東証一部企業の人事部が教える、第一印象を劇的に良くする話し方!

東証一部上場企業の部品メーカーに勤務している現役人事パーソン、松本です。

人材育成業務14年(内1年は海外人事)、採用業務6年の経験があり、学生や若手社員のキャリア教育やビジネスマナー教育、コミュニケーション教育等を担当してきました。

新入社員研修の最終日。
最後の最後に新入社員に話す内容は「配属初日、職場での第一印象を良くすること。」です。

長年の経験から、職場での最初の評価は「第一印象の善し悪し」で8割方決まるといっても過言ではないと実感しているからです。

「人事部が教える、第一印象を劇的に良くする話し方!」
採用、教育現場のリアルな指南です。

 

1.2秒で決まる! 見た目の第一印象

第一印象は、『はじめまして。』の時から何秒~何分のやり取りで決まるのか?

第一印象の重要性を話す際に、良く聞かれる質問です。

2秒で決まるという人もあれば、2~3分だとおっしゃる学者の方もいます。

いずれにせよ、『はじめまして。』から2分程度の短い時間で、第一印象が決まってしまうというのは間違いないようです。

講師業をする際は、とくに「第一印象」が決まる最初の数分間に、一番力を入れて話しをします。

なぜなら受講生は最初の数分の挨拶で、これからはじまる講師の話しを真剣に聞くか、聞かないを潜在的に決めてしまうからです。

それだけ「第一印象」は重要だということです。

 

2.第一印象を良くすることが大切な理由(わけ)

例えば「第一印象」が重要な場面の事例でいうと、採用面接試験があります。面接時間というのは15分から長くて1時間程度ではないでしょうか。

「第一印象」でつまずいてしまうと、それを取り返す時間が少ない採用面接などの短期決戦では致命的になります。

その他の短期決戦でいうと、合コンや訪問営業などもあげられますね。

「第一印象」が悪くても、時間をかけた長い付き合いの中で、徐々に信頼を回復することはモチロンあります。ただその回復には時間とエネルギーを余分に使うことになりますね。

ビジネスの場面でいうと、「第一印象」に気を使わない社員は、取引先やお客様から「信用」を得ることはできません。

自分の「第一印象」をセルフプロデュースすることは常識的なことであり、それが出来ないということは「知識」「能力」が不足していると判断をされるからです。

 

3.「人は見た目が9割」は学術的にホントのはなし

「第一印象」を語るときに必ず出てくるのが「アルバート・メラビアンの法則」です。新入社員研修のマナー研修には必ず説明されるビジネスマナーの「鉄板法則」です。

メラビアンはアメリカの心理学者で「人の行動が他人にどのような影響を及ぼすのか」ということを実験から導き出したものです。

その内容とは、

表情、態度などの「視覚情報」が55%
話し方、話すスピードなどの「聴覚情報」が38%
話の中身、内容などの「言語情報」が7%

ということで、第一印象はまず「見た目(55%)」に強い影響を受けるということを示した法則なります。

「人は見た目が9割」という書籍がベストセラーになったことがありますが、この本の内容もつまりはメラビアンの法則を切り口にしているものだということになります。

『はじめして。』から2分までを「第一印象」と考える場合は、当然「見た目」だけではなく、話し方や話すスピード、話の内容が、その時間を追うごとに重要になってくると言えます。

今回は「はじまして」から「自己紹介」までを第一印象とし、その重要ポイントを紹介します。

 

4.第一印象を素敵に魅せる3つのポイント

まずは「表情・態度」などの視覚情報(見た目)について紹介します。
いわゆる「ぱっと見」の印象です。

ポイントは3つです。

  1. 笑顔
  2. アイコンタクト
  3. 身だしなみ

 

1.笑顔

とくに①笑顔は「見た目」づくりの最重要ポイントです。笑顔は自然で生き生きした雰囲気を醸し出し、相手に対して「親近感」と「信頼感」を与えることができます。

また笑顔を作ることによって、自分自身をポジティブ思考、前向きな気持ちへ変換することができると言われています。

自分自身が明るくなり、相手には信頼と親しみを与えることができる。「笑顔」は正に最強なのです。
自然な笑顔ができるように、日頃から口角を上げて、表情筋を鍛えておきたいものです。

仕事の合間やお手洗いに行った際に鏡を見て、口角をあげるルーティンを生活の中に取り込むと、日常の表情も生き生きしたものになりますよ。

学生さんなら勉強机に、ビジネスパーソンの方はオフィスのデスクに鏡をセットしておくことをオススメします。

ふっとした瞬間に「素」の無表情な顔を鏡で見ると、笑顔の大切さを実感できること請け合いです。

 

2.アイコンタクト

②のアイコンタクトは、昔から「目は口ほどに物を言う」と言いますが、「相手の目を見る。」ことは「信頼」と「誠実」の証と言えます。

時々、話をしている最中もまったく目を合わせようとしない人がいますが、やはり印象が良くありません。
悪気はないのだけれど、「人の目を見て話す。」ことが苦手な方もいらっしゃいますね。

その場合は相手の口元やあご先を見るようにすると、顔全体を見ているように映りますので相手に嫌な印象を与えません。

話しをする相手の顔とあさっての方向を見たり、キョロキョロと視線をふらつかせると「落ち着きのない」「不誠実」な印象を与えますので注意が必要です。

またアイコンタクトには目の表情も含まれます。いくら相手の目を見るといっても、睨みつけたり、凝視するのは相手に圧迫感を与えてしまいます。「優しく」「柔らかな」視線を心がけましょう。

 

3.身だしなみ

③は身だしなみです。
ポイントは「清潔感」です。

髪は寝グセがついたり、ぼざぼざで、フケが付いたりしていないか。厚化粧になっていないか。洋服に汚れやシワはないか。靴は汚れていたり、紐が緩んでいたりしていないか。爪は整えられて、アカが溜まったりしていないか。顔や歯はきちんと洗っているか。

チェックしてみましょう。

清潔感というのは、頭から爪先まできちんと洗い、整えられ、相手に「気持ちよさ」を感じさせる服装や髪型をしているかということです。

そして重要なことは「おしゃれ」ではなく「身だしなみ」を優先させることが、第一印象を良くするポイントだということです。

とくにビジネスにおいては「おしゃれ」<「身だしなみ」です。

「身だしなみ」はあらゆる年代の方、性別を問わずに、不快な印象を持たれない為に、相手のためにする髪型や服装のことを言います。

金髪や腰パンなどは若い世代には「おしゃれ」で通用しますが、年配の方からは理解されにくい服装ですね。

金髪や腰パンは「身だしなみ」のある服装や髪型とは言い難いのは上述のような理由からです。

 

5.おしゃれか。身だしなみか

「おしゃれ」と「身だしなみ」の違いをもう少しおさらいをします。
「おしゃれ」というのは自分のためにするものです。自分好みの髪型、メイク、服装は個性であり、自己満足や自己表現で行うものです。

そして「身だしなみ」というのは、相手を不快に感じさせない、相手のためにする髪型や服装が「身だしなみ」なのです。

例えば「銀行員」が、同じような髪型や服装に見えるのは、その職種にあった「身だしなみ」をされているからです。

男性は、きれいに整えられた短髪に、白いシャツ、ネクタイにシンプルな濃紺や黒を基調としたスーツに、汚れのない革靴を履いています。

女性は、長い髪はまとめ、薄いお化粧、清潔なユニフォームを着用し、肌色のストッキングにパンプスを履いています。

銀行員の服装は、老若男女問わずに「嫌な印象を与えない」「清潔である」というところを観点におき信頼感、安心感を与える「身だしなみ」実践をしているわけです。

もしあなたが自分の全財産を預けるとしたら、スーツを着た「身だしなみ」の整った銀行員か、Tシャツ短パンに厚化粧をした「おしゃれ」な銀行員かを考えた場合、やはり前者の方が「信頼」をもって預けることができるのではないでしょうか。

髪型や服装はTPO(時と場所と目的)をわきまえるということが大切なのです。

同じビジネスパーソンであっても、銀行とは違う職種のアパレル系企業であれば、やはり最先端の服装や髪型が好まれるでしょう。

バーベキューの集まりにはカジュアルで動きやすい服装が適切ですね。結婚式や葬儀などはその式に失礼のない格好をしなければなりません。合コンなら合コンの目的(異性を意識した)に応じた装いをしていくべきでしょう。

自分らしい「おしゃれ」を楽しんでもいいTPOなのか、老若男女問わずに「信頼感」と安心感」を与える「身だしなみ」を優先するべきTPOなのか、服装や髪型を決める際には一考してもらいたいものです。

 

6.「素敵な人」と記憶と印象に残る自己紹介

さて「ぱっと見」の第一印象が決まったら、次は相手の「聴覚情報」「言語情報」に働きかける自己紹介をばっちり決めていきましょう。

自己紹介の場面として考えられるのは、例えば就職面接では面接官に、新入社員は配属された職場の人に、社会人なら取引先の人など、ビジネスでの自己紹介は第一印象良くしたい大切な場面といえますね。

プラーベートでもPTAや自治会、趣味サークルや習い事など自己紹介をする場面は頻繁にあります。
自己紹介は自分を名乗り、自分が何者なのかを認めてもらうことにあります。

できれば記憶と印象に残る自己紹介にしたいものですね。

 

【完全版】入社式などで恥をかかない新入社員の自己紹介や挨拶!

2017.03.23

 

7.「いい声」は魅力5割増し

あなたの声は日頃どのように評価されていますか。

「良く通る声をしているね。」
「低音でダンディーな声だよね。」
「小さくて聞き取れないよ。」
「さっき隣の会議室にいたでしょ。あなたの声が聞こえたもの。」

など、自分の声について他人から何か言われたことはありませんか?

例えば、話しをしている相手から何度も聞き返されるような経験がある人は「聞き取りにくい声」なのかもしれません。

声が小さい、聞き取りにくい声は「声の第一印象」がよくありません。
では良い声とはどういう声でしょうか。

下記①から⑥が良い声の条件といわれています。

  1. 明るくハリのある声。
  2. 聞き手の耳に心地よく響く声。
  3. 響きが豊かである。
  4. よく通り、聞きやすい。
  5. はっきり聞き取れ明瞭である。
  6. 言葉の一音一音が明確である。

などがあげられます。

私たちは顔や骨格、体つきが違います。声を作り出す音声器官である喉や声帯もひとりひとり違います。「生まれつきの声は変えられない。」と思っていませんか。

正しい発音と発声のトレーニングによって、誰でも自然で聞き取りやすい声が出せるようになります。

聞き取りやすく、快い声はよい印象につながります。

私たちが生活をしていく上で、「話す」という作業は一生続いていくと考えると、「よい声」は人生の大きなプラスになると思いませんか?

まずは声の元となる息をきちんと吸うために腹式呼吸を取り入れてみましょう。たっぷりの 息からはハリと豊かな響きのある声が生まれます。

そして正しい発音には舌や唇の筋肉をしっかりと働かせることから始まります。口を大きく開いて、日本語の音の基本である母音(ア・イ・ウ・エ・オ)を正確に発音するように気をつけてみましょう。

 

8.「素敵な人」と思わせる自己紹介5つのポイント

①まずは名前を知ってもらう

自己紹介の場面はどんな相

手に対して、どういう目的によって自己紹介をするのかを、まず考えましょう。

しかしいずれの場合も「信頼感」と「親近感」を与える誠実な態度が重要ですね。

まずはにっこりと笑顔を作りましょう。笑顔を相手に安心感を与える一番のテクニックです。

鈴木 一郎と申します。

フルネームではっきり、ゆっくり、相手の目を見ながら、笑顔で言いましょう。
難しい名前は読み方を説明したり、ニックネームや、名前にまつわるエピソードを添えると印象に残ります。

メジャーリーガーのイチロー選手と同じ名前です。
次男ですが、一郎です。

などを付け加えると、相手はあなたの名前をしっかり記憶してくれること間違いないでしょう。

 

②二つの動作を同時にしない

初対面の挨拶の際によく見かけるのが、「鈴木一郎と申します。」と名乗りながら、ペコリと頭を下げる動作を同時にしてしまう「ながら動作」です。

二つの動作を同時にすると、落ち着きなく見えてしまいます。立ち居振る舞いとして美しくありませんね。自己紹介に限らずに注意したいところです。

まずは相手の正面にまっすぐに立って、笑顔で相手の目を見ながら、

はじめまして、鈴木一郎と申します。

と言ってから、丁寧にお辞儀をすると、ぐっと印象がよくなりま
す。

 

③より相手に印象づける プラスの一言

名前の由来や、住んでいるところ、くすっと笑えるエピソードや情報を添えると、相手にしっかりと印象づけることができます。

下町の寅さんでお馴染みの、浅草に住んでいます。
うどん県で有名な香川県からやってまいりました。
先ほどラジオを聞いてきましたが、FCバルセロナ対マンチェスターはバルセロナがリードしているようですよ。

あくまで初対面の方ですから、ブラックジョークや自慢話、宗教や政治的な思想にかかわる内容は避けた方がいいでしょう。

自分の自己紹介フレーズをいくつか準備しておけば、どんな自己紹介の場面でも落ち着いてできるようになります。

 

④.ふさわしい内容

自己紹介をだれに、何のためにするのかを考えて、ふさわしい内容にすることが大切です。

  • 相手は誰か
  • 相手は何を知りたいのか
  • どんな話をどのように話せばよいか

などと考えます。

具体的な内容としては、経歴・特技・特徴・性格・長所・短所・住んでいるところ・趣味・好み・好きなものなどがあげられます。

人とは違った経験や、変わった体験や失敗談などのエピソードなども、興味をもって聞いていただけるでしょう。

ただし自分の得意分野や長所・高学歴などをいうときは、自慢話にならないような配慮が必要になります。

 

⑤だらだらと話をしない

印象づけようとたくさんの内容を盛り込むのは得策ではありません。長い自己紹介はかえって嫌がられてしまいます。

自己紹介の長さは通常1分、長くても2分くらいにまとめるように話をします。

1分で話せる長さは、文字にすると漢字仮名交じり、句読点や改行もいれて300~350文字程度と言われています。いろんな場面を想定し、一度自分で作成してみてはいかがでしょうか。

 

9.まとめ

今回は第一印象を決定づけると言われる2秒~2分までの間に、あなたが注意すべきことをまとめました。

ポイントは①笑顔 ②視線(アイコンタクト) ③身だしなみ(清潔感) ④ハリのある豊かな声 ⑤相手に余韻と印象を残す自己紹介となります。

これさえ押さえれば、あなたの「第一印象」はすばらしいものに変わるでしょう。

もちろん人間関係や仕事上の付き合いは「第一印象」からの、あなたの姿勢やかかわりによって、良くも悪くも変化していきます。

ただ「第一印象」を良くするということは、あなたのスタートダッシュを優位に立たせてくれるものであることは間違いありません。

「自分は素敵に見えるだろうか。」自分の第一印象を、今一度「客観的」に振り返ってチェックしてみましょう。

 

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