面接の日が近づくと、前の晩から眠れない。面接官の前に座った瞬間に頭が真っ白になり、用意した答えが出てこない。声が震えているのが自分でも分かり、焦るほど言葉が詰まっていく。そんな経験をくり返してきた人は少なくありません。
面接で緊張しない方法は、前日まで・控室・面接中の3つの時間に分けて使うと効きます。緊張を消すのではなく、緊張したままでも答えられる段取りを、面接の前に決めておくのが近道です。
この記事では、元NHKエグゼクティブアナウンサー・吉松欣史の監修のもと、面接で緊張しない方法9つと、頭が真っ白・声が震える時の立て直し方を紹介します。
- 前日・控室・本番で使う、面接で緊張しない方法9つ
- 頭が真っ白・声が震える時の、その場での立て直し方
- 緊張しすぎると落ちるのか、「緊張していますか」への答え方
面接で緊張しない方法9つ【前日まで】答えを丸暗記しない3つの準備

面接で緊張しない方法は、使う時間で3つに分けられます。前日までの準備が3つ、控室で使う3つ、面接中に使う3つです。緊張が強い人ほど、前日までに「答えられる材料」をそろえておくと本番が楽になります。
- 前日まで(①〜③)キーワードの準備・録画と模擬面接・早寝
- 控室で(④〜⑥)吐き切る呼吸・体をゆるめる・最初の一言
- 面接中に(⑦〜⑨)短い文・質問の繰り返し・緊張を伝える
① 答えはキーワードだけ覚えて、声に出して言い切る
志望動機や自己PRを文章のまま丸暗記すると、1語つまずいただけで続きが全部出てこなくなります。覚えるのは、答えの中心になるキーワードを3つほどだけにして、つなぎの言葉はその場の自分の言葉で話すようにします。
元NHK
アナウンサー
ヨシ
コメントを一字一句、丸暗記して本番に臨んだのに、始まった瞬間、全部、飛びました。
※出典:吉松欣史 講師プロフィール(私自身のあがり症体験:ルーキー時代の祇園祭の生中継)
キーワードが決まったら、頭の中で読むだけで終わらせず、声に出して最後まで言い切る練習をします。1つの答えを1分ほどで言い切れるまで繰り返すと、本番で言葉が多少入れ替わっても、話の筋がぶれなくなります。
② スマホで録画し、模擬面接で想定外の質問に慣れておく

答えを話す姿をスマートフォンで録画して見返すと、早口になる、目線が下がる、語尾が消えるといった自分の癖が見えてきます。癖は知っておくだけで直しやすくなり、本番で「どう見えているか」と気にする時間も減ります。
元NHK
アナウンサー
ヨシ
話し方の癖は、その人の実力ではなく反応です。まず自分の癖に気づくことから、伝わり方は変わっていきますよ。
※出典:TID「職場での話し方に関する意識調査2026」監修・吉松欣史のコメント

録画に慣れたら、家族や友人に面接官役を頼み、用意していない質問もいくつか混ぜてもらいます。想定外の質問で一度うろたえておくと、本番で同じことが起きても「練習でもあった」と落ち着いて受け止められます。
③ 前日は準備を早めに切り上げて眠る

面接の前日は、夜遅くまで答えを詰め込みたくなります。しかし寝不足のまま面接に臨むと、頭の回転が落ちて言葉が出にくくなります。服装と持ち物、会場までの道順を確かめたら、準備はそこで切り上げて早めに休みましょう。
面接前・直前の緊張をほぐす方法【控室の5分】
④ 息を吐き切ってからゆっくり吸う
緊張すると呼吸は浅く速くなります。深呼吸をする時は、先に口から細く長く息を吐き切ってから、鼻でゆっくり吸うのがおすすめです。吐き切った後の方が自然にたっぷり息が入り、心臓のどきどきも落ち着いてきます。

※出典:Zaccaro et al. (2018) How Breath-Control Can Change Your Life. Frontiers in Human Neuroscience 12:353
⑤ 肩と手の力を抜いて体をゆるめる

緊張すると、肩が上がり、手をぎゅっと握りしめたままになりがちです。控室では肩をすくめてからストンと落とす動きを数回くり返し、両手を開いて指先までゆるめます。体の力が抜けると、声も出しやすくなります。
⑥ 入室の挨拶と最初の一言を決めておく

緊張がいちばん高いのは、ドアを開けて話し始めるまでの数秒です。「失礼いたします」の挨拶と、名前を名乗る最初の一言だけは、言い方まで決めて控室でもう一度確かめておきます。第一声が出ると、続く答えも出やすくなります。
面接中に緊張しない方法【本番】

面接が始まってからも、緊張を軽くする方法はあります。ポイントは、うまく話そうとするより、面接官の質問に1つずつ答えることに意識を向けることです。話している最中に使える3つの方法を紹介します。
⑦ 一文を短く区切り、ゆっくり話す

緊張すると早口になり、一文がどんどん長くなります。「結論はこうです」「理由は2つあります」のように一文を短く区切り、文の終わりで小さく息を吐いてから次の文に進みます。自分では遅いと感じるくらいが、面接官にはちょうど良く聞こえます。
結論から短く話す話し方の型は、面接の話し方7つのコツでも例文つきで紹介しています。この記事では、緊張していても話の速さを保つことに絞ってお伝えします。
⑧ 質問を一度繰り返してから答える

質問を聞いた瞬間にすぐ答えようとすると、焦って話がそれやすくなります。「前の職場で苦労したこと、ですね」と質問の言葉を一度繰り返すと、考える時間が数秒生まれ、聞き違いにもその場で気づけます。
⑨ 緊張していると先に伝えてしまう
緊張を隠そうとするほど、体はこわばり言葉も詰まりやすくなります。声が震えてきたら、「少し緊張していますが、精いっぱいお話しします」と一言添えてしまうのも方法の1つです。言葉にすると、肩の力が少し抜けます。

実は、話し手が思っているほど、聞き手は話し手の緊張に気づいていません。面接官はメモを取りながら話の中身を聞いていることも多く、声の小さな震えまで気にしている人は多くありません。
※出典:Gilovich, Medvec & Savitsky (2000) The Spotlight Effect in Social Judgment. Journal of Personality and Social Psychology 78(2), 211-222
面接で緊張して頭が真っ白(言うことが飛ぶ)・声が震える時の立て直し方

頭が真っ白になったら、質問を確かめて3秒の間を取る
答えが飛んだら、黙り込む前に「確認させてください。〇〇についてのご質問でよろしいでしょうか」と質問を確かめます。それでも出てこない時は「少し考える時間をいただけますか」と伝えて、3秒ほど間を取って構いません。
言葉が出てこない時にその場で使える一言や、本番で頭が真っ白になる理由は、面接の話し方7つのコツでくわしく紹介しています。この記事では、体と声の立て直しを中心にお伝えします。
声が震える時は、息と一文の長さを整える

声が震え始めたら、まず吐く息を長めにして、次の一文を短くします。長い文を一息で言おうとすると息が足りなくなり、震えが大きくなるからです。お腹に軽く手を当てて、息が出ていくのを感じながら話すのも効果的です。
手が震える時は、膝の上で両手を軽く重ねておくと目立ちにくくなります。水が用意されている面接なら、一口飲んでひと呼吸置くのも自然な間の取り方です。震えを隠そうとするより、話を前に進めることに集中しましょう。
泣きそう・吐きそうなほど緊張した時

涙が出そうになったり、気分が悪くなったりした時は、無理に続けず「申し訳ありません、少しだけお時間をいただけますか」と伝えます。体調への配慮を求めることは失礼ではなく、落ち着いてから答え直す方が良い印象を残せます。
面接のことを考えるだけで眠れない日や、吐き気が何日も続く時は、自分だけで抱え込まないでください。後半の9章で、専門家に相談する目安と、相談できる窓口を紹介しています。
面接で緊張しすぎると落ちる?うまく話せなくても合格する人と落ちる人の違い

「緊張しすぎて、うまく話せなかった。もう落ちたに違いない」と落ち込む人は多いものです。しかし緊張していたこと自体で合否が決まることは、まずありません。面接官が見ているのは、話のなめらかさより中身です。
面接官は緊張そのものでは落とさない
面接官は、毎日のように何人もの応募者と向き合っています。面接で緊張するのは当たり前のことだと分かっているので、声が震えた、言葉に詰まったという理由だけで評価を下げることは多くありません。

面接官が知りたいのは、応募者がどんな経験をしてきて、入社後に何ができるかです。言葉に詰まっても、聞かれたことにまっすぐ答えようとする姿勢は伝わります。緊張している自分を責めるより、答えの中身に集中しましょう。
うまく話せなかったのに受かった人がしていたこと
「うまく話せなかったのに受かった」という人に共通するのは、質問の答えを最初の一文で言っていることです。途中で言葉に詰まっても、結論が先に伝わっていれば、面接官は話の要点を受け取れます。
元NHK
アナウンサー
ヨシ
ニュース原稿は、最初の一文で結論を伝えることが徹底されています。いつ映像が切り替わっても、視聴者が理解できるようにするためです。
※出典:TID「職場での話し方に関する意識調査2026」監修者コメント
緊張しない人が落ちることもある理由

反対に、まったく緊張せずにすらすら話せた人が落ちることもあります。用意した答えを流れるように話すことに気を取られ、面接官の質問の意図からずれた答えを返してしまうためです。なめらかさは、合否を決めるものではありません。
面接官に「緊張していますか」と聞かれた時の答え方と例文

面接の冒頭で、面接官から「緊張していますか」と聞かれることがあります。これは試す質問ではなく、多くの場合、応募者の緊張をほぐして話しやすくするための声かけです。正直に答えて構いません。
「はい、少し緊張しています」に一言足す
答えは「はい、少し緊張しています」で十分です。そこに「御社の面接を楽しみにしていたので」「精いっぱいお話しします」と前向きな一言を足すと、緊張を認めたうえで意欲も伝わり、面接の空気がやわらぎます。

反対に、緊張しているのに「いえ、大丈夫です」と強がると、その後の声の震えが余計に気になってしまいます。言葉にして認めてしまう方が、自分の体も落ち着きます。笑顔が出なくても、はっきり答えられれば十分です。
自己紹介で「緊張していますが」と言ってよいか

自己紹介の最初に「緊張していますが、よろしくお願いします」と添えるのは、悪いことではありません。ただし、何度も口にすると言い訳のように聞こえることもあります。言うのは最初の一回だけにしておきましょう。
自己紹介そのものの緊張がとくに強い人は、自己紹介の緊張がやわらぐ考え方も読んでみてください。克服しようと力むほど緊張が強くなる理由を紹介しています。
面接で緊張しすぎる・あがってしまう原因:場数を踏んでも慣れない理由

面接で緊張しすぎるのは、性格が弱いからでも、努力が足りないからでもありません。緊張が強くなる仕組みを知っておくと、ここまでの方法をなぜ使うのかが分かり、本番で自分を責めにくくなります。
「評価される自分」に意識が向いている
面接中、意識は「変に思われていないか」「声の震えがばれていないか」と、自分の見られ方に向きがちです。自分に意識が向くほど、小さな体の反応まで気になり、さらに緊張が強くなるという悪い循環が起こります。

吉松欣史の指導の3つの柱の1つは、「どう見られるか」への意識を「何を届けるか」へ転換することです。面接なら、自分の評価ではなく、面接官に伝えたい経験の中身に意識を向けます。質問を繰り返す⑧も、そのための方法です。
※出典:吉松欣史 講師プロフィール(指導の3つの柱・トライアングルメソッド)
前の面接の失敗を思い出している

以前の面接で頭が真っ白になった経験がある人は、次の面接でも「また同じことになる」と身構えます。この身構えが、体を固くして声を震わせます。吉松欣史自身も、入社当初は人前に立つと頭が真っ白になっていました。
元NHK
アナウンサー
ヨシ
実は、入社当初の私は、人前に立つと声が震え、頭が真っ白になっていました。
過去の失敗の記憶は、安全な場で「話せた」経験を重ねることで上書きできます。家族や友人との模擬面接で答え切れた経験は、次の本番の支えになります。②の練習を本番の前に何度か入れておくのは、そのためです。
答えを丸暗記している

丸暗記した答えは、1語でも忘れると続きが出てこなくなるため、「忘れたらどうしよう」という新しい不安を生みます。①で答えをキーワードだけで覚えるのは、この不安を小さくするためです。
TIDの調査では、人前で話す緊張に悩む当事者の84%が10年以上この悩みを抱えていました。回数を重ねるだけでは軽くならないからこそ、準備の仕方を変えることが大切です。
※出典:TID「人前で話すことに関する意識調査2026」(当事者125名・2026年5〜7月)
転職面接・最終面接・Web面接で緊張する時の備え方

面接の種類によって、緊張しやすいポイントは少しずつ違います。転職の面接、役員が出てくる最終面接、Web面接や電話面接では、それぞれ先に備えておくと楽になることがあります。違いを先に整理しておきましょう。
- 転職・中途の面接前の仕事の経験を1分で話せるようにしておく
- 最終面接・役員面接入社したい理由を自分の言葉で言えるようにする
- Web面接・電話面接カメラの位置やメモを置く場所を先に決める
転職面接・最終面接(役員面接)の緊張

転職の面接では、前の職場での経験を短く話せるかどうかで、落ち着きが大きく変わります。最終面接では役員の前で緊張が強くなりがちですが、聞かれるのは入社の意思が中心です。自己紹介や逆質問の例文は、転職面接の話し方と自己紹介・質問5つの答え方を参考にしてください。
Web面接はカメラを見て話し、画面の自分の顔を隠す
Web面接では、画面に映る自分の顔が気になって緊張が強くなる人が多くいます。設定で自分の映像を小さくするか隠し、カメラのレンズを相手の目だと思って話すと、自分の見られ方に意識が向きにくくなります。
電話面接は手元のメモと静かな場所を用意する

電話面接は相手の表情が見えないぶん、沈黙が長く感じられて焦りがちです。静かな部屋を確保し、答えのキーワードを書いたメモを手元に置いておきます。相手に見えないので、メモを見ながら話しても問題ありません。
面接の緊張でよくある誤解・注意点

緊張をゼロにしようとしない
面接で緊張しない方法を探している人ほど、緊張をまったく感じない状態を目指しがちです。しかし、大事な面接で緊張するのは、その会社に本気で入りたいと思っているからこそです。ゼロにしようとするほど、少しの緊張に慌ててしまいます。
目指すのは、緊張していても準備した答えが出てくる状態です。この記事の9つの方法も、緊張を消すためではなく、緊張したままでも答えを進めるための手順として使ってください。それだけで面接の怖さはかなり変わります。

眠れない・動悸が続く時は相談する
面接で緊張するのは、誰にでも起こる自然なことです。ただし面接以外の1対1の会話にも支障が出て、仕事や生活に困りごとが続く時は、社交不安症という病気が隠れていることがあります。次の目安に当てはまる時は、自分で決めつけず専門家に相談してください。
- 目安1:1対1でも意見が言えない親しくない人に意見を言えず、困っている
- 目安2:避けて生活に支障が出る人前に出る不安で面接や仕事を断り続けている
- 目安3:心と体の不調が続く眠れない日や動悸、気持ちの落ち込みが続く
日本精神神経学会の解説では、大勢の前であがるのはごく正常だとしたうえで、病気としての社交不安症は1対1の関係にも支障が出て、そこまで親しくない人に自分の意見をはっきり言えない状態だと説明しています。
※出典:日本精神神経学会「永田利彦先生に『社交不安症(社交不安障害)』を訊く」

⚠️ 相談先
目安に当てはまる時は、心療内科・精神科に相談してください。どこに相談すればいいか分からない時や、働く人の心の悩みは、厚生労働省のこころの耳で、相談できる窓口を調べられます。
社交不安症は、かつては対人恐怖症という性格の問題として扱われていましたが、今は治療で改善できる不安の病気です。会議や電話が怖くて困っている人は、対人恐怖症を克服する5つの順番も読んでください。
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※勉強会は社交不安症などの治療を目的としたものではありません。通院中・治療中の方は、勉強会ではなく主治医にご相談ください。
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面接の緊張についてよくある質問
Q面接の前日に緊張して眠れません
Q面接で死にそうなほど緊張するのはおかしいですか?
Q面接官も緊張しているのですか?
Q何回面接を受ければ慣れますか?
Q緊張して話せなかった面接の後はどうすればいいですか?
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