こんにちは、テレビ局で6年間キャスターとして働いてきた松岡です。
ビジネスパーソンとして活躍中のあなたにとっても、「上司への報告」という作業がストレスになっているのではないでしょうか。
組織の一員として仕事をしている人なら誰でも行わなければならない、上司への報告。
これはもはや、ただの報告という作業ではなく、大きな1つの仕事であるといえます。
億劫になったり後回しになったりしがちな上司への報告ですが、実は報告上手な人ほど上司からの評価があがり仕事も上手くいくといっても過言ではありません。
失敗しない上司への報告の方法を知って、報告が苦にならないビジネスパーソンを目指しましょう!
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1.上司への報告は嫌だ・・・怒られたくない・・・
上司へ何かを報告するのが、楽しくて仕方ない、何のストレスもないという人はほぼいないでしょう。
なぜ上司への報告は嫌だと感じてしまうのか、考えてみましょう。
- 単純に上司が恐い存在だから
- 悪い報告をしなければいけないから
- いつも忙しそうだから
- 報告の仕方がわからないから
これらの他にも、あなたの上司の苦手な部分が加わり、報告という仕事が嫌になっているのではないでしょうか。
ちなみに私は、在局時代上司に何かを報告しようとすると、
「また君か」「今忙しい、あと」「時間とらせないでね」「また仕事が増えたか」などの言葉を向けられたことがあります。
こんなことを言われたら、ますます報告が嫌になり萎縮するものですよね…。
報告が嫌いな人の根底には「上司から怒られたくない」という気持ちがあります。
みなさんはきっと、上司のデスクの前に立たされ怒られている先輩や同僚たちをみてきたはずです。既に怒られたという人も多くいるでしょう。
自分はああなりたくない、もう二度と怒られたくないという気持ちが働き、報告という仕事が苦手になり憂鬱な気持ちにさせるのです。
2.上司への報告は高評価が得られるチャンス
上司へ報告するとき、これまでどのような内容で報告してきたか、周りはどんな報告をしていたかを思い出してみてください。
きっと、「良い報告」よりも圧倒的に「悪い報告」が多いのではないでしょうか。
上司にする報告というのは、
- 上司の判断が必要
- 上司からの指示が必要
- 自分ではどうしようもできない
などといった状況でするものが多くあります。
つまり、ミスをしたときやピンチのときなど、どうしても悪い内容であるときに報告するものなのです。
では、悪い内容であるなら上司への報告は怒られて当然かというと、そういうわけでもありません。
どんなに報告内容は怒られるものであったとしても、報告の仕方によっては怒られる度合いが減ることがあります。
そればかりか、むしろ上司から高い評価を得られることにもつながるのです。
これまで億劫だった報告にそんな可能性が秘められているとなれば、気持ちも変わってくるのではないでしょうか。
上司からの評価があがる報告は、どのような方法でおこなえば良いかをみていきましょう。
3.ここを抑えれば間違いない!報告の5つコツ
上司への報告にはコツが存在します。
すべてを実践すれば上司からの印象がより良いものになりますが、最初はすべてを意識するのは難しいかもしれません。
1つずつ実践していき、上司への報告のハードルを低くしていきましょう。
3-1.悪い・嫌だと思う報告こそ早めに伝える
報告する内容が悪ければ悪いほど、上司に伝えることはより辛いものとなるでしょう。
しかし、だからといって、報告を後回しにしていては大変なことになるかもしれません。
自分自身が、悪い内容だとすでに気付いているものを遅く伝えてしまうと、上司からしてみれば、「今になってこんなことを伝えたのか!」「どうしてもっと早く報告しなかったのか!?」という気持ちになるでしょう。
上司が怒ることだけで済めばまだ良い方で、これが、報告が遅かったために取り返しのつかないことになり会社に損害がでる、などというトラブルになっては大問題です。
上司に伝えるのが早ければ早いほど、上司も考える余裕が生まれ適格な指示をだすことができます。
自分が怒られたくないから…という思いだけで報告が遅れることは、自分だけでなく、上司、そして会社に大きなダメージとなることを覚えておきましょう。
報告は早く、悪い報告はより早くが鉄則!
3-2.話すときは感情を含めない
上司へ報告するとき、あなたはどのような表情、口調をしているでしょうか。
気を付けたいのは、自分の感情を報告時に含めないというポイントです。
ただ判断をあおぎたかったために報告しただけなのに、やたらと高圧的な態度で指示をされることもあるかもしれません。
ですがそんなときも、ムッとした表情をしてはいけません。
結局は、自分の判断ではどうしようもできないのですから、そのときは理不尽に感じてもグッとこらえ、言われた指示をこなすようにしましょう。
冷静に指示をきき、適格に仕事ができる人物であることを印象づけるのです。
また、何かミスをおかしてしまったときでも、パニック状態で報告をするのはやめましょう。
心を落ち着かせ、起きたことを冷静に伝えるのです。報告は重要な仕事です。
仕事をする立派な社会人である以上、困った顔、泣いた顔、慌てた口調などで報告するのは信頼に欠けます。
ピンチのときこそ、感情を含めずに淡々と上司に報告するよう努めましょう。
苦手な上司、恐い上司に報告する時ほど、感情は含めないように!
3-3.結論⇒原因⇒プロセス
仕事ができるビジネスパーソンは、結論から話すことを意識している人が多いです。
これは、上司への報告でも同様です。
上司は思っている以上に様々な仕事を抱え、時間がなく余裕もないものです。
そんな上司にはまず結論から伝えましょう。上司に、何の件の報告でどんな結果になったかを最初にイメージさせるのです。
その上で、その結論にいたった原因を話します。そうすることで、上司の頭の中で浮かんだ、「どうしてそんな結果になったのだ?」という疑問をすぐに打ち消します。
最後に、そこまでにいたったプロセスを伝えます。
報告内容や上司の時間によっては、結論と原因さえわかれば良いときもあります。
余裕があるときやさらに詳しい情報を求められた場合は、このプロセスを順を追って伝えれば、他の仕事で頭がいっぱいの上司も素早く理解できます。
短時間に報告できるあなた自身も、仕事をよく理解していると認識されるでしょう。
普段の生活でも結論から話すクセをつけよう!
3-4.プロセスは時系列で話す
プロセスを説明するとき、どうしても大きなポイントとなった出来事を中心に話したくなりますが、報告の際は時系列で話すことを意識しましょう。
自分の中では、このプロセスから伝えれば良いか…と思っていても、上司の立場からすると、「そのプロセスにいたったプロセス」が知りたいこと、重要であることの場合もあります。
上司というのは、これまで多くの仕事を経験し、その中でさまざまなトラブルにも遭遇しその都度対処してきた人物です。
トラブル対処には、どのようなプロセスを踏んできたかも重要なポイントとなることが多くあります。
今起きている状態を適格に判断してもらうために、どのようなプロセスを踏んで、今報告している結論にいたったかを時系列で順に伝える必要があるのです。
どんな小さなプロセスも自己判断でカットせずに伝えましょう!
3-5.5W1Hを意識する
話や報告があまり上手でない人の特徴の1つに、5W1Hが入っていない点があげられます。
5W1Hとは、
When いつ
Where どこで
Who だれが
What なにを
Why なぜ
How どうやって
の5つの頭文字をとったものですが、これらの要素を報告に欠かすことなく入れると、スムーズに伝わるはずです。
自分が上司の立場で、5W1Hがない報告を受けてみるとどうでしょうか。
いちいち報告に対して、「で、いつの話?」「で、だれがしたの?」などとツッコミを入れたくなるはずです。
上司にそのようなツッコミ、質問をさせるのは時間をとらせますし、何より上司がスムーズに報告を理解することを妨げてしまいます。
悪い内容を報告するときほど、上司に余計なことでイライラさせないよう5W1Hを意識した報告をおこない、仕事の処理能力に優れている点をアピールしましょう。
また、取引金額などを報告するビジネスの場では、
How much どれくらい
Whom だれに、だれと
といった「量」についても触れる6W2Hを意識しても良いでしょう。
最低限伝えるべき5W1Hは報告前に頭の中で整理しメモをするなどしても良いでしょう
4.上司へ報告するタイミングはいつがベスト?
上司への報告が苦手な理由に、いつ話しかけたら良いのか、報告するタイミングがわからないというものがあるでしょう。
いつも忙しそうな上司の様子をうかがって、その内報告が遅れてしまったという人もいるかもしれません。
まず、緊急を要する報告なら上司の様子など関係なく、すぐに報告するようにしましょう。
そうではない場合、急ぎではないが相談をしたい、判断をあおぎたい場合についてですが、朝イチはあまりおすすめしません。
朝出社してすぐに、上司を待っていたかのように報告をされると、さほど悪い内容ではない報告でも、鬱陶しく感じてしまう人もいるためです。
また、昼食前や退社前もおすすめしません。
これからお昼を食べに出かけようとか、もう家に帰ろうという気持ちの上司を引き留めてしまうと、上司を焦らせてしまいます。
そのような状態で急いで報告をしても上手く伝わりませんし、上司もイライラして適格な指示がだせなくなってしまいます。
上司への報告はお互い時間に余裕がもてるときにし、タイミングが悪い人間だ、と思われないよう気を付けましょう。
どうしてもタイミングがわからないときは「ご都合の良いときにお手数ですがお知らせください」などのメモをデスクに置いておくのも一つの手段です。
5.報告は電話?メール?直接話す?状況に応じて使い分けるべし
上司への報告の方法ですが、基本的には直接話すことをおすすめします。
直接話すことによって、上司からの質問に適宜こたえられたり、指示の変更にもその都度対応できたりするからです。
しかし、上司に直接話して時間をとらせるほどではない報告もあるかと思います。その際はメールでも良いでしょう。
ただしメールで報告する内容は、
- 上司の指示が不要
- 進捗状況を伝えるのみ
など、一方通行の報告でも問題がない内容に限りましょう。
メールにしようか直接話そうか悩む内容のものは、迷わず直接話すことをおすすめします。
また、電話での報告は、外出先から緊急を要するときなどにおこないます。
あらかじめ上司にどのような事態になったか「結論」と「原因」だけでも電話で伝えて、会社に戻ってからプロセスを詳しく話すのも方法です。
初めに電話で伝えていることから上司も心構えができ、早めに対応策を考えることもできるでしょう。
社内の暗黙のルールにも従えるようにしましょう。
6.改善案まで言えれば更に評価は高まる
ここまでお伝えしたことを上司への報告時に実践すれば、悪い評価になることはまずないでしょう。
しかしワンランク上のビジネスパーソンを目指すなら、ただの報告だけではなく、改善案まで加えるようにしたいものです。
上司へ報告をおこない、その報告をきいて上司が指示を出す…の繰り返しでは、何の進歩もなく、いつまでも上司の指示で仕事をしているだけになってしまいます。
このように、最終的に新たなアイデアを上司に提案すれば、これまでの報告の一歩先をいくものになるでしょう。
ここまでくれば、どんなに悪い内容で怒られる報告であったとしても、自分の仕事のミスを適格に伝え、さらにそのミスを仕事で取り返そうとしている姿勢が評価されるはずです。
ただ報告することだけに意識を向けるのではなく、本当に大切なのは、その報告内容をどのように対処するかということなのです。
上司へ助けを求めるものではなく、自分の仕事の考えを伝える場であると認識しましょう。
7.【模範】実際に上司への報告サンプル例
ここまでのポイントを踏まえて、どのような報告が上司から高評価を得られるのか、そのサンプルをみていきましょう。
〇〇部長、××地区の新商品販売キャンペーンについて報告させていただきたいのですが。
まず、キャンペーンを開始して一週間が経ちましたが、当初目標より売上高も契約者数も高くなっています。しかし、達成率をみてみると、契約者数よりも売上高が低くなっています。
こちらが、その数字です。
目標より多くの人数が契約しているにも関わらず、売上高がそれに伴っていない原因は、価格が低めな子ども向け商品から売れているためです。
××地区は、元々主婦や子育て世帯の多い地区で、主婦の多いニュータウンから営業をかけてまいりました。
キャンペーン3週間前におこなったポスティングでも、チラシの内容は主婦を意識したものでした。
さらに、キャンペーン特設ブース正面が、大型スーパーの出入り口と対峙しているため、主婦層の流入が多くなっているのだと予想されます。
そこで、売上高の達成率を今以上にあげるためには、男性またはシニア層に商品を手にとってもらわなければならないと考えます。
キャンペーン2週目からは、特設ブース正面を隣接する大型家電量販店に向けて設営しようと思っております。
家電量販店に立ち寄る家族、シニア層を取り込む作戦です。
また、男性やシニアを意識した商品並びにし、より目立つポップを作製するよう手配したいと思います。
これは実現可能かわからない提案なので〇〇部長にご相談なのですが、3世代でお越しいただいた方に何か特典を付けることができれば、より売上高アップにつながると考えるのですが、いかがでしょうか。
ポイントは、報告したい内容の結論を先に伝え、上司に報告内容の概要をつかんでもらうこと。
そして、課題や問題、そこにいたったプロセスを話した上で、改善案を伝えます。
売上高や達成率などの数字を報告するときは、口頭だけでは上司の頭に残らないこともあります。
そのようなときには、何かメモなどに数字や必要事項を書いて渡すと良いでしょう。
報告内容の概略を図解したものをみせながら伝えることも、より報告の質をあげることになります。
上司への報告というものは、社会人歴が長くなっても毎回緊張を伴うものです。
出来ることなら避けたい報告ですが、意外と、報告をあまりしてこない部下よりも、頻繁に報告がてら相談をする部下の方が可愛がられるというケースもあります。
報告を重ねていく内に、仕事内容のクオリティが上がっていき、上司との関係も良好になっていく可能性も十分に考えられます。
今回お伝えしたポイントをおさえた報告を日々繰り返していくことで、報告のスキル、そして仕事の能力もアップしていくと良いですね。
このような結論になった
↓
その原因は〇〇だ
↓
そこにいたったプロセスはこうだ
↓
それを踏まえて、このような改善案を考えてみた