こんにちは!日本コミュニケーション能力認定資格保有者の今村です!
営業やプライベートで初めて会った人に何気なく雑談できていますか?
今回は、そんな何気ない会話「雑談力」について説明していきたいと思います。
雑談力があるだけで相手との距離も一気に縮める事ができるので是非あなたも雑談力を鍛えてみてください。
目次を開く
1.「雑談をすること」は無意味だと思っていませんか?
雑談という言葉を聞いて、あなたはどのようなイメージを思い浮かべますか?
- 面倒臭いもの
- 何を話しして良いものか、全く分からないもの
- 沈黙が続いたり、気まずくなったりするもの
- 意味がないもの
- 要件だけ伝えられればいいので、雑談は時間のムダになるもの
など、雑談を良くないイメージで捉え、無駄・無意味などのように思っている方も多いのではないかと思います。
確かに、仕事などでも普段の生活の中でも、要件さえ伝えることができれば困ることはありませんので、雑談がとても無駄に感じられることもありますよね。
ですが、この雑談こそ、”人間関係の基礎である”と言えるものなのです。
無意識のうちに雑談から判断していることがある
近所の方や職場の方、顔見知り程度の方に会った時、私達は、適当に挨拶を交わしますよね。
この少しの間に、無意識のうちに、私達は相手のとあることを判断しているのですが、自分でそのことに気づいていますか?
以下、ばったりと顔見知り程度の方に会った際の、2つのパターンの会話・対応を例に挙げてみます。
例1)
例2)
この2つのパターンを見て、どちらの方となら、今後も話をしていくことができそうだと思いましたか?
または、どちらの方となら、一緒にお仕事をしたい・何か任せたいと思いましたか?
おそらく、多くの方が、例1のような返答をされる方を選ぶのではないかと思います。
勘の良い方は、ここでお分かりになったのではないでしょうか。
そうです!
人は無意識のうちに、このような挨拶からはじまる雑談で、”自分に敵意がある人かどうか、関わっても問題がない人かどうか”ということを判断しているのです。
たった数秒~30秒程度の雑談であっても、自分が言ったことに対して、その相手がどのような反応をしてくれるのかということから判断しています。
- 相手は自分が関わってもいい人かどうかを、雑談から判断している
- 時間にするととても短いけれど、その中で無意識のうちに見極めている
なにげない会話こそが、自分の評価を左右する
上記の例のような「今日も暑いですねー」という一言に対しては、返答の仕方が様々ありますよね。
・「本当に暑いですねー」など、シンプルな返答をする
・「ゆでダコになりそうです」のように、何かプラスで一言つけ加える
・暑いということには触れず、「こんにちは」等の挨拶だけで済ませる
・嫌そうに相手を見ながら、とりあえず挨拶だけをする
・会釈程度に留める
・完全に無視をする
・その場から立ち去る
少し考えただけでも、7個も対応の仕方が挙げられます。
この中で、「この人なら関わっても大丈夫だな」「安心できそうな人だ」と感じることができる対応は、おそらく1つ目・2つ目ではないでしょうか。
特に、2つ目の対応(上記の例のような)をしてくれる人であれば、もう少しの時間なら、なんとなく気楽に話ができそうですよね。
何気ない会話ではありますが、その人の社会性や人間性が垣間見えてしまいます。
何気ない会話を気楽に楽しむことができる方は、精神的に安定しており、人間としても安定している、社会性のある方だと言えます。
刺々しい返事をしたり、無視をしたりというような対応をした場合、「この人は危険だ」「近づかないほうがいいな」「関わりをやめよう」というように思われてしまいます。
それはつまり、社会性がなく精神的に安定していない、安心できない方だと思われていることを意味します。
自分がどちらの評価を受けるのかによって、普段の人間関係も職場での役割なども、変わってしまうということです。
- 何気ない会話を楽しむことができる人は、社会性のある人だと判断される
- 反対に刺々しい返答や対応をする、無視をする、という人は、社会性がないと判断される
- 返答の仕方、対応の仕方によって、自分の評価が変わってしまう
雑談にこそ個性が出る
出だしから先程のような話をしてしまうと、「話が上手な人が得じゃないか」「口下手はダメなんだ」と思ってしまう方もおられるかもしれません。
ですが、雑談力とは、そういうことではありません。
むしろ、口下手であること、人見知りであることなどは、雑談力とは何の関係もありません。
雑談には、その人の個性が表れます。
もちろん、話すことが好きな方は、自分がどんどん話をして周りの雰囲気を盛り上げることができます。
ですが、話をすることが得意ではない方であっても、とても味のあるなんともクセになる雑談をされる方もおられます。
また、ほとんど話をしない寡黙な方の中にも、相づちや表情だけで場を和ませる方もおられます。
その人の個性が現れるのが雑談なのですね。
だからこそ、その少しの時間の雑談から、無意識のうちにその人が評価されたり、大体の人物像を創り上げられたりするのです。
- 雑談には、話し好き、寡黙、人見知りなどの個性が現れる
- その垣間見えた個性から、その人が大体どのような人なのかを知ることができる
雑談は自分を映し出すもの・・・そう考えると、自分がどう見られるのかがとても気になると思います。
話の内容などを気にしてしまいがちですが、実はもっと気にすべきこととして、「口癖」が挙げられます。
どうして口癖を気にすべきなのか、関連記事をチェックし、今後のコミュニケーションに役立ててくださいね!
2.そもそも「雑談」って何なの?
ではここで、そもそも雑談とはどのようなものなのか、ということについて見ていきたいと思います。
- 挨拶にちょこっと足された言葉から始まるもの
- 30秒程度で話の内容を気にせず行うもの
- 結論は出ないもの、出さないもの
- 練習次第では、誰でも一流の雑談力を養うことが可能なもの
雑談を大雑把に説明するとすれば、このような4つの特徴があるものだと言えます。
今まで、雑談は面倒だ・意味がないものだ、と思っていた方でも、少し考え方が変わるのではないでしょうか。
挨拶にちょこっと足された言葉から始まるもの
雑談とは、挨拶にちょこっと足された言葉から始まるものです。
先程の例で言えば、「ゆでダコになりそうです」の部分が、”ちょこっと足された言葉”を意味します。
ただ単に、「暑いですね」と返されても、そこで会話は終わってしまいますよね。
ですが、「ゆでダコになりそうです」と付け加えられた返答が返ってくると、そこから何かしらの会話が続いていきます。
その続いていく会話こそが、「雑談」です。
例)
このように、だらだらとのんびり繰り広げられる会話が、雑談なのです。
「暑い」という話がいつの間にかなくなっていても何も気にならず、話がコロコロ変わるような、とても気楽なものなのですね。
ちょこっと足す言葉は、特に気が利いたものでなくても構いません。
目に入ったものやその時疑問に感じていることなど、何でもいいのです。
- 雑談は、挨拶の後のちょこっと足された言葉から始まるもの
- のんびりと繰り広げられるもの
- 話がコロコロ変わる、気楽に楽しむもの
30秒程度で話の内容を気にせず行うもの
ほとんどの場合、「よし!今から雑談をするぞ!」と意気込んで雑談をする方はおられませんよね。
パッと誰かに出くわし、そこで挨拶を交わして・・・という自然な流れで始まるものです。
そして、一番気詰まりせずにできる雑談の時間は大体30秒程度で、その話の内容は特に気にせずに楽しみます。
今日のお天気について話をしても良し、気になるお店についての話をしても良し、趣味についての話をしても良し、なんでも良いのです。
むしろ、どんどん話が変わって、結局何の話をしていたのか分からないというくらいのゆったり感で丁度良いのです。
「絶対にこの話題について話をするぞ!」というような意気込みをもって行う会話は雑談ではなく、プレゼンテーションです。
また、話の内容が決められているものは会議・討論ですし、要件を伝えるものはただの報告・連絡・相談です。
そうではなく、もっと気楽に、場の空気や流れを和ますために行うものが”雑談”なのです。
- 雑談は、内容を決められていない状態で、気楽に話すもの
- 場の空気や流れを和ますためのもの
結論は出ないもの、出さないもの
自宅前の道路で話をしている方や、スーパーの通路で話をしている方などを見たことがある方は、多いと思います。
少し買い物に行こうと思って家を出て、帰ってきた時にまだ道路で話をしていた、ということはありませんでしたか?
スーパーの通路で話をしている方もまた、一通りの買い物を終えて帰ろうと思った時にふと見るとまだ話をしていた、ということがあったのではないでしょうか?
このような方々がとても素晴らしいトークスキルを持っているから、ずっと話を続けることができている、というわけではありません。
何か目的をもって話をしているわけでもありませんし、何かについて討論をしているわけでもありません。
話に結論がなく、まとまりのないぐちゃぐちゃとした話、いわば「だから何なの?」というような話を延々としています。
つまり、雑談力が高すぎて、話がはずんでしまって終わらないのですね。
雑談は、結論を出すものではありませんし、出るものでもありません。
誰も結論(まとめ・まとまり)を求めていないという点が、雑談の大きな特徴の1つとも言えます。
- ずーっと立ち話をしている方々は、雑談力が高すぎて話が終わらない!
- まとまりのない話をするのが雑談
- 雑談は結論が出ない、出さないもの
練習次第では、誰でも一流の雑談力を養うことが可能なもの
雑談について、少しイメージは変わりましたか?
トークスキルがないと、雑談は上手になることができない、と思っている方も多いと思います。
人を説得するような仕事であったり、笑わせるような仕事である場合には、そのようなスキルが必要になるかもしれません。
ですが、雑談にはそのようなスキルは一切必要ない上に、ポイントを押さえれば、誰でも一流の雑談力を養うことが可能なのです。
何しろ、
・話のテーマは一切不要
・むしろ、話の内容は気にする必要がなく、コロコロ変わったほうが良い
・交渉でも説得でも演説でも漫才でもないため、話のオチや内容に気を遣う必要はなし
・時間は30秒程度で良い
こんなに条件の良い、短くゆる~い会話なので、楽しめるようにしたほうがお得ですよね!
雑談とはそんなにも気楽なものなのだ、ということがわかっただけでも、少しは気が楽になったのではないでしょうか?
- 雑談力は、ポイントを押さえることで養うことができる
- トークスキル等は必要なし!
- ゆるい雑談を楽しめるようにしたほうがお得!
「そんなこと言われても・・・人見知りだから無理。」と思っていませんか?
人見知りをしてしまう原因は何なのか、自分はどのような人見知りのタイプなのか等、こちらの記事を読んでチェックしてみてくださいね!
人見知りの特徴を克服して、雑談を楽しめるようにしましょう!
3.雑談を極めるにあたり、覚えておきたい5つの話し方
では次に、雑談を極めるにあたり、覚えておきたい5つの話し方についてご説明していきたいと思います。
雑談を極めることができれば、誰に会ってもビクビクする必要がありませんし、ゆるく楽しく雑談を楽しむことができます。
さらにはその後、その方との関係がよくなっていきますし、プライベートでも仕事でも、何かと良い方向に進めることができます。
この5つの話し方をマスターし、雑談力を高めていきましょう!
- 話の内容を重視しないこと!
- 長~い雑談はしないこと!
- 無理にまとめようとしないこと!
- 「相手7:自分3」を目安にすること!
- 連想ゲームのように滑らかに進めること!
【話し方1】話の内容を重視しないこと!
雑談をするにあたり、ついつい、話の内容を重視してしまう方もおられると思います。
「この人つまんないな」と思われたりしたらどうしよう・・・と思っていませんか?
確かに面白い話ができればそれに越したことはありませんが、雑談は面白い話をする場ではなく、その場の空気や流れを和ませるためのものです。
話の内容は特に重要ではなく、話し方やリズムなどのほうがよほど重要なのです。
話の内容は、10%以下でしか記憶されない?!
実は、話の内容は、10%以下でしか記憶されていないということをご存知ですか?
もっと厳密に言えば、たったの7%程度です。
これは、メラビアンの法則というもので示されており、非言語コミュニケーションがいかに重要であるかが分かります。
つまり、雑談の話の内容よりも、話のテンポ・表情・仕草・声質など、自分の話し方のほうが相手の印象に残りやすいということです。
なんとなく、「この人とは波長が合うな」と思ったり、「話しやすいな」と思ったりすることがあると思います。
それは、相手の話し方やテンポなどが心地よく、安心感をおぼえたり、ただただ居心地がいいように感じるためなのです。
*ただ、このメラビアンの法則が適用されるのは、言語情報・聴覚情報・視覚情報が矛盾している場合とのことです。
いずれにせよ、言語情報よりも話し方やリズムなどを大切にしたほうが、相手とのコミュニケーションはスムーズになりますよね。
内容よりも、相手との話の”リズム”をとる話し方をすべし
雑談においては、”相手との話のリズムをとる話し方”をすることが大切になります。
もちろんこのリズムは、人それぞれバラバラなので、誰に対しても同じような話し方をすればいいということではありません。
自分が話す時には、相手に伝わりやすいように、短い一文で区切って話をするようにします。
例1)
そこの夜景が綺麗だっていうから見に行ったんだけど、あ、そうそう、前日の天気予報では晴れだっていってたんだよ~。んで、急に雨が降ってきて~・・・それでね~
例2)
前日の天気予報では晴れるって言ってたのに、急に雨が降ってきて~・・・
この2つの例を見てみると、同じ話をしているのに、その状況を把握しやすいのは例2のほうではありませんか?
例1は、とにかく言いたいことを繋げて文章を作っている話し方でとてもわかりにくいですが、例2は、一文ずつ短く区切って相手に伝わりやすい話し方になっています。
このような文章のリズムを意識することで、相手に伝わりやすい話し方をすることができます。
雑談の内容は気にしなくてもいいのですが、相手に伝わりやすい話し方をすることで雑談力が上がり、好感度も高めることができます。
話のテンポが速い人・遅い人
そしてもう1つ、話のテンポも意識した話し方をすることがポイントです。
先程、人それぞれ、「この人とは波長が合うな」と思ったり、「話しやすいな」と思ったりすることがあるとお話しました。
その波長が合う・話しやすいと感じる人と感じない人が居るのは、相手の話のテンポと自分の話のテンポが合うか合わないか、という点によります。
話のテンポも人それぞれ違いますので、テンポがとても速い人もいれば、とても遅い人もいます。
素早くやり取りを交わしてスピード感のある雑談を心地よく感じる方がおられれば、ゆっくりと話を進めるほうが心地よく感じられる方がおられますよね。
このテンポを相手に合わせる話し方を意識すると、少しずつ自分もそのテンポに慣れることができ、違和感なく雑談を楽しむことができるようになります。
テンポが速い人に対して
・テンポが速いので一語一句全て聞いて記憶することは難しい
・相手の話をスラ~っと流れるように聞く
・その中で、相手が力を入れて発した部分を意識しながら聞く
・相手の話に割って入らない
・一息つくところで、自分なりに解釈して要約した内容を伝える
テンポが遅い人に対して
・威圧感を与えないように、まくしたてたりしない
・相手が話終わるまで、しっかりと聞く
・不明な点があれば、話を止めて質問をしても問題ない
・自分と同じような素早いやりとりを求めようとしないこと
- 話の内容よりも、相手に伝わりやすいリズムで話すこと
- テンポが速い、遅い人にそれぞれ合わせること
【話し方2】長~い雑談はしないこと!
一番気詰まりしない雑談の時間は30秒程度だと、先程ご説明しました。
この30秒という時間、実際にストップウォッチなどではかろうと、じーっと数字を見つめていると、意外と長く感じるものです。
ですが、実際に会話をしてみると、挨拶にちょこっと足した言葉から始まり、相手と二言ほど話せば、もう30秒です。
どんなに話のいいところであっても、このくらいの時間でアッサリ・サッパリ切り上げる雑談のほうが、とても気楽です。
話がただただ長いだけだと、気詰まりしかしない
初対面の方や顔見知り程度の方、会社の方や近所の方など、ばったり出会ってしまったところから雑談をしようとしても、ただただ話が長いだけというのは気詰まりしますよね。
「いつ切り上げよう?」「どうやって会話を終わらせよう」「早くこの場から立ち去りたい」などという思いが巡るのではないでしょうか。
挨拶程度ならできるけれど、長い時間話すことはしたくない、という方もおられると思います。
もしかするとその理由は、「終わりが見えないから」ではありませんか?
終わりが見えない会話は、とてもストレスが溜まります。
・早く帰りたいのに
・次の仕事があるのに
・お迎えの時間が迫っているのに
・ご飯の支度をしなきゃいけないのに
・この後、約束があるのに
など、自分の予定が潰れたり、邪魔をされてしまうような感じがして、とても居心地が悪くなるのです。
ですがこれは、話すことになった相手も、同じように感じているかもしれませんよね。
話が途中であっても、潔く切り上げることがポイント
どんなに話が途中であっても、どんなに盛り上がっている最中であっても、潔く切り上げることで、スッキリと雑談を終えることができます。
- では、この辺で失礼します!
- それじゃ、また
- じゃあこのへんで~
など、アッサリとその場から立ち去ることで、自分もスッキリしますし、相手も気詰まりしてしまうことがなくなります。
度々顔を合わせる方なら、「この人との雑談は終わりがあるから」「いつもすぐに切り上げてくれるから」というように、雑談がアッサリしている人だと認識してもらうこともできます。
だらだらと長く話をするのではなく、潔く切り上げることも大切な話し方の1つなのですね。
もちろん、気が合う・波長が合うとお互いに感じており、時間に余裕があるのであれば延々と雑談をしていても問題ありません。
- だらだらと長いだけの雑談はお互いに迷惑に感じる
- 終わりが見えるようにするためにも、潔く切り上げることが大切
【話し方3】無理にまとめようとしないこと!
そして、雑談での話し方3つ目としては、「無理にまとめようとしないこと」も大切になってきます。
話をしていると、どうしても最後に「これはこう!」というようにまとめたい、結論を出したい、という方もおられると思います。
ですが、そのようなことは雑談では必要ありません。
結論がない・まとまらない話をするのが雑談であり、議論や討論とは全くの別物だからです。
雑談に結論はいらない
雑談をするにあたり、「つまり○○ってことですね」「これは○○なので解決ですね」などの言葉は必要ありません。
先程スーパーの通路や道路で延々と話をしている方を例に挙げましたが、その方々も結論を求めて話をしているわけではありませんし、話のまとまりもありません。
結論が出てしまうと、雑談はそこで終わってしまいます。
相手が出した結論に反論したり、そこからそのことについて話し合うようになってしまったら、それは雑談ではなくなってしまいます。
誰も結論を求めて雑談をしているわけではない
雑談は、結論を求めて話をするというような議論のようなものではありません。
ゆる~く、なんとなく流れるように内容を気にせず会話をするものであり、話題にあがったことに対しての是非は、正直どうでもいいのです。
誰も結論を求めていませんし、誰かに答えて欲しいとも思っていません。
雑談中に、結論を求めようとしないようにすることがポイントです。
- 雑談に結論はいらない。結論を出すのは議論や討論
- 話題にあがったことの是非はどうでもいい
【話し方4】「相手7:自分3」を目安にすること!
話し方の4つ目のポイントとして、相手と自分の話の割合が挙げられます。
「相手7:自分3」という割合を意識して雑談をすることで、有意義な時間を過ごすことができるようになります。
自分のことばかり話す=トークショー
「相手0:自分10」という配分でマシンガントークをする方もおられますが、これでは雑談ではなくただのトークショーです。
話すのが好きなんだなということは伝わっても、相手は何も言えずにただただ聞き役に徹するのみとなってしまいます。
そんなことでは、この人とならもう少し話ができそうだ、何か仕事を任せたい、また話したい、などとはとても思えませんよね。
雑談は自分メインのものではない
雑談は自分がメインとなるものではないということを覚えておくことが大切です。
トークショーのようになってしまう場合には、雑談とは呼べません。
ただ、時と場合によってこの配分・割合は変わってきます。
取引先の相手とちょっとした雑談をする場合などは、自分の割合をもう少し増やしてもいいですよね。
相手がお話好きの方であれば、自分の割合をもう少し減らして相手にリードしてもらうようにすることもポイントです。
また、どうも自分が割合の多いほうを担当するのは苦手だという方の場合にも、聞き役にまわると雑談が弾みやすくなります。
- 「相手0:自分10」ではただのトークショーになってしまう
- 理想的なのは、「相手7:自分3」の割合
- この割合は、時と場合によって自由に変えていくことができる
【話し方5】連想ゲームのように滑らかに進めること!
雑談は、連想ゲームのように滑らかに、流れるように進めることもポイントとなります。
話がブツブツと途絶えて沈黙を挟み、たどたどしい感じで話すようでは、雑談力のある話し方ではないと言えます。
どんどん連鎖していく雑談ほど、盛り上がる
雑談は、どんどん話が連鎖していき、最終的に何の話をしていたのかわからなくなっているというくらいが丁度良いのです。
盛り上がる雑談は、話がコロコロと変化し、元の話題などどうでもよくなっている状態です。
いくつも話が連鎖し、まわっていくような感じで話をしていると、時間を忘れて雑談に没頭してしまうこともあります。
ブツブツと千切れる話し方ではなく、どんどん話を連鎖させていくことができる話し方を身につける必要があるのですね。
「話がちょっと変わるんだけどさ」はNG
話がコロコロ変わることが理想的とは言っても、「話がちょっと変わるんだけどさ」という言葉を挟んで話が変わることはNGです。
これでは、ここまでの話題とは何の関係もないことを、また1から話し始めることになってしまい、これまでの流れがリセットされてしまいますよね。
そうではなく、連想ゲームのように、
- ○○と言えばさ~
- そういえばさ~
というように、元の話から繋がっていくような、連想されるものの中で、話をコロコロと変化させることがポイントなのです。
盛り上がって時間を忘れる雑談ほど、この連鎖が何十にも重なり、どんどん広がっている”良い雑談”なのです。
- ブツブツと千切れる話し方ではなく、流れるように
- 元の話から連想されるもので話がコロコロと変わるのが理想的
- ○○と言えば~、で繋がる
4.雑談力を鍛える話し方、5つのトレーニング!
ここまで、雑談について・話し方についてなどまとめてきたのですが、いかがでしたか?
今までの雑談のマイナスイメージや苦手意識が少し変わった方もおられるのではないかと思います。
楽しく雑談をすることができれば、人間関係はスムーズになります。
ここからは、雑談力を鍛える話し方として、5つのトレーニング方法をご紹介していきたいと思います。
- 相手の一言から連想できるようにする
- 相手との共通点を見つけられるようにする
- 相手をほめる・受け入れる練習をする
- 相手の話に対して質問できるようにする
- 気になったことや疑問をネタにする
【トレーニング1】相手の一言から連想できるようにする
つい先程ご説明しましたように、雑談では、相手の一言からどんどん連想するように話をすることがポイントとなります。
話が途切れてしまっては、気まずい思いをしたり、「この人とはちょっと・・・」とお互いに思うことになってしまいます。
次から次へと連想できるように練習することで、雑談力を鍛えていきましょう!
”1人連想ゲーム”で遊んでみるという鍛え方
連想できるように鍛える方法として、1人連想ゲームで遊んでみるという方法が挙げられます。
随分前の話になってしまうのですが、1990年代に「マジカル頭脳パワー!!」という番組で行われていた、「マジカルバナナ」というゲームがありました。
このマジカルバナナは、「バナナと言ったら黄色」→「黄色と言ったらレモン」のように、リズムに乗りながらどんどん連想していくというものです。
通常は複数人で行うゲームなのですが、相手がいない場合にはこれを一人で遊ぶことで、連想する力を鍛えることができます。
もちろん、一緒に遊ぶ相手が居る方は、雑談力を鍛えるためではなく普通に遊んでみると、とても楽しいですよ!
リズムに乗れなかったり、ただのダジャレになったり、全く関係のないことなどを言ってしまった場合にはアウトです。
しっかりと最後の言葉から連想されるものを答えるようにします。
これを繰り返していくうちに、どんどん連想する力がつき、相手の一言から様々な言葉を連想することができるようになります。
この方法なら、楽しく遊びながら雑談力を鍛えることができますので、おすすめです。
- マジカルバナナで遊んでみる
- 繰り返すうちに連想する力がついてくる
【トレーニング2】相手との共通点を見つけられるようにする
2つ目のトレーニング方法として、相手との共通点を見つけられるようにするという方法があります。
自分と相手の共通点を見つけることで、雑談を始める際の”ちょこっと足す言葉”を発しやすくなりますよね。
ただ、共通点といっても、すぐに見つけるなんて難しい・・・と思いますよね。
ですが、意外と仲間は見つけやすいものなのです。
初対面同士でも存在する共通点があることを知る
初対面同士で互いの共通点を見つけ出すというのは、とても難しく感じられますよね。
ですが、こんな場合はどうでしょうか?
例1)電車が遅れたことで、大事な会議に遅刻しそうな時
例2)突然雷雨に見舞われて、傘がない時
例3)スマホの壁紙が猫だった時
例4)相手の洋服に対して
など、初対面でも、意外と共通点は見つけられるものなのです。
そして、例1・例2の場合には、どちらもトラブルに見舞われた場合の共通点です。
トラブルに見舞われると、共通点が生まれることも珍しくありません。
喫煙などを例に挙げてみても、最近の受動喫煙の問題を受けた取り組みにより、肩身の狭い思いをする愛煙家同士、共通点が生まれますよね。
特に、少数派である仲間同士というのは、仲間意識が芽生えやすく、急速に仲が良くなったりするものです。
相手を観察してみたり、その場の状況を確認してみたりすると、共通点は見つけやすいのです。
上手に共通点を探し出すことができれば、そこから雑談を始めることができるようになります。
- 初対面でも、意外と共通点がある
- 特に、少数派仲間は見つけやすい!
- トラブルは共通点を生み出す
【トレーニング3】相手をほめる・受け入れる練習をする
そしてトレーニング3つ目は、相手を褒める・受け入れるという練習になります。
「ほめたり受け入れたりすることなら、とても簡単」と思う方も多いと思います。
ですが実際に、「では、嫌いな相手のどこかを褒めたり、受け入れたりしてみてください」と言われると、戸惑うのではないでしょうか。
褒める・受け入れるというのは難しいことなのですが、あえて変わったところを突こうとするから難しく感じるのです。
見たままに褒めるだけで十分です。それ以外は、嫌味だと捉えられてしまうこともあります。
・オシャレな髪型ですね
・ネクタイ素敵ですね
・そのスーツ似合いますね
などなど、とりあえず見たままの状態を褒めるだけでOKです。
ここで、「嫌いな相手のことは褒められない」という方の場合、少し練習が必要になります。
それは、とにかく見た目のことでポジティブなことを言う、という練習です。
センスの悪い柄だと思っても、「斬新な柄ですね!」というようにポジティブな感想を言うだけで、これも褒めていることになります。
それはどうなの?と思うようなことを言われても、一旦は受け入れ、そこから違う話に少しずつずらしていけばいいのです。
雑談力は、嫌なことも全て受け入れて話をするというものではなく、さりげなくそらすこともできる力も含まれています。
この褒める・受け入れるという行動は、お互いの距離を縮めたり、場の空気を和やかにして雑談をするためにはとても有効的なものなのです。
だからといって、顔を引きつらせながら褒める必要はありません。
あくまでも、何を話そうか迷ってしまった時、ちょこっと足す言葉が見つからない時などのための練習です。
- 「嫌だな」と思うことでも、とりあえず受け入れる
- ほめる部分は、見えたもの何でもOK!
【トレーニング4】相手の話に対して質問できるようにする
4つ目に、相手の話に対して質問ができるようにするという練習があります。
これは主に、自分が話をリードすることが苦手だという方にオススメしたい練習です。
先程も触れたのですが、雑談力とは、なにもペラペラと話し続けるトークスキルのことではありません。
気持ちよく、楽しく短い会話を楽しむための、場を和ませるための力です。
自分が話をリードすることが苦手であったり、気の利いたことは言えないという場合、相手の話に対して質問だけで会話をするように練習することで、雑談力を鍛えることができます。
相手が猫の話をしてきた場合には、以下のような質問ができます。
・へえ、猫がお好きなんですか?
・どんな種類の猫が好きなんですか?
・猫を飼っておられるのですか?
など、相手の話に対してとりあえず質問ができるように練習するのです。
自分で適当に単語を決め、それに対して即座に何か質問できるように練習すると、効果的です!
このような質問に対して、相手が「そうそう、猫が好きでね」「猫はやっぱりペルシャですかね」などの返答をしてくれたら、またそこから質問をします。
それを繰り返していくだけでも、立派に雑談が成立します。
「○○と言えば、△△ですよね?」というような、先程の連想ゲームの練習成果を取り入れた質問なんかができれば、尚良しです!
話はそこから広がり、どんどん雑談が盛り上がっていきます。
- 相手の話を聞き、思ったことをそのまま質問してみる
- これこそ、相手に話をリードしてもらうための話し方!
【トレーニング5】気になったことや疑問をストックする癖をつける
そして5つ目なのですが、これは普段無意識のうちに行っている方も多いかもしれません。
インスタグラム、twitter、FacebookなどのSNSを活用し、自分が気になるものや気に入ったものを、スクショで残したりしている方もおられますよね。
それと同じで、普段からネタを集める練習をしておくのです。
気になったことや疑問をストックするクセをつければ、ふと誰かと雑談をすることになった時に、「そう言えば~」と話題にすることができますよね。
美味しいランチのお店や可愛いアクセサリー、ネイルの話題、スポーツの話題など、自分が興味のあるものをストックしておくと、とても便利です。
あえて疑問をそのままにしておき、雑談の機会があれば、その人に疑問をぶつけてみるというのもアリです。
意外と面白い解答を得ることができるかもしれませんよね。
- テレビやネットから情報収集を行う
- SNSなどからも情報収集は可能
話し方のトレーニング方法をご紹介しましたが、いかがでしたか?
どれも今すぐ始められてとても簡単なので、ぜひ試してみてくださいね!
5.合わせて覚えておきたい、話の聴き方
雑談力を高めるための練習と同時に、話の聞き方についてもマスターしておくことをオススメします。
相手の話を聴いていますよ!という意思表示のため、あいづちはよく使われますよね。
ですが、ただ単にあいづちをうっていても、「適当だな~」「本当に聞いているのかな?」と思われてしまいます。
そうなると、いくら雑談力があっても、相手の話中に無駄になってしまうかもしれませんよね。
そこで、相づちの打ち方や、話し聞き方についても、確認しておきたいと思います。
- ”あいづち”の仕方をマスター
- 相手の話の中に出てきたワードを覚えておく
”あいづち”の仕方をマスター
あいづちを打つ時に、話をしている相手を見ずに、少し下を向きながら「うんうん」とあいづちを打っている方を多くみかけます。
そのほうが、相手をじっとみなくて済むので、失礼がないと思っている方もおられるかもしれません。
ですが、できればあいづちは相手の目を見ながら、適度な区切りで「うん」と一回首をふる程度でOKです。
「あ~!へええぇぇ!うんうんうん」などと言われると、ものすごく適当な感じがしますよね。
あいづちは少なくていいので、目を見ながらしてみてください。
相手の話の中に出てきたワードを覚えておく
そして、相手の話の中に出てきたワードを、覚えておくようにします。
もちろん、全てを覚えろということではなく、相手が強調して言った言葉やあまり普段使わないような言葉遣いをした部分がそれに当たります。
楽しそうに話をしていたりする時のワードは、特に覚えておくと良いです。
このワードを、自分が話をする時に使ってみてください。
例1)
例2)
など、チラっとそのワードを入れることによって、「この人はちゃんと話を聞いていてくれたんだ」と思ってもらうことができます。
実際にそのようなワードを覚えるには話をしっかりと聴く必要がありますので、実際には話を聞いていなかったなど、相手を騙しているわけでも何でもありませんよね。
- あいづちは短く少なく
- あいづちは目を見ておこなう
- 相手が笑顔で楽しそうに話す部分を要チェック
- そのワードを使って話してみる
6.まとめ
この記事では、雑談力・話し方・鍛え方をテーマとしてご説明してきましたが、いかがでしたか?
雑談を極めると、時間さえあればもっと話をしていたい!と思える・思ってもらえるようになります。
ただ単に自分のポジションが変わるだけではなく、周りとの関係もとてもスムーズになります。
「話をするのが苦手だから」「内気だから」などは関係ありません。
雑談にはオチも内容も笑いも必要なく、短い時間でゆったりと中身のない話をするだけでいいのです。
雑談力はトークスキルとは一切関係がないということを忘れず、ここでご紹介したトレーニングを実践してみてくださいね。