「これは生まれつきで直らないもの」と思っている方、それは間違いです。
「話下手は生まれつきのもので直らない」というものではなく、「練習したりコツを学ぶことで直していくことができるもの」なのです。

つまり・・・

”根っからの話下手は存在しない”ということです。

言いたいことをうまく伝えられるようになれば、話すことが楽しくなるほどに、スムーズにことが進むようになります。

 

そもそも「論理的に~」とは

「論理的(ロジカル)に話す」というのは、お互いの気持ち・目的を満たすようにするということです。

正論を述べるという意味や、従わせるという意味ではなく、”その人個人の考え方を元にした分かりやすい説明”のことを意味します。

 

1.論理的に話せない人の4つの特徴とは

話したいことがうまく伝えられない、論理的に話せない、ということで悩んでいる方に共通している特徴があります。
それは主に、以下の4点です。

  1. 聞く側の立場になっていない
  2. 話をする順番がめちゃくちゃになっている
  3. 自分の意見を押し付けようとしているように見える
  4. 淡々とした話で味気ない

 

よく考えてみると、自分が言いたいことばかり伝えようとしすぎていたりしませんか?

とにかく自分の感情や主張ばかりになってしまい、意見を押し付けるような形になったり、順番がめちゃくちゃになることもあるかと思います。

 

【特徴1】聞く側の立場になっていない

まず1つ目の特徴として、聞く側の立場になって話をすることができていないことがあります。
自分が言いたいことをとにかく聞いてもらおうと必死になっているのです。

  • 数字やデータをとにかく羅列する
  • 相手ではなく自分が分かりやすいように話をする
  • 相手の気持ちが置き去りになっている

 

自分が思ったこと、考えていることばかりに考えが集中し、自分が分かりやすいように話をしてしまいます。

話を聞いてくれている相手は初めてその話を聞くかもしれませんし、こちらの気持ちなどではなく、具体的な内容を知りたいと思っているかもしれません。

話を聞いてくれている相手は、その話のどのような部分に疑問を感じるか、どのように感じるのか、何を知りたいと思うのか等、聞く側(相手)の立場に立って考えることが大切です。

聞いてくれている人の気持ちを考えて発言することで、共感を得やすい話し方になります。

ここがポイント!

・相手が話のどのような部分に疑問を感じるかを考える
・何を知りたいと思うかを考える
・どう感じるかを考える

話を聞いてくれている相手の気持ちを考えて、この部分を意識して発言することが重要です。

 

【特徴2】話をする順番がめちゃくちゃになっている

話をする順番がメチャクチャになっていることも、大きな特徴の1つです。
例えば、以下のようなやり取りが当てはまります。

 

明日暇だったら呑みに行かない?
おはよう!そう言えば昨日さ、テレビでホッケ特集やってて、見てたら食べたくなってさ~。
そう言えば、居酒屋にもホッケあるよね。呑みに行きたいけど、その前にDVD返しに寄ってもいい?

 

この会話では、質問されたことに対しての答えがどこにあるのか不明なほど、話をする順番や内容がメチャクチャですよね。

そもそもDVDを返しに行くかどうかなんてことは聞かれていませんので、回答として話の中に入れる必要もありません。

では、同じような返答でも、以下のような会話なら、どうでしょうか。

 

明日暇だったら呑みに行かない?
誘ってくれてありがとう!私も○○と呑みに行きたいと思ってたところだよ。行こう!
それなら良かった
昨日テレビでホッケ特集を見てたら食べたくなったから、居酒屋でホッケ頼もうかな(笑)

 

このような流れであれば自然ですし、質問されたことに対して初めに答えていますので、分かりやすいです。
その後、雑談として自分の感情や話を入れています。

まずは、質問されたことに対する回答や、何についての話なのかということを話す必要があります。

ここがポイント!

・質問への返答をはじめにする
・何についての話なのかをはじめにする
・聞かれていない話は後にする

ついつい自分の中で考えていることや感情を話してしまいがちですが、それでは話がメチャクチャになります。

質問への返答であればその部分をはじめに、何かについて話すのであれば、何の話なのかをはじめに言うことが重要です。

 

【特徴3】自分の意見を押し付けようとしているように見える

先程も少しご説明しましたが、論理的に説明できる人の意見に従わなくてはならないということではありません。
論理的に説明できる人が偉いという話とも、また違います。

「この人の話を聞いていると、意見を押し付けられているように感じる」と感じる人の話は、まさに特徴1つ目でお話しました「相手の立場に立って話す」ということができていない人の話です。

相手がどのように思うのか、どこに疑問を持つのか等を考えて話をしているわけではないため、聞いている側は意見を押し付けられているように感じてしまうのです。

自分が知っていることを相手も知っていると考えて話を進めていくような方の場合には、尚更です。

「私」を理由にしない

・私は○○だからこうしたい
・私の予定は○○だからこれは困る

例えば上記のようなことを理由に挙げて物事を進められたり、話をされたらどう思いますか?

「何だこの人。自分の予定や気持ちばっかりで、こちらのことなんて考えていない」と思ってしまうのではないでしょうか。

これでは、全て「私」を理由にして話しをする勝手な人だ、自分の意見を押し付けようとしている、と思われても仕方がありませんよね。

ここがポイント!

・「私」に関することは理由にならない
・主観で説明しない

話をする時に、「私」を理由にしたり主観的に説明することは避けましょう

 

【特徴4】淡々とした話で味気ない

淡々とした話で味気ないということも特徴です。

論理的に話すというのは、わかりやすく端的に、お互いの気持ちを満たすように話すことです。
ただ単に数字を並べたりわかりやすく説明したらそれで良いというわけではありません

いくらわかりやすくても、淡々としている話は聞いていて疲れるだけですし、ただのつまらない業務連絡程度にしか思えません。

例えとして、以下の2人の発言内容を確認してみましょう。

今回は○○について皆様の意見を頂戴したいと思っています。手元資料の○ページに内容と詳細が記載されていますので、各自WEBフォームより意見を述べるようにしてください。
○○について皆様の意見を頂戴し、今後の職場環境に反映させたいと思っています。お手元の資料○ページに詳細を記載しておりますので、WEBフォームよりご回答ください。大体10分程度で終わる内容になっています。皆様それぞれお忙しいと思いますが、ご協力いただけますでしょうか?

 

両者の話を聞いて、どのように感じましたか?

Aさんの話は端的で分かりやすいのですが、どこか淡々とした感じで味気なく、あまり協力したいという気持ちにはなれないのではないでしょうか。

一方Bさんの話は、わかりやすく時間も明確な上に、こちらの状況を気遣うような言葉が含まれており、「やってみようかな」という気持ちになるのではないかと思います

いくらわかりやすくても淡々としすぎていると、聞いている側の気持ちが置いて行かれて相手の意思や意見を押し通されているように感じてしまいます。

ここがポイント!

・相手を気遣う気持ちが大切
・ただ単にわかりやすく言えばいいわけではない

 

2.人にわかりやすく伝えるためには「客観的に見る」ことが大切

起承転結という言葉がありますよね。
簡単に言えば、「起」なにかが始まり、「承」何かが起き、「転」それらを解決し、「結」その結果どうなったのか、というものです。

この起承転結こそが論理的に話をするポイントのようにも思えますが、これ意識しすぎると論理的に話すことは逆に難しくなってしまいます。

人に分かりやすく、優しく、興味をもってもらうように伝えるには、まず「客観的に見る」ということが重要になります。

客観的に見るためのポイントとして、以下の2点が挙げられます。

  1. 付箋紙に書いて貼る
  2. 話の流れを書き出してみる

 

付箋紙に書いて貼る

付箋紙(ポスト・イットなど)は、手軽にメモして貼り付けることができる便利な紙です。
ノリいらずで使用できるポスト・イットはとても人気があり、使いやすいですよね。

そのような付箋紙を使用して、自分が話そうと思っている内容を書き、話をしたい順番に好きな場所に貼り付けてみてください

すると、分かりやすい話の流れを作り出したり、必要になる情報・必要ではない情報を客観的に見ることができるようになります。

ここでワンポイント!

・付箋紙は、いくつかの色を用意する
・話の内容ごとに色分けをする

自分が話そうと思っている内容を客観的に見てみると、相手の気持ちがわかり、どこに対して疑問に思うのか、どのような内容が知りたいのかということが分かるようになります。

足りないと思う部分を付け足し、不要な情報は取り除いていくことで、スッキリと分かりやすい話の構成になります。

 

話の流れを書き出してみる

付箋紙に貼って確認するという方法が面倒に感じる方は、話の流れを書き出してみるという方法もオススメです。

書き出してみると言っても手書きではなく、今ではスマホでも簡単にメモがとれるアプリもありますので、そのようなものを使用すると便利です。

話の出だしから最後まで、一通り話したいことを書いてみてください。
必ず無駄な部分があったり、相手のことを思いやっていない自分中心の構成になっている部分があるはずです。

その部分を取り除き、相手の立場に立って、必要な情報を入れるようにしていきます。

 

論理的に離せない!という悩みを抱える方の中には、説明が下手で困っているという方もおられると思います。
論理的に話せるようになり、さらに説明が上手になれば、相手に思っていることを伝えやすくなりますし、コミュニケーションがスムーズになりますよね。

説明下手は克服できるのかどうか、以下の記事を是非チェックしてみてください。

説明下手は克服出来る!相手に伝える力が3倍増す方法とは?

2016.12.30

 

3.会話の組み立てに必要な5つのこと

ではここで、会話を組み立てていく中で必要になる、5つのことについてご説明していきます。

  1. 何について話したい・相談したいのか
  2. 自分の中にある結論
  3. その目標の数字
  4. 今の状況
  5. 話す相手と自分の気持ち

 

話をする際にはこの5つの項目を入れて話をするように意識すれば、論理的に分かりやすく、そして興味をもってもらえる話し方になります

 

【項目1】何について話したい・相談したいのか

何について話がしたいのか、または相談したいのか、そのことについて明確にする必要があります。

話したい内容だけを取り上げて「○○について」というおおまかなテーマを考える方もおられると思いますが、それでは相手の気持ちを汲み取れていません。

例えば、「明日の会議についてなんだけど」と言われても、会議の時間についてなのか内容についてなのか人数・場所についてなのか等、たくさんの可能性がありますよね。

これでは、話をされた側が様々な可能性を考えなくてはならないため、手間がかかりますし時間も無駄になります

自分は「○○について」の中の、さらに何について話したい・相談したいということが分かっていても、それを相手にも分かってもらう必要があるのです。

そのため、この項目を考える際には、以下のように具体的に考えます。

  • 今日の夕飯の”メニューについて”相談したい
  • 明日の会議の”時間変更について”相談したい
  • 今度旅行に行く”目的地について”話し合いたい
  • 新しい案件の”予算について”意見が聞きたい

 

このように具体的にテーマを設けることによって、相手も何について話すのかということが分かりやすくなり、手間も時間も省けます。

何について話す・相談するのか、予め具体的に伝えるように意識してみることが重要です。

ポイントその1.何について話したい・相談したいのかを具体的にすること

自分だけではなく、相手にも話したい・相談したい内容が伝わるようにしましょう。
予算についてなのか、場所についてなのか等、具体的になっていれば相手も答える準備をしやすくなります。

 

【項目2】自分の中にある結論

会話の組み立てにおいては、「自分の中にある結論」という項目も重要です。
先程の「何について話し・相談をしたいのか」という項目に対して、その結果を明確にしておく必要があります。

明確にと言っても、自分がしたいことを押し付けるような言い方にならないようにしなくてはなりません

 

押し付けに聞こえる言い方

例えば、以下のAさんの言い方の場合には、どのように感じるでしょうか。

明日の会議の時間変更について相談があります。
はい、会議の時間変更についてですね!

14時の予定から15時に変更します

 

ここまでで、「え?」と思った方がほとんどなのではないでしょうか。

Aさんは、会議の時間変更について「相談したい」と言っているにも関わらず、「変更します」と言い切っていますよね。
相談したいと言いつつも、自分の中で決まっていることを押し付けているように聞こえます

 

押し付けに聞こえない言い方

では、この場合にはどうでしょうか?

明日の会議の時間変更について相談があります。
はい、会議の時間変更についてですね!

14時の予定から15時に変更したいと思っているのですが、意見をいただけますか?

 

この聞き方であれば、時間を変更したいという気持ちと相談したいという気持ち、どちらも伝えることができます。
同時に相手に伝えることができるため、話を聞く方もスムーズに話に入れますし、意見を言いやすくなります。

また、どうしてそう思ったのか、ということについても気にしてもらうことができ、会話がスムーズに進みます。

ポイントその2.結論は言い切りの形にならないようにすること

自分の中の結論を述べる項目であっても、相手の気持ちを考え、言い切る形にならないようにすることが大切です。
相手に対して、自分の意見を通そうとしている、相談は必要ないと思われないようにする必要があります。

 

【項目3】その目標の数字

その目標の数字というのは、その目的を達成するための数字です。
見積もりやデータなど、具体的な数字を挙げることで、相談した相手と同じ結論にたどり着きやすくなるのです

例えば、「その会議の時間が出張と重なっている人が3人も居ます」というように、具体的に「3人」という数字を出します。

そうすることで、3人も会議と出張が重なっているのであれば、時間を変更するほうが良さそうだな、という結論に導きやすくなり、先程の結論を補強していくことができます

 

自分の主観は入れない

この時、自分の主観を入れないようにすることも大切です。

「その会議の時間が出張と重なっている人が3人も居ます。私が後から3人に説明するのは面倒なので」などのように個人的な感情を入れてしまうと、説得力が無くなってしまいます。

自分が面倒なだけで時間を変えるのか、などと思われてしまうこともありますので、そのようにならないよう主観を入れずに話をするようにしましょう

ポイントその3.数字を入れることで結論に導きやすくなる

具体的な数字を入れて話すことによって、客観的指標となるほか、自分が調べてから発言していることを知ってもらうことができます。
ただし、あまりに数字ばかりを並べすぎたり、主観を入れたりすることで意味を失ってしまいますので、注意しましょう。

 

【項目4】今の状況

4つ目の項目は、「今の状況」です。

先程の例の続きで言えば、「16時からはまた別の出張や用事が重なっている人が2人居るため、15時からにしたいと思っています」というようなことです。

これも一つ間違えると、ただの自分の意見発表会になってしまいます。

15時からにすればみんな予定が空いているからそのほうがいいはずです」なんて、もう相談する気なんて更々ありません、と言っているようなものです。

また、「15時からにすれば文句も言われないだろうし、説明する手間も省けて楽だと思う」というような言い方も、主観が思いっきり含まれている言い方です。

これを聞かされた相手は、「そうだね。あなたが大変になっちゃうもんね」などの答えしか言えなくなり、相談というものではなくなってしまいます。

ポイントその4.今の状況説明にも主観は入れないようにすること

話す側の主観が入ってしまうと、聞く側はその人の感情に対して何かコメントをすることしかできなくなってしまいます。
この部分でも、相談する相手の判断材料となる情報だけを伝えることが大切です。

 

【項目5】話す相手と自分の気持ち

最後に一番重要とも言えるのが、「話す相手と自分の気持ち」という項目です。
単純な話、この5つ目の項目がなくとも、それ以外の4つの項目だけでも言いたいことは伝わりますし、端的で分かりやすい文章となります。

確かにシンプルでとても良いのですが、あまりに淡々としていて事務的です。

特に、顔が見えないメールやチャット、電話などでのやり取りでは、淡々としすぎた印象が強く、怒っているように思われることもあります。

ですが、ここに5つ目の項目をプラスすることで、少し柔らかいイメージになるのです。

お忙しいところ申し訳ないのですが、会議に適している時間が何時なのか、意見を頂戴したいのです

 

  • 忙しいところ申し訳ない
  • 意見を頂戴したい
  • 同じ経験があれば教えて欲しい
  • いつもありがとう

 

というように、自分の気持ちをしっかりと言葉にして伝えることで、協力したいと思ってもらうことができます。
相手の気持ちや状況を理解している、ということを伝えるか伝えないかによって、印象が全く違ってきます

ポイントその5.相手の状況を思いやった一言が重要

ただ単に自分の気持ちを伝えるのではなく、相手の状況を思いやった一言が重要になります。
お互いに状況を理解しているということを伝え、気持ちを共有していくことに意味があります。

 

5つを客観的に見て、相手の目線で組み立てる

会話を組み立てる時、上記の5つの項目をそれぞれ適当にバラバラに散りばめればいいというわけではありません。
これらを客観的に見て、相手の目線に立って組み立てていく必要があります

頭の中でこれらの5つを組み立てることが難しいという方の場合には、ポスト・イットやメモの活用などをオススメします。

 

オーソドックスな組み立て方
1.何について話したい・相談したいのか
2.自分の中にある結論
3.その目標の数字
4.今の状況
5.話す相手と自分の気持ち

相手の気持ちを汲んだ組み立て方
5.話す相手と自分の気持ち
1.何について話したい・相談したいのか
2.自分の中にある結論
3.その目標の数字
4.今の状況

さらに相手の気持ちを汲んだ組み立て方
5.話す相手と自分の気持ち
1.何について話したい・相談したいのか
2.自分の中にある結論
3.その目標の数字
4.今の状況
5.話す相手と自分の気持ち

結論に対して率直な意見が欲しい時の組み立て方
5.話す相手と自分の気持ち
1.何について話したい・相談したいのか
3.その目標の数字
4.今の状況
2.自分の中にある結論

 

結論に対して率直な意見が欲しいという場合には、初めに気持ちの項目を入れ、最後に自分の中にある結論を述べる組み立て方が効果的です。
これは、上司に意見を求める場合などに使用しやすい組み立て方です。

人は話を聞く中で、主に最後に伝えられた内容に対して答えを出そうとする傾向があります。
そのため、結論に対しての意見や回答が欲しいという場合、最後に結論の項目をもってくることが効果的となるのです。

カスタマイズ自由のテンプレート

この5つの項目は、分かりやすく言えば「カスタマイズ自由のテンプレート」です。
相手の気持ちになって考え、どの組み立て方が一番伝わりやすいのかを考えて自由にカスタマイズしてみてください。

 

 

4.相手の気持ちを汲み取る話し方を身につけるには

ここまで読んでみたけれど、相手の気持ちを汲み取ることって難しい!と感じている方もおられると思います。

そこでここでは、相手の気持ちを汲み取る話し方を身につけるための方法について、ご説明していきたいと思います。

  1. 話し始めの一言が重要
  2. 反対意見を柔らかく伝える一言

 

まずはこの2つを覚えておくことが大切です。

 

4-1.話し始めの一言が重要

話し始めの一言は、実はとても重要な意味を持っているということに気がついていますか?

例えば、会話の途中で、「私はこう思うんだよね。なんでかと言うと~」などのように話しをする人を見て、「自分のことばっかり」と思ったことはありませんか?

自分の意見を言うなということではなく、自分の意見を伝えるために、まずは話し始めの一言を意識する必要があるのです

この話始めの一言をどのように選ぶか、ということによって、人に与える印象が大きく変わってきます。

 

話し始めのパターン例
  • 意見が違うかもしれないけれど
  • これは間違っているかもしれないけれど
  • 勝手な想像だけど

 

話し始めのパターンとして、このようなものが挙げられます。

「私はこう思うんだよね」ではなく、「意見が違うかもしれないけれど」という前置きの後で自分の意見を言うことで、聞いている側は”押し付けられている感じ”がなくなるのです。

そうすると、一つの意見として、自分の意見を素直に聞き入れてもらうことができるようになります。

つまり、この一言の選び方を間違わなければ、相手の気持ちを汲んだ話し方ができるということです。

 

様々な意見を引き出すことができる

この一言に気をつけるだけで、様々な意見を引き出すことができます。

周りの人の気持ちを汲んだ上で自分の意見を述べることにより、聞いている方は一つの意見として取り入れ、自分の意見と摺り合わせて話題を出してくれるようになります。

「いろんな意見があっていいんだ」という考えを持ってもらうことができるため、その場に居る方の様々な意見を引き出すことができるようになり、話題はどんどん発展していきます。

それに加え、「それって○○だよね」などの批判を受けることも少なくなります。

 

4-2.反対意見を柔らかく伝える一言

では、反対意見を述べたい時にはどうすればいのでしょうか。

「私は反対です!」なんていう言葉はとてもストレートですが、これでは相手は全否定された気持ちにしかならず、反発を買うことになります。

例えば、今までの話と全く違う方向で話を終えようとする方に対してです。
「今までと言っていることが違う!そんなの私は反対です」と言いたくなる気持ちは分かりますが、ここはグッと抑えて・・・

  • 今のお話の流れで考えてみたのですが
  • なるほど、そのようなことは気づきませんでした

 

このような一言を始めに付けてから、「違う方向で進めることは難しいと思います。もう一度考え直していただけますか?」というような内容を伝えるようにします。

「何を言っているんですか!今まで言っていたことと違うじゃないですか!」ではなく、一言つけてから考え直してもらうように伝えるだけで、随分と印象が違います。

相手に否定的な印象を与えてしまうことがないようにするために、このような一言も覚えておきましょう。

 

喧嘩腰ではなく柔らかく

喧嘩腰ではなく柔らかく伝えることで、「やっぱり今更違う方向で進めるのは無理か。考え直そう」というように、こちらの意見を聞き入れて考え直す姿勢をとってくれます。

相手の意見を理解したことを言葉にし、その上で自分の意見を伝えるようにすると、否定的ではなく、お互いの意見を摺り合わせてまとめた印象になります。

つまり、否定したいことであっても、柔らかく伝えることができるということです。

 

4-3.話を聞いてもらえていると思わないこと

基本的に、”自分の話は聞いてもらえていない”と考えておくことをおすすめします。
それでは、論理的に話す技術なんて勉強しても意味がない!と思われるかもしれませんが、そうではありません。

相手が望んでいる話の内容ではない場合、話を聞いてもらえていない可能性があるという意味です。
何について話したいのか、どんな情報が欲しいのか、という部分がお互いに一致しているのかが重要です。

なんとなく話を聞いてもらっている状態ではなく、真剣に話を聞いてもらうためには、相手の興味があることを話さなくてはなりません。

 

知りたい情報を散りばめる

相手が好きな話や知りたい情報を散りばめることによって、「おっ?!」と注目してくれるようになります。
シーンとした部屋で1対1で話すのであれば、ある程度集中してもらうことができますが、そうではない場合にはこのような点も考える必要があるのです。

相手が知りたい情報を盛り込んだ上で、こちらが話をしたい内容に持っていくことができれば、真剣に聞いてもらいやすくなります

会議などの場合にはその会議で求められる情報が必要ですし、それに加えて、参加者が知りたい・興味をもっている情報も必要です。
相手が知りたい情報を得るには、普段の会話の中から見つけてみることをオススメします。

  • 相手が好きそうな話題をストックする
  • EvernoteやPocketなどを活用していつでも見られる状態にしておく
  • スクショを撮って保存しておく

 

好きそうな話題をストックしておくと、ちょっとした話題にもなりますし、日頃のコミュニケーションにも役に立ちます

これもまた、相手の立場に立って考えることに繋がります。

 

5.自分の意見をスムーズに伝えて誘導するには

少し言い方は悪くなりますが、自分の意見をスムーズに伝え、こちらが意図するような答えに誘導するにはどうすればいいのでしょうか。

とある案件があったとして、その案件への自分の提案に自信を持っている場合、そこに周囲の意見を集中させたいこともあると思います。

そのような時には、以下の3つをポイントとして話をします。

ここが重要!3つのポイント

・どのような内容で(具体的な内容)
・何がどう役に立ち(体験して感じたこと)
・どうしてそのように思ったのか(感情ではなく気持ち)

自分の意見を伝える際に、自分が体験したことを元に提案などできるのであれば、それは相手の説得において大きな武器になります

商品レビューなどもそうですが、体験していない人に対して体験談を語ることで、体験していない人もその状況を共有できます。
状況を共有してもらえることで説得力が増し、自分が意図する答えに、周囲の人を導きやすくなるのです。

 

相手の意思決定の手助けをする

具体的な体験談などを入れることで、相手の意思決定をお手伝いすることができます
何も体験していない人に対して、体験談を語る場合、その内容が具体的であればあるほど良いです。

ただし、自分の感情(楽しかった・イライラしたなど)ではなく、気持ち(どのように・何を・なぜそう思ったのか)ということを伝えることが大切です。

 

6.論理的に話したいなら、○○は口に出すな!

理論的に話がしたいという場合に、絶対に口にしてはいけないものがあります。
それは、「感情」です。

・話を組み立てる中で、気持ちの項目を入れることが大切
・相手の意思決定を手伝うために、気持ちを伝えることが大切

このようにご説明してきました。
気持ちと感情は、一見同じように思えるかもしれませんが、実は大きく違うものです。

 

6-1.気持ち≠感情

ここで、気持ちと感情の違いを整理しておきましょう。

気持ちというのは、「物事に対しての感じ方」を意味します。
感情というのは、「喜怒哀楽」を意味します。

 

愚痴は場の雰囲気を悪くする

例えば先程の、「会議の予定時間が変更になる」ということについて、考えてみます。

【気持ち】

予定が変更になるとは言え、会議を16時からにすればみんなが参加できるのでいいかなと思っています。

 

【感情】

まったくもう!なんで3人も出張が重なっているわけ?嫌ですねホントに。とりあえず16時からにしますが、いいですか?

 

この2つの例文は、気持ちと感情の違いを表しているものです。

それぞれ愚痴も言いたくなる時があるでしょうし、日頃の鬱憤がたまっているかもしれません。
それでも、愚痴などの感情を全面に出してしまうことは、論理的に話すこととはかけ離れている上に、場の雰囲気を悪くしてしまいます。

言いたいことはあっても、愚痴などの感情だけは出さないよう、注意することが大切です。

 

6-2.相手がどう感じるかを考えること

論理的に話ができるようになりたいのであれば、相手がどう感じるのかを考える必要があります。

先程の会議の話であれば、「気持ち」を伝えた場合、「そうだね。みんなが参加できるほうがいいよね」と共感を得ることができます。

ですが、「嫌ですねホントに」なんて感情を丸出しにされては、「じゃあそのままの時間で会議をすればいいのでは?いちいちウルサイな」と思われても仕方ありません。

相手がそれを聞いた時にどのように感じるのか、ということを考えてから発言するようにしましょう。
それだけで、論理的に話すことに一歩近づきますし、相手を思いやった話し方ができるようになります。

 

7.論理的に話ができればこんなにお得

論理的に話せるようになれば、いくつかお得になることがあります。

  1. 時間の短縮が可能になる
  2. 認めてもらいやすい、信頼してもらいやすい
  3. 提案や意見を受け入れてもらいやすい

 

分かりやすく端的に、それでいて相手の立場に立った話し方をすることで、このような得がついてきます。

 

7-1.話を旅行に例えてみる

分かりやすくするために、旅行に例えて説明してみます。
旅行に行く時には、一緒に行く友達や家族、恋人などと、以下のような話をしますよね。

「どのくらいかけてどこに行って、なにをするのか」 これを、会話に当てはめてみます。

  • どこに行くのか(何の目的で話をするのか)
  • どのくらいかかるのか(目的達成までどのくらい時間がかかりそうか)
  • 旅行地でなにをするのか(どうすればいいのか)

 

どこに行くのかを明確にすることと同様、話の目的を伝えることで、一体その話は何をゴールにしているのかということが分かります。

そして、旅行の目的地までどのくらいかかるのか、という点では、目的達成までどのくらい時間がかかるのかということが分かります。

そして最後に、旅行地で何をするのかという点では、具体的にどうすればいいのか、ということに当てはまります。

具体的にこの3つのポイントが相手に伝わるように話すことができれば、相手からの印象がよくなりますよね。
印象がよくなると、話を聞いてもらいやすくなりますし、提案や意見を受け入れてもらいやすくなります。

 

論理的に話ができると得になる理由

・分かりやすい説明で時間を短縮できる

・印象がよくなることで認めてもらいやすくなる

・提案や意見を受け入れてもらいやすくなる

 

7-2.時には結論と気持ちだけを伝えることも効果的

ここまで具体的に、5つの項目を使った会話の組み立て方などについて話しをしてきたのですが、時にはさらに簡潔に話すことも効果的となる場合があります。

「結論の項目」と、「気持ちの項目」のみを伝えるというものです。

 

世間話を含めるとボロが出やすい

あまり会話を交わしたことがない方と二人で話をする場合、「最近調子はどうですか」というような、ぎこちない世間話から入ることがあるかと思います。
ですがこのような世間話は、打ち解けやすいと見えて、実は逆に緊張してしまいがちなことでもあります

というのも、世間話をしている間に人柄が出てしまったり、つい余計なことを言ってしまったりすることがあるためです。

ひょんなことから、趣味や休日の過ごし方なんて込み入った話になれば、その人がどういった人なのかがそっくり分かってしまいますよね

 

忙しい方に話しをする時に

忙しくされている方に話をしたり、少しだけ時間をとってもらえた方に話をする際には、ストレートに言いたいことを伝えるほうが効果的である場合もあります。

どうしてほしいのかという「結論」と、どうしてそう思ったのかという「気持ち」の2つの項目のみを伝えるのです。

このような時間が極端に限られている場合には、「はい」「いいえ」のどちらかで答えがもらえるような聞き方をしたほうが、快諾を得られることがあります

ポイントはココ!

全ての方に分かりやすく組み立てられた話をしようと考えるのではなく、人と状況、場面に合った話し方を意識することが大切です。

 

8.まとめ

論理的に話す技術として、具体的にご説明してきましたが、いかがでしたか?
話し方を意識して組み立てるだけで、説明力は3倍、下手をすれば4倍にもなり得ます

話を組み立てるということ自体が難しく感じられるかもしれませんが、ポストイットやスマホのメモ帳などを活用すれば、どこに居ても会話の組み立てが可能です。

会議の前や、重要な話をする前には、自分が話したいと思っていることを客観的に見直し、必要な情報・不要な情報など見極められるようにしましょう

そして、「私」を理由にせず、相手の立場・気持ちに立って考えられるように意識していくことが大切です。

論理的に話す力を身に着け、スムーズな対話・コミュニケーションを実現させてくださいね。

 

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