こんにちは、15年間コールセンターで人材育成に携わっていた、下原マヤです。
職場にひとりはいる「いつも機嫌が悪い」人。「困っちゃうな~」と思いませんか?
何だかいつもトゲトゲしていて、ツンツン、ケンケン、プンプン、ガミガミ。
最初は「私が何か気に入らないことをしてしまったの?」と心配になりますが、あまりに度が過ぎると「何が気に入らないのか知らないけど、仕事中なんだからちゃんとしてよ!」と頭にくることもあるでしょう。
今回はそんな「機嫌が悪い人」への対処法です。
私は仕事でたくさんの人にお会いしてきましたが、やはり「いつもご機嫌が・・・」という方もいらっしゃいました。
その度に、下手に出てみたり、逆に少し上から接してみたり、休憩時間にコミュニケーションを図ろうと冗談を言ってみたり。
しかし結果はどれも上手くいかず、さすがにイライラしてしまい「こういう人とは合わないのかも」と投げ出してしまったこともあります。
ですが実際の仕事では「あの人とは合わないから一緒に働けない」というわけにはいきません。
今回ご紹介する方法で、身近にいる「機嫌が悪い人」ともう一度向き合ってみませんか?
手品と同じで、タネがわかってしまえば「なんだ!そんな簡単なことだったのか!」と笑ってしまうかもしれません。
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1.機嫌が悪い人はどうして怖いのか
大人になると、相手が特別に狂暴な人でない限り「怖い!」と本気で恐れることはあまりありません。
ところが、機嫌が悪い人と言葉を交わしたり、近くで仕事をしていたりすると「怖い」と感じることが多いでしょう。これはなぜでしょうか。
主には「相手に嫌われたくない」という心理があるからですが、同時に「人に好かれようとしないその人」が理解できず困惑しているのです。
人は自分が理解できない人に対しては少なからず恐怖を覚えます。
”人生のタスク”とは
私たち人間は日々様々なタスクを完了しながら生きています。
タスクの内容は、起きる、寝る、食べる、という「ひとりでも完了できるタスク」から、
働く、友人と会う、恋人と話をする、などの「相手がいないと完了できないタスク」まで様々です。
ある心理学者はこの「相手がいないと完了できないタスク」を「ライフタスク」と分類しました。
ライフタスクは「交友」「愛」「仕事」に分けられ、「いずれも生きて行く上で誰もが直面しなければならない幸せの為の課題」と定義しています。
ライフタスクは3つ全て満たされていなければバランスが取れません。3つのライフタスクが全て満たされた時に、初めて人は前に進んでいくことができるからです。
「仕事は上手くいっているけど、家族がバラバラになってしまった」という人は幸せでしょうか?「恋人はいるけど、嫉妬深くて友人と会うことすら許されない」「友達はいるけど仕事がない」という人はどうですか?
ライフタスクのバランスが大切
人間は常に何かを他者と共有していなければ心が満たされないという性質を持っています。
例えば言葉が通じない外国へ単身で出向き、人とコミュニケーションを取ることができず、誰とも何も共有できない生活が続くと、人の心は行き場を無くしてしぼんでしまいますよね。
それはライフタスクである3つの内「交友」が満たされないからです。
お腹がすいたら「食べたい」と感じることと同じで、ライフタスクが欠けていれば、欠けている部分を補おうとするのが人間です。
ところが、機嫌が悪い人は「交友」が欠けたままでも良しとしています。
ライフタスクのバランスが崩れたままの状態で放置しているのです。
その結果、機嫌が悪い本人だけでなく、周囲はその人との「交友」を断ち切らざるを得ません。
人が無意識に「嫌われたくない」と感じるのは、コミュニケーションが上手く取れないことによって、ライフタスクのバランスが崩れることを恐れているのです。
2.機嫌が悪い人の特徴と心理
「機嫌が悪い」と一口に言っても、そのタイプは様々です。ここでは機嫌が悪い人の特徴とその心理を見てみましょう。
2-1.無表情
表情が無い人というのは「何を考えているのかわからない」と言われることが多いですよね。
それこそが無表情でいる人の目的です。「自分の気持ちを悟られたくない」という心理が無表情を作り出します。
例えば「本当は悲しいけど、相手に心配をかけたくない」など「交友」の気持ちが働いている場合は真逆の笑顔を作り出すことがあるでしょう。また「本当に悲しくて、この気持ちを伝えたい」と思えば悲しい顔をします。いずれも「交友」を求めています。
ここで注意したいのは、無表情の人が「自分の気持ちをわかってくれなくていい」「どう思われても構わない」という気持ちを持っていることを知って欲しくて「無表情」という選択をしているということです。
「自分は周囲とのかかわりを断とうとしている」とアピールをしているのです。その根底には「承認欲求」が働いています。
本当に心底、人に気持ちを知られたくないのであれば、表面上は周囲に合わせて、本音は誰にも話さない、という方法を取ることもできます。しかし、無表情という形であっても、少なからず態度に出ている時点で「本当は周囲との交友を求めている」と言えるでしょう。
2-2.目を合わせない
「目は口ほどにものを言う」といった言葉があるほど、目を見ればその人の感情がある程度は読み取れるでしょう。
「無表情」と同じように、「自分の気持ちを相手に伝えたくない」という心理です。
しかし、無表情と違うのは多少なりともそこに「後ろめたさ」を感じているところでしょう。「目を合わせたら自分のネガティブな感情を伝えてしまう」ということを危惧しています。
よく「嘘をついていると目を合わせられない」ということがあるのと同じことです。
無表情に比べると「交友」の断ち方は若干弱めです。目を合わせなければ、人によっては「どうかしたの?」と聞いてきます。聞かれて説明のつく機嫌の悪さであれば良いのですが、説明することができない機嫌の悪さ・・自分でも何が気に入らないのかわからないという場合は、目を合わせないという方法が有効ではないことを本人が知っているはずです。
この場合ももちろん「本当は自分の気持ちを知って欲しい」という承認欲求が働いているといえるでしょう。
2-3.文句を言う、物に当たる
何かにつけて文句をいう、音を立てる、といった機嫌の悪さもあります。
信号が赤になっただけで舌打ちをしたり、誰かが些細なミスをしただけで「何やってるの?!」と怒ったり。パソコンのキーボードを強く叩いて音を出したり、机を拳で叩く、という方法で表現する人もいます。
周囲としてはその怒りが自分に向けられていないことが分かっていてもドキッとするものでしょう。
文句を言ったり、音をたてたりする行為は、自分の機嫌の悪さを周囲に知らしめたいという心理が強く働いています。
周囲から「どうしたの?」「何かあったの?」と聞いて欲しいのです。当然、承認欲求がかなり強いことがわかります。
「自分の意見を尊重して欲しい」「自分が正しいと言って欲しい」という欲求です。承認をしてもらいたいのであれば、誰かに「自分が怒っている」と知らせる必要があります。
その為にわかりやすい感情表現をするのです。
3.機嫌が悪い人の気持ちを想像してみる
見るからに機嫌が悪い人に接することは、大抵の人にとっては苦痛でしょう。もちろん私自身もそう思っていました。
しかし、機嫌が悪い人も「今日も1日機嫌悪くいよう!」と思って1日を始めるわけではありません。
「今日こそイライラしない」「今日は良い気分でいたい」と思っています。それなのに「今日もイライラしてしまった」「やっぱり今日もムカついた」と思いながら眠りにつきます。
脳には「イライラしていると物事をネガティブに捉えやすい」という性質があります。
あなたがイライラしていた日のことを思い出してみてください。何かのきっかけでイライラしていたら、その日1日イライラしているのではありませんか?
いつもと同じ電車に乗っているのに、やけに隣の人のカバンが身体に当たることが気になったり、いつもと同じお店でランチを食べているのに、何となくいつもより待たされているような気がする・・。
それは、イライラしていることによって、いつもと同じ物事のネガティブな面がクローズアップされているのです。
機嫌が悪い人は、そんなことを毎日繰り返しています。それがわかれば「あの人は元々ああいう人なんだよ」と決めつけてしまうことを躊躇してしまいませんか?
4.機嫌が悪い人への話し方
では、ここから「機嫌が悪い人」への具体的な話し方をみてみましょう。
やることは簡単です。ただし、あなたの心構えは難しいかもしれません。
「嫌な顔をされたくない」「邪険に扱われたくない」という気持ちは必ず出てきます。
でも!何かを手に入れる為には、険しい道はつきものです。
大丈夫です、命を取られるわけではありません。「一瞬だけ頑張ってみる!」という気持ちで、機嫌が悪い人へ近寄ってみましょう。
4-1.「あやす」と考える
自分の機嫌を露骨に出してしまう人というのは、簡単に言えば「子供」と同じです。
「自分の機嫌の悪さ」が招く事態を想像できない、または想像できている上でやってしまうのですから、もしかしたら子供よりさらに子供なのかもしれませんね。
大人のあなたは、目の前に「機嫌が悪い子供」が現れた時、どうしますか?
きっと「どうしたのかな?」「お腹がすいてるのかな?」と、その子供に質問をしますよね。また、質問をすることで「何でもいいから、この子供の口を開かせたい、何かヒントがあるかも」とも考えるのではないでしょうか。「どうしたの?そんな顔しないで」「何があったの?泣かないで」とあやすでしょう。
機嫌が悪い人も同じです。「あやす」と考えて話しかけてください。相手を自分と同じ大人だと思うから戸惑うのです。相手は大人のように見える「子供」です。
子供言葉で話しかけるわけにはいきませんが「どうしたんですか?そんな怖い顔して」「何かあったんですか?みんな心配してますよ」という風に。
機嫌が悪い人との関係性にもよりますが、可能であれば「機嫌が悪いんですか?」と直球で聞いてみることも有効です。
機嫌が悪い人は反発心が強いので、あなたが何を言っても「そんなことない!」と答えます。それを利用するのです。「機嫌が悪いんですか?」と聞かれて「そんなことない!」と答えてしまったら、その先「機嫌が悪そうな態度」を続けるわけにはいかなくなります。
少なくとも、あなたへは「で?何?」と話しを促さずにはいられないのです。
4-2.至近距離で話す
機嫌が悪い人は、自然と周囲に距離を置かれています。触らぬ神に祟りなし、と言わんばかりです。その為、機嫌が悪い人のパーソナルゾーンは自然と広くなっているのです。そこにあなたはガッツリ入ってみましょう。
普通、パーソナルゾーンに入られると人は嫌がります。しかし何からの理由で必要以上に広くなってしまったパーソナルゾーンに、人が入ってくると安心するという心理があるのです。
例えば、今あなたはとっても汗臭い、とします。自分でもわかっていますし、周囲は明らかにあなたの汗臭さを嫌って近寄ってきません。「汗臭い」という理由で、いつもよりもパーソナルゾーンが広くなっている状態です。
そこに、誰かがひとりだけポンと入ってきたら、どうですか?
グッと近い距離で「どうしたの?今日汗臭いね、忙しかった?」と問われたら「うん、実は急に家のシャワーが壊れちゃって」と言い訳をすることができますし、何より相手に「この人は正直だ」という感想をもつでしょう。
もしくは「この仕事のことで聞きたいことがあるんですが、ちょっといいですか?」など、汗臭いことに触れず無関係のことを言われても「この人にとっては話の内容が大切なんだな」「表面上のことと中身を混同しないんだな」と思うでしょう。
これと同じことを機嫌が悪い人にすれば良いのです。
できるだけ、機嫌が悪い人に近寄ってください。隣の席に座る、目の前に立つ、など「必ずその人のパーソナルゾーンに入る」ということが大切です。
パーソソナルゾーンは男性は狭く、女性は広いという基本的な特徴があります。
そこに「機嫌が悪いことによってできているパーソナルゾーン」も加わっていますので、自然に話すことができる位置に入ればまず問題はないはずです。
「自分は機嫌が悪くてみんなにも距離を置かれているのに、この人は違うんだな」と機嫌が悪い人に気付いてもらうことが目的です。「交友」の第一歩目と考えてください。
4-3.「どうして?」×3回
機嫌が悪い人と話をする時には「どうして?」という言葉を意識的に使ってみましょう。
心無い対応をされても「どうしてそんなことを言うんですか?」「どうしてそんなに投げやりなんですか?」など、あなたが思っていることを聞いてみてください。
この時にケンカ腰で言ってはいけません。ただのケンカが始まってしまうだけです。
「○○さんって、そんな人じゃないでしょ?どうして?」と純粋な疑問として聞いてみることが大事です。「だって・・○○だから」と何でも答えてくれたらチャンスです。「○○?どうしてそう思うんですか?」と最低3回は掘ってみてください。
これは機嫌が悪い人へ「交友」のチャンスをあげる為です。
口では何とでも言えても、人間である以上ライフタスクを満たさずにはいられないはずです。機嫌が悪い人は交友を求めていないのではありません。交友の仕方がわからないのです。
そのきっかけをあなたが作れば良いのです。
人間は「自分のことを話すことが好き」というのは心理学でも証明されています。「どうして?」と聞くことで、機嫌が悪い人の承認欲求を満たししましょう。
機嫌が悪い人が、あなたの「どうして?」という問いかけに答えなかったり、席を立ってしまったら、その場は諦めてください。
また、折をみて同じことを仕掛け続けてください。機嫌が悪い人は、あなたが問いかけたことに対しての答えを無意識に探しています。
いつか必ず答えてくれます。
4-4.キャッチアンドリリース
機嫌が悪い人があなたの「どうして?」の問いかけに少しでも答えてくれたら、「わかりました、○○さんってそんな風に思ってたんですね」と受け止めて、終わりです。
質問に答えたら、解放してあげましょう。
これは、機嫌が悪い人自身に、あなたへ話したことを振り返ってもらいやすくするためです。
「人間は自分のことを話すことが好き」というのはお伝えしましたが、その一方で「人間は人の話を聞くことが苦手」です。機嫌が悪い人に「悪い気分じゃなかった」という印象を残す為には、あなたは多く語るべきではありません。
機嫌が悪い人があなたとの会話をプレイバックした時に「自分はこんなことを言ったな」というところだけが残れば良いのです。
悪い気がしなかったというだけでも、あなたへの見方を少し変えてくれるはずです。
ちなみに・・・
「気持ち、わかります」という共感はこの場合あまり適しません。機嫌が悪い人は自分の中にあるイライラした気持ちは自分にしかわからない、と思っています。
負の感情を共有するということはとても難しいことだからです。
「あなたがそう思っていることはわかりました」という、受け止めるだけで十分ですし、それが事実です。
「交友」は何でも分かり合えることだけをいうのではありません。「相手を許容する」ということも交友に違いはありません。
4-5.笑いに変える
「機嫌が悪い人を笑わせる」というのは難しいことだと思いますか?
笑いとは「緊張と緩和」です。緊張の中に緩和が生まれた時に笑いは起こります。
通常は「緩和すること」よりも「緊張を作る」方が難しいのですが、機嫌が悪い人は自ら「緊張」を作ってくれています。とてもありがたい話ですね。
あなたは「緩和」をするだけです。難しいことを言う必要はありません。機嫌が悪い人はあなたに対して構えています。「きっとオドオドするだろう」「嫌いだと思うだろう」とネガティブな反応を想像しているでしょう。
そんな時に、
など、「ちょっとおちょくってんのかな?」と相手が思うくらいのことで良いのです。
機嫌が悪い人は周囲にそんな冗談を言ってくれる人はいません。いざ言われてみると「からかうな!」「やめて!」と言いながらもつい笑ってしまっています。
「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ」これはアメリカの心理学者、ウィリアム・ジェームズの言葉です。顔の筋肉を笑顔の形にすることで、脳が「楽しい」「面白い」と感じてしまうという仕組みです。
機嫌が悪い人を少しでも笑わせることで、機嫌が悪い人の脳に「楽しい」「面白い」という信号を送りましょう。これを繰り返せば、「機嫌が悪い人」から「まぁまぁ機嫌が悪い人」「時々機嫌が悪い人」へと変化していきます。
「交友」には物事を共有するということも含まれています。
機嫌が悪い人をちょっとでも笑わせることができたら、その瞬間あなたと機嫌が悪いひとは「交友」しているのです。
5.機嫌が悪い人へのNGワード
「機嫌が悪い人」は接しにくいものです。その為、つい間違ったアプローチをしてしまうことがあります。
ここからは、機嫌が悪い人へは向かない言葉を紹介します。
5-1.「すみません」
「機嫌が悪い人は怖い」という思いから、つい謝ってしまいがちです。しかし「悪いことをしていないのに謝る」という行動は、相手に対して「不信感」を与えます。
「思ってもないことを言う人」と認識されてしまうと、その後何を言っても「どうせ嘘だ」「お世辞だ」と良い印象を持ってもらえません。
また、社会人であれば「すみません」という言葉が、比較的言いやすいお詫びの言葉であることも知っているでしょう。本当に悪いと思えば「本当に申し訳なかった」などと言葉が変わってくるはずです。
「軽々と謝る人」「思っても無い事を言う人」と機嫌が悪い人に認識されてしまうと、あなたと機嫌が悪い人の距離が広がってしまいます。
5-2.「良かったら」
機嫌が悪い人へは、まさに「腫れ物に触れるように」接する人が多いでしょう。つい「良かったら」というクッション言葉を使いたくなります。
しかし、機嫌が悪い人は聞かれたことは大抵「良くない」のです。と、いうよりも「良くないという体裁を保たなければならない」のです。なぜなら自分が機嫌が悪い人を演じ続けなくてはならないから、です。
あなたにも経験がありませんか?
何かがあってとても機嫌が悪く、周囲の人に嫌な気分を持たせていることが明確な時に「良かったら・・・これやってくれない?」と言われても、素直に「いーよー」とは言いにくいでしょう。
「良かったら」という言葉は、本来相手の選択肢を増やす為の言葉ですが、相手が機嫌が悪い人の場合は逆に、選択肢を少なくしてしまいます。
「こうして欲しい」「これをお願いしたい」と要求はストレートに伝えましょう。
5-3.「みんなやってるから」
「言いにくいな」と感じていることを、機嫌が悪い人に伝える時に、つい「みんなやってるから」と言ってしまうことがあるのではないでしょうか。
しかし、この言葉は機嫌が悪い人にはNGです。
機嫌の悪さを表す人は承認欲求が強くなっています。「その他大勢と一緒にされたくない」という気持がとても強くなっているのです。
そんな時に「みんなやってるから」という、みんなとごちゃ混ぜにするような伝え方はやめましょう。
「あなたにこれをやって欲しい」と個人を立てる言い方を選ぶようにしてください。
5-4.「○○さんに言われたから」
誰かに、機嫌が悪い人へお願いしたい仕事を言付かった時に、機嫌が悪い人に「押し付けられた」と思われない為に言ってしまいがちな言葉です。
機嫌が悪い人に嫌な顔をされたりしたら、「私が頼んでいるんじゃない、○○さんに言われたからあなたに頼んでいる」ということを言いたくなるのは当然ですよね。
しかし、承認欲求が強くなっている人は、自分が選ばれた理由にこだわりますし、他人の気持ちひとつで押し付けられることを嫌います。
そこで、「○○さんはあなたなら上手くまとめてくれるからお願いしたいっていってる。私も確かにあなたが適任だと思うんだけど、どうかな?」などと、「○○さんがあなたを選んだ理由+相談ベースで伝えることが効果的です。
すると、機嫌が悪い人は「自分が選ばれた理由」がわかるだけでなく、「自分がやるかどうかを決めた」と満足することができます。
5-5.「困る」
機嫌が悪い人の言動が目に余った時、つい言ってしまいたくなる言葉ではないでしょうか。「あなたのそういうところ困るんだよね」と言えたら、あなたはスッキリしますよね。
または、頼みたい仕事があって「何が何でも断られたくない」と強く思った時に「やってもらわないと困る」と言ってしまったり。
でも、言われた方はどうでしょうか?
「困る」という言葉は、簡単な言葉である割に、案外威力を持っています。ニュアンスとして強い意味を持つ言葉だからです。強い言葉は相手を追い詰めます。機嫌が悪い人をネガティブな方面に追い詰めては逆効果です。
などと言い方を変えてみましょう。
承認欲求が強い「機嫌が悪い人」は、きっとあなたの話を聞いてくれます。
6.大人は自分の機嫌は自分で取る
子供は自分の感情をコントロールする力が足りず、大人に機嫌をとってもらいます。
何かが欲しければ、ねだって買ってもらえるようにしたり、さみしいのであれば、さみしさを訴えてそばにいてもらったりします。
しかし、大人になるとそれは「わがまま」「自分勝手」「大人げない」という言葉にまとめられてしまって、人格を否定されてしまうことも少なくありません。
人間は感情に支配されやすい動物です。「成長をする」ということの中には「感情を自分でコントロールする」ということも含まれています。
そのため、本当は「大人なら、自分の機嫌は自分でとるべき」です。
しかし、人には様々な環境や事情があります。それは傍からみるだけではわかりません。
「機嫌が悪い」というところだけを切り取って見るのではなく、少しだけ歩み寄ってみませんか?
「機嫌が悪い人」は言い換えれば「自分の気持ちに嘘が付けない人」とも言えます。
勇気を出してコミュニケーションを取ってみたら「こんな人だったんだ!」と驚くことも珍しいことではありませんよ。
どうしても職場に嫌な人がいる場合は、職場を変えるのも1つの手段です。TIDでは300人を対象に人気の転職サイトを徹底比較してランキングにしています。→【最新版】転職サイトランキング