プロのキャリアアドバイザーが教える!転職の面接の話し方や対策

こんにちは。就職支援会社で10年勤務、JCDA認定キャリアデベロップメントアドバイザーの恵です。

転職活動で必ず迎える面接の場。なんだか苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。

 

私は今まで数多くの転職希望者の面接に同席させて頂きましたが

「すばらしいキャリアをお持ちなのに、上手く伝えれていない」

「アピールの論点が少しだけずれている」等

ここを直すだけで進路の可能性がぐっと広がるのにもったいない、という方々を何度もみてきました。

 

面接がうまくいく人にはある共通のポイントとおさえるべきコツがあります。

ここでは、その伝え方のコツや採用担当者が注視しているポイント等をお伝えします。

 

1.はじめに、転職活動は恋愛のごとく

日々、キャリア支援をしていると転職活動は恋愛と似ているな、と感じます。

数ある企業からトキめく相手を見つけ出し、アプローチの末、交際(就職)を始めます。

 

最初に企業に送る履歴書・職務経歴書はラブレターです。

面接はデートと同じです。

成就(就職)し気の合う相手だと長続きしますが、価値観の違いや将来の方向性の違いから離婚(退職)し、はたまた再婚(転職)もありえます。

面接というと、評価する側とされる側のように身構えていまいがちですが、恋愛と同じで相思相愛、合意の上で成り立つものなのです。

 

したがって面接と言っても、

あまり肩肘はらずに、あなた自身、相手を見定めるくらいの気持ちで臨みましょう。

 

2.面接準備編「準備を制する者は面接を制す」

2-1.まずは事前リサーチを

最近ではほとんどの企業が自社のHPをもっており、企業概要、フィロソフィー等を明示しています。

また採用ページも充実しているところが多く、あなたが応募している職種の仕事内容だけではなく、

求める人物像や募集の背景等を詳細に公表している所も数多くあります。

 

応募の段階で、基本ですがまずはそれらをしっかりとよみとく事。

恋愛でも、好きになれば自然とその人の事を知りたいと思いますよね。

好きな食べ物、趣味、家族や生い立ちの事。

したがって最低限、企業の理念と商品概要、沿革はおさえておきましょう。

 

面接に進み「御社に入社したいです!」と言いながら、その会社の事をほとんど知らなかったら信ぴょう性がありませんよね。

まずはしっかりとHPと採用ページ(求人票)をよみときましょう。

 

2-2.身だしなみ(初デートを思い出して!)

書類選考が通過すればいよいよ面接です。

そこで、あなたが青春時代に行った初デートの時を思い出して下さい。

事前に、何を着ようかな。髪型はどうしようかな。

鏡をみながら何度も確認した事と思います。

 

面接も同じです。あなたと企業が初めて対面で会話をキャッチボールし、お互いの事を知ろうとする場。

そこに現れたあなたが、しわしわでよれたスーツ、寝ぐせを簡単に直した事があからさまな髪、

はきつぶした靴だとどうでしょう。

第一印象が悪いと面接でどんなに良い受け答えをしても、リカバリーは出来ません。

 

今、あなたの爪は短く丁寧にそろえられていますか?

採用担当者はよくみています。

そんなとこで?と思われるかもしれませんが、そんなところから仕事を丁寧に行える人物かどうか見ています。

 

2-3.待ち時間の落とし穴

「コートを着たまま受付に来た」

「渡した名刺を手でもてあそばれた」

「きょろきょろして挙動不審だった」

 

これは実際に私が採用担当者から聞いた不採用理由の一部です。

皆、面接の時は緊張しています。慣れない道をたどり、慣れないビルに入り受付を済ませる。

慌ててコートを着たまま。緊張のせいできょろきょろあたりを見渡し、自分でも気付かない内に、頂いた名刺でもてあそんでしまう可能性は多いにあります。

 

そんな事にならないために、以下の事を守りましょう。

*最低でも約束の10分前にビルの下に到着し一呼吸おく。5分前になったら受付へ

*案内されたら席で静かに座って待つ。

 接する社員の方はみんな面接官と思い、愛想よく笑顔でさわやかに。

 

3.面接本番編「言語と非言語を使いこなすべし」

3-1.必ず聞かれる3つの質問

面接の時に必ず聞かれるのが以下の3つです。

 

①簡単な自己紹介(職歴)

②前の会社の退職理由と今回の志望理由 

③自己PR

 

これらは1分でまとめる練習をしましょう。

1分というのが大切なボーダーです。それよりも短いと内容がうすく、

それよりも長く話すと、内容が耳に入ってこなくなります。

 

できれば、具体的なエピソードを交えてあなただけのオリジナルを意識して下さい。

面接官は何人もの応募者と面接をするので、

きれいな言葉でまとめられた、模範解答のような受け答えでは印象に残りません。

 

ここで初デートの会話でイメージしてみましょう。

 

パターン1

M「どこにいきたい?」

L「どこでもいいよ」

M「なにか好きなのある?」

L「うーん、なんでも好き。決めて。」

M「そうだなぁ。。じゃあ水族館にする?」

L「いいよ。魚嫌いじゃない。」

M「よかった。・・・」

 

 

パターン2

M「どこにいきたい?」

L「そうだなぁ。水族館とかは?」

M「いいね。魚好きなの?」

L「うん!ダイビングが趣味でレッドシーで免許取ったのよ」

M「えー、レッドシーって俺もさ・・・」(その後レッドシーの魅力で盛り上がる)

 

どちらの会話が魅力的で印象に残るか、一目瞭然ですよね。

しっかりとあなたが好きな事、得意な事を述べパターン2のように自分をアピールするのと同様、

面接でも、自分はなにが得意なのか、なぜ転職したいのか、なぜ面接先の企業を志望するのか

具体的にあなたの言葉で話せるようにしましょう。

 

でもどうやって?

私がみてきた成功/失敗の例をみながら解説していきます。

 

 

3-2.3つの質問に対する面接成功例VS失敗例

それでは具体的に3つの質問に対してみていきます。

 

①自己紹介(職歴)

 

失敗例

私は○○銀行に入社後3年間××支店で個人顧客への営業を行っていました。

毎日100件を目標に訪問し、1人でも多くの方へ預貯金を組んで頂けるようがんばりました。

たいへんでしたがお客様に喜んでもらえるよう一所懸命説明しました。

また、管理職になってからは声掛けを頻繁に行い、部下と信頼関係を気付けるよう努めました。

 

成功例

私は○○銀行に入社後3年間××支店で個人顧客を対象に預貯金や年金の訪問営業を行っていました。

その後、法人営業部のマネージャーとなり7名の部下をマネージメントしながら法人に対して融資の売り込みを行いました。昨年一年間で新規契約を年間200件達成しました。

また、管理職として部下の仕事の進捗管理を日々行い、停滞している案件に関しては積極的に営業同行を行いました。

商談では部下を中心に話の展開を運び、自信をつけさせるように工夫し不足している点があれば自身のノウハウを伝えました。

また、部下のモチベーション管理にも注視し、チームで達成を目指し優勝チームで祝賀い会を開催するなど、

いかに楽しくやりがいをもって仕事に取り組めるかを工夫しました。

 

 

***解説***

失敗例は“がんばった”や“一生懸命”等の精神論が並んでいます。

厳しいですが、ビジネスの世界では「努力よりも結果」が重視されますのであいまいな表現は避けましょう。

成功例のように具体的なエピソードを盛り込む事により、あなたが入社後活躍する姿がイメージ出来ます。

応募先の求める能力を想定し(今回は管理職としてのマネージメント能力を想定)その能力が自身にあるというエピソードを中心に語るようにしましょう。

 

 

②前の会社の退職理由と今回の志望理由

 

失敗例

前職はメンズカジュアルウェアの販売をしていましたが上司と相性が合いませんでした。

機嫌が良い時と悪い時の差が激しくやつあたりのように怒られる事がしばしばありました。

またお客様も常連さんが多かったので、同じような日々が続き新しい事に挑戦したいと思い転職を決意しました。

御社はレディース中心で女性社員が多い事と、シフトが融通がきくと聞いたのでぜひ入社したいと志望しました。

 

成功例

前職はメンズカジュアルウェアの販売をしており、お客様層は20代が中心でした。

販売員としての年齢もある程度限定され、もっと幅広い年齢層への接客スキルを磨きたいため転職を考えました。

これまで培ってきたお客様のニーズを引き出すスキルは、対象が変わっても活かせると考えています。

また御社の、コア顧客をより大切にする姿勢に魅力を感じ、もっとお一人お一人と丁寧で深い接客スキルにチャレンジしたいと思い志望しました。

 

 

***解説***

会社への不満や人間関係のトラブルは退職理由としては不適切です。

ましては上司の悪口など絶対にNGです。

面接官の中には「あなたにも問題があったかも」と考えられてしまうかもしれません。

色々あっての退職かもしれませんが、面接では前向きな理由をクローズアップする事。

また志望理由は企業の求める人材を想定し、自分にはそれが実現可能であり、自身のキャリアプランにも

あてはまっていると主張するとよいでしょう。

 

 

③自己PR

 

失敗例

前職ではSEとして多くのことを学びました。特に自信があるのが忍耐力でハードな現場でも決められた納期を必ず守り、ミスなくこなしてきました。

御社でも持ち前の粘り強さを活かし、様々な案件に携わりたいです。

 

成功例

前職ではある公共系開発プロジェクトにてプロジェクトマネージャーとして基本設計から保守・運用まで手がけました。

お客様の急な仕様変更等でスケジュール調整が必要な時がありましたが、一人一人のタスク管理を再度入念に行い

作業行程を超えて余裕のあるチームやスタッフと調整を行い対応しました。

また社内外の人と話す中で必要な変更とそうでない変更を切り分けなんとか納期まで間に合わせ、

お客様には、内心納期順守は難しいと思っていたので感動した、との言葉を頂きました。

 

 

***解説***

ここでも失敗例では精神論と具体的エピソードに欠けています。

オリジナルで説得力があるのは、あなたの具体的な体験談です。

答えはあなたの中にあるので、今までのキャリアの棚下ろしをゆっくりと丁寧に行い、それを言葉にするだけで良いのです。

 

 

 

3-3.不採用理由のナンバー1

採用担当者が述べる不採用理由の1番はなんだか分かりますか。

実は、「やる気が感じられなかった」が私が担当していた企業から多く聞かれた答えでした、

 

そんなわけない、それなりに準備をして、熱い想いを持って臨んだはずだ、とあなたは答えるかもしれません。

そんな時は企業が求めるやる気とあなたのやる気(熱意)がずれているのかもしれません。

 

ここでは新卒採用ではなく、中途採用向けの面接対策をお伝えしていますが、

中途採用でここ最近企業が求めるスペックとして“あなた”が主体性をもって、創意工夫してきた事を、やる気としてみています。

 

「営業には自信があります」

「コミュニケーションを大切にしてきました」

こんな言葉をどんなに大きな声で、熱意をもって話しても、カラ回りになりかねません。

 

主体性をもって、創意工夫して仕事を行う。例えば下記のような事です。

「備品管理の業務を遂行する中で、社員用の事務備品と営業用パンフレット、社内書類、防災グッズ等がところどころ収納されていた為、用途別、頻度別に仕分けをしたところ、

営業スタッフから、探し物をしなくなった、同線がしっかりしている、と感謝されました」

 

仕事に対するやる気、就職活動に対するやる気。

主体性をもって取り組めていますか?

受け身になっていませんか。

 

 

3-4.カメラを準備しましょう

ある程度、面接で受け答えが出来るようになると、

実際の面接練習風景をビデオ撮影し、客観的に自分を振り返りましょう。

これは私が行う面接対策セミナーで一番評判の良いレクチャーです。

 

百聞は一見にしかず。

採用担当者に自分がどのようにうつっているのか、己の目でみて確かめてみて下さい。

話の内容、表情、目線は大丈夫でしょうか。

 

ここで有名なメラビアンの法則の話をしたいと思います。

 

人はコミュニケーションをとる時、

①話の内容などの言語情報7%、

②口調や話すスピードなどの聴覚情報38%

③見た目などの視覚情報55%

から総合的に情報を取得しているといわれています。

 

つまり、

話す内容よりも

4割ほどを声量等の聴覚情報から。

5.5割を目線等の視覚情報から得ている事になります。

どんなに素晴らしい面接の受け答えをしていても、声量が小さいと終始自信がなさげな印象になり、

目線がきょろきょろしていたり、目を合わさずに話していると、落ち着きがない、なんだか嘘くさい印象を抱かれてしまいます。

 

それでは、そうならない為にはどうすればよいのでしょう。

 

『口調や話すスピードなどの聴覚情報』をよくする為に。

まずは第一声が大切です。

息をゆっくりと吸い込み、自分では大きすぎるかな、というくらいのボリュームで思い切って発しましょう。

緊張していると、どもりやすくなります。ハキハキとゆっくり自分の言葉を自分の耳で聞きながら話しましょう。

 

『目線等の視覚情報』をよくする為に。

面接官の目を見て話をするのは基本です。ですが分かっててもなかなか出来ないもの。

そんな苦手意識がある方は面接官の「眉間」に注目してはいかがでしょう。

面接官は目が合っていると錯覚し、あなたは幾分緊張がほぐれるでしょう。

ただし、ずっと見続けるのは禁物です。不自然なコミュニケーションにならないよう、時々目線を足元等にはずしながら、基本は眉間に。

鏡等で練習する事をお勧めします。

 

『面接』にのぞむ前に。

どんなに面接の練習をして、ハウツーを学んでも、その日最大限の力を出せなければ不調に終わってしまいます。

そうならない為に、自身がハキハキうまく受け答えをする成功のイメージトレーニングを前もってしましょう。

そして当日面接前には、好きな音楽を聴く等してテンションをあげましょう。

好きな音楽をきく。自分は出来ると声に出して唱える。

あなたがテンションがあがればなんでもよいです。

自分にあった方法で、最高のコンディションを整え自分に自信を持たせてあげて下さい。

 

 

3-5.「最後になにか質問は?」はあなたにとっての最高の自己PRタイム

面接の最後に「何か質問はないですか?」と聞かれる事がよくあります。

この時、「とくにありません」と言い切ってしまうのは、「御社にはあまり興味がありません」と

宣言するようなものです。

最後の質問、これは最高の自己PRタイムなのです。

HPに書かれている内容を聞いてしまうのはNGですが、「HPには●●と書かれていたのですが、××は、、」の様にひとつかふたつ質問できるように準備しておきましょう。

また最後に「本日はお時間頂きありがとうございました。

採用していただけたら精一杯がんばります。どうぞ宜しくお願い致します」と前向きに!

これで面接の総合印象はぐっと良いもので締めくくられます。

4.面接で緊張してしまい上手く話せないときは

準備も万全!練習もしてきた!

けど本番になるとどうしても緊張して頭の中が真っ白になって話せなくなってしまう…

そんなときは自己暗示をして「面接官と話すことは楽しい」と自分に言い聞かせると、ネガティブなイメージを払拭して緊張も吹き飛ばせます。

子供の頃、夢中に楽しんでた時って緊張とは無縁でしたよね。

緊張は過去のトラウマと今の状況、そして未来への不安から出てくるもの。

その為、楽しい明るいイメージを創り出すことで、面接での緊張を和らげます。

詳しくはこちらの記事で解説してます!

面接で緊張して頭が真っ白になる・声が震えて話せない時の3つの解決策!

2017.04.28

 

まとめ

 

始めに就職活動は恋愛のようだと述べました。面接は初デートの場であり、結果はその場のトーク内容で決まります。

面接に同席していると、「お互いに好印象を抱いているな。あ、今想いが通じ合ったな」と感じる場面があります。

その瞬間からその場は和やかな空気に包まれ、双方が自然とリラックスし、プライベートな雑談も混じりながら面接が長引く事もあります。

結果はもちろん、内定。晴れて就職決定です。

 

要は採用担当者にもっと一緒にいたい、一緒に働きたいと思ってもらう事。そうすれば面接は通過します。

そのために本日お伝えした身だしなみ、事前リサーチ、面接本番でのテクニックを存分に活用し、素晴らしいご縁に巡り合える事を祈っています。

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