資料は作り込んだのに、話し始めると早口になり、声が震えて頭が真っ白になる。プレゼンの伝わり方は話す才能ではなく、話す順番と声の出し方で決まるので、コツを知れば緊張する人でも最後まで伝えられます。
この記事では、元NHKエグゼクティブアナウンサー・吉松欣史の監修のもと、プレゼンの話し方のコツ10個を、出だしの例文や練習の手順とあわせて紹介します。
- プレゼンの話し方のコツ10個
- 出だしの30秒で使える例文
- 声が震える・頭が真っ白になる時の整え方
プレゼン・発表の話し方のコツ10個:結論から、ゆっくり、間をあけて語尾まで言い切る

プレゼンの話し方のコツは、言葉・声・体の3つをそれぞれ整えることです。内容が同じでも、話す順番と声の出し方を変えるだけで、聞き手の受け取り方は大きく変わります。まずは10個のコツを一覧で確かめてください。
- ①結論から話す最初の一文で「何をしてほしいか」を言う
- ②1文を短く切る「〜で、〜で」とつなげず40字ほどで切る
- ③「えー」を間に変える言葉に詰まったら声を出さずに一拍待つ
- ④数字と例を添える「大幅に」ではなく「3割」「先月の例では」
- ⑤ゆっくり話す1分に300字前後を目安に、ふだんより遅く
- ⑥大事な所の前で間をあける言う前に1〜2秒止めて注意を集める
- ⑦語尾まで言い切る「〜と思うんですけど…」で消さない
- ⑧大事な言葉だけ強める少しゆっくり、少し大きくして目立たせる
- ⑨視線を3か所に配る左・中央・右の聞き手を順に見る
- ⑩問いかけと身ぶりを入れる手は胸の高さで、数を示す時に指を使う
言葉のコツ:結論から話し、1文を短く、「えー」を減らす
職場の働く人500名に聞いた調査では、気になる話し方の1位が「結論が最後まで出てこない、話が長い」で42%でした。プレゼンでも同じで、背景から順に話すほど、聞き手は「結局何の話か」を探しながら聞くことになります。
※出典:TID「職場での話し方に関する意識調査2026」(n=500)
1文を短く切ると、結論も伝わりやすくなります。「〜でして、〜なので、〜ですが」と続けず、言い切ってから次の文に移ります。言葉に詰まった時は「えー」で埋めずに黙って一拍待つと、聞き手には考えている間として届きます。
声のコツ:1分300字・間・語尾・抑揚

同じ調査では、2位が「早口で何を言っているか聞き取れない」31%、3位が「語尾が小さく、自信なさそうに聞こえる」24%でした。緊張すると話す速さは自然に上がるので、自分では「少し遅い」と感じるくらいがちょうどよい速さです。
※出典:TID「職場での話し方に関する意識調査2026」(n=500)
1分に300字前後、原稿用紙なら4分の3枚ほどが、聞き取りやすい速さの目安です。大事な数字や結論の前で1〜2秒黙り、語尾の「です」「ます」まで声を落とさずに言い切ります。声が小さいことが悩みの中心なら、声が小さい悩みを改善する方法も参考にしてください。
体のコツ:視線を3か所に配る・身ぶりは胸の高さ・問いかけで聞き手を巻き込む

視線は、会場の左・中央・右に座る人を1人ずつ決めて、一文ごとに順に見ていきます。資料ばかり見ていると、声が下に落ちて届きにくくなります。オンラインの時は、画面の相手ではなくカメラのレンズを見て話します。
身ぶりは胸の高さで、「3つあります」と言う時に指を3本立てる程度で十分です。途中で「皆さんの部署では、どうでしょうか」と問いかけると、聞き手は自分のこととして考え始め、話し手も一度呼吸を整えられます。
プレゼンの出だし(はじめに)の始め方と最初の挨拶の例文:30秒で聞く理由を渡す

プレゼンの出だしでやることは、聞き手に「この話は自分に関係がある」と思ってもらうことです。最初の30秒であいさつ・テーマ・聞く理由までを言い終えると、聞き手はその後の話を自分ごととして聞き始めます。
あいさつと自己紹介は15秒で終える
あいさつと自己紹介は、名前と所属、今日のテーマを一息で言える長さで十分です。経歴を長く話したり、「お時間をいただきありがとうございます」を何度もくり返したりすると、本題に入る前に聞き手の集中が切れてしまいます。
そのまま使える出だしの例文3つ(数字・問いかけ・聞き手の得)
出だしの一言は、数字で驚かせる、問いかけで考えてもらう、聞き手の得を先に言う、のどれかで作ると外れにくくなります。自分のテーマに合わせて、言葉を入れかえて使ってください。
やってはいけない出だし(言い訳・長い前置き・資料を読む)
「準備不足で申し訳ないのですが」「緊張していてうまく話せないかもしれませんが」と言い訳から始めると、聞き手は内容より不安の方を受け取ります。表紙のスライドの文字をそのまま読み上げる始め方も、聞き手が自分で読めば分かることなので、避けた方が無難です。
プレゼンの流れと構成のコツ:結論→理由→例→結論の順で話す

話す順番は、結論→理由→具体例→もう一度結論の形にそろえると、途中で頭が真っ白になっても戻る場所が分かります。準備の段階でこの順番に話のかたまりを並べておくと、当日は順番どおりに言うだけで済みます。
PREP法とSDS法の使い分け
提案や報告のように相手に判断してもらう場では、結論・理由・例・結論の順に話すPREP法が向いています。新しい取り組みの紹介のように全体像を先に伝えたい時は、要点・詳しい説明・要点の順のSDS法が使いやすくなります。
目次は「3つお話しします」と数で先に言う

話の初めに「今日は3つお話しします。現状、原因、対策です」と数と中身を先に言っておくと、聞き手は今どこを聞いているのか迷いません。話す側も「2つ目に入ります」と区切れるので、途中で順番を見失いにくくなります。
締めは「明日してほしいこと」を一言で
最後は「以上です」で終わらせず、聞き手にしてほしいことを一言で伝えます。報告の順番は上司への報告の仕方とコツ、会議の進め方は会議の司会進行の例文と台本でも、そのまま使える言い方を紹介しています。
5分プレゼン・短いプレゼンの話し方:原稿は1,500字、言いたいことは1つに絞る
5分のプレゼンは、1分300字の速さで話すと原稿がおよそ1,500字になります。先に時間を割り振ってから原稿を書くと、時間切れで締めの一言が言えない失敗を防げます。

短いプレゼンほど、伝える中身は1つに絞ります。エレベーターで偶然会った相手に30秒で伝えるつもりで、結論と理由1つを150字ほどで言える形にしておくと、話が広がりすぎても戻る場所ができます。
プレゼンの練習方法と上手くなる方法:本番までに声に出して3回通す

プレゼンの練習は、頭の中で読み返すだけでは足りません。声に出して最初から最後まで通す練習を、少なくとも3回行うと、言いにくい言葉や時間の足りない所が本番前に見つかります。手順は次のとおりです。
- 1回目:声に出して時間を測る原稿を見て通し、つかえた所に印をつける
- 2回目:スマホで録画して見返す速さ・語尾・「えー」の数・視線を確かめる
- 3回目:人の前でリハーサル同僚や家族に聞いてもらい、感想をもらう
1回目:原稿を見て声に出し、時間を測る
1回目は、原稿やスライドのメモを見ながらで構いません。ストップウォッチで時間を測り、持ち時間より長ければ、結論に関係の薄い話から削ります。言いにくかった言葉や、つかえた所には印をつけて、言いやすい言葉に置きかえます。
2回目:スマホで録画して見返す
2回目はスマホで自分を録画して見返します。最初は恥ずかしいものですが、早口になる所、語尾が消える所、「えー」が増える所は、映像で見ると一度で分かります。直したい所は1回の練習で1つか2つに絞ると、次の練習で確実に変わります。
3回目:同僚や家族の前でリハーサルする

3回目は、誰かに聞き手になってもらいます。終わった後に「一番覚えている言葉は何か」を聞くと、伝えたいことが届いたかどうかが分かります。本番と同じ立ち位置や機材で練習できると、当日の戸惑いが減ります。
練習アプリやAIを使う時の注意
話す速さやつなぎ言葉の数を自動で数えてくれる練習アプリやAIは、一人で練習する時の目安として役に立ちます。ただ、数字がよくても聞き手に伝わるとは限らないので、最後は人の前で話して反応を確かめることを省かないでください。
プレゼンが上手い人・わかりやすいプレゼンの特徴5つ:才能ではなく準備の差

プレゼンが上手い人は、生まれつき話がうまいわけではありません。上手い人に共通しているのは、話す前の準備のしかたです。次の5つは、どれも今日から真似できます。
伝えたいことを一文で言える
上手い人は、プレゼン全体で伝えたいことを一文で言えるまで絞ってから資料を作ります。一文にできない時は、話したいことが多すぎるサインです。準備の最初に「今日のプレゼンを一言で言うと?」と自分に聞いてみてください。
聞き手の言葉で話す
専門用語や社内の略語を、聞き手がふだん使う言葉に置きかえて話します。相手の部署の数字や、相手が困っている場面を例に出すと、聞き手は自分の話として聞いてくれます。誰に話すかによって、同じ内容でも例を入れかえます。
数字と具体例を必ず添える
「かなり改善しました」ではなく「対応時間が12分から7分になりました」と、数字で言い切ります。数字のあとに「たとえば先月の〇〇さんの件では」と一つ具体例を添えると、聞き手の頭の中で場面が浮かび、記憶にも残りやすくなります。
資料を見ずに聞き手を見る

上手い人は、スライドを読み上げず、聞き手の顔を見ながら話します。スライドに書くのは要点と図だけにして、説明は口で行います。手元のメモは、話す順番のキーワードを並べた1枚にしておくと、目を落とす時間が短くなります。
何度も練習している
上手い人ほど、本番の前に声に出して何度も練習しています。話し方は、その場のひらめきより、準備した回数で安定します。4章の3回の練習を、大事なプレゼンの前に一度やってみるだけでも、当日の話しやすさは変わります。
TEDのプレゼンに学ぶ話し方:1つの考えを、自分の話で、18分以内に

TEDのプレゼンとは
TEDは、さまざまな分野の人が「広める価値のあるアイデア」を話す講演会で、講演の動画はTEDの公式サイトで無料で見られます。一つひとつの講演は、長くても18分に収めることが決まっています。
1つの考えに絞り、自分の体験で語る
TEDを運営するクリス・アンダーソンは、話し手は聞き手が知るべき1つのアイデアのために話すこと、上手な講演は会話のように自然に話すことだと語っています。話を1つの考えに絞り、その考えにたどり着いた自分の体験を添えると、聞き手の心に残ります。
※出典:CBS News(TEDのクリス・アンダーソンへの取材記事)
18分以内に収め、スライドは絵と数字だけにする
アンダーソンは18分という長さを、それ以上は集中してもらうのが難しく、1つの考えをしっかり伝えるには十分な長さだと説明しています。仕事のプレゼンでも、持ち時間より少し短く終わるように組み立てると、質問に答える余裕が生まれます。
※出典:CBS News(TEDのクリス・アンダーソンへの取材記事)
※出典:Mayer, Heiser & Lonn (2001) Journal of Educational Psychology 93(1), 187-198(査読付き学術誌)
スライドに話す内容を全部書くと、聞き手は文字を読むことと話を聞くことを同時にしなければなりません。TEDの話し手のように、スライドは写真や図、大きな数字だけにして、説明は口で伝えると、話し手の言葉に注意が集まります。
仕事のプレゼンでTED風をそのまま真似しない方がよい場面

社内の報告や提案のように、聞き手が早く判断したい場では、物語から始めるTED風の話し方は回り道になります。こうした場では結論と数字を先に言い、物語は理由を伝える時に短く添える程度にします。場面によって使い分けてください。
話し方の見本を探す時は、サイモン・シネック「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」、ブレネー・ブラウン「傷つく心の力」、ブライアン・スティーブンソン「不正義について語ろう」など、TED公式の動画を声の速さや間に注目して見るのがおすすめです。
プレゼンが苦手で緊張して声が震える・頭が真っ白になる時の整え方

人前で話す緊張に悩んでTIDに相談を寄せた125名のうち、緊張する場面にプレゼン・発表・登壇を挙げた人は78%で、場面の中で最も多い結果でした。プレゼンで緊張するのは、あなただけではありません。
※出典:TID「人前で話すことに関する意識調査2026」(相談者125名)
本番5分前:息を長く吐いて第一声だけ声に出す

本番の5分前は、新しいことを覚えるより、体を整える時間に使います。鼻から3秒吸って口から8秒ほどかけて細く吐くのを3回くり返し、話し始めの一文だけを小さな声で言っておきます。第一声が出ると、その後の言葉もつながって出やすくなります。
※出典:Jamieson, Nock & Mendes (2012) Journal of Experimental Psychology: General 141(3), 417-422
頭が真っ白になったら資料の見出しに戻る
話している途中で言葉が出なくなったら、無理に思い出そうとせず、今のスライドの見出しを声に出して読み直します。「ここでお伝えしたいのは」と見出しから言い直すと、3章で決めた話の順番に戻れるので、焦って別の話を始めずに済みます。
プレゼンの緊張そのものの原因や、くり返さないための考え方は、プレゼンの緊張・あがり症の克服法でくわしく解説しています。本番前の緊張が強い方は、あわせて読んでみてください。
緊張が強く日常に支障がある時は相談先へ
⚠️ 受診の目安と相談先
プレゼンの何日も前から眠れない、動悸や息苦しさが続く、人前に出る仕事を休んでしまうなど、緊張や不安で日常生活に支障が出ている時は、心療内科や精神科で相談してください。働く人のこころの不調については、厚生労働省のこころの耳で相談窓口を探せます。つらい気持ちを今すぐ誰かに話したい時は、まもろうよ こころに電話やSNSの相談窓口がまとめられています。
プレゼンの話し方でよくある誤解・注意点

原稿を丸暗記すれば安心、は誤解
原稿を一字一句覚えると、一か所つまずいただけで続きが出てこなくなります。監修の吉松欣史も、新人の頃の祇園祭の生中継で、丸暗記したコメントが始まった瞬間に全部飛んでしまったといいます。覚えるのは話の順番とキーワードにとどめます。
元NHK
アナウンサー
ヨシ
実は、入社当初の私は、人前に立つと声が震え、頭が真っ白になっていました。
早口なら時間内に収まる、は逆効果
持ち時間が足りない時に早口で詰め込むと、聞き手は内容を受け取れず、結局伝わる量は減ります。時間が足りない時は話す速さを上げるのではなく、話す中身を減らします。結論に関係の薄い話から順に削るのが、伝わる量を保つ近道です。
話が長いのは話し下手だから、ではない
元NHK
アナウンサー
ヨシ
話が長くなるのは、怠慢ではなく誠実さの表れでもあるんです。決して直せないものではありませんよ。
※出典:TID「職場での話し方に関する意識調査2026」監修者コメント
「誤解されたくない」「ちゃんと伝えたい」と思う人ほど、背景から丁寧に説明して結論が遠のきます。吉松は、ニュース原稿は最初の一文で結論を伝えることが徹底されていて、結論が最後まで出てこない話し方はその逆をしている状態だと解説しています。
※出典:TID「職場での話し方に関する意識調査2026」監修者による解説
場数を踏めば緊張は消える、とは限らない

TIDに相談を寄せた人の84%は、人前で話す緊張に10年以上悩んでいました。10年は、場数を重ねる機会が何度もあったはずの長さです。回数を重ねるだけでなく、緊張した時の体の反応との付き合い方を知ることも大切です。
※出典:TID「人前で話すことに関する意識調査2026」(相談者125名)
吉松が指導で大切にしている柱の1つは、「どう見られるか」への意識を「何を届けるか」へ向け直すことです。「うまく話せているか」と自分に意識が向くほど、声も体もこわばります。届けたい中身に意識を向けると、話し方は自然に落ち着いていきます。
練習ではすらすら話せるのに、本番になると早口になる、声が震える、頭が真っ白になる方へ。吉松欣史が、緊張と付き合いながら話すための考え方を伝える無料のオンライン勉強会があります。
講師の吉松欣史は、NHKで32年間アナウンサーを務め、サッカーW杯とオリンピックの生放送を担当した元NHKエグゼクティブアナウンサーです。勉強会は無料のオンライン形式で、60分・顔出し不要です。人前で話す時の緊張が悩みの中心の方に向けた内容です。
※通院中・治療中の方は、この記事の方法より主治医の方針を優先してください。
\ 人前で話す時の緊張が中心の方へ /
プレゼンの話し方についてよくある質問
Qプレゼンで早口になるのを直すには?
Qプレゼン中に原稿を見てもいい?
Qオンラインのプレゼンは何が違う?
Q話すのが下手でもプレゼンは上手くなる?
Q声が震えるのは聞き手にばれている?
Q話し方教室や研修に通うべき?
準備も練習もしたのに、本番になると頭が真っ白になってしまうのは、あなたの話し方が下手だからではありません。人前で話す時の緊張が中心の方は、吉松欣史の無料オンライン勉強会(60分・顔出し不要)で、緊張と付き合いながら話すための考え方に触れてみてください。吉松自身も、入社当初は人前に立つと頭が真っ白になっていた講師です。
講師の吉松欣史は、NHKで32年間アナウンサーを務め、サッカーW杯とオリンピックの生放送を担当した元NHKエグゼクティブアナウンサーです。勉強会は無料のオンライン形式で、60分・顔出し不要です。人前で話す時の緊張が悩みの中心の方に向けた内容です。
※通院中・治療中の方は、この記事の方法より主治医の方針を優先してください。
\ 最後まで読んだあなたへ /
元NHKアナウンサー吉松欣史が漫画で解説あがり症の正体、無料の漫画で読めます発声の問題?あがり症?選ぶ前に違いを知る悩みの見分け方を無料で読めますLINEで無料漫画を読む

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