こんにちは!5年間の接客業で延べ10万人以上のお客様と接してきた津田です。
社会人になると大事になるのが「コミュニケーション」で、コミュニケーションを円滑にするために大事になるのが「言葉遣い」や「ビジネス敬語」です。
特に、私は国語が苦手で、正しいビジネス敬語を身につけるのに相当苦労をしました。
なかには、私と同じように正しい言葉遣いが分からない人もいると思います。
ただ、分からないからと言って誰かに「教えてください」とは言いづらいものです。そこで今回は、「言葉遣い」・「ビジネス敬語」の正しい使い方を紹介させていただきます。
正しい言葉遣いができるかできないかで、あなたの印象はだいぶ変わり、場合によっては社内の「出世」に響くケースもあります。
今回の記事では、場面別で押さえた方がいい「言葉遣い」や「ビジネス敬語」、さらに間違いやすいビジネス敬語についても紹介してあるため、きっとビジネスの場面においても役立つでしょう。
通勤途中に毎日この記事を読むことで、正しいビジネス敬語が少しずつ身に付くはずですよ。
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1.まずはチェック!尊敬語・謙譲語・丁寧語の違い
まず初めに、お伝えしたいことがあります。それは、敬語には主に「3種類」あるということです。
この3種類は、敬語の基本の形なので覚えておきましょう。
尊敬語
「尊敬語」を使う場面は、主に2つあります。1つ目は「目上の人との会話」をしているときです。一例を挙げるとすれば、上司との会話をイメージしてもらうといいです。
2つ目は、「相手を立てるとき」です。これは、取引先の営業担当者など、顧客の気分を良くしてあげるというようなイメージをするといいでしょう。すなわち、尊敬語には「相手を敬う」という意味があるのです。
謙譲語
「謙譲語」は、自分がへりくだるときに使う言葉です。へりくだるとは、自分が相手よりも一歩引いて会話することです。
「へりくだる」のイメージが付きにくいのであれば、相手を「もちあげる」ときに使うというほうが、イメージが湧きやすいかもしれません。会社の場面だと、上司にゴマすりをしている「部下」を連想するといいでしょう。
丁寧語
最後に紹介するのが「丁寧語」です。これは、聞いている人に対して丁寧な会話をしましょうという言葉です。
一般的には「○○ございます」、「○○です」、「○○ます」を語尾の最後につけて話します。ちなみに、丁寧語は「不特定多数の人に使う敬語」となっているため、主に接客業で使われることが多いでしょう。
2.【接客・メール・電話にて】抑えた方がいいビジネス敬語の一覧
ここからは「接客、メール、電話」と場面別に分けて、抑えるべきビジネス敬語を紹介します。日常的に使う言葉がたくさん入っているため、今日からすぐに使えるでしょう。
2-1.接客
お客様に、商品を選んでもらうときに使う敬語です。この敬語の間違い例が「○○と××どちらにいたしますか」です。
「いたす」は謙譲語で、自らへりくだっている状態を指します。つまり、相手を持ち上げている感じになるため、相手に対して失礼な言葉なので間違いです。
商品をお客様へ持っていくときに使う言葉です。ただ、これも「○○のほうをお持ちしました」と間違った文章を使う人がたくさんいます。
「○○のほう」とは方向を指す際や比較のときに使われる場合がほとんどです。そのため、商品を持っていくときに使うのはおかしいのです。
これは、お客様に予算(買い物で使う金額)を聞くときに使う言葉です。この間違い例が「ご予算はおいくらでしょうか」です。これを使うときは、お金が関わる場面です。
「おいくら」というのは、お客様によっては「下品」だと感じる人も。「いかほど」と呼ばれる言葉に変えるだけで上品な感じに聞こえるのです。
この敬語は、お客様が商品を気に入ったかどうか聞くときに使います。間違った表現として多いのが「お気に召されましたか」です。
何がいけないかというと、「お気に召す」という言葉自体が敬語であるにも関わらず、「○○され」ともう1つ敬語を入れています。その結果「二重敬語」となるので間違いです。
お客様に商品を見てもらうときに使います。間違い例で多いのが「拝見してください」です。
拝見するとは、自分が何かを見るときに使う言葉です。よって、お客様へ使う場面ではないため注意が必要でしょう。
これは、会計の際にお客様から金額をお釣りがない状況でもらったときに使います。ただ、「○○円ちょうどお預かりします」と間違った敬語を使う人がとても多いです。
「○○円お預かりします」は、あくまでお釣りをお客様に返さないといけないため使う言葉です。ちょうどの金額を頂いた場合には、お客様へ返すものが何もないため、おかしな言葉遣いとなります。
お客様から担当者を指名されたときに使います。よくある間違い例が「○○はすぐに伺います」です。
「伺う」は「訪問する」や「聞く」の謙譲語。この場面では、担当者が来る様子を指しているため、「伺います」を使うのは間違いになります。
※役職が付いた人間でも、お客様に対しては「橋本部長はすぐに参ります」というように役職名は伝えないように。
お客様には社長であっても部長であっても、呼び捨てで伝えるのがポイントです。
これは、クレジットカードやギフト券など会計で使えない際に言うことが多いです。間違い例でよくあるのが「ご利用できません」です。
できませんというのは、相手を敬っている言葉としては不適合のため注意しましょう。
2-2.メール
メールの文頭に「誰宛」かを記入する際に使われます。ただ、なかには「○○課長様、担当者様各位」と間違った言葉を使う人も。
間違いの理由は「敬称」、「様」と2つ敬語が入っているためです(敬称とは「役職名」や「各位」の部分を指します)。すなわち、二重敬語となるので、ビジネス敬語としてはふさわしくないでしょう。
メールで、謙遜するときに使う敬語です。この言葉の間違い例が「とんでもございません」になります。
これは、「ない」を「ございません」に置き換えることができないためです。よって、言葉の誤用になります。
主にお客様へ自社まで来ていただく際に使う文章です。よくある間違い例は「お越しになられる日を」です。
「お越し」と「なられる」が両方とも敬語(二重敬語)になるため、敬語としては間違っています。
「取り急ぎ○○します」とは、「ひとまず○○する」という場合に使う敬語です。しかし、一部の人は「とりあえず○○します」を使う人もいます。
「とりあえず」というのは、「乱暴」な言葉のため、目上の人に使う文章としてはNGです。
ただ「取り急ぎ」は、本当に急いでいるときに使う言葉なので、急ぎではないときに使うのは控えましょう。
これは、取引先に対して「何かあったら言ってくださいね」というときに使う文章です。ただ、なかには「何かお気づきの点がありましたらご進言ください」と間違った文章を使う人もいます。
「進言」という言葉は、目上の人に対してモノ申したいときに使う言葉なので、ビジネス敬語としてはふさわしくないでしょう。
相手の体を気遣うときに載せる文章です。一部の人は「お体をご自愛ください」と文章を使っている人もいますが間違いです。
「ご自愛ください」だけで、体を大事にするという意味があるので「お体を」は必要ありません。
2-3.電話
相手が居るか確認するときに使います。間違い例が「○○様はおられますか」です。
おられますの謙譲語で「おられる」という言葉があります。ただ、この単語は無理矢理作られた言葉で、本来の言葉としてはあまり用いられません。
すなわち、ビジネス敬語としては用いないほうがいいでしょう。
不在の担当者に電話がかかってきた際に使う言葉です。これにも、実は間違い例があります。
それは「お名前をいただけますか」です。この状態だと「物をください」と言っているのと同じになります。名前は物ではないため、おかしい表現となるのです。
これも、不在の担当者宛に電話がかかってきた際に使う言葉です。ただ、自分が働いている会社の上司なのにも関わらず「○○さんは」と言ってしまう人もいます。
あくまで、社内の人は身内なので呼び捨てで伝えるのがルールです。
相手の名前を電話で聞く際によく使うビジネス敬語です。ただ、なかには「どちら様でしょうか」と誤った敬語を使う人も。
なぜ間違っているかといえば「どちら様」は、言い換えると「あなた誰なの?」と聞いているのとほぼ同じ意味になるためです。雑に聞こえるので気を付けましょう。
さくじつとは「きのう」のことを指します。例文を挙げると、「昨日(さくじつ)はご連絡をいただきありがとうございます」という形です。
ちなみに、一昨日であれば「いっさくじつ」という呼び方をします。
3.状況別の間違いやすいビジネス敬語一覧
接客・メール・電話でのビジネス敬語をご紹介しましたが、それだけでは足りません。そこでこの章では、状況別に応じて間違いやすいビジネス敬語を紹介します。
3-1.お詫び・謝罪
謝る際に使う言葉としては、若干くだけているためビジネス敬語としては向きません。正しくは、「申し訳ございません」、あるいは「失礼いたしました」です。
何か失敗をして謝罪へ行った際に、「謝りに来ました」と相手に言うのも失礼です。聞いている側は「嫌々謝りに来たのか?」と印象を持つ場合もあります。
また、言葉としても相手を敬っている言葉ではありません。正しくは「お詫びに参りました」です。
どうしても、仕事に追われていると上司からお願いされたことを忘れるケースもあるでしょう。しかし、その際に「忘れていました」と伝えるとストレート過ぎて、相手を余計怒らせる原因になる場合もあります。
正しくは「失念しておりました」です。
3-2.依頼
「○○の件なんですけど」と言葉を使っている人もいると思います。しかし、これも間違いです。
正しくは「○○ですが」、あるいは「○○なのですが」という敬語が正しいです。
文頭に「あの~」を付ける人もいますが、これは相手に対して失礼です。場合によっては、自信なさげに聞こえるため、相手をイライラさせることも。
似た言葉で「えっと~」というのも、失礼に当たるため使わないようにしましょう。
3-3.感謝・お礼
同じ社内の人に対して「ご苦労さまです」というのも、ビジネス敬語としてはふさわしくありません。ご苦労さまというのは、目下の人に対して使う言葉です。
正しくは「お疲れさまです」という敬語を使いましょう。
お客様に来て会社などに来ていただいた場合に使われています。しかし「すみません」は、相手へ「謝罪」する際に使われるのが一般的です。
また、「来てもらって」も軽々しいです。正しくは「本日はわざわざお越しいただきまして、ありがとうございます」です。
3-4.確認
このビジネス敬語は、相手よりも自分の立場が偉いことになります。「お目にかかる」は「会う」の謙譲語です。
謙譲語ということは、相手を「立ててあげている」ことになり、相手に対して「失礼」です。正しくは、「○○とはお会いいただけましたか?」です。
これは、接客の章で説明したのと同様で、「いたす」というのが謙譲語になります。確認の場面で自分がへりくだるというのは状況と合っていません。
よって、正しい敬語は「どうかなさいましたか」です。
「結構」は、目下の人に向けて使う言葉になるためビジネスの場面では、使うべきではありません。目上の人への文章で使うのは不適切です。
正しくは「これでよろしいでしょうか」です。
この敬語は、相手を尊敬しているという意味が含まれていません。そのため、取引先や上司に使うのはNGです。正しくは「いかがいたしましょう」です。
会社にお客様が来られたときに、誰と会う約束をしていたか確認する場面で使われます。しかし、横文字を使えば正しい言葉遣いになるわけではありません。
また、会社に来たお客様からすれば「せっかく来てあげたのに」という気持ちを持っている場合もあるため失礼に当たります。
ここで大事なのは、「申し訳ございませんが確認させていただきます」という気持ちを伝えることです。正しくは「おそれいりますが、お約束はいただいておりますでしょうか?」です。
3-5.挨拶
お世話になっている人に対して使っている人も多いのではないでしょうか?私の経験上、関東で使う人が多いと思います。
しかし、この言葉自体「敬意」は、ほとんど込められていないため目上の人や取引先に対して使う敬語としては失礼です。正しくは「お世話になっております」と使いましょう。
新年の挨拶などで、手土産を取引先に渡す際に使うことも多いです。昔は、頻繁に使われていました。
しかし、最近では「つまらないものだったら渡すな」と思う人も出てきているようです。よって、「ほんのお気持ちですが」など別の言葉に言い換えて渡しましょう。
久しぶりにお会いする人に対して使う敬語ですが、目上の人に使う言葉としては軽い言葉です。正しくは「ご無沙汰しております」です。
久々に取引先の人と会ったときに「どうも~」と使っている人もいます。しかし、「どうも~」自体、明確な言葉の意味を持っていません。
仮に、使うとしても「どうも、こんにちは」と言うように、言葉を付けたして使うのが前提となります。
3-6.同意
目上の人や取引先に対して、承諾する際に使っている人もいるでしょう。ただ、これは親しい関係の人に使う言葉です。
そのため、目上の人に使うと反感をかわれることも。正しくは「かしこまりました(承知しました)」なのでお間違いなく。
相手が言ったことに対して、納得、共感した際に使う人も多いでしょう。しかし、「なるほど」には相手を敬う気持ちはないです。
最後に「ですね」が付いていますが、だからといって、尊敬語になるわけではありません。「おっしゃる通りだと思います」が正しいビジネス敬語になので注意してください。
まとめ
正直、ビジネス敬語を一日で覚えようと思っても難しいです。しかし、毎日確認することで、自然と身に付きます。
あとは、この記事を読みながら何度も実践で使うのみです!きっと、正しいビジネス敬語を使えるようになるだけで、周りがあなたを見る目も変わるでしょう。
ビジネス敬語をあなたの武器にして、充実した会社員生活を送ってみてはどうでしょうか?
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