新入社員からベテランまで!電話対応のプロによる電話マナーの極意!

こんにちは!

銀行で電話対応やビジネスマナーの指導と教育を6年してきましたクミコです。

最初はクレームで怒鳴られてしどろもどろになってしまったり、お客さまの話している事が理解できなくて怒られたり、本当に辛くて

「どうすれば電話対応をうまくこなせるのか・・・この辛さから脱出できるのだろうか!?」

とwebや書籍で対応策を読み、実践しつつは失敗して凹みの毎日でした。

しかし、そうしているうちにその応対力を認められて、支店に電話応対の指導に行くようにもなり気づけばあちこちの支店に指導に赴きオペレーターとの二足の草鞋を履いて仕事をするようになりました。

この記事では電話対応に苦手意識のある方や新社会人になってどの様に電話対応をすればお客様に喜んでもらえるのかを詳しく説明していきます。

もし、今の会社が自分の価値を理解していないと思うのであれば、TIDでは300人にアンケートを行い人気の転職先をランキング形式で紹介しています。

目次を開く

1.電話のマナーの基本!必ず抑えておきたいこと

まず考えて頂きたいのですがあなたは

「どうして電話が苦手なのでしょう?」

考えて見たことありますか?私も改めて考えてみました。

かける電話に対しては

・今、かけていいタイミングなのか分からない
・目当ての人がいるかどうか分からない
・ちゃんと用件を伝えられるのか不安
・伝えるべきことを声だけで伝えられるのか不安
・会話のタイミングがとり辛くて話がちゃんとできるかな

かかってくる電話に対しては

・こちらの予測なくかかってくるので驚く
・電話を取るまで相手が誰だか分からない
・どんな用件でかけてきたのかこれも取るまで分からない
・自分が出て対応できるのか分からない
・電話の声だと聞き取り辛い

といったところでしょうか。

こうしてリストアップしてみると、どうでしょう。かかってくる人もかける人も同じ事を双方向から苦手に感じていますよね。

電話・・・改めてやっかいなツールです。

なんといっても相手の顔含め、状況が全く見えない。視覚が全く遮断されている状態を強いられるのか辛いところですね。

そしてこっちの状況を伝えるにも全く視覚が利用出来ない。
コミュニケーションにおいて重要な視覚を全く使う事が出来ない。これにつきます。

とはいえ、冒頭で申し上げた通り、まだまだビジネスシーンにおいては必須のツール。

この記事が貴方の電話に対する苦手意識を少しでも克服できる手助けができたらな、と思います。

電話が鳴ってから受話器を置くまで。日々の何気ない仕事の動作ですが、姿勢やマナーをもう一度意識してみながら実践してみましょう。

いつもより良い応対が出来た!と手ごたえがある個所があれば貴方自身の応対マナーとして是非身に着けてください。

【基本中の基本】 電話対応をスムーズにこなす6ステップ

1.電話が鳴ったら

まず電話の傍にはメモと書くものをいつも置いておきましょう。慌てなくてすみます。そしてペンを利き手に持ちましょう。

 

2.まずは受話器を取ります

利き手と反対側で受話器を取ります。利き手と同じ方に利き耳があると手がクロスしてしまいますが、あまり良くありません。

なぜなら手をクロスして受話器を耳に当てる事で顔が傾いてしまうからです。

受話器がうまく耳に沿わず、最初の相手の声が聞こえない、受話器を取り落としてしまう等のリスクが高くなります。

なるべく利き手と反対側の耳で聴きとるよう努力してみましょう。

「3コールまで」とビジネス応対では言われています。が、音が鳴った瞬間に取るのも電話をかけた方が驚いてしまい、よくありません。

少なくとも1コール鳴り終わるのを待って、3コールまでに取れるように。

お詫びの言葉を添えましょう!

3コール目からは「お待たせしました」

4コール以上になってしまう場合大変お待たせしました」

とお詫びの言葉を添えてください。

お詫びの言葉はただ漫然と発してはいけません。

「遠くにいましたが急いで貴方の電話に出ました!」

という気持ちでお伝えしましょう。(※この時はやや早口で!そうする事で声の調子も上がります。)

 

3.最初の名乗り

お勤め先によりルールがあると思いますのでそれに準じて。

「もしもし」はビジネスにおいては厳禁です。

 

電話の第一声、実はかける側にとっては最も聞き取り辛い部分です。意識してはっきりと抑揚をつけて元気な声で。ややゆっくり目に。

意識して声色をワントーン上げて「貴方から電話がかかってきたことが嬉しいです」という気持ちを声に載せてみてください

声の調子、声色、更に電話を受けている時の姿勢、これらは想像以上に相手に伝わります。

そして、電話応対についてのこの第一印象はその後の貴方の印象を決定つけます。

ここで相手に「わー、話辛そうな人(感じ悪い、暗い)が出た」と思われてしまうと後のやりとりに支障が出てしまいます。

 

*相手が名乗ってくれないこともあります

そのような場合には、相手が名乗るのをひたすら待つのではなく、自分から聞きましょう。

失礼ですが、お名前をうかがってもよろしいでしょうか。
恐縮ですが、お名前をお聞かせいただけますか。

*「お名前頂戴できますか。」は誤った表現です。
名前はもらうものではありませんので、間違えて使わないようにしましょう。

 

4.相手の確認(5.の後になる場合もある)

相手が名乗ってくれたらまずは復唱です。

鈴木といいます
鈴木様でいらっしゃいますね。

といった感じです。

相手の第一声もとっても聴き取り辛い部分です。注意深く聞きましょう。

聞き取れなかった時は素直に

恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか

ときちんと聞き直しましょう。

 

この一字が分からない!

例:サトウ様なのかカトウ様なのか?という場合には、

大変申し訳ありませんが確認させてください

と前置きしてから

サクラのサですか?為替のカですか?

と一文字ずつ確認していくしかないですね。

○○様、いつも大変お世話になっております

と、お伝えする時に頭を下げましょう。

『電話なのに?』と思うかもしれませんが、頭を下げて挨拶をしているという空気感は実は結構相手に伝わるのです。

同時に表情も口角を上げて笑顔で。これを電話応対においては「笑声(えごえ)」と言います

相手に「ああ、この人は笑顔で接してくれているな」と感じさせるとても有効な手法です。

 

たまに、無言で何も言わない電話を取ってしまい

「もしもし!もしもし!

と繰り返している人がいます。

 

相手の電話操作ミス等で悪意が無い場合もありますので落ち着いて

恐れ入ります、お声がこちらに届いていないのですが。私の声が聞こえておりますでしょうか?

と丁寧に声かけしましょう。

しばらく無言が続く場合も

恐れ入ります、お客さま?

と2、3度繰り返します。

それでも無言が続くようなら

お声が聞こえないので申し訳ないのですが一度お電話を切らせていただきます

と断ってから静かに受話器を置きましょう。

 

5.内容確認

さて、電話の本題です。相手が電話をかけてきた用件を確認しなければいけません。色んなパターンがあると思います。

ヤマダさんはいますか?
ヤマダでございますね

と復唱。この時点で相手が名乗っていなければ項目4の通り確認しましょう。

○○さんが隣にいたとしても・・・

○○さんが隣にいたとしても一旦は

「確認して参りますのでしばらくお待ちください」

と保留にしましょう

何故なら、ヤマダさんが必ずこの電話に出るかどうか分からないからです。

受話器を抑えて隣のヤマダさんとやりとりし、先方にその会話が聞こえてしまっては失礼になります。必ず保留ボタンを使用しましょう。

○○の件で連絡したのですが
○○の件でご連絡いただいたのですね。ありがとうございます

復唱とお問合せに対するお礼はセットです。

「ありがとうございます」

はマジックフレーズといって何度利用してもよいとされています(が、限度があると私は思っています)。

積極的にお礼の言葉を述べましょう。この時も軽く頭を下げると良いですね。

電話に出た応対者が○○の担当であれば本題に。

別の応対者に回す場合には

担当者に代わりますのでこのままお待ちいただけますでしょうか

と確認、了承を得てから保留にします。

 

6.5.で保留にする場合

担当者がすぐ傍に居て時間が短いようなら問題無いですが、30秒を超える保留時間はビジネスでは長いと思われます。

いったん解除し

担当者が席を外しておりまして

と正直に伝えましょう。

すぐ戻りそうな場合はそうお伝えしこのままお待ちいただくはもしくはこちらから掛けなおすか確認を取ります。

担当者が不在、戻る時間も不明な場合もお伝えします。相手の意思確認も踏まえ今後の対応を確認しましょう。

戻り次第の連絡を希望なのか、なるべく早く連絡が欲しいので出先からでも連絡が欲しいと希望される場合もあります。

いずれも内容確認、必ず意に添えるかどうか約束できない事も含めお伝えしましょう

いずれの場合も掛けなおす場合は必ず相手の連絡先を聞きましょう。以前からの相手であっても事情によって連絡先が変わる場合もあります。

 

7.クロージング

こちらから問い合わせに対して回答をした場合等、込み入った内容で会話をした場合は

何かご不明な点等ありませんでしたか?

と確認しましょう。

また、何かありましたらお気軽にご連絡ください

と相手の電話をかけるという負担を軽くする気遣いの言葉を添えると好印象です。

私、○○が承りました。お電話ありがとうございました。

ここも最初と同じく声を高めのトーンで。

電話応対の際、最初と最後の印象でその応対者の印象が決まります

極端な話、途中多少ゴチャゴチャしてしまったとしても最後は爽やかに、感じよく挨拶ができれば「何だか感じの良い人だったな」という印象を残すことができます。

ここがポインント!

(これは実際、私が電話モニタリング評価をしている時に感じた事です。お客さま役の評価部分を見ると、間のやりとりがもたついたりイライラさせたりするような応対であったとしても、最初と最後を感じ良く応対している人の場合は全体の所感も「感じよく、良い応対だった」という感想になっている事が多いのです)

お客さまが電話を切るまで待ちます。相手が切ってから静かに電話のフックボタンに手をかけて切りましょう。受話器を直接置くのは厳禁です。

相手が電話を切っているのに!?と思うかもしれませんが、いつでもフックで切るという癖をつけていた方がいざという時にガチャンとやってしまわないので良いのです。

お客さまがなかなか電話を切らない、もしくは切ったつもりで繋がったままどこかに行ってしまうという困った事態になる事があります。

どうしてもこちらから電話を切らなければならない場合

①お名前を呼びかけ反応を見る

②反応がなければ「恐れ入ります。こちらからお電話切らせていただきます」と一声かける

③フックで静かに電話を切る

という手順を踏みましょう。ここも、お勤め先にルールがあればそれに準じて対応しましょう。

以上、基本的な電話のマナーについてでした。

大事なのは貴方がいかに感じよく誠実にお客さまの事を思って電話で対応するかです。

それを電話というツールで効率よく表現するためのマナーだと思います。

後は数をこなして、たくさん失敗もすると思います。電話応対の後は「こうすればもっと良かった!」と反省する点があると思います。

また、「今の言い回しは良かったな。相手によく通じた手ごたえがあった!」と思う事もあると思います。それを1つ1つ積み上げて素晴らしい応対者になってください。

2.上手な電話のかけ方 必ず抑えておきたい6つのポイント

貴方は電話をかけるのが好きな人ですか?

家族や友達には気軽にかけられても仕事や問い合わせでかけるのはちょっと...という人は多いと思います。

「今かけても差し支えないだろうか?」

「ちゃんと伝えたいことが伝わるだろうか?」

と受話器を持つ前にあれこれ考えながら渋々受話器を取って電話したものの、電話を切ってから

「うまく言えなかった」

「相手の反応が良くなかったかもしれない」

とスッキリしない気持ちで電話を切っている。

そんな思いをされているのかもしれません。

電話のかけ方にはコツがあります。心構えも含めてこれから6つ項目をあげますので、是非実践してみてください。

【ポイント1】電話はかける側に主導権があります。

相手は電話を取るタイミングを選ぶことが出来ません。迷惑に思う人も少なからずいますので、できる限りの心配りをしましょう。

とはいえ、貴方が気にしすぎて“おどおど”しながらかけてしまうと自然に声もくぐもって小さくなり相手に聞こえにくくなってしまいます。

主導権は、貴方にあるのだから落ち着いて、相手に気遣いを感じつつも堂々とした気持ちで電話をかけることが肝要です。

 

落ち着く方法:私が実際実践しているものをいくつか上げます。

  • 電話が繋がってすぐの挨拶を頭の中で繰り返し唱えます。ゆっくりと、深呼吸しながらでも有効です。
  • かける側でもメモは必ず手元に用意して。ペンを握っている方が落ち着く場合はペンを持っておきます。
  • 突然相手の時間を奪うとはいえ、伝える内容はきっと相手にとって大切な情報になるのだと自分に言い聞かせます。

かける緊張の度合いにもよりますが、いつもしている心が落ち着く方法を業務に差し支えない範囲でしてみましょう。

 

【ポイント2】用件を整理してなるべく簡潔にしておきます。

電話をかける前に伝えるべき事を箇条書きにしておくと良いですね。伝える順番も一緒に決めておくと良いでしょう。

伝え終わったらその項目にチェックしておくと伝え漏れや、何度も同じ事を伝えてしまうというミスを防げますよ

何度も同じ内容を複数個所にかける場合は、簡単なスクリプト(台本)を作っておくと内容が途中で変わってしまうという事も無く伝えやすくなります。

複数で無くても、電話が苦手でいつも慌ててしまうという人には挨拶文から始まるスクリプト(台本)を作っておくと有効です。

【ポイント3】相手に負担にならない時間帯を選択する

相手の時間を突然拘束する電話です。出来る限り相手の負担にならない時間帯を選んでかけることでかける側の心の負担も軽くなると思います。

始業開始すぐ、休憩時間、分かっていれば繁忙時間、終業直前は避けられるようなら避けましょう。

忙しそうな時間にどうしてもという場合には

今、○分ほどお話しするお時間をいただけますか?

と確認して了承を得ると少し気持ちが落ち着くと思います。

相手に時間が無い場合はかけても良い時間を確認すると次に電話しやすくなりますよ。

【ポイント4】感じ良い人になる

最初の名乗りが肝心です。

普段より高いトーンで話し明るく、はっきりと。最初の名乗りはとても聴き取り辛いのでゆっくりと。

顔が見えない相手だからこそ笑顔で話しましょう。その笑顔は気休めで無く本当に受話器の向こうに伝わります。

相手の事を大事な人、好きな人だと思って話します。これも声を通じて相手に伝わります。

という事は、貴方が不愉快な気分で相手の事をどうでも良い人、嫌いな人だと思いながら話すとそれも伝わるので注意です!

かける人も嬉しい、その電話がかかってくる事で相手も多少なりとも嬉しい気持ちになれれば良いですよね

 

電話を取った相手が名乗り始めたら言葉を挟まず聴きます。特に社名や名前は冒頭で聴く準備が出来ていないと耳に入りません。集中して聞いてください。

相手が

いつもありがとうございます

といえば

こちらこそありがとうございます
お世話になります

なら

こちらこそお世話になっております

等、同じ言葉で挨拶すると何となくですが感じ良く聞こえます。

【ポイント5】短い時間で済ませる。

感じが良い嬉しい電話だからといってビジネスにおいて長電話は厳禁です。準備した用件をリズムよく話し、質問→回答を経て出来るだけ短い時間で完結させます。

会話のリズムやテンポ良くするには?と思いますがまずは経験を積むしかないのです。

私の経験上言える事としては、

相手が話している間はどんな場合でも口を挟まない

内容がこちらの意図している内容と違っていても言葉を遮って訂正すると却って会話がゴチャゴチャしてしまい分からなくなってしまいます。まずは相手の会話は一段落してから一呼吸置いてこちらの意図を伝えます。

時間を短く!と意識して早口で話さない。ゆっくりと丁寧に、はっきり話す

早口で話すと結局聞き直し、言い直しする事になってしまい却って時間がかかってしまいます。まずは丁寧に!

文節は短く

一文を区切らずダラダラ話すと話の大事な部分がぼやけてしまいます。

「~で」「~が」とつなげて話すのではなく「~です。」「~ます。」と短く。一文節に入れても良い内容は2つ。長くても3つで切ってしまいます。

結論から話す

詳細から入ると何がいいたいのか分からなくなってしまいます。

例:)

先日お約束した会議の日程変更の依頼です。△日△時から○日○時に変更したいのですがご都合は如何でしょうか。

これを、

「△日△時に約束していた会議の件なのですが、私共でどうしても外せない業務が入ってしまいまして、色々と調整したのですが、如何ともしがたく、それでですね~」

とこんな感じです。

聴いている方はイライラしてしまいますよね。

結論からまず伝えてその後必要があれば補足していく、という会話だと聞き間違いも少なくてすみます。

 

また、電話にはコストがかかっていることを忘れないようにしましょう。

電話をかけている側も受けている側も、電話の間はどちらも自分の仕事をすることができませんよね。
それを忘れて長々と話をしてしまっては、お互いにメリットがありません。

やるべきことは、以下の点です。

  • スムーズに対応する
  • 簡潔に分かりやすく言いたいことを伝える
  • 待たせない

このポイントを押さえて、短い時間で済ませるように意識していくことが大切になります。

 

【ポイント6】クロージングも気を抜かない。

電話応対してくれた相手に心を込めてお礼をお伝えします。

突然かかってきた電話に快く対応してくださった相手です。

お時間いただきましてありがとうございました

とお礼の言葉が自然に出ると良いですね。この時も頭を下げながら笑顔で感じよく。

長い時間かかってしまったら

それではお邪魔いたしました

ともう一声添えがあると良いと思います。

最後は名乗りましょう。

私○○と申しました。

この時、相手の名前を聞き逃してしまっている、メモし忘れてしまっている場合でも名乗った後なら

恐れ入りますがもう一度お名前お伺いしてもよろしいですか

と聞き直すチャンスができます。

電話を切ります。一般的にはかけた方が電話を切ります。

電話マナーのワンポイント!

電話のフックに手をかけてそっと切ってから静かに受話器を置きます。決して直接受話器を置かないように。

耳から離れている間に相手は話忘れた用件があって話かける可能性もありますし電話が繋がっているのにそのまま切ってしまったので印象も悪くなってしまいます。

手が滑ってガチャンと切ってしまう危険もありますのでリスクは最大限回避しましょう。

相手先がお客さま等明らかに目上の立場である場合は相手が電話を切るまで待ちます。

切ってもらえない場合は

○○様、それではお電話切らせていただきます

と一声かけると切ってもらえます。

もしくはそっとこちらから電話を切ることもできます。

 

いかがでしたでしょうか。実践した事の無い項目があれば是非、電話をかける時に試してみてください。

落ち着いた気持ちで相手を思いやりながら簡潔に分かりやすく!

この心構えと実践する力があれば電話をかけて話す事がとてもスムーズで力の要らないものになると思いますよ。

3.電話の受け方 相手を劇的に喜ばす4つのポイント

ここでは電話の受け方について説明します。

私はコールセンター業務が主な電話経験だったのでややコールセンターよりの内容になってしまいますが通常のお仕事場でも十分使えるテクニックです。

これは!と思うものを使ってください。

何度も言いますが電話は相手が見えないツールですが、見えない分聴力や感覚が敏感になるのか思いの外、相手にこちらの仕草、表情、気持ちまでも伝わってしまいます。

実際電話でやりとりしている時には相手の表情や気持ちを想像していますよね。

それを逆手に取って、貴方の事を親切な人・素敵な人・綺麗(かっこいい人)が電話に出たと思ってもらうと良いのです。

【ポイント1】相手の電話を嬉しいと思って受ける。

まずは態度から

コール音が鳴った時に好きな人や大事な人から電話がかかってきた!と思う事が大事です。

取る前に自分の顔を意識します。眉間を開いて、口角を上げる。表情を変えるだけでも嬉しいという気持ちを声として作り出すことができますよ。

声の調子

第一声は明るく元気に。いつも話しているより意識して声のトーンを上げましょう。

取る前に笑顔のスタンバイをしておけば自然と明るく感じの良い声が出ると思います。

貴方の地声そのままで電話に出るのでは無く、電話用の声を日ごろから準備しておくと良いですね。

普段、綺麗な話し方だなと思う人の声、表情を研究しましょう。私はアナウンサーの滑舌よく聴き取りやすい綺麗な声を意識して話すように意識しています。

表情に気を付けて

態度や声の調子でも出てきましたが暗い表情やしかめ面、無表情でいると明るい声や感じ良い声は出せません。口角を上げて笑顔で電話に出ると良いですね。

「今日はいやな事があった!」と思う日でも心と裏腹に表情筋を作って笑顔にすると自然と気持ちも上向きになりますので態度にも嬉しい気持ちが表れてきます。

【ポイント2】聴くときも簡潔で分かりやすく

かけてきた相手が簡潔に伝えてくれれば良いのですが、そうとも限りません。内容を分かりやすくするコツをいくつか上げます。

まずは相手が名乗った名前をメモする。ここを逃すとこの後の集中力が確実に下がります。

話を聞いている最中も「誰だったっけ?名前が分からないまま話が進んでいく」と不安に思いながら会話を進めてしまうからです。

話す内容の内、目立つ単語をメモに書いていく。相手が独自の言い回しをする事もありますが、意味が分からないと思う言葉もひらがなやカタカナで書き留めておきます。

安心する会話でも述べますが、復唱して確認をしっかり。

話の途中で口を挟むのはやめておきましょう

途中で口を挟まないこと!

相手が話し終わるのを待って、自分なりに要約したものを伝えます。

違っていれば相手がまた説明を補足すると思いますのでここはまたじっくり聴きます。

貴方の担当外であったり、対応できない内容だと分かった場合は早めに対応できる人に電話を代われるようにします。

その場合もまずは質問の要点を抑えて対応をお願いする人に伝えられると良いですね。

【ポイント3】話していて安心する会話を

かけてきた相手も顔の見えない人と会話するという事を多少なりとも不安に感じています。安心感を持たせる事でリラックスしてもらいましょう。

リラックスして会話できると自然と会話もリズムが出来、内容も分かりやすく簡潔になってくるはずです。

相手の話はあいづちをうちながら

まずは相手が用件を話始めると思いますのでここはしっかりと口を挟まずに聴く事に集中しましょう。

とはいえ黙っていると電話では沈黙する事になってしまい相手は「聴いてくれているのかな?」と不安に感じてしまいます。

言葉の切れ目にタイミングよくあいづちを打ちましょう

タイミング=餅つきの相の手を思い浮かべると分かりやすいです。餅をつく人を決して邪魔せず杵が持ち上げて下す間にさっと手を入れるようにあいづちを入れると良いでしょう。

あいづちはパターンが重要!

あいづちは「はい」「さようでございますか」「ありがとうございます」「かしこまりました」等、バリエーションをつけて。

同じあいづちを繰り返すとやはり聴いてもらっているのか不安に思われてしまいます。

語調も内容に合わせて変えましょう。

同じ「はい」というあいづちでも

  • 明るく元気にするあいづち
  • かしこまってあいづち
  • 申し訳なさそうにあいづち
  • 感心したようにあいづち

と色々とあります。

是非、自分で声に出してみてどんな風に聞えるのか感じてみてください。

同調しましょう

相手が楽しそうに話していたらこちらも楽しそうに。困っているようなら困っているという気持ちに寄り添うように。

もちろん怒っている人には怒ってはいけません。怒っている気持ち分かります、という気持ちを込めて。

敬語や回答が完璧でも、相手の気持ちを受け取って返さなければその応対はひどく事務的で冷たいものに感じてしまいます。

例えば貴方が電話をかけて

私の手続きじゃないんけどね!妻に聞いておいてって言われちゃって!ははは!

と笑ったとしましょう。

それに対してなんら感情を込めることなく電話の相手に「さようでございますか」と回答されたとします。

笑った自分を受け止めてもらえないことに対してちょっとした寂しさや笑った事を恥ずかしいと感じないでしょうか。

さようでございますか

にも一緒にちょっとだけ口角を上げて笑いの気持ちを共有する。場合によってはちょっと同情する。

こんな風にお客さまの気持ちに寄り添って同調することが出来れば、今日初めて電話で話す相手でも親近感を覚えてもらうことも出来るのです。

言葉のスピードも同じくらいで話すと相手は安心します。電話応対は聴き取りやすくゆっくり話すと良いと言われています。

しかし、早口でまくしたてるように話すお客さまにゆっくり会話を進めると反対にイライラされてしまいます。

早口の相手には相手の速度より心持ち遅いくらいの早口で。同いペースで話すことが出来れば相手のストレスも軽減されます。

また、こちらが合わせて同じくらい早口で話すと反対に相手が気づいて話す速度を緩めてくれる事もありますよ。

 

復唱は同じ言葉で。

相手の言葉を復唱して確認しながら会話を進めると認識間違いも起こりにくく安心して会話を進める事ができます。気を付けたいのは復唱の仕方です。

相手の言い方と同じ言葉が望ましいです。

言い換えないことが大切!

相手が「名前」と言っているのに「ご名義」と言い換えたしたり、「ホームページ」を「ウェブサイト」と言い換え無い方が良いのです。

言い換えられると何だか「おかしな言い方だったかな?」と相手は不安を覚えます。意味が同じ言葉であればそのまま復唱しましょう。

相手の言葉が間違っている場合も、まずは同じ言葉を復唱してから「恐れ入りますが」とクッション言葉を入れて、○○の事ですね、と柔らかに訂正すると丁寧な印象を与えると思います。

相手の言葉の意味が分からない場合はやはり復唱した後に言い換えて「こういう内容のお尋ねですか?」と確認します。

ここをおざなりにしてしまうと後で困ったことになり兼ねないので焦らず、しっかりと確認します。

【ポイント4】かけてきた相手の内容をしっかり理解する

“言うは易く行うは難し”ですが、相手の用件をしっかり理解しない事にはどうしようもありません。

まずは傾聴力を鍛えましょう。

傾聴力とは相手の言葉に耳を傾け熱心に聴くことです。まずは項目3を意識して会話中に実践するだけでずいぶん鍛えられます。

相手の話を興味あるラジオやテレビだと思って聴きましょう。

あいづちや復唱は勿論しながらですが、話が一通り途切れるまではこちらの思いは収めておきます。

相手の話す内容によっては「それは違います!」「誤解です」「それってこういう事ですよね」と言いたくなる気持ちが出てきますが、まずは収めて!口を挟まないようにしましょう。

そうやって聴き取る事に集中すると自然と相手の真意が伝わってくる事を感じると思います。

時間がかかると思われる方もいると思いますが、途中で口を挟まれるとお客さまも良い気持ちにはなりません。

挟んだ内容が自分の意図したものだったとしても反発してしまわれる事もあり、結局余計な時間を費やしてしまいがちなのです。

相手の話を丁寧に聴く、それに丁寧に答える。そうする事で内容も分かりやすく、お互いに誤解も減り、電話に出るというストレスも軽くなりますよ。

 

業務知識を蓄える。

上記のスキルを鍛えて感じ良く安心でき、傾聴もバッチリ!になったとしてもここは外せません。

実際、私が電話応対チェックをしている際も、業務知識に関する回答になると急に声が小さくなり、表現も曖昧になり、説明に四苦八苦して電話先のお客さまをおいてけぼりにした対応になってしまう場面によく遭遇します。

自身の日々の仕事内容を覚えておきます。これは毎日の地道な努力が必須です。

自身の仕事場で行われている業務内容や仕事の流れや仕事場の担当者を把握しておきます。

そうする事で自分には分からない質問を受けた時でも

電話応対について多い質問→それに対する回答はあらかじめリストアップしてすぐ用意できる資料を作成しておきます。

「資料があるから大丈夫!」という気持ちは電話に出る際の安心感にもつながります。貴方が安心していれば相手も安心感が伝わります

 

以上、相手を喜ばせる電話の受け方について述べました。

これだけこなせば誰からも理解してもらえる電話応対ができる!という訳では残念ながらありません。

人それぞれ、通用するテクニックもあるし通用しないテクニックもあります

ただ、ここの項目をそれぞれ実践すれば確実に以前より会話がスムーズに進む。お客さまと通じ合う一瞬があった!と実感できる場面がある、と信じています。

貴方が「電話は苦手、掛かってくるたびビクっとしてしまう」というストレスから少しでも解放され、「あ、電話だ」くらいの気持ちで取る事が出来れば幸いです。

 

4.新社会人・新入社員が注意すべき電話対応マナー

電話対応が苦手な社会人は多いですが、新社会人や新入社員の場合には尚更、電話対応で緊張してしまうことが多いですよね。
ですが、電話でよく使う言葉や敬語の使い方、伝言メモの作り方などを覚えていれば、はじめはある程度対応できるようになります。

たくさん覚えられない!という方はどうすればいいのかという点にも触れていきますので、新入社員・新社会人の方はぜひチェックしてみてくださいね。

  1. 電話でよく使う言葉を覚える
  2. 伝言メモの作り方を覚える
  3. 正しい敬語を覚える
  4. 真似をすることで覚える
  5. 流れをつかむことも大切

 

【ポイント1】電話でよく使う言葉を覚える

まずは、電話でよく使う言葉を覚えることから始めてみましょう。
電話対応といっても、電話がかかってきてから(もしくは電話をかけてから)電話を切るまで、大体毎回流れは似ています。

その中でよく使われる言葉を覚えておくと、言葉に詰まることもなくスムーズに対応していくことができますよ!

  • いつもお世話になっております
  • 恐れ入りますが〜でしょうか?
  • 恐れ入りますが〜ますか?
  • 今お時間よろしいでしょうか?
  • お時間をとらせてしまい申し訳ございませんでした
  • 申し訳ございません、お電話が遠いようです
  • 失礼いたします
  • かしこまりました
  • 復唱いたします
  • お待たせいたしました

いくつかざっと挙げてみました。
このようなものが、電話対応でよく使われる言い回しです。

「いつもお世話になっております」から始まり、名前と会社名を聞いて要件を伺い、取次ぎを行って終了。
という流れの中で、よく使われる言葉であるため、覚えておくと電話対応の際に失礼がない対応をおこなうことができます。

 

【ポイント2】伝言メモの作り方を覚える

本人に取次ぎを行うことができればいいのですが、もし本人に取次ぎが行えない場合には、伝言メモを作成しておく必要があります。

お昼休憩や休日、外出など様々な事情で取次ぎが行えないことも珍しくありません。

そのような場合、あなたが取次ぎを行い、伝言メモを残す必要があります。
伝言メモをしっかりとれるようにならなくては、大切な取次ぎがトラブルのもとになることもあります。

 

伝言メモ作成の注意点

伝言メモを作る時には、以下の点に注意しましょう。

  • 電話の最中に必ず復唱すること
  • メモは文章ではなく箇条書きにすること
  • 分かりやすく簡潔にすること
  • 指定の場所に貼り付ける(指定がない場合には、他の書類に紛れたり、剥がれて紛失したりする可能性の無い場所、かつすぐに目につく場所を見極めてメモを残す)

伝言メモには、わかりやすく簡潔に内容を記しておく必要があります。
さらに、必ず電話の最中に復唱し、間違いがないことを確認してからメモに残すようにしなくてはなりません。

 

伝言メモテンプレ

・〇〇部長
・電話があった日時
・△△様より電話あり
・どうすればいいのか(折り返し電話ください等)
・△△様 TEL:012-3456-7890
・自分が相手に伝えたこと(〇〇時に戻ると伝えている等)
・自分が受けたことを伝える(**が担当等)

当然ながら、自社で定められた書式がある場合にはそちらに従うようにしましょう!
もし書式などがない場合には、上記のような形にしたり、伝わりやすい書き方で書いてください。

 

*メモを取ったらそれで終わり!ではない

メモを取って貼り付けまで終えたら、そこまでで役割は終わったと思っている方もおられます。
ですが、それは大きな間違い!

メモをとって貼り付けただけでは、あなたの責任を全うしたとは言えません。

メモを貼り付けた後、「〇〇様よりお電話がありました」「メモを残しておきました」「ご覧になりましたか?」というように、連絡と確認をすることが必要です。

大切な内容を伝えて確認してもらい、折り返しの電話などアクションに繋がって初めて、メモを残した伝言役としての役目が終わるのです。

最後まで気を抜かないように、しっかり伝言を伝えましょう!

 

【ポイント3】正しい敬語を覚える

間違った敬語を使うことがないようにしておくことも、とても大切です。
というのも、電話では顔も姿も見えないため、言葉だけでどのような会社か、どのような人物なのかを判断されてしまう可能性があるためです。

間違った敬語を使っていると、自分はもちろん、会社の恥さらしになってしまうことも…。

以下、間違って使われやすい敬語をいくつかピックアップしてみました。

 

× わかりました、了解です

〇 承知いたしました、かしこまりました

 

× すいません、ごめんなさい

〇 すみません、申し訳ございません

 

× わが社

〇 弊社、当社

 

× おわかりいただけたでしょうか

〇 ご理解いただけたでしょうか

 

× どちら様でしょうか、どちら様ですか

〇 失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか

 

× どうしましょうか、どうしますか

〇いかがいたしますか

 

× ~のほうが担当いたします、~のほうを伝えておきます

〇 ~が担当いたします、~をお伝えいたします

 

× とんでもございません

〇 とんでもないです

 

× ~でよろしかったでしょうか

〇 ~でよろしいでしょうか

 

× ~様でございますね

〇 ~様でいらっしゃいますね

 

× ~様おられますか

〇 ~様いらっしゃいますか

 

いかがですか?
こうして改めて敬語について確認してみると、今まで間違って使っていたという方も多いのではないかと思います。

SNSなどの文章を中心にコミュニケーションをとることが多くなった今、正しい敬語が何なのか分からなくなっている方も多いのです。
これを機に、電話対応だけではなく自分が使っている敬語を見直してみてはいかがでしょうか?

 

【ポイント4】真似をすることで覚える

新入社員・新社会人の方ほど、電話対応は積極的に行うことが求められます。
きっと会社でも、「電話には積極的に出てくれ」と上司から言われているのではないでしょうか。

ただ、電話対応を積極的にしなくてはならないと分かっていても、具体的にどうすればいいのか分からないという方も多いですよね。
分からないままに対応し、そこからトラブルに発展することも珍しくはありません。

そこで、電話対応の仕方について、分からないことは先輩にきく、まずは真似をするところから始めることをオススメします。
いい加減な対応で会社の評判を落としてしまうことがないように、十分に注意しましょう!

 

先輩・上司の真似って具体的にどうすればいいの?

電話の取次ぎまでできれば、そこから先輩社員がどのように対応しているのか、どのような言葉遣いでどのようなメモをとっているのか等、観察してみてください。

それを真似するようにし、分からないところはその都度聞くようにしていくと、自然と電話対応ができるようになってきます。

先輩や上司に質問する際には、それ以降二度と同じ質問をしないようにするため、しっかりメモを取りながら話を聞くことが大切です。

「〇〇会社のXXさんへの対応はこうすればいい」というような、先輩が心がけている個別の対応なども教えてもらうことができれば、より電話対応がスムーズになります。

上司や先輩から学べることはたくさんあります!
ぜひ、まずは真似をすることから始めてみてくださいね。

 

【ポイント5】流れをつかむことも大切

そして、電話対応の流れをつかんでおくこともとても大切です。
今回は、会社に電話がかかってきて、あなたが出たという状況を想定して流れを見ていきましょう。

*3コール以内に、電話に出る。

株式会社TIDです。
株式会社まるぺけの佐藤と申します。
いつもお世話になっております。
こちらこそ、いつもお世話になっております。鈴木部長はいらっしゃいますか?
鈴木でございますね、かしこまりました。少々お待ちくださいませ。
お願いします。

ここまでのやり取りが終わったら、鈴木部長に「まるぺけ会社の佐藤様よりお電話です」と伝えます。
そして、取り次いでも問題がないようなら、取り次いだことを確認してから、そっと受話器をおきましょう。

*もし本人がいなかった場合には・・・

大変申し訳ございません。あいにく鈴木はお昼に出ております。13時30分頃、帰社予定でございます。戻りましたらご連絡致しましょうか?
はい、お電話いただけますか?
かしこまりました。お手数ですが念のため、電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか?
012-3456-7890です。
ありがとうございます。復唱いたします。
株式会社まるぺけの佐藤様。
電話番号は、012-3456-7890、でございますね。
鈴木が戻りましたら、確かにそのように申し伝えます。
よろしくお願いいたします。それでは失礼いたします。
失礼いたします。

具体的には、このような流れとなります。
あくまでも限定されたケースではありますが、流れ自体は把握できたのではないでしょうか。

電話対応は難しいと感じる点も多いと思います。
周りからどう思われるか、電話のマナーが悪いと指摘されたらどうしようなど、さまざまな思いがありますよね。

安心してください

ですが、周りの人は、今まで電話対応をしたことがない人が何の問題もなくいきなりスムーズに対応できる、とは思っていません。
はじめはスムーズに対応ができなくて当然です。

時には取引先の方から指導していただけるような場合もありますし、上司から指導してもらえることもあります。
まずは落ち着いて、メモを取りながら相手の声をきくように意識していきましょう!

 

5.ここで差が出る3つのトラブル解決法

電話での会話にはトラブルがつきものです。

やりとりの全てを声と耳でしかやり取りできないのですから、誤解を与えやすい!

また、対面で顔を合わせながらでは言えない事もついつい電話になると言えてしまうという人も多いです。

そのために普段よりキツイ言い方、怒り方、冷たい言い方をしてしまい不愉快な目になってしまう事も...。

トラブルがゼロになる事は決してありませんが、少しでも回避、解決できればそれに越した事はありません。

トラブル減少に一番必要なのは経験です。

ただ、それだけで自然に減少していく訳でもありません。

貴方の周りに居ませんか?ベテランなのに「あの人、しょっちゅう電話で揉めてるな」「あの人に電話するとイヤなんだよね」という人。

お仕事を効率よく進めていくためにも無用なトラブルは避けたいところですよね。これからお伝えすることで貴方の電話トラブルが少なくなればと思います。

 

【その1】全部電話で済ませようと思わない事

電話は音声という限られた手段しか使えないツールです。言葉で伝わらない、そのためにトラブルになるという事がほとんどでは無いでしょうか。

何もかも言葉で伝えるのでは無く、利用できる他のツールがあれば積極的に使いましょう

まずは電話で伝えられる情報を伝えます。相手にメモの用意があればある程度の情報はしっかり伝わるものですので復唱・確認しながら伝えます。

仕事先であればパソコン等でネット環境が整っている場合がほとんだと思います。

貴方の会社に用意できるwebサイトがあれば開いてもらいましょう。個人のお客さまでも最近はスマートフォン利用者も増え、会話しながら検索して見てもらえる場合もあります。

まずは、利用可能な環境か確認し、視覚情報を追加してもらいます。

追加で後から見るという方法も可能なら郵送やFAX、メール添付等で必要資料を送る提案をします。

地図や商品の外観等、ほとんど視覚情報に頼らなければならない情報を音声で伝えても相手には理解されにくいものです。

そしてもう一つ、後から「言った、言わない」とトラブルになるケースです。

言った・言っていないを回避!

大事な事を伝えたと貴方のメモに書きとって応対日付や時間を付けて残しておきましょう。

またメールのやりとりもしている相手なら後からメールでやんわり電話内容の大事な部分を送っておくのも後からのトラブルを回避方法として有効です。

 

【その2】電話で出来ることに集中します

そうは言っても電話で済ませられる事ならなるべく電話で完結するように工夫することも大事な事です。

出向かなくても話が済むのが電話の最大の利点です。

こんな電話がベスト!

短いやりとりで用件も済み、疑問も残らず「感じ良い人だったな」と思って終われればベストです。

貴方が相手を見ることが出来ない。相手が貴方を見ることが出来ないというのも物の見方を変えてみます。

そうすれば相手を好ましい人に思うことも相手に貴方の事を好ましい人だと思ってもらう事もできるのです。

 

まずは想像力を働かせます。相手の声を聴いて思い浮かべる人を数パターン決めておくとやりやすいです。

俳優さん、漫画に出てくる人、誰でも想像しやすい人を男性・女性、それぞれ年齢別で好ましい人を用意しましょう。

怒っている人なんかは漫画でコミカルに怒っているキャラクターを想像して心を落ち着けると良いですね。

相手には貴方の事を感じ良い人だと思ってもらいましょう。

具体的には『上手な電話のかけ方』、『相手を喜ばせる電話の受け方』に挙げていますので是非読んで実践してください。

 

【その3】ともかく傾聴!

電話応対に関してはしつこいくらい出てきますがなんといっても傾聴することが一番のトラブル解決に結びつきます

具体例をこれも『上手な電話のかけ方』、『相手を喜ばせる電話の受け方』で挙げているので是非読んでください。

なぜ、傾聴がトラブル解決につながるのか。それは傾聴をどんどん極めて行くことで相手が今どんな状態なのか推測しながら話すことが出来るからです。

こんなことがトラブルに・・・

急いでいそうな人にゆっくり話してしまう、貴方の話を理解できていないようなのにどんどん話を先に進めてしまう、謝罪の言葉が欲しいのに一言も無いまま解決法の話をしてしまう。

こういった事がトラブルに繋がってしまいます。

相手の声の調子、受話器から聞こえてくる相手の周囲の様子にも耳を傾けます。

相手の声から年齢もある程度推測しましょう。例えば年配の方は高い声が聴き取りにくい場合があります。

それなのに“電話では高めの声で”ルールを守って高く明るい声を出し続けたところ「もう一度お願いできますか?」と聞き直される個所が多くなってしまう。

こういう事もあります。

年配の方だな、と思えば意識してゆっくりと声を低めにはっきりと話す。これだけで会話がスムーズになることがあります。

貴方のやり方を1通りに決めてしまわない。相手のペースに合わせることで傾聴もぐんとやりやすくなるはずです。

電話の相手は貴方にとって大切な人だと思って聴きましょう。大切な人ならその話の内容に集中しようという気分を高まります。

相手は貴方がしっかり話を聴いていると実感すると話をするのも良い気分になると思います。そうなる事で多少の難があっても少しの言い直しで挽回できる場合があるのです。

 

以上、トラブル解決法といっても具体的なトラブルに関する詳細な解決法ではありません。

それよりも電話に対する心構えや会話スキルを磨く事が結果として様々なトラブルの解決につながります。

実際の電話応対でいやというほど実感してきました。

相手に充分に納得するような内容を伝えているのに話が終わらない、ビジネス敬語の使い方は完璧なのになぜかよく怒られる。

そんな経験が重なって困っている人は是非日々の応対で実践してください。

6.クレーム電話対応3つのケース

クレーム電話対応は電話応対最大の難所とも言えると思います。

普通の電話は平気だけれどもクレーム電話は何度受けても辛い!という人も大勢いることでしょう。

クレームは表題の通り、ケースバイケースなので「このやり方なら必ず大丈夫!」というものは残念ながらありません。

6年間コールセンターで電話を受け続け、終盤にはほとんどのクレームを自分で解決させ収めてきた私の経験からいくつか有効だったと実感できた項目を記述します。

これらの対応策が少しでも貴方のクレーム対応に役に立てればと思います。

【基本】一番大事なのは共感力

隣で寄り添って聴く感覚を養いましょう。
おおよそのクレームは電話を取ってしまった人が直接原因のものではないと思います。

所属している部署、会社についての不満ではないでしょうか。

通常、不満や苦情の電話を取ってしまうと「すぐに解決しなければ!」と相手の話の内容や感情を正面から受けてしまいます。

そうなると受け手も冷静さを失い、結果としてしどろもどろになってしまう、言い返してしまう、何も言えなくなってしまう等の事態が発生してしまうのです。

まずは、「私が怒られているのでは無い」と意識しましょう

そして、例えば貴方にとって大事な人、家族や友達が何かに対して怒っていると想像します。

隣に立って、「怒っているという事、分かります!」という気持ちになるのではないかと思います。それが共感です。

怒っている内容が正しいかどうかはひとまず置いておくのでは無いかと思います。

それと同じ気持ちを持って、まずは聴くと良いのです。

相手の話が怒りにかられてどんなに支離滅裂であっても「大変怒っていらっしゃるのですね」という気持ち、くどくどと同じ言葉を繰り返されたとしても「そんなに何度も同じ話をなさるなんてよっぽどご不快なのですね」という気持ち、こんな感じです。

共感している気持ちを相手に伝えるためには、やはり傾聴です!

『相手を喜ばせる電話の受け方』に具体的に記述しています。

あいづちを打ち、発する言葉には「分かります」という感情を載せましょう。多少大げさでも良いのです。

相手がまずどのような原因で怒っているのか話している間は極力、内容要約や反論は避けましょう。あいづちのバリエーションをつけて丁寧に聴きましょう。

こうして共感と傾聴しながら相手のクレームを聴いていると相手もだんだん『怒りをぶつけている状態』から『話を聴いてもらっている』という状態にシフトしてくるはずです。

内容も「どうなっているんだ!」という内容から「こんな事があって不愉快だった。もっと聴いてくれる?」という内容に変わってきます。

ある程度説明し終わると相手もいったん落ち着くタイミングがあるはずです。一旦ここで一区切りです。

 

相手が落ち着いたらまずはお詫びしましょう。

会社によっては「こちらが悪くないのでお詫びする必要はない」というスタンスの所もあると思います。

お詫びの対象は?

勤務先のポリシーに従って対処するしか無いのですが、ここのお詫びは内容に対してでは無く、『理由はともあれお客さまが不愉快な思いをしてしまった』という事に対してのお詫びです。

誤解や間違い、我々には否が無い、等釈然としない部分があったとしてもここでお詫びがあるとないとではずいぶん相手の心持ちが違ってくると思います。

 

そして貴方のターンになりますね。

お客さまの勘違いであっても決して責めるような言い方をしないで、勘違いさせてしまった事にはこちらに非があるという気持ちで説明します。

貴方の説明、お詫び、釈明が終われば再び怒り出す方も勿論います。そうなったらもう一度その意見を傾聴しましょう。

この繰り返しでほぼ、終了します。

 

【ケース1】感情的なクレーム

怒鳴られる、ひどい言葉を投げつけられる、そんな感じですね。

これもまずは“貴方自身が個人的に怒鳴られたりひどい言葉を投げつけられているのでは無い”と思うことが大事です。

電話をかけてきた相手は貴方の事を知りません。その人がかかわった何らかの内容に対して腹を立てていています。

上記の通りに、貴方は隣に立って聴いていると想像しましょう。怒鳴っているお客さまは貴方の隣で前を向いて怒鳴っています。

感情的なクレームは共感と傾聴を繰り返してやり過ごすしかありません。どちらかといえば受ける貴方のメンタリティを守りましょう。

時には「死ね!」などと本当にひどい言葉をあびせられる事もあります

あなたに言っているのではありません

繰り返しますが相手は貴方の事を知らずに話しています。貴方自身に言われているのでは無いと強く意識することが大事です。

 

【ケース2】都度説明が必要なクレーム

どちらかというとこちらの方が辛い内容のクレームです。

相手の求める説明に対する正しい知識が必要です。貴方の業務、貴方の会社の内容、業界の内容等、日ごろから知識を蓄えて答えられるようにしておかなければなりませんね。

説明を求めるクレームをかけてくる人は、実はクレーム内容に対する知識が豊富な方が多いです。

知っているのに敢えて質問してきたり、質問の内容は知らなくてもその方面には詳しいという場合が多いのです。

ですので適当にお茶を濁して答えてしまうと更に怒りを買う事になりかねません

貴方の知らない、答えられない事に対する説明を受けた時は素直に

すぐに回答いたしかねます。大変申し訳ないのですが、その件に関して詳しくご案内したいと存じますのでお調べして折り返しお電話してもよろしいでしょうか

と相手にお願いしましょう。

本当に説明が必要でかけてきた人なら了承してもらえると思いますよ。

そこで了承をもらえないようなら待ってもらうしか方法は無いですね。「詳しい者に代わります」「確認いたしますので」と保留にしましょう。

ここで「待てない」と揉めてしまう場合は勿論あります。

回避不能なので、なるべくそうならないためにも繰り返しますが日ごろの業務知識を蓄積していくことが一番の回避策です。

【番外編】:ヤバイ…こういう時はどうしたら!?

上司に代われと言われた。

職場によってルールに則り対応するのが大原則です。

代わっても問題なければ「かしこまりました」と上司に対応をお願いするのが一番スムーズです。

意固地になって「いいえ、私が!」と言い張ると、相手は更に自分の思い通りにならない事が増えるので怒りが増してしまいます。

職場によっては「なるべく上司に回さない」等、代わりたくても代われない所もあるかと思います。

それでも相手は貴方では納得してくれそうに無い。困りますよね。

そんな時は「かしこまりました、お待ちください」と一旦保留にしてしまいましょう。(念のために上司に代われと言われていると一言伝えると安心です)

保留解除後、上司には代わることが出来ない(席を外している、この件は貴方が対応しているため等の理由付き)と説明し「大変申し訳ありませんが」とお詫びを付けてから「引き続き私がお話しいたします」とお伝えしましょう。

繰り返し同じ事を言われる。

相手が感情的になって怒りがループしてしまうと同じ事を何度も言われます。

禁句はコレ!

禁句は「先ほどから同じ事をおっしゃっていますが」「先ほど申し上げました通り」です。指摘すると更に長引きます。

繰り返される内容を「○○ですよね」「○○という事なんですね」と挟んでこちらも穏やかな調子で繰り返すと相手が落ち着いてくれると思います。試してみてください。

業務に関係の無い話をされる。

最初からの場合と途中から話が逸れる場合があります。

勤務先に決まった対処法があればそれに則るしか無いのですが、業務に関係の話になってしまったら「申し訳ありません」と断りを入れて「業務に関係の無いお話でしたらお話しを終わらせていただきます」と切り上げた方が良いです。

業務に関係無い話に長時間取ってしまったために本当に対応を必要としている相手をないがしろにしてしまっているかもしれないのです。

乱暴な応対ではありますが、こちらからあえて電話を切ってしまうという決断も時には必要だと思います。

 

まとめ

クレーム自体はお客さまの貴重な意見です。

伝わらないまま取引や関わりを絶ってしまう人も多い中、わざわざ伝えて下さっている事なのですからたとえ怒鳴られたとしても受け入れる事で良くなることもあると思います。

一人の意見は言われないだけで他にも同じ気持ちを持っている人もいるという事です。

とはいえ、貴方自身が傷つき思い悩んでしまう事を見逃してはいけないのです。

繰り返しになりますが相手の怒りを受け止めるのでは無く、寄り添う事でずいぶん心の負担は軽くなると思います。

この方法でクレームを受ける事で電話を切る頃には「ごめんなさいね、聴いてくれてありがとう」と言われる事が多くなりました。

この言葉で私もとても嬉しい気持ちになります。

そうならなくて、怒られたまま終わったとしても「あんなに怒っていて、困っているのに。大丈夫かな。」と思う事であまり傷つかなくなりました。

クレーム対応に一番大事なのは共感力。共感力を保つためには平常心と傾聴する力です。

是非、養ってください。

クレーム対応、電話応対以外でもこの二つはとても貴方の役に立つと思います。

TIDでは、300人を対象に使ってよかった人気の転職サイトをランキング形式で紹介しています。スキルアップしたい、今の環境を変えたいという人は一度転職を考えてみてはいかがでしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です