こんにちは!キャスターとして6年間テレビ局で勤務してきた松岡です。
テレビ局でキャスターの仕事というと、カメラの前で原稿を読み放送するもの、と思われがちです。
しかし、放送までに、企画、提案、構成作成という段階があり、その都度会議が開かれ上司や先輩、同僚らと意見を交わしていました。
そしてこの会議、仕切る人によって会議の質が変わり、出来上がる構成も変わり、結果、放送される番組(商品)の質に影響が出ていました。
みなさんの会社でも、会議は多くあることと思います。
そして、その会議の進行を任されるビジネスパーソンは、
- 上手く進行できるだろうか
- 自分のせいで活気がない会議にならないか
- みんなの意見を引き出せるか
などと悩んでいることでしょう。
今回は、会議の進行をスムーズに行い、その結果、最高の結果を導き出せるファシリテーションのスキルについてご紹介します。
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1.ファシリテーションとは
ファシリテーションとは、リーダーがもつ能力の一つです。
会議や組織、プライベートな場などでも、参加しているメンバーの考えをお互いに認識させ、最終的にメンバー全員が納得する結果を導き出す能力です。
これまでの日本の会社で行われてきた会議では、このようなタイプのリーダーは多くはありませんでした。
- 権威タイプ:権威を振りかざし自分の意見を主張する
- 脅迫タイプ:地位に物を言わせて同意を強要する
- 拒否タイプ:自分の意見に反論するものは遮る
- 放置タイプ:メンバーに任すようにみせかけ結果自分の意見を押し通す
このような上司、リーダーが多いのが実情です。
ファシリテーション能力があるリーダー、つまりファシリテーターはこのようなことは決して行いません。
目指すのは、メンバー全員が納得する合意形成なのです。
1-1.ファシリテーションはその場で問題解決することが目的ではない
会議の進行役を任されることになると、
会議で本題となる問題点を解決しよう
と考えることでしょう。
もちろん問題解決ができなければ、何のための会議だったのかと、あなたへの信頼が失われるかもしれません。
そうならないために、これまでのタイプのリーダーは、知らず知らずのうちに自らが問題を解決するための結論へ導いてしまっていたのです。
このような会議は、一見問題が解決して意味のあった会議だったと思われるかもしれません。
しかし、メンバー一人一人の考えが反映されていない見せかけの合意形成なのです。
会議では問題を解決することは大切です。
ファシリテーターとしても、問題解決は課題の一つではあります。
しかし、ファシリテーションの能力が高いリーダーは、
- メンバーに問題点を考えさせ
- メンバーに方針を決めさせ
- メンバーの合意の元結果を導く
のです。
もしかしたら、その結果は、リーダーが想定した解決方法と方針が真逆かもしれません。
しかし、ファシリテーションはそれでも良いのです。
メンバーの合意形成の元で決定した結果を出すことが、一番大切なのです。
その場の結論ありきの問題解決よりも、メンバーの合意形成に基づく結果が重要!
1-2.ファシリテーションをマスターするとこんなメリットが!
ファシリテーションによって会議を進行していくと、意見がまとまらないのではないかと不安になるかもしれません。
しかし、そんなことは全くなく、むしろ、メンバーによる信頼度が高まりより強いチーム、組織として成長していけます。
なぜなら、これまでの主張するタイプのリーダーではなく、メンバーの合意形成を優先させるため、
- 自分の意見が尊重されている
- 自分たちに寄り添ってくれるリーダーだ
- 自分たちの決定をサポートしてくれる存在だ
と頼りにされることになるのです。
この信頼度の高まりが、会議の雰囲気も良くしてくれ、結果、メンバーの合意形成がさらにしやすくなっていきます。
従来の会議よりもメンバーの満足度がUP!あなたへの信頼度も高まります。
2.具体的なファシリテーションの流れ
さて、このファシリテーションにはおさえておきたい流れがあります。
それが、
- 意見の発散
- 掘り下げ
- 合意への示唆
- 合意確認
です。
1の意見の発散とは、メンバーが感じている不安要素などを発散してもらうことです。
まずはリーダーが、会議で話し合いたい内容、問題点、合意形成したい方針などについて提案をします。
それを受けて、メンバーに、
- 疑問点
- 懸念点
などをとにかく出してもらうのです。
2の掘り下げとは、1で出た疑問点や懸念点をさらに深く掘り下げてみていく時間です。
様々に出し尽くされた意見をリーダーがまとめ、その中で
- 検討の優先順位をつけるとしたらどの項目か
- どちらの懸念点が深刻なのか
- 主となる疑問点はどれなのか
をメンバーに問い、意見を集約する時間になります。
3の合意への示唆は、合意形成に向けて方向性を定めることです。
2で論点を掘り下げる時間で、メンバーから多くの意見が出るはずです。
その意見を受けて、
- 〇〇の懸念点が解消されればこの提案で進めて良いということですね?
- 〇〇の対応がとれれば、この問題点は解決され反対はなくなりますか?
などというように、メンバーに問う形、示唆することで解決策を見出していきます。
4の合意確認は会議のまとめです。
意見の発散・洗い出しから論点の掘り下げ、そして解決策がメンバーによって決まれば、リーダーは「それでは、〇〇の方針をとることに決定します」と宣言することになります。
しかしここで重要なのは、合意の確認をすることです。一方的に宣言するのではなく、
- 〇〇の方針をとることに決定でよろしいでしょうか?
- Aのプランを進めることに合意いただけますでしょうか?
といった具合に、あくまでもメンバーに合意を表明させることが大切なのです。
3.ファシリテーションスキルの身につけ方
ファシリテーションのスキルを身につけたいのであれば、まずは家族や友人との関わり方を変えるのも一つの手段です。
例えば何かを決めるときに、自分の意見を主張して進めるのではなく、相手に意見を言わせ、その問題点をどうしたら解決できるかもサポートしながら相手に決めさせ、最終的にじゃあ、この方法でいいね?と、合意をさせることに重きを置きます。
普段の人付き合いを意識していると、いざ会議でリーダーを任されたときに、合意形成に向けた流れを発揮することができるでしょう。
その他にも、会議で使用するアイテム1つでも、ファシリテーションのスキルは身についていきます。
3-1.ホワイトボートを活用して行う/書き方
会議で使用するシーンの多いホワイトボード。あなたはどのように使っていますか?
- メンバーからの発言をとにかく書き上げる
- 文章ばかりダラダラと書く
- 黒一色を使う
- 書くところがなくなると消してまた書く
このような書き方では、ファシリテーターとは言えません。
これまでの会議で行われていた悪いタイプの議長です。
ファシリテーターなら、
- ポイントとなる要素を簡潔に書く
- パッと見てわかるように図やイラストも用いる
- 赤や青も使う
- ホワイトボードは消さないで残す
のがポイントです。
会議におけるホワイトボードの役割は、ただのメモではなく、メンバーの合意形成までのプロセスをまとめるものです。
会議中も、ホワイトボードをみればどうして今その論点について話し合っているかがわかり、会議後も、どのような流れで合意形成に至ったかを振り返ることができるものでなければいけません。
そのため、メンバーの発言を書き上げることは大切ですが、あくまでもポイントのみが強いインパクトで目に入るように書きましょう。
そして、文字だけでなく、簡単な図やメンバーへ刺激となるイラストも時には用います。
黒色だけで書いていては、みにくく、何が重要かもわかりません。
注目させたいこと、重要なことなどは赤色や青色を使って際立たせましょう。
そして何より大切なのがホワイトボードは消してはいけません。
合意形成までのプロセスをメンバーが把握できるよう、書けなくなればホワイトボードの裏も使い、場合によっては2枚目、3枚目のホワイトボードも使用します。
3-2.その他、便利グッズ(付箋・模造紙)の活用
優秀なファシリテーターであるためには、付箋や模造紙も活用しましょう。
付箋が特に活用される場面は、メンバーから意見を発散してもらうときです。
大勢の前で自分の意見を述べるのはとても勇気のいることです。
そんなときに、付箋に意見を書いてもらい、誰の意見かがわからないように回収します。
意見を出した人物の立場が影響されず、フラットな状態で全ての意見をメンバー同士が認識することができます。
そして、模造紙にその付箋を貼っていくのです。
大きな模造紙に様々な意見が貼り付けられ、それら全てをメンバーが常に確認することができます。
必要に応じて貼り替え、意見をまとめたり分類したりすることも可能です。
また模造紙は、ホワイトボードの替わりにもなります。
会議が白熱して当初予定していたホワイトボードの枚数では足りなくなったとき、模造紙にまとめていきましょう。
4.ファシリテーションの際に気をつけたい会場レイアウト
会議室というと、あなたはどんなレイアウトをイメージしますか?
- 机がきれいに並べられ、コの字や口の形になっている
- 椅子が均等に配置されている
- 予め座る席に暗黙の了解がある
こんなレイアウト、会議室では、予定調和な会議が粛々と行われていきます。
あなたがファシリテーターとしてスムーズな会議進行とメンバーの合意形成を目指したいのなら、もっと柔軟なレイアウトを心掛けましょう。
例えば、机をできるだけ円に近い形にして、メンバー同士の距離が縮まるように椅子の間隔を狭く配置してみる方法はどうでしょうか。
円なら、役職も関係なく等しい立場で意見を出し合えます。
他にも、机を2~4個使って小さなグループを作り、それを会議室にいくつか設けてみても良いでしょう。
まずは少人数で意見を出し合い、それを全体へとつなげていくのです。
会議室=堅苦しい場というこれまでのイメージを覆しましょう。
リラックスした雰囲気で会議に参加してもらうため、
- どうぞ好きな席にお座りください
- 好きな飲み物をとってお座りください
など、リーダーであるあなたから声かけ、仕掛けづくりをしていくと良いでしょう。
5.良いアイデアが溢れてくる!ブレスト方法
ブレストとは「ブレインストーミング」の略で、とにかくどんどんアイデアを出していく作業です。
ブレストを行う上で大切なのは、
- 質より量
- 結論を求めない
- 意見を否定しない
という点です。
ブレインストーミングは、ファシリテーションの流れで述べた、1の意見の発散の段階で行いましょう。
メンバーに、会議で課題となっていることについて疑問点、懸念点、改善点など思いついたことをなんでも付箋に書いていってもらうのです。
ファシリテーターであるあなたが気を付けてもらいたいのは、「結論は求めない」ことをメンバーに伝えること。
意見の発散で行うブレストは、これから掘り下げていくために必要な要素を集める段階です。
ここで結論ありきのアイデアを出していては、良い合意形成が得られなくなってしまいます。
そして、メンバーから出た意見は決して否定しないこと。
これはリーダーだけではなく、メンバーにも意識してもらいたいことです。
あなたが率先して、
「こんな貴重な意見も出ています」
「この視点からは新しいですね」
など、意見を肯定的に捉えるよう努めましょう。
6.ファシリテーションで重要な質問力を鍛えよう!
ここまでファシリテーションについて大きな流れ、ポイントをご紹介してきましたが、勘が鋭いビジネスパーソンは気付いているかもしれません。
ファシリテーターに必要なのは質問力だと。
ファシリテーターは、あくまで中立な立場で会議を進行し、メンバーをサポートしていくものです。
つまりファシリテーターは、会議を率先して引っ張る存在というよりは、俯瞰して会議を見守る存在といえます。
ファシリテーターには、
- メンバーの意見を聴く
- 意見を受け止め整理する
- メンバーに決めさせるために質問する
この3つの力さえあれば良いといえます。
その中でも、最も会議の質に関わるのが質問力です。
6-1.①ポジティブな言葉を使う
ファシリテーションで重要なのは、会議参加者の発言を促し、最終的に合意形成を得ることです。
先ほどのブレスト方法の項目でも述べましたが、会議で出た意見を否定してはいけません。
ポジティブに受け止め、ポジティブに質問して会議を促進させましょう。
マイナス要素ばかり気にするメンバーの発言には、
「確かにそのポイントは気になりますね…。このプランは難しいでしょうか?」
ではなく、
「重要なポイントを押さえていますね。〇〇が改善されれば、このプランはなお良くなるということですね?」
と質問することで、マイナス要素の確認と改善に向けての話し合いができるようになります。
少し的外れともとれる発言には、
「話が逸れているかもしれませんね…。今は〇〇が論点なので…」
ではなく、
「新たな指摘ですね。その視点から問題を捉えられたのはどうしてですか?」
と、話を聞くことで新たな要素がみつかるかもしれません。
自信がなさそうに発言するメンバーには、
「もっと大きな声で言ってもらえますか?〇〇という内容でしたが、どうでしょうか?」
ではなく、
「良い発言をしてくれましたね。他にもこの点を気にしていたメンバーもいるのではないでしょうか?」
と問いかけることで、発言者は救われ、他の同意者も発言しやすい雰囲気となります。
このようなポジティブな質問をすることで、全員が会議に前向きに取り組めるようになり、メンバー同士がお互いの意見を尊重し合うようになります。
6-2.②相手のために質問する
メンバーの合意形成ではなく、ただの結論を求めてしまっているリーダーが陥りやすいのが、自分のため、結論のためにメンバーに質問をするということです。
メンバーが何か意見を言うと、
「それより問題なのは〇〇の方ではないのか」
「結局〇〇のためにはどうするんだ?」
「それよりも良い方法があるだろ?」
などと、自分に有利になるような質問を投げているのです。
ファシリテーターであるなら、
- 相手が話しやすい
- 相手が深く考えることができる
- 相手が決断できる
相手のための質問をしましょう。
例えば、メンバーが何か問題点をあげたとします。
そうしたら、
「その問題点を解消するには何が一番の方法でしょうか?」
と質問して考えさせてみます。
メンバーが何か対策を提案したら、
「なるほど、良い意見ですね。この方法をとれば、〇〇の問題は解消されるということで良いですね?」
と、メンバーに確認し、決断をさせます。
簡単そうに見えて、質問をすることで会議を進行させるのは意外と出来ないことです。
日頃から相手のためになる質問をするクセをつけておきましょう。
6-3.③質問はシンプルに
これまで多くの日本企業で行われてきた会議では、議長が
ダラダラと長く
具体性のない質問
を行ってきました。
「ただ今、〇〇プロジェクトにおけるコストと人員などについて懸念の声があがっております。コスト削減と人員不足について何か意見がある方はいらっしゃいますか?」
このような質問の仕方では、
- コストと人員の話どちらの意見を出すべきか
- 解決策を出すべきなのか
- より深く検討すべきなのか
など、何を意見して良いのかがわかりません。
こういった場合は、
「コストと人員について、より深刻なのはどちらでしょうか?」
と問い、質問内容を1つに絞ります。
その上で、
「人員不足ですね。では、人員不足解消についてですが、人員確保のためにどのような対策が有効でしょうか?」
などと、具体的な質問を簡潔に投げかけます。
一つの文章には極力一つの質問とし、答えるメンバーにかかる負担を少なくしましょう。
7.チームは人の集合体!人それぞれに合った対応がポイント
ファシリテーションが有効に機能すると、チームが同じ方向を向き動いていきます。
そんなときファシリテーターであるあなたに意識して欲しいのは、チーム全体ばかりみるのではなく、メンバー一人一人に気配りをするということです。
人にはそれぞれタイプがあります。
そのタイプに合った対応をとることで、メンバーのモチベーションがあがり、結果としてより強いチームとなっていくのです。
7-1.タイプA 自己主張が強い直情型
自分の意見をどうしても認めさせたい、認められなければ冷静でいられなくなるような直情型のメンバーにはどう対応すると良いでしょうか。
このタイプは、自分の存在がないがしろにされていると感じるとモチベーションがあがりません。
そのため、
- チームで必要な存在であることを伝える
- 意見を広く共有していることを強調する
- 小さなグループのリーダーを任せる
などして、気分良くチーム内で活躍してもらうようにしましょう。
7-2.タイプB 体育会系の楽天型
体育会系の楽天型は、賞与が期待できない、業績が上がっていないなどの経済的な理由でモチベーションが簡単に下がることがあります。
また、自分の発想が生かせない、新たな挑戦ができないなどの自由度が低いことに不満を感じます。
そういうタイプには、
- 新規案件を任せたいと思っている
- 新たなサービス開拓を任せたい
- 君の裁量でプロセスを改善してもらいたい
などと訴えることで、新たな達成すべき目標を与えやる気を出してもらいましょう。
7-3.タイプC 献身的なサポート型
チームのメンバーをサポートすることでやり甲斐を感じるメンバーは、チーム内の協力体制が整っていない状況に不満を抱きやすい傾向にあります。
そういったタイプには、
- 率先してチーム間の調和をとって欲しい
- 情報共有できる体制を整えて欲しい
- メンバーにとってのモデルでいて欲しい
などと依頼しましょう。進んでチームのサポート役にまわってくれ、チームの強化にもつながるでしょう。
7-4.タイプD 冷静な分析型
チームがどのような方向に進んでいるのか冷静に分析するタイプは、懸念材料が残っていること、リスクが大きいことなどに不安を感じやすいです。
そういったタイプには、
- リスク管理のサポートをしてくれないか
- 代替案の立案を頼めるか
- 安全面の共有をチーム内にお願いできるか
と伝えることで、自らの不安を解消しながら、リスクの少ない業務へと導いてくれることでしょう。
8.「ケーススタディ」実際のファシリテーションの例
ここからは、ファシリテーションの流れの最終確認と、どのような質問を投げかけることで会議を進行していけば良いのか、1時間の会議という設定で具体例を見ながら確認していきましょう。
【会議開始前】会場レイアウトや飲み物の用意
「みなさん、お疲れさまです。
飲み物を様々に用意していますので、お好きな物を取ってお入りください。
今日は敢えて机と椅子はなくしています。
床に模造紙が数枚置いてあります。
その模造紙を、5~6人で囲むように、お好きにお座りください」
いつもの会議とは違うな?という期待感を最初に持たせましょう。
【会議開始】イントロダクション、話しやすい雰囲気づくり
「さて、本日は会議というよりワークショップのような形で活発に意見交換ができたらと思い、このような形にさせていただきました。
発言に関するルールなどは一切ありません。
どの発言も貴重な意見となるので、思ったことは自由に伝え合いましょう。
それでは、早速本論に入りますが、まず把握しておきたい全体像は…」
この会議の場はどんな発言をしても大丈夫だという安心感をメンバーに与えます。
【意見の発散(15分)】ブレストで洗い出し
「まずはこの方針に対して懸念されることを出していただけますか?
お手元にある付箋1枚に1つ、懸念事項を書いてどんどんと模造紙に貼っていってください。
実行する上で障害となること、難しいと感じること、不安に思っていること、なんでも結構です。
名前は書く必要はありません。思いついたことをあげていきましょう」
メンバーに深く考えさせずに疑問点などを多く洗い出してもらうことが目的です。15分では短いと感じた場合は、状況に応じて時間を延ばしても良いでしょう。
【掘り下げ(15分)】論点の絞り込み
「さて、各グループ素晴らしい意見を出していただきました。
ここから、主に議論するポイントを絞り込んでいきたいと思います。
まずはAグループ、模造紙をみると、大きくわけてどんな懸念要素がありますか?
……
全グループの貴重な意見からわかったことは、懸念点が5点あるということです。
この懸念点の検討に入りたいと思いますが、5点の内最も深刻なものはどれでしょうか?」
質問を簡単に具体的にすることで、メンバー自身に論点を絞り込ませます。ここが、最終的に合意形成がなされるかどうかの大きな分かれ道となります。
【合意への示唆(15分)】解決策の見出し
「最も深刻な懸念点は〇〇だということがわかりました。
そして、△△なら検討の余地があるという意見がありました。
△△の体制も前提に考えながら進めれば、この方針は問題ないでしょうか?」
最終的な合意形成に向けて方向性を定めるときです。方向性を決めるのに役立ちそうなメンバーの発言を元に、ファシリテーターが質問で合意へと示唆します。
【合意確認(15分)】メンバー全員で合意を表明
「それでは、△△の体制も前提に考えながらプランを進めることになります。
この方針をとることで、みなさん合意いただけますでしょうか?」
会議の結論はファシリテーター一人がまとめ宣言をするのではなく、最後もメンバーに質問し、メンバーに合意を表明させることが重要です。
会議をスムーズに進行することができる進行役、ファシリテーターは、
- メンバーに寄り添い
- 中立であり
- 着かず離れずの距離で
チームを動かす存在です。
ポジティブな姿勢でメンバーと向き合うことは、相手だけでなく、あなた自身のモチベーションを向上させることにもなるはずです。
参加者の全員が納得でき満足感を得られる会議を、あなたのファシリテーションスキルで作り上げてくださいね。
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