こんにちは!
人と人を繋ぐコミニケーション検定資格保有者の今村です。
突然ですが失敗した時あなたは素直に謝れますか?
謝る行為を軽くみている信頼も一瞬で失ってしまいます。
逆に仕事の出来る人は謝り方も一流と言われています。
今回は、相手の信頼関係を失ってしまう間違えた謝り方と
信頼関係を構築し次に繋げる正しい謝り方と心得について
説明していきたいと思います。
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1.「謝る」という行為からは逃げられない
ごく一部の謝罪のプロではない限り、「謝る」という行為が好きな方は、おられないかと思います。
「申し訳ございませんでした」「大変失礼いたしました」「当方のミスでございます」など、頭を下げながら怒鳴りつけられる時間というのは、とても苦痛ですよね。
悪いことをした時や間違ったことをした時には、まずは謝ることが大切だと分かっていても、やはりいい気分で過ごせる時間ではありません。
ですが、この「謝る」という行為からは逃げることができないというのも、また事実です。
職場の中ではもちろん、家族や友人、恋人などとの関係の中で、どんなに「こんなこと小さいことなのに」と思ってしまうことがあっても、謝罪をする機会は多々ありますよね。
例え自分は悪くないと思っていても謝らなくては事態が収まらないと思う場合には、とにかく謝ってしまうという方もおられると思います。
例1)
例2)
このように、職場でもプライベートでも謝らなくてはならない場面は多く、中には自分に非がないこともあります。
日々生活していく中では、「謝る」という行為がどんなに嫌なものであっても、自分が誰の気持ちでも瞬時に察知できて心が読め、完璧な人間でなくては、それから逃げることはできないのですね。
謝るという行為を軽く捉えていませんか?
また、「謝る」という言葉の意味をとても軽く捉えている方も多くおられると思います。
- 「ごめんね~」って言っておけばOKだよね
- とりあえず謝っておこう
- 謝るって面倒だな~
というように考えている方も、少ないわけではありませんよね。
「とりあえず謝ったら許してくれるだろう!」というような考えの方が多いのは、ある意味仕方がないことでもあります。
というのも、大昔になりますが、”謝罪”は切腹などの死で表すという方法がありました。
自分の命をもって許しを請う、というのが謝罪の1つの方法となっていたのです。
ですが、今の時代に、「大変申し訳ございませんでした。切腹しますので、どうかお許しを・・・」なんて話はありませんよね。
命を捨てずとも、言葉と態度だけで謝罪ができてしまうということで、謝るという行為を軽く捉えている方も多いのですね。
謝るという行為を軽く捉えてしまっていると、「謝っておけばいいや」「とりあえず適当に謝って済ませよう」などという考え方になってしまい、謝罪をしても相手に気持ちが伝わらなくなってしまいます。
そもそも「謝る」ってどういうこと?
そもそも謝るとはどういうことなのでしょうか。
謝るというのは、「自分の非を認めてそれを表明する」ということです。
心からお詫びの気持ちを表して、自分でミスを認め、起きてしまった問題を解決するための手段が、”謝る”ということなのですね。
つまり、心からのお詫びの気持ちもなく、また自分の非を認めるわけでもなく、ただただ「ごめんなさい」という言葉で謝るだけでは、謝罪とは言えないのです。
一方通行では「謝罪」とは言えない
そして、いくら心から謝罪しようと思っていても、一方通行では謝罪とは言えません。
一方通行とは、見当違いをしていたり、相手が求める謝罪ではない場合を意味します。
もし自分が、とあることに対してとても怒っていたとして、全くもって見当ハズレなところに謝罪されたり、全く解決にならない方法を提示されても、余計にイライラしてしまうだけではありませんか?
一体なにが問題となっているのか、誰がどのように怒りをおぼえているのか、どのような解決策が必要なのか等、しっかりと把握できていなくては、謝罪にはならないのです。
2.「仕事ができる人」=「じょうずに謝罪ができる人」
「仕事ができる」と言われている人が、同じ社内にいるという方は多いと思います。
上司からも信頼されていて、何かミスがあっても信頼回復が早かったり、逆に謝罪した相手が好意をよせる。そのくらい仕事ができる人がいませんか?
実は、仕事ができる人ほど、上手に謝罪ができる人であり、正しい謝り方を知っている人なのです。
そして、ピンチをチャンスにするという意味を正しく捉え、実行できている人だと言えます。
ピンチをチャンスにするなんて、本当にできるの?
よく言われるのが、「ピンチをチャンスにするべき」「怒られることはとても価値があること」などの言葉ですよね。
ですが、そのような言葉を言われ続けても、
- 「ピンチをチャンスにすることが大切!」と言われても、、、
- 謝罪するだけで精一杯なのに、どうやってチャンスにするのか分からない
- 怒られることに価値があるなんて、プラス思考すぎでしょ
- ビジネスチャンスはもっと別のところにある
など、このように考えてしまう方は多いと思います。
実際に、こっぴどく怒られているのに、それに価値があるなんて考え方は難しいですよね。
また、「ピンチをチャンスにするといっても、まずその意味が分からない。」ということも納得できます。
仕事ができる人の「謝罪」の考え方
仕事ができる人は、この謝罪についての考え方が少し違っているのです。
- 自分が足りない部分があるからこそ怒られている
- 自分が改善すれば成長できる点を指摘してもらっている
というように、「指摘してもらっている」「親切に教えてくれている」と考えることで、謝罪することをプラスに捉えているのです。
確かに謝罪することには大きな労力が必要となりますよね。
謝罪にお金がかかったり、時間がかかったり、手間がかかったりと、表面上の面倒なことはとてもたくさんあります。
どうしてもその面倒な部分に意識がいってしまいがちなのですが、その面倒を乗り越えた時に得ることができるものについて考えてみることが大切です。
例えば、自分自身が成長できたり、改善することで一歩踏み出せるようになったり、そのような得られるものについて意識をむけるようにすると、少しずつ謝罪をプラスに捉えられるようになります。
正しい謝罪ができれば信頼関係が生まれる
正しい謝罪ができるようになれば、信頼関係を築いていくことができます。
指摘された点やミスに対して、しっかりと謝罪ができた後に、以下のようなことがあった場合にはどうでしょうか。
- 自分が担当したプロジェクトが大成功をおさめた
- ミスを正していったら、会社の利益に関わる思わぬ収穫があった
- 謝罪の姿勢が取引先に気に入られ、取引が増えた
など、このようなことがあった場合、上司や同僚と信頼関係が生まれる他、もちろん取引先とも信頼関係を築くことができますよね。
正しい謝罪を行うことができれば、自分が思っている以上にメリットがあるのですね。
謝罪をする場面と言えば、”クレーム対応”が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
クレーム対応が苦手という方もおられると思いますが、どうすれば上手にクレーム対応を行うことができるのか、どうすれば心を落ち着かせることができるのか等、チェックしておくことをオススメします。
3.次に繋げていくための、4つの正しい謝り方
謝罪をすることで事態を収束させることができれば、それはそれで良いですよね。
ただ、謝罪をしてそこで終了!というような謝罪よりは、次に繋がるような謝罪ができればもっと良いと思いませんか?
ただ単に許してもらえるだけではなく、少しでも相手に好感を持ってもらえるような謝り方を身につけたほうがいいですよね。
そこで、謝罪における基本的なことのように思えることでも意外とできていない、4つの謝り方をご説明していきたいと思います。
- 謝るタイミングを間違えないこと
- 相手の話をとことん聴いて、共感すること
- 間違いは潔く認めること
- 謝るだけではなく、解決策を提案すること
【謝り方1】謝るタイミングを間違えないこと
いざ誰かを怒らせてしまった!という時、謝るタイミングを間違えてしまう方は多くおられます。
このように思っていると、謝るタイミングが遅くなり、余計なトラブルに発展してしまうこともあります。
謝るタイミングを間違えないようにすることが、謝罪をスムーズに行うことや二次トラブルの予防にも繋がるのです。
”相手に不快な思いをさせてしまったこと”に対しての迅速な謝罪
相手が明らかに怒っていることを想像するだけで、謝るということから逃げたくなりますよね。
・すごく責められるんだろうな
・一体何を言われるんだろう
・怒られるのは嫌だな~
・私は悪くないのに
など様々な思いが巡ると思いますが、何か問題があった場合、迅速に謝罪しなくては後々さらに面倒なことになってしまいます。
例1)上司から頼まれたことができていなかった
(面倒だし、とりあえず謝っとこう)
・・・このように、少しでも謝罪が遅れてしまうと、さらに相手を怒らせてしまうことになります。
謝罪しても相手を怒らせてしまうようでは全く意味がありませんよね。
上の例では、自分は言われたことをやっただけだ、間違っていない!という気持ちから、素直に謝ることができずにタイミングが遅れてしまっています。
これは、「謝ることは非を認めること」という考え方があるため、謝ってしまっては自分が悪いと思われてしまう(本当は違うのに)という気持ちが邪魔をして、なかなか謝ることができないのです。
ですが、これが上司とのやり取りではなく、取引先とのやり取りであった場合にはどうでしょうか。
ビジネスでは、少しでも謝罪が遅れてしまった場合、命取りとなることもありますよね。
「こちらは悪くない!」などと社内で言い合っている暇はなく、すぐさま謝罪しなくては信頼を失ってしまう可能性が高いのです。
謝ることと非を認めることを別として考える
先の例で言えば、「自分は悪くないのに!上司が優先しろって言った仕事をやっていただけなのに!」という状態の時に、なかなか素直に謝ることができない場合にはどうすればいいのでしょうか。
まず、”謝ることは非を認めることではない”ということを知る必要があります。
謝ったからといって、「私が全て悪いです」なんて認めることと同じになってしまっては、それこそ謝罪なんてできたものではありませんよね。
そうではなく、先の例での謝る対象となることは、”上司をイライラさせてしまったこと”についてです。
自分が言われた仕事をしていなかったことに対して非を認めて謝るのではなく、上司をイライラさせたことについて謝るのです。
取引先であれば、こちらの非を認めるのではなく、不快な思いをさせてしまったことなど相手の気持ちの部分に謝罪するようにします。
この謝罪がなく時間が経ってから謝っても、取引先からすれば頭にくるだけです。
非を認めることと謝ることを別で考えることで、素直に謝ることができるようになり、二次トラブルを防ぐことができるようになります。
ただ、もちろんこの時、ただ「すみません」と謝るのではなく、「お待たせしてしまって申し訳ございません」と、相手を待たせてイライラさせたことに対して謝っていることを明確にしましょう。
- 謝ることと非を認めることを一緒にしないこと
- 何に対して謝っているのかを、言葉の中で明確にすること
- 迅速な謝罪が重要になる
また、上手に相手の申し出を断りたい時もあると思います。
ですが、断ることでどう思われるのか、今後の関係が壊れないかどうか等、不安に感じるところもありますよね。
そんな時のために、断っても評価が下がらない上手な断り方を身につけておくことをオススメします。
【謝り方2】相手の話をとことん聴いて、共感すること
「謝る」という時に大切になることは、こちらが悪かったということを言葉にして長々と謝罪をする、ということだと思っている方もおられるかもしれません。
もしくは、こちらの弁解・言い訳・ミスが起きた成り行きなどを説明することだと思っている方もおられるかもしれません。
ですが、どちらも違います。
謝る際には、弁解や言い訳・成り行きなどを話をするのではなく、相手の話をとことん聴いて、それに共感することが大切になるのです。
傾聴は何よりも大切!
「傾聴」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
よく介護福祉の現場などでは聞かれる言葉ですが、一般企業でもクレーム対応を行う方々の中では耳にタコができるほど聞かされている言葉なのではないでしょうか。
傾聴とは、熱心に話に耳を傾けて聴くことを意味します。
ただただじーっと流すように聴くのではなく、相手が言ったことを受け止めながら聴くのです。
「それで?」「うんうん」と相手の話を受け入れ、あいづちを打ちながら、否定をせずに聴くことがポイントです。
人は誰でも、
・自分が思っていることを聴いて欲しい!
・自分の気持ちを理解してほしい!
という欲求をもっています。
もし誰かに自分が思っていることについて話をした時、その人が「え?!本気で言ってるの?」「その考えは理解できない」「でもそれってさあ~」など、こちらが言ったことを否定するような聞き方や言い方をしてきたら、どう感じますか?
わかってもらえない、否定ばかりされる、というように感じてしまい、余計にイライラしたりストレスがたまってしまいますよね。
ですが、傾聴してもらうことができれば、自分が話をしている間中、熱心に話に耳を傾け、否定などせずに受け入れてもらうことができます。
それだけでも、共感してもらえた、少し気持ちが楽になった、わかってもらえた、というように感じることができますよね。
それと同じで、謝罪をする際にも、相手の話をとことん聴いて受け入れることが大切になるのです。
先程も少しご説明したのですが、謝罪をすべき相手は、「怒りや不満を聞いて欲しい」という欲求をもっています。
謝罪の際には自分の気持ちやミスに対しての言葉をツラツラと並べるのではなく、まず相手の怒りを全て受け入れ、それに共感していくことが重要です。
相手は弁解を求めているのではないということ
当然ながら、相手はこちらのミスに対する弁解や言い訳を聞きたいのではありません。
「どうしてそんなミスをしたのか」と問われることはあっても、それに対する弁解や言い訳を並べては、余計に怒らせることになってしまうだけです。
相手にたくさん思っていることを言ってもらい、問題点を明らかにしていきます。
自分はどうして怒られているのか、どのようなことが今回の問題に繋がってしまったのかということを、自分で整理していくのです。
話の最中に、こちらを責めるような言い方ばかりをされると、つい否定したり弁解したりしたくなってしまうと思いますが、そこはグッと我慢です。
- 相手の話に耳を傾ける(傾聴する)こと
- 相手の話を否定しないこと
- 話を聞いている最中に割って入らないこと
この点に注意し、相手の話をしっかりと聴いて共感するようにしましょう。
- 傾聴と共感は、なによりも大切であるということ
- 相手は弁解を求めているわけではないということ
【謝り方3】間違いは潔く認めること
間違いを潔く認めるということは、謝る上でとても大切になるものです。
間違いを認めるというのは、とても難しいことであり、自分の考えを押し殺して相手に頭を下げる必要があります。
そのため、謝罪をする時になっても、「ですがこれには訳が・・・」「私のせいではなく」などの言葉が出てしまう方もおられると思います。
気持ちはわかりますが、それでは謝罪にはなりませんし、相手に何の気持ちも伝わらず、怒りをヒートアップさせてしまいます。
ただ、誰かを怒らせる、何かミスが起きる、ということについて、自分が関係している以上、多少なりとも非があるのは当然なのです。
それを、自分には全く非がない!と思い込んで、中途半端に言い訳や弁解を述べたとしても、逆効果となるのは明らかですよね。
思い切ってミスを認めて謝る姿勢が大切
「Bさんだって悪いのに、どうして私が」とイライラしてしまうかもしれません。
ですが、中途半端に言い訳や否定などするのではなく、「私のミスです、申し訳ございませんでした」というように認めることで、相手は「なかなかみどころがあるな」と思うものです。
誰でも間違いを認めることが難しいということを知っていますし、自分がなかなかできないことを潔くできる人に対して、嫌だなと感じる人は少ないです。
むしろ、「これからも素直に対応してくれそうだ」「仕事を任せても安心できる」というように思ってもらうことができます。
威厳を保とうとする姿勢が逆効果となることもある
上司である立場にも関わらず、何かミスをしてしまった時に、部下達に対して威厳を保とうとするあまり、強引に弁解したり部下に言い聞かせたりすることもあります。
部下を指導したり信頼関係を維持するためにも、威厳を保つということは、確かに重要なことかもしれません。
ですが、その姿勢に固執しすぎてしまうと、逆に不信感を抱かせる結果になることもあります。
例1)
例2)
というような態度はとらないようにすることが大切です。
たとえミスをしたのが上司であっても、間違いを素直に認めて謝罪してくれる上司のほうが、信頼が厚くなると思いませんか?
・・・このように素直にミスを認めて謝ってくれる上司なら、今後もついていきたい!と思いますよね。
- 間違いに対して否定や言い訳などをしないこと
- 思い切ってミスを認めたほうが、相手から好感を得られる
- 威厳を保とうとしすぎないことも大切
【謝り方4】謝るだけではなく、解決策を提案すること
謝るだけではなく、解決策を提案するということも、正しい謝り方をする上では大切になってきます。
ただただ謝ることで許しを請うという謝り方もありますが、それでは、”仕方なく”許されているということもあります。
お互いが気持ちよく謝罪と許しのやり取りをするためには、解決策が必要なのです。
「許してください」だけでは謝罪にはならない
謝罪をする際には、ただ単に「許してください」と言い、「よし、謝ったから許してやろう!」なんて簡単なやり取りではすみませんよね。
許してもらうために謝罪の言葉を述べますが、それだけでは謝罪にはなりません。
相手がどの部分に怒っていて、どのような解決策が求められているのか、ということを理解する必要があります。
具体的な解決策を提案することが大切になる
ビジネスでは取引を行うことが多くありますが、実は謝罪においてもある種の取引が必要になる場合があります。
解決策を提示する場合でも、「○○にします」ではなく、「○○はいかがでしょうか?」「○○と△△では、どちらのほうが宜しいでしょうか?」というように、お客様と会話(取引)をするような感じで提案するのです。
このように提案することで、相手は「自分で解決策を選んだ・自分が解決策を決めた」と感じ、相手も納得してくれやすくなります。
この解決策は具体的かつ、相手が求めているものと合致していなくてはなりません。
その中で、選択肢を2つ以上用意できれば、相手に対しての配慮も忘れずに謝罪を行うことができていると言えます。
そして、解決方法が明確になった後には、もう一度謝罪をすることが望ましいです。
その謝罪の中に、以下のような言葉を入れると、尚良です。
例1)
例2)
問題が起きたその問題についての謝罪はもちろんですが、相手に時間をとらせてしまった、不快な思いをさせてしまったということに対しての謝罪も必要です。
「注意します」「気をつけます」ではダメ
そして、謝罪の中でよく使われる「注意します」「気をつけます」という言葉は、謝罪として通用しません。
「注意します」は、できるだけ気をつけるというような意味で捉えることができますし、「気をつけます」は再発する可能性があると捉えることができます。
そうではなく、具体的に「○○を改善します」「○○を徹底いたします」というように謝罪をする必要があります。
言葉や態度など曖昧にして終えるのではなく、事態を収束させるという強い意思をもって謝罪を行うようにしましょう。
- 謝るだけでは謝罪とは言えない
- 相手が求める解決方法を理解し、具体的に提示する
- 解決策には2つ以上の選択肢があることが望ましい
4.覚えておきたい、謝罪においての5つの心構え
次に繋げていくための4つの謝り方についてご説明してきましたが、ここでもう1つ、心構えについてもご説明しておきたいと思います。
謝罪をする際に以下の5つの心構えがあるのとないのとでは、結果に大きな違いが生まれます。
以下の5つを意識すれば、適切な謝罪を行いやすくなります。
- 言い訳や、自分ができないことは絶対に言わない
- 一体誰に謝っているのかを明らかにしておく
- 常に相手の視点から考える
- 謝罪をする際の見た目には注意すること
- 相手の印象によって謝る順番をつけないこと
【心構え1】言い訳や、自分ができないことは絶対に言わない
まず1つ目に、言い訳や自分ができないことは絶対に言わないようにするという点が挙げられます。
何に対しても必ず言い訳をする人に対して、「なんだよこの人は、言い訳ばっかりして・・・」と思ったことはありませんか?
相手に対してはそう思ってしまっても、いざ自分が責められる側になると、「いやそれは~」「そうではなく~」「○○のせいで~」などと言い訳ばかり並べていることがあるかもしれません。
この言い訳は、謝罪をする上ではとても大きな障害となって立ちはだかることになるため、絶対に言わないようにしなくてはなりません。
自分ができないことも同様に、できないのに「できます!」「やります!」などと言った結果できなかったとなれば、余計に信頼を失い、また謝罪することになってしまいます。
言い訳やできないことをできると言うことで、余計に事態が悪化する
言い訳やできないことを言うことで、事態は余計に悪化します。
例1)
例2)
このように、言い訳をしたり、できないことでもできると言ってしまったりすることで、事態が悪化する可能性があります。
上司や取引先が怖くて、「できます」とつい言ってしまうこともあるかもしれませんが、それは避けなくてはならないことなのです。
言い訳をせずに認めたり、できないことは「できません」とはっきり伝えることが大切になるのですね。
「知らなかった」「忙しい」などは特にNGワード
そして、謝罪の場面で思わず言ってしまいがちなワードがあります。
それは、「知らなかった」「忙しい」というようなワードです。
これらのワードも、相手の怒りをさらに大きくしてしまうだけのものですので、使わないようにしましょう。
例)
すぐに「すみません」と言っても、その後に「忙しくて~」という言葉を入れてしまうと意味がありません。
「忙しいのなんてみんな同じ」「あなただけが特別ではない」と思われてしまいます。
そして、「知らなかった」という言葉も同様に、相手をとても不快にさせてしまいます。
「知らなかったと言えば全て済むと思っているのか!?」「他にも知らなかったなんてことがあるのではないか?」というように思われてしまいます。
このような言葉は遣わずに、素直に謝罪するようにしましょう。
- 言い訳やできないことを言っても、なにもいいことはない
- むしろ、余計に事態が悪化してしまうことが多い
- 相手を不快にさせる言葉も存在する
【心構え2】一体誰に謝るべきなのかを明らかにしておく
先程も少し触れたのですが、謝罪をする際には、的外れなものでは意味がありません。
内容が的外れではならないのはもちろんですが、謝罪する対象が的外れでも、全く意味がありませんよね。
自分が本当に謝るべき人は誰なのか、ということを明確にしておく必要があります。
例題)
あなたは、急に別の仕事が入ってしまい、予定されていた会議に遅れてしまいました。
ちなみにあなたは、部長や課長、先輩や同僚などに、会議に遅れそうだということを伝えてくれと、Bさんにお願いしておきました。
遅れて会議室に入った時、あなたが謝罪すべき対象は、一体誰だと思いますか?
1.課長
2.部長
3.先輩方
4.Bさん
5.同僚
6.別の仕事のせいで遅れたんだから、そもそも謝罪など必要ない
この1~6のうち、どれを選びますか?
6つ目の選択肢は、この記事をここまで読んでくださっている方のほとんどが、選ばれないと思います。
選ばれやすい選択肢は、1~3なのではないでしょうか。
迷惑をかけた人は誰なのか、明確にすることが大切
上記のような場合、部長や課長が怖いからという理由で、会議に遅れた時に部長や課長にだけ謝罪をするという方がおられます。
もちろん会議に遅れてしまったという事実には違いがないので、部長や課長にも謝罪は必要になるのですが、この場合、Bさんにも同僚にも先輩にも、会議にでている全ての方に対して謝罪の言葉が必要になります。
とりわけ、伝達を行ってくれたBさんには、しっかりと謝罪と感謝の言葉が必要ですよね。
無意識のうちに、「謝罪をする相手は1人だ」「謝罪をする相手は一番立場の偉い人だ」というように考えてしまうことがありますが、謝罪の相手は必ずしも1人ではなく、偉い人だけではないということを覚えておかなくてはなりません。
誰に謝るべきなのか、という点を間違ってしまうと、二次トラブルに発展しやすいと言えます。
- 謝る対象が的外れでは、全く意味がない!
- 誰に対して謝るべきなのかを明確にしなくては、二次トラブルに繋がりやすい
【心構え3】常に相手の視点から考える
そして3つ目、謝罪をする際には、常に相手の視点に立って考えるということを意識することが大切です。
これは謝罪の場面のみならず、普段の生活の中でも言えることであり、相手の立場にたったり相手の気持ちになったりすることで、見方が変わることがありますよね。
謝罪の際にも相手の視点に立つと、相手がどうして怒っているのか、どんな気持ちなのかということがわかります。
そのことに対して謝罪をしようと思えるので、相手に謝罪の気持ちが伝わりやすくなるのです。
相手の気持ちになって考えてみる
相手の気持ちになって考えてみる、ということができる人とできない人がいますよね。
・自分がされたら嫌なことでも、相手にしてしまう
・自分さえよければ他の人はどうでもいい
このような方の場合には、相手の気持ちになって考えるということは確かに難しいかもしれません。
ですが、相手のことはどうでもいいという気持ちがあっても、もし自分が相手の立場なら・・・と考えることはできるはずです。
例)
自分がお客さんの場合
自分が店員の場合
自分がお客様という立場の場合には、店員がセカセカと動き回っていて落ち着かないと思ってしまうかもしれません。
ですがいざ店員側の立場にたってみると、忙しいのにお客様がカートを真ん中にとめるから仕事が遅れてしまって大変!動き回らないと間に合わない!と感じるかもしれません。
自分が置かれている立場でしか物事を把握できないという場合、相手の気持ちを理解することはできません。
ですが、少し見方を変えて相手の立場にたって考えてみることで、どうして怒っているのか、どんな気持ちになっているのかということが少しは理解できるようになります。
相手の気持ちが分かれば、本当に申し訳なかったと感じることができますし、素直に謝罪したり、その後の解決策により具体性をもたせることもできるようになるのです。
自分を客観的に見てみることが大切
- 自分には非がない!
- 私がミスをするはずがない
- 言いがかりだ!
- 本当はそっちが悪いんじゃないの?
など、謝罪を求められたり、相手が怒っていると分かった時、素直に認められないことも多くあると思います。
ですが、少なからず何かしらの非があるから、相手が怒っているのです。
自分を客観的に見てみることで、認識していなかった、自分の意外な問題点を見つけ出すことができるかもしれません。
・できないことをできると言っていないかどうか
・普段から小さなミスが続いていないかどうか
・よく言い訳ばかりしていないかどうか
・相手のせいにしてばかりではないかどうか
・自分を一番に考えて行動してしまっていないかどうか
このような点について改めてじっくり考えてみると、意外と自分が責められてもおかしくないことをしているということが分かることがあります。
むしろ、そのような点が一つもないという人のほうが少ないです。
自分と向き合って客観的に見てみることで、自分がどの程度しっかりとしたマナーを備えている人物なのかということがわかりますし、素直に謝罪しやすくなります。
- 相手の視点に立ってみると、違った見方ができる
- 自分を客観的に見ることで、自分の問題点を見つけ出すことができる
【心構え4】謝罪をする際の見た目には注意すること
そして4つ目に、謝罪をする際の見た目にに注意する、ということも挙げられます。
最近「見た目が一番大切」というようなことが言われますが、見た目というのは何も美人・イケメンなどの基準での見た目ではありません。
もちろん全く関係がないと言えば嘘になりますが、それよりも、態度や表情などの見た目がとても重要な意味をもっているのです。
服装だけではなく、自分の表情にも注意が必要
ビジネス上の謝罪の場に、派手なネクタイやオシャレなスーツを選ぶ方は少ないと思います。
ふざけた格好をしていたり、場にそぐわない格好をして謝罪をするというのは、誠意が伝わりにくいと知っているからですよね。
この服装と同様に、自分の表情にも注意する必要があります。
むすーっした表情で、いかにも「私は悪くありませんよ~」という感じの表情で、「申し訳ございませんでした。以後気をつけます」と言われても、「は?」となりますよね。
誠意を感じるどころか、どこかバカにされているような、全く反省の色を感じられないと捉えると思います。
ですが、神妙な面持ちで謝罪をされた場合には、「ちゃんと謝罪しているな」「反省しているな」と捉えられますよね。
また、目線を移動させる際には、横に動かさないように注意しましょう。
目線が横に移動するのを見ると、眼が泳いでいる、落ち着きがない、というように捉えられてしまい、謝罪の言葉が届きにくくなります。
相手の話を真剣に聞こうとしすぎるあまり、眉間にシワがよってしまったり、難しい顔になってしまうのも、できるだけ避けるようにしましょう。
無意識な仕草にも要注意!
そして、無意識にしてしまう仕草にも注意する必要があります。
特に、貧乏ゆすりや爪を噛む仕草、腕組み、髪を触る、ポケットに手を入れるなど、このような仕草はNGです。
特に腕を後ろに回したり、ポケットに入れたり、腕組みをしたりする仕草は、相手を拒否する時に無意識にでやすい仕草です。
後ろめたい感じがある場合にもこのような仕草がでることが多いため、相手に不快感を与えないようにするためにも注意が必要です。
このような仕草はある意味クセになっていることもあり、緊張すると無意識にしてしまうことがありますので、普段から意識するようにしましょう。
- 服装だけではなく、表情にも注意すること
- 無意識にやってしまう仕草の中には、相手に不快感を与えるものもある
【心構え5】相手の印象によって謝る順番をつけないこと
そして最後に、相手の印象によって謝る順番をつけないこと、という点が挙げられます。
例えば、自分が謝罪すべき相手がとても怖そうな感じの人であった時と、穏やかそうな気の弱そうな感じの人であった時、あなたはどちらの人に先に謝罪をしますか?
この場合、とても怖そうな感じの人に先に謝罪をするという方が多いのではないかと思います。
ですが、謝り方としては正しくありません。
人の見た目や印象で、謝る順番をつけてしまうというのは、とても悪いことなのです。
誰にでも同じスピードで、同じ対応にすること
極端な話になりますが、半分脅されているような感じで怒られている場合と、とても優しい言い方で怒られている場合を想定してみます。
例1)半分脅されているような感じで怒られている場合
例2)とても優しい言い方で怒られている場合
とても極端な例ですが、同じ内容であっても言い方次第でこんなに印象が変わってしまいます。
半分脅されているような怒り方をされている場合でも、優しく怒られている場合でも、どちらの方に対しても同じスピードで、同じように対応しなくてはなりません。
そして、冷静に、相手が求める解決策を見出して、謝罪と提案を行うことが大切です。
特にビジネスでは、相手によって対応を変えるなんてことがあってはいけませんよね。
- 相手がどんな言い方をしてきても、公平に対応する
- 怒られ方によって謝罪の優先順位を決めたりしないこと
5.ここもポイント!覚えておくとお得になる謝り方とNGワード
ここまで、謝り方や心構えなどについてご説明してきましたが、実は他にも覚えておくとお得になる謝り方というものがあります。
ここでは3つ程度ご紹介しておきたいと思います。
- 自分のミスを認めてから、相手のミスについて主張する
- さりげなく謝罪の中に、相手を褒める言葉を入れる
- このワードだけは絶対にNG
1.自分のミスを認めてから、他者のミスについて主張する
まず1つ目は、自分のミスを認めてから、他者のミスについて主張するというものです。
謝罪すべき場所で、自分のミスは認めずに誰かのミスのせいにして言い逃れをしようとすれば、それは謝罪ではなくなってしまいます。
ですが、どうしても自分だけではなく他者のミスについても言及したいという時もありますよね。
そんな時には以下のような謝罪の仕方をオススメします。
例)
このように、まずは自分のミスをみとめ、ミスに繋がった理由として他者のミスも主張するという方法をとれば、ミスを認めながら自分の考えを伝えることができます。
ただ、あまり良いようには思われない場合もありますので、ある程度気のおける上司などにとどめ、取引先の相手などにはこのような謝罪は避けるべきと言えます。
2.さりげなく謝罪の中に、相手を褒める言葉を入れる
人は褒められると、とても嬉しく感じますよね。
例え、「お世辞でしょ?」と思っていても、悪い気がするものではありません。
謝罪をする際にも、さりげなく相手を褒める言葉を入れることができれば、それだけで印象は良くなります。
例1)
例2)
など、さりげなく相手や会社を褒めるようにするのです。
もちろんそれが嫌味に聞こえてしまいそうなシーンの時には避けるべきですが、それ以外の謝罪の場では取り入れていきたいフレーズです。
ただ、意外とこちらの本心は伝わってしまうものなので、本当は思っていないのに目を泳がせながら褒め言葉を並べる・・・などということがないようにしてくださいね。
苦笑いしながらこのようなフレーズを口にするのもまた、逆効果となることがあります。
3.このワードだけは絶対にNG
そして、ビジネスの謝罪の場において、このワードだけは絶対に言ってはならない言葉があります。
それは、以下のような言葉です。
このような言葉は、怒っている相手を馬鹿にしていると同時に、気持ちを逆撫でしてしまうような言葉なのです。
例1)
例2)
このように、あなたが何かに対して怒っている時に、「そんなはずはありません」「え!本当ですか?」などと言われたとしたら、どのような気持ちになるでしょうか。
「そんなはずはありませんと言うということは、私が間違っていると言いたいのか?」と思ったり、「本当ですか?と聞くということは、私を疑っているのか?嘘だといいたいのか?」と思ってしまいませんか?
このような言葉は、こちら側に非がないと思っている時には特に、ついポロっとでてしまうものですが、謝罪が全く意味のないものになってしまう可能性が高いため、避けるようにしましょう。
6.まとめ
この記事では、ビジネスにおける謝罪の仕方について、正しい謝り方や心構えをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
正しく謝ることができれば、それは新たなビジネスチャンスに繋がり、その人自身の信頼や評価も高めることができるようになります。
「謝る」ということに対してのマイナスイメージを取り除き、自分の未熟な点を改善していくことができるいい機会だと考えることで、仕事ができる人に近づくことができます。
もちろん、謝罪を形式的なものとして捉え、なんでも型にはめて行うようになってしまうと、心から謝罪をしていても気持ちが届かないことがあります。
ここでは謝り方等ご紹介しましたが、大切なことは、
- 謝罪は迅速に行う
- 相手の立場に立って考える
- 相手にたくさん話をしてもらい、傾聴・共感する
- 間違いを潔く認める
- 言い訳や弁解などはしない
というようなことです。
ただただ「申し訳ございませんでした」と謝るだけではなく、解決策も上手に提示しながら、相手に好感をもってもらえるような謝罪ができるようになれば良いですよね。
謝る機会があれば、この記事でご紹介しましたようなことを意識していただけたらと思います。
どうしても理不尽な職場の場合は、転職してあなたの持っているスキルを最大限に置ける環境に身を置くようにしましょう。