こんにちは!接客歴5年で延べ10万人以上の接客を行ってきた津田です。
部下を叱りたいけど、叱り方が分からない。と思っている会社員の方もいると思います。
部下から「パワハラだ!」と言われないか怖いですよね。
私も、部下を指導していた経験があるので気持ちは分かります。
今の時代、叱る側も気を遣いますよね…。
そんな方に今回は、部下へ対する上手な叱り方を紹介します。
叱った後のフォローの仕方についても記載してあるので要チェックです!
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1.【注意】叱り方を一歩間違えれば「パワハラ」に
20年以上前は、部下へ叱りつけてもそこまで問題になりませんでした。
しかし、現在ではちょっとしたことでパワハラ認定される世の中です。
現在では、企業の多くで「パワハラ相談」できる窓口を設けている状況で、叱る側からすると厳しい状況です。
自分では、そんなに叱っていないと思っても、部下がパワハラだと感じれば、あなたの叱り方が悪いという判断が下されます。
会社からパワハラ認定されると「左遷、減給、降格、退職勧告」へつながり不利益を被ることに…。
ご自身を守るためにも、上手な叱り方を身に付けて職場で生かしていただきたいと思います。
2.大切なのは怒るのではなく叱る
「怒る」と「叱る」は同じようで、実は意味合いが違います。
「怒る」は、自分の感情をぶつけることを指します。
例えば、部下が言うことを聞いてくれないから、自分の感情をぶつけるといった感じです。
つまり、自分さえ良ければOKというイメージです。
一方「叱る」は、部下のことを想って注意することを指し、自分よりも部下の気持ちを考えている状態。
つまり、部下への愛情が入っている状態です。
いかに、相手のことを想えるかが叱るときのポイントなのです。
3.部下が育つ!上手な9つの叱り方
この章からは、部下を立派に育てるための叱り方を紹介します。
部下が育てば、上司としての評価も上がります。
出世するためにも大事なことなので、最後まで読んでみてください。
3-1.①部下を叱るタイミング
部下がミスを犯した内容に対して、全て叱れば良い訳ではありません。
内容によって、叱るタイミングを変える必要があるのです。
例えば、Aの作業に関しては2回ミスをしたら叱る。
Bの作業に関しては、重要な作業だから1回ミスをしたら叱る。
というように、それぞれの作業がどれぐらいの重要度を持っているか認識することが大事なのです。
ただ、なかにはどの作業が重要度高なのか分からない方もいるでしょう。
その場合、各作業のシチュエーションをしてみてください。
例えば、ミスをしたら命に関わったり、会社へ大ダメージを与える作業内容は重要度高。
会社への影響がほとんどないものは重要度低。
というように、ミスが起きたらどうなるか想像してみてください。自然に重要度が分かるはずです。
3-2.②簡潔に!ダラダラ叱り続けない
長時間叱り続けるのも良くありません。ダラダラ叱ると、部下の時間を奪うことになります。
さらに、聞いている側はどこが重要なポイントか判断するのも難しくなるでしょう。
その結果「結局何が言いたかったの?」と思われ、叱った時間が無駄になるのです。
また、部下からの評判も下がります。
「説教が長いから、関わらないようにしよう」、「どうせ、ダラダラ叱るから聞くフリだけしよう」と思われるかもしれません。
すると、部下から尊敬されない上司となるのです。
叱るときは、ポイントを端的に伝えましょう。
話の内容も長くても3分程度に抑えることを意識し叱ってみてください。
3-3.③人前で部下を叱るのはNG!どこで叱る?
叱る際は、誰も人がいない場所で叱りましょう。
よくあるのが、他の従業員やお客様がいる目の前で叱るパターンです。
これは良くありません。なぜならば、部下が「恥ずかしさ」や「劣等感」を感じやすくなるからです。
周囲の人から「哀れ」だと思われているなど、ネガティブなイメージを持ちやすくなります。
その結果「この会社に居づらい」という気持ちが生まれ、退職したり引きこもりになるのです。
この事象が起こると、他の従業員から「叱り方が悪かったんじゃない?」、「部下の育成が下手」と上司が責められる原因へつながります。
そうならないために、誰もいない場所で叱った方が良いのです。
また、叱る場所も「トイレ」や「食堂」付近など、人が大勢通りそうな場所で叱るのは控えましょう。
「会社の屋上」や「部屋を抑える」など、誰も来ないような場所で叱ると良いです。
その結果、部下も叱られているときに劣等感を持ちづらくなるはず。
「部下に恥をかかせよう」という考えを持つのだけは、絶対に辞めてくださいね!
3-4.④なぜ?叱る理由を明確に伝える
「○○だから叱った」と、理由を伝えるのも大事です。
これを伝え忘れると、部下はなぜ叱られているのか分からない状態で上司の話を聞くこととなります。
その結果「なぜ叱られないといけないんだ」、「自分では正しいと思って作業しているのに」と言う想いを持たれやすくなり、部下からの評価も下がる一方でしょう。
逆に、叱る理由を伝えれば「今度から○○に気を付ければ良いんだな」、「○○にならないように仕事をする必要があったんだな」と部下の理解度も上がります。
その結果、部下も上司の想いを汲み取りやすくなり、上司が叱る時間をとった理由も知れるので、ギクシャクした関係にならなくて済むでしょう。
3-5.⑤部下にも質問をして話を聞く
一方的に上司が話しているだけでは、部下も話を聞くのが辛くなります。
また、部下も自分が正しいと思って仕事をしているので、上司に反論したいこともあるはずです。
そこで、部下に質問をして話を聞く時間を設けましょう。
ミスをしたことに対して「なぜこのような起こったと思う?」、「何がいけないと思う?」、「どんな理由で、この作業をしようと思ったの?」と細かく聞くのが大事です。
こちらから質問をすれば、部下がミスをした理由が、ハッキリ出やすくなります。
つまり、部下が再度ミスを起こさないための対策を練ることが可能なのです!
また、質問をする時も部下が怖がらないようにしましょう。
脅迫じみた形で質問をすると「パワハラ」で訴えられます。
質問するときは、感情を抑えて冷静に質問をしましょう。
決して質問をしている最中に「前回も○○って言ったよね!?」、「何で同じことをミスするの!?」と感情的にならないようにしてください。
これを意識すれば、部下も質問に答えやすくなるでしょう。
3-6.⑥叱るときは相手の人格・価値観を否定しない
「いつもボーっとしているから仕事ができないんだよ!」、「普段から、マイペースすぎるから仕事のミスが多いんだよ!」と相手の性格や価値観を否定するのも良くありません。
性格や価値観は、過去の環境によってつくられたものです。
「人格・価値観の否定=今までの人生・生き方を否定」されることになります。
人によっては、生きてきた価値がないと思い込んでしまう方もいるのです。
それが原因で、精神疾患を患ったり命を経ったりする方も0ではありません。
昔と違い、現在では個人の人格や価値観を肯定する世の中です。
大事なのは相手の人格や価値観を理解し、上司から歩み寄るということです。
相手の性格などを考えたうえで叱りましょう。
3-7.⑦感情的にならない!論理的に話すこと
感情的にならないのも重要です。
叱る人のなかには、イラついた部分ばかり指摘する方もいると思います。
しかし、それだと部下が反抗心を持つ可能性が上がり言うことを聞いてもらえない場合も。
そうならないためには「論理的」に話すのが大事なのです。
例えば、Aの作業に対するミスで叱る場合は「○○の方法で作業しなければならなかったにも関わらず、××の方法で作業をしたため、△△の事象が起こってしまった。
会社や取引先に◆◆という迷惑をかけるため、○○をしなければならない」という説明が良いでしょう。
伝えるときは「どんなミスをしたか?」、「なぜこのようなミスをしてはいけないか?」、「ミスをした結果何が起こるか?」という内容を順序良く話してみてください。
すると、部下もあなたの気持ちを分かってくれるはず。
3-8.⑧同僚と比較をしない
叱る人のなかには「○○さんは仕事ができているのに、どうして××くんは仕事の覚えが悪いんだ!」と同僚と比較する方もいると思いますが良くありません。
人と比較されると、部下も「自分なんて必要ないんだな」と自信を無くす原因となり、比較された同僚に対して「不快感」を持つ恐れもあるのです。
また、社内にはいろいろなタイプの方が働いています。
仕事ができる人だけではなく、仕事ができないなりに一生懸命頑張っている方もいます。
また、人によって得意分野も違うため、仕事ができる人ばかりではありません。
部下の自信をなくさないためにも、比較だけは辞めましょう。
3-9.⑨期待してることを伝え相手を肯定すること
叱りっぱなしでは、話を聞いている部下も気が滅入ってしまいます。
それを防ぐためには「フォロー」するのも大事です。
例えば「〇〇という気持ちは分かるけれど、3年後に従業員の見本として輝くためにも△△をしてほしい」と、部下へ対して期待していることを伝えましょう。
すると、部下も「頑張ろう!」という気持ちになって、仕事で成果を出してくれるはずです。
特に、平成時代に誕生した世代は怒られ慣れていない方も多いです。
フォローが無かったことによって、退社する部下も出てくるかもしれません。
退職者がたくさん出ると、部署内の仕事も大変です。
ぜひ、相手を肯定することも行い、コミュニケーションをしっかりとりましょう!
4.部下が育つ叱り方の例
この章からは、部下が育つ叱り方の例について紹介します。
例.営業成績が悪い部下へ叱るとき
あなた:「〇〇さんお疲れ様!」→誰もいない場所で声をかける
部下:「○○課長お疲れ様です!」
あなた:「営業活動は順調かい?」
部下:「は、はいなんとかやっています。」
あなた:「そっか~。なんとかやれているようだね。実はさ、今月の営業成績だけど先月と比べて20%も下がっているんだよね。」
あなた:「営業成績が下がった理由って何かある?」→部下に質問をして話を聞く
部下:「今月は、断られる回数が多くてモチベーションが上がらなかったと思います」
あなた:「そういう気持ちだったんだね。きっと、○○さんは繊細な性格の持ち主なんだね。」→叱るときは相手の人格・価値観を否定しない
あなた;「ただ、給料をもらっているわけだからそこは割り切る必要があるな。」
部下:「すみません。」
あなた:「〇〇さんは、次世代の営業エースとして期待しているからさ!何か困ったことがあったら、気軽に相談してよ!」→期待してることを伝え相手を肯定する
部下:「分かりました!頑張ります!」
3章の①~⑨までを参考に例文を記載しました。
人によっては、淡泊な感じがすると思います。
しかし、現代では「パワハラ」に厳しい時代です。自分を守るためにも、ネチネチ言うのは辞めましょう!
5.良好な関係を保つ叱った後のフォローの仕方
この章からは、叱った後のフォローの仕方として、いくつかの例文を紹介します。
用途に合わせて使い分けてみてください。
・部下の将来に期待していることを伝えたい
例文1.「今後、会社を引っ張っていく重要な人物になるはずだから、今回のミスを生かしてほしい」
例文2.「今は上手くいかないことも多いかもしれないが、それは成長している証だ。会社の中心人物になれるはずだから、これからも頑張ってほしい」
会社にとって大事な人材だということを伝えましょう。すると、部下も頑張ろうという気持ちになるはずです。
・日頃の頑張りを褒める
例文1.「日頃からもがきながら頑張っている〇〇の姿を見ているよ。経験が増えれば仕事も上手くいくはずだから一緒に頑張ろう!」
例文2.「他の従業員も、君が頑張っていることを褒めていたよ。頑張り続ければ、仕事の精度も上がるはずだから、持ち前のガッツを生かしてほしい」
部下が頑張る姿を、他の従業員が見ていることを伝えましょう。自分が頑張る姿を認められていると同時に、仕事の手を抜いてはならないという気持ちになり成長し続けるはずです。
・クヨクヨしてほしくないことを伝えたい
例文1.「仕事でミスをしてへこむことがあるかもしれない。しかし、年齢を重ねていけば楽しく仕事ができるようになるはずだ。この悔しい経験を生かして、仕事のスキルアップへとつなげてほしい」
例文2.「仕事でミスをしてプレッシャーを感じているかもしれない。しかし、それは今しか経験できないことだ。時が経てば、仕事でミスをすることが減ると同時に刺激もなくなってしまう。今を大事にすれば、年齢を重ねたときに仕事も楽しくなるはずだ!辛いことがあったら、いろいろ相談してほしい」
ここで諦めることなく、将来へ生かしてほしいという想いを伝えてください。部下も感極まり仕事を頑張ろうと思うでしょう。
6.叱るメリットと叱らないデメリット
叱ることって本当に良いことなの?と疑問を感じている人もいると思います。
この章では、叱るメリットと叱らないデメリットについて紹介します。
・叱るメリット
叱るメリットは、大きく分けて2つあります。1つ目は、あなたの愛情を部下へ伝えられることです。
特に、今まで叱られたことがない部下は、上司から本気で叱られることで、愛情を感じるでしょう。
叱ることで、孤独感から解放される部下も多いはずです。
また、部下の暴走を止めることも可能です。
上司から叱られなければ、一生間違った方法で仕事をし続けます。
しかし、叱られることで自分の間違いに気付くので、正しい仕事の仕方を覚えられるでしょう。
・叱らないデメリット
叱らないデメリットは3つです。
1つ目は、部下から舐められることです。部下のなかには、叱られないからと言って自由気ままに仕事をする人もいます。
放置した結果、会社の内部や業績に悪影響を与える恐れもあるのです。
2つ目は、他人に叱れないことです。例えば、AくんとBくんが同じミスをしたとします。
Aくんには叱ったが、Bくんには叱らないという状況が起きれば、他の従業員から「不公平!」、「人を選んで叱っている」と言われる場合があります。
その結果、会社での評判も悪くなるでしょう。
3つ目は、他従業員に悪影響を与える場合があることです。部下が他の従業員に迷惑をかけているにもかかわらず放置すると、部署全体の業務効率が悪くなることもあります。
その結果、部下と一緒に働く従業員はイライラし、最終的に「使えない上司」だと烙印を押されるのです。
よって、正当な理由があれば「叱る」べきなのです。
7.【補足】叱る勇気を持つ方法
最後に、叱る勇気を持つ方法を紹介します。行動と考え方を変えて、部下に適切な指導をしましょう!
・仕事だと割り切る
「叱る=仕事」だと割り切りましょう。
つまり、叱るのも給料の一部に含まれているという考えです。
この考えを持てば、叱ることを躊躇うことも減るはず。
その他にも、叱らないと「給料が上がらない」、「出世が難しくなる」というように、叱らなければならない理由をつくりましょう!
すると、叱るのが怖くなくなります。
部下を叱れば、人事評価が良くなりボーナスに反映されるかも…。と思ったら叱る気になるはずです。
・部下のためだと思い込む
叱ることは、部下にとって大事だと思い込みましょう。
相手のために叱っていると思えば、自分がやっている行為が「良いこと」だとイメージしやすいです。
「叱りたくないけど、部下を成長させるには大事なことなんだ!」と思えば、叱ることを躊躇うことも減ります。
・ハッキリ物事を言う行動をする
仕事やプライベートなど、心のなかで何か思ったことがあっても我慢している方もいると思います。その場合は、物事をハッキリ伝える習慣を伝えましょう。
例えば、一人で何でも仕事をこなそうとして辛いのを我慢している方は「他の人に助けを求める」。あるいは、子供が悪いことをしたのに叱れない人は「子供に対して叱る」ことなどをしましょう。
普段の生活でハッキリ伝えられる生活ができれば、部下を叱るのも楽になるはずです。
8.まとめ
叱ることに対して気を遣うことも増えてきましたが、仕事をしていると叱らなければならないときも出てきます。
正直、放置するのが一番楽ですが、その結果あなたに悪影響を及ぼします。
ぜひ、今回お伝えしたポイントを意識して、愛情を持った上で叱ってくださいね!
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