雑談が苦手な人のビジネス雑談のコツ5つ|職場でみんなの輪に入れず避けてきた人も話せる

職場の休憩スペースで同僚2人に穏やかに話しかける女性会社員
この記事の監修
吉松欣史

元NHKエグゼクティブ
アナウンサー
吉松 欣史
経歴NHKで32年間。W杯・五輪の生放送実況
専門脳科学・心理学を使ったあがり症の克服

昼休みに職場の人たちが楽しそうに話していても、何を言えばいいか分からず輪に入れない。上司とエレベーターで2人になると、沈黙が長く感じられる。雑談が苦手だと、仕事そのものより、仕事の合間のほうが疲れてしまいます。

雑談が苦手な人は、職場のすべての雑談に入ろうとしなくてかまいません。雑談を「しない・一言で返す・30秒だけする」の3つに分ければ、ビジネスで要る分だけ話せるようになります。吉松欣史の監修で、そのコツを紹介します。

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雑談が苦手な人のビジネス雑談のコツ5つ:
職場の雑談を「しない・一言・30秒」に分ける

朝、自宅のダイニングテーブルで、出勤前の30代の女性会社員がコーヒーの横に小さな手帳を開き、ペンで職場の場面を書き出している手元と肩の近景。窓から朝の光。顔ははっきり写らない。手帳の文字は読めない

雑談が苦手な人の多くは、「職場の雑談には全部うまく入らなければ」と考えて疲れています。けれども、仕事に要る雑談はそれほど多くありません。まず雑談を場面ごとに分けて、しなくていい雑談を先に外すのが近道です。

雑談が苦手なのは自分だけではない

「デスクに複数人が座っていて、私だけ会話に入っていません。たまに業務で必要なことを、前や隣の人に1日に数回聞くだけです。」(2016年3月)
※出典:Yahoo!知恵袋「職場で、雑談に入れず、少し孤立しています」
午前、会社の明るい資料室で、30代の女性会社員が棚からファイルを1冊取り出しながら、ひとりで静かに作業している横からの遠景。顔ははっきり写らない。ファイルや棚の文字は読めない

この方は、周りが静かならよいのに、よく話す職場なので「自分だけ入れていないことがすごく浮いてる」と書いていました。1対1なら話せるのに、複数人の雑談には入れない。同じ悩みを持つ人は、職場に意外と多くいます。

3つに分ける5つのコツ

5つのコツは、上から順に進めます。最初の1週間は、職場の雑談を書き出して3つに分けるだけでかまいません。分け方が決まると、どの場面で何を言えばよいかが先に決まり、雑談の前に身構える時間が短くなります。

  • ①書き出す職場で雑談が起きる場面を5つ書く
  • ②3つに分けるしない・一言・30秒のどれかに入れる
  • ③しない場面会釈とあいさつだけで離れる一言を決める
  • ④一言の場面返事に質問を1つ足して相手に戻す
  • ⑤30秒の場面話題を1つ持って行き、終える一言で戻る
朝、会社のエントランスのゲートの手前で、30代の男性会社員が同じ職場の同僚に軽く会釈しながらすれ違う遠景。顔ははっきり写らない。表示や看板の文字は見えない

3つの分け方の目安

どの場面をどれに入れるかは、仕事への近さで決めます。仕事の相手との関係を保つ場面ほど長く、仕事に関係の薄い場面ほど短くします。下の表は目安なので、自分の職場に合わせて入れ替えてください。

分け方 場面の例 言うこと
しない 休憩室の盛り上がり 会釈して席へ戻る
一言で返す 朝のあいさつ・廊下 返事+質問1つ
30秒だけする 上司・取引先 話題を1つだけ

「しない」に入れた場面では、無理に話に加わらず、会釈をしてから自分の席に戻ってかまいません。その代わり、あいさつとお礼だけは毎日欠かさず続けます。あいさつが続いていれば、雑談に入らなくても冷たい人だとは思われにくくなります。

昼、オフィスの給湯室で、30代の女性会社員がマグカップを手に、楽しそうに話す同僚2人に笑顔で会釈して通り過ぎる遠景。顔ははっきり写らない。文字は無い

できた場面を1つずつ上げていく

1週間続けて、「一言」の場面で言葉が出るようになったら、その中の1つを「30秒」に上げます。一度に全部を上げようとせず、1つずつ増やしてください。帰りに「朝、課長に一言返せた」と1行書けば、それで十分です。

雑談そのものの力を伸ばしたい人には、毎日できる5つの練習をまとめた雑談力の鍛え方が合っています。この記事は、雑談が苦手なまま、仕事に要る分だけ話すための記事です。

雑談が苦手な人の特徴と5つの原因:
「何か話さないと」と思い込む

午前、オフィスの島型の席で、30代の女性会社員が自分の机で書類を整えながら、斜め向かいで談笑している同僚たちのほうを少しだけ見ている横からの近景。パソコンの画面は見えない角度。顔ははっきり写らない。文字は無い

雑談が苦手な人には、話すのが下手というより、雑談への考え方にいくつかの共通点があります。5つの原因のうち、自分に当てはまるものを探してみてください。原因が分かると、1章の3つのどこから手をつけるかが決まります。

話題がないといけないと思い込んでいる

1つ目は、何か話題を出さないといけないと思い込んでいることです。知恵袋の「雑談が苦手な人は、雑談を普通にできる人とどこが違うのか」という相談にも、思いつかなくてもいいのに話すことがないといけないと思っている、という回答がありました。

※出典:Yahoo!知恵袋「雑談が苦手な人は、雑談を普通にできる人とどこが違うと思われますか」(2015年7月)

朝、駅のホームで電車を待つ40代の女性会社員が、ビジネスバッグを肩にかけて線路の先を穏やかに見ている遠景。顔ははっきり写らない。駅の案内や看板の文字は見えない

雑談では、話題を出すより、相手の話を受けて返すほうがずっと多いものです。自分から話題を出さなくても、相手の話に一言返せば雑談は成り立ちます。この思い込みが外れるだけで、雑談の前の重さはかなり軽くなります。

夕方、会社の帰りのバスの座席で、30代の男性会社員が窓の外の街並みをぼんやり見ている横からの近景。車内の人はぼやけている。顔ははっきり写らない。車内の文字は見えない

複数人の会話の切り替えについていけない

2つ目は、3人以上の会話になると話題の移り変わりについていけないことです。1対1なら話せるのに、複数人になると、言葉を考えている間に話題が次へ移ってしまいます。これは話す力の問題ではなく、話題の速さとの相性です。

沈黙と相手の反応を気にしすぎる

3つ目は、沈黙が怖く、相手がつまらなそうにしていないかを気にしすぎることです。数秒の沈黙を自分のせいだと感じ、焦って言葉を探すほど、かえって言葉が出なくなります。雑談の沈黙は、相手にとっても自然な間であることがほとんどです。

午後、会社の会議室の前の廊下で、30代の女性会社員が壁ぎわに立ち、ファイルを胸に抱えて会議が始まるのを静かに待っている遠景。顔ははっきり写らない。文字は無い

自分の話をどこまでするか迷う

4つ目は、自分のことをどこまで話してよいか分からないことです。休日の過ごし方や家族のことを聞かれても、どこまで答えるかで迷い、短い返事で終わってしまいます。話す範囲を先に決めておけば、この迷いは小さくなります。

雑談の意味が分からず「無駄」に感じる

5つ目は、雑談に意味を感じられないことです。用件のない会話は時間の無駄だと思うと、雑談に入る気持ちになれません。このタイプの人は、次の3章で、仕事に要る雑談としなくていい雑談の線を先に引いておくと楽になります。

雑談が嫌い・できない・HSPで疲れる人へ:
仕事に要る雑談と、しなくていい雑談

昼、オフィスビルの外の静かな植え込みのベンチで、40代の女性会社員がひとりで弁当を広げ、穏やかな表情で木々を見ている遠景。顔ははっきり写らない。文字は無い

雑談が嫌いな人や、雑談ができないと悩む人は、そのまま仕事を続けても大丈夫かと不安になります。結論から言えば、雑談が嫌いでも仕事はできます。ただし、どこまでを外してよいかの線引きを間違えると、職場で孤立してしまいます。

雑談が嫌いでも、あいさつは外さない

外してよいのは、休憩室の盛り上がりや、仕事と関係のない長話です。反対に、あいさつ・お礼・報告の3つは雑談が嫌いでも外さないようにします。この3つが続いていれば、雑談に入らなくても職場での信頼は保てます。

朝、工場の事務所の入り口で、作業着の30代の男性社員が、出勤してきた同僚に片手を軽く上げてあいさつしている遠景。顔ははっきり写らない。掲示物の文字は見えない

トルコと英国で6万人以上を調べた研究では、知り合いにあいさつやお礼をする回数が多い人ほど、生活の満足度が高い傾向がありました。長い会話でなくても、短いやりとりには意味があると考えられています。

※出典:Ascigil, Gunaydin, Selcuk, Sandstrom & Aydin(2025)Minimal Social Interactions and Life Satisfaction: The Role of Greeting, Thanking, and Conversing, Social Psychological and Personality Science 16(2)

朝、オフィスの受付カウンターで、30代の男性会社員が受付の50代の女性に軽く頭を下げて、短くあいさつをしている近景。顔ははっきり写らない。受付の表示の文字は見えない

雑談できない日は名前とお礼を言う

気持ちが重く、どうしても雑談ができない日もあります。そんな日は、相手の名前を呼んでお礼を言うだけにします。「田中さん、さっきはありがとうございました」と一言言えれば、雑談をしなかった日でも、相手との関係は続きます。

午後、オフィスの静かな集中ブースの一人席で、30代の女性会社員が書類を手に落ち着いて読んでいる横からの近景。周りに人はいない。顔ははっきり写らない。書類の文字は読めない

雑談が苦手なHSPの人は、1日の雑談の量を先に決める

刺激に敏感なHSPと呼ばれる気質の人は、周りの声や相手の表情に気持ちを持っていかれやすく、雑談のあとにどっと疲れることがあります。この場合は、1日に雑談する場面を朝のあいさつと昼の一言の2つまで、と先に決めておきます。

量を決めておくと、それ以外の場面では自分の席で静かに過ごしてよいと思えます。雑談の後に疲れを感じたら、1人になれる場所で数分だけ休んでから仕事に戻ると、午後まで気力がもちやすくなります。

夕方、在宅勤務の自宅の書斎で、40代の男性がノートパソコンを閉じ、窓ぎわで湯のみを手に一息ついている横からの近景。机に観葉植物。顔ははっきり写らない。画面と紙の文字は見えない

世間話が嫌いなら聞き役で一言返す

世間話が嫌いな人は、自分から話す役を降りて、聞き役に回ってかまいません。相手の話に「そうなんですね」と相づちを打ち、最後に一言だけ質問を返せば、会話に参加していることになります。相づちの打ち方は聞き上手になるための7つのコツが参考になります。

職場の雑談が苦手な人へ:
輪に入れない時・上司と2人の時の一言

昼、社員食堂の長いテーブルで、トレーを前にした同僚4人が話している端の席から、30代の女性会社員が身を少し乗り出して、隣の同僚に短く質問している横からの近景。顔ははっきり写らない。メニューや掲示の文字は見えない

職場の雑談で一番つらいのは、輪に入れない時と、上司と2人きりになる時です。どちらも、その場で言葉を考えようとすると固まってしまいます。よくある場面ごとに最初の一言を決めておけば、考える時間がいらなくなります。

午後、オフィスのコピー機の前で、30代の男性会社員が順番を待ちながら、そばで立ち話をする同僚2人の話に笑顔でうなずいている遠景。顔ははっきり写らない。機械や掲示の文字は見えない

複数人の雑談には質問の形で入る

知恵袋の相談に寄せられたベストアンサーは、入れそうな話題の時に「私、行ったことないんですけど美味しいですか?」と質問の形で入る、というものでした。質問なら、あとは相手が答えてくれるので、自分が話し続ける必要がありません。

※出典:Yahoo!知恵袋「職場で、雑談に入れず、少し孤立しています」ベストアンサー(2016年3月)

輪に入る時は、話題を変えずに、今の話への短い質問から入ります。質問を思いつかない時は、話している人の顔を見てうなずくだけでもかまいません。うなずいている人には、周りが自然に話を振ってくれることが多いものです。

夜、会社の近くの居酒屋のテーブル席で、同僚4人が食事をしている中、30代の男性会社員が隣の人の話にうなずきながら短く質問している遠景。顔ははっきり写らない。メニューや店の文字は見えない

上司と2人のエレベーター・移動の車で言う一言

上司と2人になると、何を話せばよいか分からず沈黙が長く感じられます。エレベーターのような短い時間なら、あいさつに一言を足すだけで十分です。ここからは書き手が作った見本なので、自分の言葉に言い換えて使ってください。

上司と2人の時の一言の見本(書き手の例)

「おはようございます。昨日の会議の資料、分かりやすかったです」

(移動の車で長い時)「この後のA社さん、前回はどんなお話でしたか」

朝、オフィスビルのエレベーターの中で、30代の女性会社員と50代の男性の上司が並んで立ち、女性が上司のほうを少し向いて短く話しかけている近景。顔ははっきり写らない。表示板の文字は見えない

移動の車のように時間が長い時は、これから向かう仕事の話を1つ聞くのが安全です。上司も答えやすく、仕事の準備にもなります。話が途切れても、仕事の話に戻れる質問を1つ持っておけば、沈黙を怖がらずにいられます。

午前、営業車の助手席で、30代の女性会社員が運転する50代の男性の上司のほうを少し向いて、手元の資料を持ちながら話しかけている車内の近景。顔ははっきり写らない。資料の文字は読めない

休憩・ランチで話さずにいても浮かない過ごし方

休憩やランチの時間に毎回雑談をする必要はありません。話さずにいる時は、輪から離れすぎない席に座り、話が自分に向いた時だけ一言返します。食べ終わったら「お先に失礼します」と言って席を立てば、浮いた印象にはなりません。

朝、在宅勤務の自宅のリビングの机で、30代の女性がヘッドセットをつけてノートパソコンに向かい、会議の始まりに笑顔で軽く会釈している横からの近景。画面は見えない角度。顔ははっきり写らない。文字は無い

在宅勤務・オンライン会議の始まりの1分

オンライン会議では、始まる前の1分に雑談が起きやすく、画面越しの沈黙が気まずく感じられます。この時は、「今日もよろしくお願いします」とあいさつしてから、相手の声がよく聞こえるかを確かめる一言を足すと、自然に会議へ入れます。

職場の人と話すこと全般が苦手で、雑談以外の報告や相談でも言葉が出ない人は、コミュニケーションが苦手な人の克服法5つで、苦手な場面を1つずつ選んで慣らす手順を紹介しています。

ビジネスの雑談のコツ:
商談の前後30秒で話すこと

午後、取引先の会社の明るい応接室で、40代の男性の営業担当が席に着く前に、30代の女性の担当者と立ったまま笑顔で短く言葉を交わしている近景。顔ははっきり写らない。壁や資料の文字は見えない

ビジネスの雑談は、本題の前と後のそれぞれ30秒ほどで足ります。長く話して盛り上げる必要はなく、相手が本題を聞く準備を整える時間だと考えてください。前後に言う一言を決めておけば、商談の前に雑談で悩むことは減ります。

午前、オフィスの自席で、30代の男性会社員が商談に持っていく資料をそろえてビジネスバッグにしまっている手元と肩の近景。顔は写らない。資料の文字は読めない

本題の前の30秒は、来るまでに見たもの1つ

本題の前は、相手の会社に来るまでに見たものを1つ話題にします。駅からの道で見た店や、受付の様子などです。相手の会社のことなので、相手も答えやすくなります。ここからは書き手が作った見本です。

本題の前の30秒の見本(書き手の例)

「駅からの道に新しいカフェができていましたね。いつごろできたんですか」

(相手の答えを聞いたら)「今度寄ってみます。では、さっそくですが本日の件です」

朝、オフィス街の小さなカフェの窓に面したカウンター席で、30代の男性会社員がコーヒーを前に、取引先へ行く前に手帳を見返している横からの近景。顔ははっきり写らない。手帳と店の文字は読めない

雑談から本題に入る切り替えの一言

雑談から本題へ移る時は、相手の話を一言受けてから「さっそくですが」と区切ります。いきなり本題に入るより、相手の話を受け止めた一言があるほうが、話が切れた感じがしません。切り替えの一言を決めておけば、雑談を長引かせずにすみます。

本題の後の見送りで言う一言

本題が終わったら、席を立ってから出口までの間に一言だけ話します。「今日は資料まで用意していただいて助かりました」のように、その日のお礼を具体的に言うのが一番です。お礼なら、雑談が苦手な人でも言葉に迷いません。

夕方、取引先のビルのエレベーターホールで、30代の女性会社員が見送りに来た40代の男性の担当者に、軽くお辞儀をしてお礼を言っている遠景。顔ははっきり写らない。表示板の文字は見えない

ビジネスの雑談は相手を知るためにする

ビジネスの雑談とは、面白い話で場を盛り上げることではありません。相手が今何に困っているか、何を大事にしているかを知るための時間です。営業の場面での話の運び方は、営業の話し方7つのコツと営業トーク例文で詳しく紹介しています。

世間話が苦手な人へ:
話題は目の前から1つ拾う

雨の日の朝、オフィスビルの1階のロビーで、傘をたたんだ30代の女性会社員が、同じく傘を持った40代の女性の同僚と窓の外の雨を見ながら軽く話している近景。顔ははっきり写らない。文字は無い

世間話が苦手な人は、話題を頭の中から探そうとして固まってしまいます。話題は、自分の頭の中より、目の前にあるもののほうが見つけやすいものです。今いる場所・季節・相手の持ち物の3つから1つ拾えば、世間話は始められます。

季節と天気は「自分の一言」を足して返す

「寒くなりましたね」と言われて「そうですね」だけで返すと、会話はそこで止まります。その後に「朝、手袋を出しました」のような自分の一言を足すと、相手も次の言葉を返しやすくなります。返事に一言足すだけで、世間話は一往復長くなります。

夕方、会社の前の並木道で、30代の男性会社員が同じ職場の50代の男性と並んで歩きながら、色づいた街路樹を見上げて話している遠景。顔ははっきり写らない。看板の文字は見えない

相手の持ち物と今いる場所から1つ聞く

相手が新しい鞄を持っていたり、いつもと違う飲み物を手にしていたりしたら、それを話題にします。会議室なら、窓からの景色や部屋の明るさでもかまいません。目の前にあるものは、相手にも見えているので、話がかみ合いやすくなります。

避けたい話題と、話題の一覧がほしい人へ

うわさ話や悪口、お金や家族の込み入った話は、世間話では避けておくと安心です。使いやすい話題と避けたい話題は、雑談力の鍛え方のネタの章にまとめています。雑談力を本でじっくり学びたい人は、雑談力の本おすすめ10選も参考になります。

雑談が苦手な人がやってはいけないこと3つ:
面白い話・長い自分語り・あいさつまで断つ

晴れた日の昼休み、会社の屋上の庭で、30代の女性会社員が手すりの近くに立ち、肩の力を抜いてゆっくり息を吐いている横からの遠景。顔ははっきり写らない。文字は無い

雑談が苦手な人ほど、苦手を埋めようとして、かえって雑談をつらくしてしまうことがあります。どれもまじめに取り組んだ結果なので、自分では気づきにくいのが落とし穴です。よくある3つと、代わりにすることを表にしました。

やめること 代わりにすること
面白い話を探して黙る 相手の話に一言返す
沈黙を自分の話で埋める 質問を1つして相手に返す
あいさつまでやめる あいさつとお礼は毎日

面白い話を探して黙り込む

雑談で面白い話をしようとすると、話す前に「これは面白いか」を考えてしまい、言葉が出なくなります。雑談に求められているのは、面白さより、相手の話をちゃんと聞いているという合図です。短い一言を返すほうがずっと伝わります。

沈黙を埋めようと自分の話を長く続ける

沈黙が怖くて、自分の話を長く続けてしまう人もいます。けれども、話し続けるほど相手が話す番がなくなり、雑談は一方通行になります。話が途切れたら、自分の話を足すより、相手に質問を1つ返すほうが、会話は自然に続きます。

午後、明るいオフィスの窓ぎわの小さなソファ席で、40代の女性会社員と30代の男性の同僚が向かい合い、女性が相手の話に耳を傾けながら穏やかにうなずいている近景。顔ははっきり写らない。文字は無い

雑談を全部避けて、あいさつもしなくなる

雑談がつらいからと、あいさつまでやめてしまうと、職場で話す回数はさらに減ります。話す回数が減るほど、次に話す時のハードルは高くなります。雑談に入らない日でも、あいさつとお礼だけは続けることが、自分を守る一番軽い方法です。

雑談が苦手でよくある誤解・注意点

休日の朝、川沿いの遊歩道で、40代の男性がゆっくり歩きながら深く息を吸っている遠景。顔ははっきり写らない。文字は無い

誤解①:雑談上手は話題が豊富な人

雑談がうまい人は、話題の引き出しが多い人だと思われがちです。けれども、実際に雑談が続く人の多くは、相手の話を受けて短く返すのが上手な人です。話題を集めるより、相手の話に一言返す形を持つほうが、雑談は楽になります。

朝、オフィス街の横断歩道で信号を待つ30代の男性会社員と同年代の女性の同僚が、並んで立ちながら軽く言葉を交わしている遠景。顔ははっきり写らない。看板や標識の文字は見えない

誤解②:雑談下手は性格だから直らない

雑談が苦手なのは生まれつきだから、と諦めている人もいます。けれども、2章で見たように、苦手の正体は思い込みや話題の速さ、沈黙への怖さです。どれも性格ではないので、場面を分けて一言から練習すれば克服できます。

午後、会社の小さな研修室で、30代の女性会社員が椅子に座り、手元のメモを見ながら短い一言を声に出して練習している横からの近景。周りに人はいない。顔ははっきり写らない。メモと壁の文字は読めない

監修の吉松欣史も、入社当初は人前に立つと声が震え、頭が真っ白になっていたといいます。ルーキー時代には、生中継のために一字一句丸暗記したコメントが、本番で全部飛んだ経験もあるそうです。

元NHK
アナウンサー
ヨシ

「自分はアナウンサーに向いていないんじゃないか」と、本気で辞めようと思った夜があります。

※出典:吉松欣史 講師プロフィール(私自身のあがり症体験)

その後32年間、何万人が見ている生放送に立ち続け、何百人もの一流アスリートにプレッシャーとどう向き合うかを直接たずねてきました。安全な場で小さな成功を積み上げることは、吉松欣史の指導の柱の1つです。

※出典:吉松欣史 講師プロフィール(経歴・指導の3つの柱)

午後、明るい市民センターの小さな会議室で、30代から40代の大人3人が丸く座り、1人が短く話すのを2人が穏やかにうなずいて聞いている近景。顔ははっきり写らない。ホワイトボードや紙の文字は見えない

誤解③:雑談に入らないと評価が下がる

雑談に入らないこと自体で、仕事の評価が決まるわけではありません。評価に響くのは、あいさつや報告がなく、何を考えているか周りに伝わらない時です。3章の線引きを守っていれば、雑談が少なくても仕事の信頼は保てます。

夜、自宅のキッチンで、40代の女性が仕事から帰ってお湯を沸かしながら、マグカップを手に穏やかに一息ついている横からの近景。顔ははっきり写らない。文字は無い

人と話すのがつらすぎる時は

雑談だけでなく、人と話すことへの強い怖さが長く続き、仕事や生活に支障が出ている時は、社交不安症などの心の不調が関係していることもあります。その場合は、話し方の練習より先に相談してください。詳しくは対人恐怖症の治し方で紹介しています。

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雑談が苦手な人によくある質問と答え

Q雑談が苦手でも営業や接客はできますか?
できます。営業や接客の雑談は、本題の前後の短い時間で足ります。5章の「来るまでに見たもの1つ」と「お礼の一言」を決めておけば、雑談が苦手な人でも落ち着いて対応できます。
Q新人で雑談に入れないのは失礼ですか?
失礼ではありません。あいさつとお礼、報告がきちんとできていれば十分です。慣れてきたら、1章の「一言で返す」場面を1つずつ増やしてください。
Q上司が雑談好きで疲れる時はどうすれば?
毎回長く付き合う必要はありません。相づちと質問を1つ返し、区切りのよい所で「では、作業に戻ります」と伝えれば、角を立てずに席へ戻れます。
Q雑談で自分の話はどこまでしていいですか?
休日の過ごし方や好きな食べ物など、職場の誰に知られても困らない範囲にとどめます。話す範囲を先に決めておくと、聞かれた時に迷いません。
Q初対面の人との雑談が怖い時は?
名前とあいさつに一言を足す形を決めておくと楽になります。初対面で毎回固まってしまう人は、大人の人見知りの治し方も参考にしてください。
Q会話がすぐ途切れてしまう時は?
返事のあとに質問を1つ足して、相手に話の番を返します。会話が続かない理由と直し方は、人と会話が続かない理由と改善法で詳しく紹介しています。

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※出典:吉松欣史 講師プロフィール(経歴・主な実績)

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